緋色の欠片

おすすめ度 6 満足度 9 どうにも文章送りが遅い

イラスト
シナリオ
システム
配役
主題歌
音楽
萌え
切なさ
ときめき
好きキャラ 真弘、拓磨、祐一、遼

名前変換有り
イラスト回想有り
エンド回想有り
オミクジつき
文章長いので、初回1ルート五時間以上は優にかかったと思います。

イラスト

私の好みだという主観を引いても綺麗だと思います。
イベントに出てくるスチルも綺麗です。立ち絵も画面から離れてプレイしていると眼が若干わからなくなる箇所もありますが、差し引いても綺麗です。同社の出している以前のゲームの紹介に乗せられている絵も綺麗でしたが更に洗練された感じだと思います。
主観ではもっと化け物とか覚醒後の姿をどどーんといって欲しかったですが、十代のお嬢さんがやるゲームという会社側の大前提を考えるとこんなものかもしれません。化け物をもっと化け物らしく、守護者たちをもっとびっくり覚醒にしたら楽しかったなあ。


シナリオ

「伝奇物」「守護者と姫」「葛藤する男性との心の絆」に弱いたちなら気に入るかと思います。そういうのに飽きた方は食傷気味かもしれません。
それぞれの攻略キャラごとにテーマを決めてシナリオ展開しているのでストレートに伝わってきます。
ただし、一貫して無茶だなと思う部分も含んでいるのも確かです。整合性や仕組みが芸術的な推理小説のようにあるいは数式のように美しく帰結しないと我慢ならない人にはお勧めしません。つっこみつつも流してしまう大らかな人にはお勧めです。

出会ったそのときから持ち上げられてちやほやされるわけでないので、はじめから男がみんなヒロインをちやほやしてくれなきゃ嫌だという方にはあわないかもしれません。こうそっけなかったり他の女の子をほめてた男を自分のほうに目を向けさせて仲良くなることに結構燃えるので私は楽しかったです。その点もっと厳しくてもよかった気もしますが。
ヒロインに感情移入したい人は、ヒロインが人格を持っているのでヒロインを好きになれなければあわないでしょう。
私はヒロインは無力なりにあがこうと悩んで前に進もうとしていると思いましたが、人によっては何にもしない、努力しない、とかいう意見もあるようです。購入前に私が他所の意見を見たときにはヒロインを好きになれなかったという意見も多かったですが、一番最初のあたりのなかなかお礼を言わないところに「うーん」と思ったり最初の3章あたりまでの彼女にはなかなか好意をもてませんでしたが、個別ルートに入ってからは結構好きでした。(そして攻略後大分たった今では、珠紀の悪いところもう忘れて好きなだけなんですが)

私はそれほど読んでるだけという気もしませんでした。
ただ好意的に解釈しても、お話が長いことは確かです。長く遊べていいと思うか、面倒くさいと思うかは人それぞれです。よって戦闘なり育成なりがないと嫌だという人には向かないと思います。描写については一字一句注意して読むたちでなく勢いで読んでゆく人間なので同じ描写が繰り返されているとか下手で読むに耐えないとかは思いませんでした。ただ、注意力散漫な私でさえ時折誤字を見つけるので結構多いのかなとは推測されます。ためしに文章を読んでみて合わないと思ったらやめればいいと思います。シナリオというか文章で一番不満なのは「かつん」とか「ずざざざ」みたいな擬音語が音とともに入っているところですかね。コマ送りが面倒だという理由ですが。

日本語がおかしいという指摘も見ましたが、私は気づきませんでした。気づいていたとしてもあんまり気にしないのですぐに忘れた可能性は高いです。

バッド選択肢が多いのも嫌だという人にも向きません。ですがそういうのが好きな方なら容赦なく死にますから楽しいと思います。私はばっさりやられて楽しかったです。おお、こうきたか!!見たいな感じで。

システム

セーブなどのシステムが時間を食うのは若干否めませんが、強制スキップや回想、文章リロードに配役再生、巻き戻しとシステム面は快適です。シーン回想もついているのですが、個人的にはもっと回想を多くしてくれたほうがよかったです。素敵だと思う台詞はその前後にあるので。しかしこのあたりは趣味嗜好が大いにかかわってきますからね。

私がこのゲームで一番ひっかかったのは、つまるところ文章送りの遅さです。
ウィンドウに3行までしかでないというのは全体文章量からしたらかなりもたつきを覚えます。私はかまいたちでももっと文章量を増やして欲しいと思うのでこれだとなおさらでしたね。かまいたちの夜の文章のもたつきで我慢できない人はこのゲームはあわないと思います。
対策としては強制スキップである程度送ってから文章回想で戻って流すとある程度我慢できるでしょう。
配役も再現できるので聞きたいところは聞きなおせるので安心です。更に文章リロードからその場所に戻ることができるので便利。

6章以降は話が大きく展開して二人の仲も進展して恋愛と事件の緊迫性があがって内容に引き込まれていくのでそのもたつきもさほど気にならなくなっていくのですが、四章までは特に遅いです。

システムは親切設計であるのですが、なにぶんにも文章送りが最速にしても遅いと感じたのでその観点から点数を引きました。


配役

キャラクタによって音量にばらつきがあるのはあまり耳のよくない私には優しくないつくりです。 システムでサウンドを低くして音配役を大きくしていてもそうでした。主人公の名前のところを「○○が」の「が」から発音するのもうーん、という感じです。お前とかこいつとか彼女とかそういうので代用してもいいんじゃないかなあ。人によってこれも分かれていてまるきり抜かしてしまう人との差もあり、そのあたりは録音前に統一して決めておけばよかったのになと思いました。

ただ、これは配役そのものよりも音響含めたシステムの不満ですね。


主題歌

とても素敵でした。起動のたびに聞きほれました。歌詞も曲も歌声もまさしく緋色ってこういう世界観なんだというのを最上級の形で届けてくれました。

音楽

ゲーム中の音楽自体もとても素敵でした。世界観が深まっていたと思います。

萌え

私は後からじわじわきました。結構はまっています。

切なさ

攻略対象によってばらつきはあるものの、切ない気分には浸れました。


ときめき

腸がよじれるほどの甘さはないです。腸がよじれるほうがストレスは発散されるんですけどね。とはいえ私にとって腸がよじれたのは初代アンジェですからそのあたりはあんまり参考にならなかったらすみません。

総評

キャラクターはそれぞれに魅力的です。
最終的には萌えれるキャラがいるなら楽しめるでしょうから、萌えセンサーしだいでしょう。
各所で評判の真弘先輩ルートはとってもよかったです。ですが、拓磨も祐一先輩もとってもよかったですよ。






以下ネタばれ満載プレイ日記











一周目真弘先輩様を狙ってみる

わかりやすいつくりなので名前だけでみなの力の源がわかります。
鬼で強い腕力、鴉で風、狐で幻術、蛇で水、犬が言葉。狗は嗅覚。
この犬なのに言葉というあたりで「ほえ?」と思いましたが、やはりそうでしたね。
言蔵なんて名前のキャラがいるんだからそっちと関係あるんだって思わないわけがない。
美鶴ちゃんに似てるなんてヒロインもはじめに思うわけだし。更に他に狗がいるあたりであっちがホントの犬なのね、と気づく。狐と犬の個別ルートに入らなくてもわかっちゃうあたりが少し切ないですが。
言葉ってすばらしい。

一周目の第一章のはじめのほうでで私は「あー、おばあちゃんは孫を封印のためにいけにえにしようとしてるわけねえ」と気づきましたが、人によってはもっと早くから気づいたんじゃないでしょうか。名前と伝奇物というだけでうすうすそんな気はしていたというのもありますが。
とはいえ、はじめは他所で絶賛されている真弘先輩を狙ったので生贄になるのが先輩だったので肩透かし。拓磨との共通ルートの中でヒロインが生贄になるような感じにほのめかされているのでそのあたりもう少し細かく分岐していればよかったなあと思います。覚醒してなくても生贄になれるというルートと覚醒してなきゃ駄目だというルートとでお話の根の共通ルールというべき設定にずれがあるのが気になります。
二番目に拓磨をプレイして思いましたが、やっぱり最初は拓磨からというのが製作者サイドのプランなんでしょうね。
一章の一日目で見る夢関連の謎は拓磨のルートで明かされるわけですし。神代からの恋ですし。

真弘のルートのテーマは「生きるということ」に尽きるかと。
悲劇性は一周目でルートに入れる真弘と拓磨がダントツなきがします。
愛する人が殺される。愛する人はその運命を受け入れようとしている。それを何とかしたいもどかしさでどうしてそんなことになるのかと何とかして助けたいのだとあがく珠紀は懸命でかわいいと思いました。

確かにはじめはあまり好きになれなかったけれども、誰かのルートに入ると彼女はとても懸命でかわいいと感じます。生まれたときから覚悟と努力を強いられてきたメンバーとは違うんだから、無力に歯噛みし何とかしたくてもなんともできないというのはむしろ好感を覚えます。強く超然としたヒロインも好きですが、悩んだりうじうじしたり怖がったりするヒロインも好きです。このあたりは嗜好ですよね。
全員のルート通して彼女は外からきたからこそ小さな村社会の因習をためらいなく壊せるわけです。
コミュニティの一員はそのシステムの必要性を叩き込まれているわけだからなかなか壊せない。反するものは村八分にあうわけですから。村の人たちの視線をもう少しはじめから細かく取り入れてくれていたらより閉鎖的な村の感じが高まってよかったのではとも思いますが。学校での視線でそれが表現されているのかな。

真弘はイベントがいちいち盛り上がるので彼のルートはとてもよかった。
死ぬ日のために戦ってきたということと生きるために戦うということは違いますから、真弘に用意された敵は魂のない生きようとも思っていないただ死を望むツヴァイなわけです。どんなに無様でも格好悪くても最後まで生にしがみついてあがく。
エンディング後はどうなんでしょうかね。主人公は若いので壊すだけですが、壊した後は直して皆生きていかなくてはいけないから倒せば終わりなんてことはない。今まで村人に生贄を強いてきた神社はだんだん苦しいことになっていくでしょう。脅威が去った後のほうが人間はより恐ろしいですから。しかし村人たちも承知している現実を守護五家の人間だけが知らないのはどうなんだろうか。そのあたりもルートによって異なっているのでなんともいいがたいですが、それだけカミの末裔たちが隔離されていると考えるべきなら、祐一のルートも引き立つのかも知れませんね。

やっぱりひっかかるのは、ラストで両親に「たくましくなって」と泣かれてしまった云々。母親は七五三の儀式を受けさせずに娘を守ったはずなのに、こうして祖母の下に娘をやっているわけですよね。何もないわけがない。納得ずくのわけです。それで一緒にこれからも暮らしていけると親は思ってたんでしょうか。珠紀はおばあちゃんを一生懸命に庇おうとするほど心根の素直な子だとしても、親の側はあまりに身勝手な気が。まだ十代の娘を突き放したんだから、と思ってしまいます。



拓磨

拓磨のルートも悲劇的で盛り上がりました。
彼のテーマは「力」なんでしょうか。
拓磨のルートは真弘先輩のルートとかわって封印のために殺されるのは両方になるのでどちらも相手を助けるために死を覚悟したり、相手を助けるためにすべてを敵に回す覚悟を決めたりとラブが盛り上がってドラマティックになってます。
恋のライバルの美鶴ちゃんも入ってきていいんじゃないですかね。
美鶴ちゃんをはさんだ三角関係はそれほど盛り上がりませんでしたが、そのあたりは後の人に譲ります。

拓磨は1000年よりもずっとずっと昔、文章読むと何万年も昔に愛ゆえに玉依姫が刀を渡しちゃったカミさまなんですよね。そのときの玉依姫はあの文章見るとカミなんですよね。(外典確認すると初代のカミだと記されていました)

一番最初の守護者なんだといって二人の絆は深まるわけですが、あの村アレでどうなるんでしょう。
おばあちゃん死んじゃうし、卓は卓ルートほど策謀頑張んないし。
芦屋も他のルートほど国側に「あんなのよこしやがってよ!!」といちゃもんつけれるほど暴走してないし。
山狩りするほど村人は負の面をさらけ出しちゃってるし。
皆の責任を表に立って受けてくれるおばあちゃんが死んじゃったらちょいと面倒ですよな。
あの話他に大人たち出てこないしさ。
そんな中、一応全部理解してると思われる珠紀のおかんは娘呼び戻したりするし。おかんも意味不明だよなあ。娘を生贄に出す覚悟で送り込んだわけでしょ?いけしゃあしゃあと平気で呼び戻すのがすごいよ。それともここのルートでは「村の大人はみんな知っている」というその範囲は狭まるんですかねえ。

化け物の姿といいますが、私は格好良くなったと思います。真弘先輩の鴉の羽も素敵でしたが、むしろ彼らは常にそのままでいてくれていいです。

祐一先輩

異端であること、でしょうか。あるいは受け入れること、傷つくことに対する恐れ、なんですかね。
しかしですね、祐一先輩は間違ってますよ。あんな美形で異形っていったってかわいい狐でふさふさ尻尾でどう考えても触りたいし顔をうずめたいですよ!!ずっとその姿でお願いしたいですって!これがアメーバだとか蛙だとか触手だとかなら愛も揺らぐだろうけどあれなら揺らぐわけない。
やたらと人間と妖怪であることを気にしていますが、最初の共通ルートでどんなものにも神様が宿っていて妖怪に見えても神なのだという定義をぶちかましているにもかかわらず、どうしてそこで妖怪だと悩むのか。
鬼のルートで玉依姫は封印の力を与えられた海のカミの娘でやっぱりカミなんだよね。なら玉依姫も人外で異形じゃないっすか。先輩、悩まないでいいと思います。本当。
狐の祖先はヤタガラスが命惜しんでためらった時に死んだ狐なんでしょうか。
するとここでは二つのルートは共通した伝承に基づいてるわけですよね。
じゃあ、最初の守護者になったらしい鬼は何してたんですか……?まさか狐とラブってることを拗ねて助けに来なかったわけじゃないですよね?利用して殺した女が他に優しくしてくれる相手と心を通わせたからって助けにこないなんてさすが鬼。鬼畜ですな。……まあ、おそらく、こっちでは更なる過去はないことになってるんだよね。その流れで玉依姫も人間なんですか。

狐ルートでは好きだから離れていこうとする焦れったく切ないラブを堪能できました。

私は祐一先輩がかなり好きらしく、一番繰り返して遊んでいます。
ストーリーとしてははじめの二人のほうが盛り上がっているので、単に好みなんだと思います。でも、たまに出てくる真弘先輩がかっこいい……!!拓磨のときもそうだったけど、祐一先輩と真弘先輩は他のルートに出てくるときも格好いいんだよなあ。思わず捨てて先輩たちのところに行かせたくなっちゃいます。

狗谷遼

テーマは理想、かな。
慎司が言霊使う辺りで変だなとみな気付くと思うんだが、本当の犬。
彼は犬らしく落としたらどこまでもぞっこんラブと言う感じで。あっちにつきこっちにつきの犬飼くんはまあ、こっちこそ狗って気もしますが、従者としては遼のほうがはるかに犬属性。大型野良犬と小型犬って感じですかしら、あの二人は。

芦屋がラスボスでやっときたー!と。だっていっつも胡散臭くてさ。余計なことしたり場を引っ掻き回して泥沼作っていったあの公務員。何度殺されたかわかんないけど、とりあえずラスボスでぶちのめせて気分爽快。アクションゲームだったらもっと気分爽快だったろうになあ。
だいたいあの駄目男、散々他のルートで世界を守るためなら君を殺せるよとか、他の人間が死んでるんだから真弘はさっさと死ねとか、理想を言いながら命を惜しんで逃げるのかとかいいくさってからに、自分は神になるって何ざますか!
いい年して楽園ってなんだよ、ホント。
清乃ちゃんはまあ、駄目男好きということで親近感がわくのですが、変身後のいまいちな異形姿といい勘弁して欲しい男でした。別に嫌いじゃないけど、こんな僻地に飛ばされるのはほんとのところ窓際じゃないのかとか。だって、上はそれほど鬼斬丸とか信じてなさげじゃないですか。しかもあれだけのアクションショーなのに、二人しか公務員派遣されてないし?外は典薬寮が包囲しているって発言はあったけど、それは公務員がずらーっと包囲しているって思っていいのかなあ?そんなにいるの?典薬寮職員。警察とかに派遣頼んだのかな?それならありえそう。まあ、国は胡散臭くて信用ならないっていいたかったんだろうか。

遼は俺さまな独占欲が強くて楽しかったです。
それに美鶴ちゃんと仲良くできて嬉しかったですよ。ただ、……美鶴ちゃんはこのルートだと覚醒が口付けだって知ってるんですよね。他のルートだとどうなのかわからないんですが

大昔からそばで一人姫を守り続けてきたそうですが、そのとき鬼はやっぱりどうしてたんでしょうか。犬のほうは無視して記憶から抹消したという可能性も無きにしも非ずです。鬼のときには誰も助けてくれなかったそうですから、犬はそのときいなかったんだろうなあ。つーと、犬はどこから守護者になったのよ!
鴉狐蛇の戦いのときも犬いないじゃん!!大昔っていつよ!!
そのへんの設定をしっかり教えてくれないと、私が二次創作するのに差しさわりがありますよ。教えて欲しい。ビジュアルブックとか買わなきゃ駄目?(買いました。が。謎はぜんぜん解けませんでした)

覚醒後はちょっと間抜けなお姿なきがしました。猫じゃなかっただけよかったんだろうか……。

大蛇さん

いまいちテーマが見えづらく。
考えられるのは生贄制度の被害者ってことなのかしら。でも狗もそうだしなー。

鬼は利用した罪悪感と愛情から守護者になり、カラスは一人生き残ってしまった罪悪感(真弘との二度目のキスの時のを深読みすると、玉依姫のそばにいたくて生にしがみついてしまったと思えないこともなく)。狐は姫が好きだから喜んで死んで守護者に。その辺りはわかりました。
しかし蛇はその辺りどうなの。何で守ってるのか不明。1000年前に特別な何かはなかったのかなあ。純然たる契約なんだろうか。居場所を奪われそうになったので契約しただけ?

卓はあんまし出てこないし、何より覚醒後は髪が長いだけでさ!!髪の毛を蛇っぽくしてるのはわかったけどつまんないよ!!どんなおもろい姿に変わるのか楽しみにしてたのに!!鱗とか肌に生えると思ってたのに!!鱗ができたら多分私ははまったと思う。

このルートは悲恋の女清乃ちゃんが生き返るのですが、芦屋はなんで助けたんですかね。遼のときは助けなかったのに。珠紀ちゃんはお優しいので本当は悪い人じゃなかったのかななんていってますが、いい年して楽園なんていってる男がまともなわけないじゃないですか。このルートじゃなかったかもしれませんが、清乃ちゃんは芦屋に殴られたり散々しながらも最後まであの男のことが好きだったみたいでした。見事なまでの駄目男好き。これこそDVに耐える女なのかもしれません。新しい恋をはやく見つけてほしい。
大学時代の彼氏も絶対駄目男ですね。珠紀に遼はやめた方がいいよというのも、芦屋とつながっているから警告というよりも、本心でしょう。以前ああいうタイプの男と付き合ったことがあるに違いない。

慎司

テーマはプレイ中はなにか考えてたんですがおわったら忘れました。
美鶴ちゃん、遼のときはお姉さまっていってくれたのに!あまりのご乱心ぶりに動揺。顔そっくりな兄妹じゃんよー。

玉依の血筋なのにどうして守護者に。もしかして守護者って選んで心が通えば誰でもなれるの?それともいっそキスするだけならこころなくてもいいのかな。……じゃあお婆ちゃんは過去に片っ端からキスしまくったのかな……。おばあちゃんは私には連れ出してくれる人はいなかったと悲しそうにいっていたから、心が通じあったキスはしてないんだよね。ああ、しかしそれも鬼ルートにのみ適用される基準なんだろうか。唯一無二が狗ルートのみで通じる基準でさ……。

血につくのが守護者の力ならどう考えても養子っておかしい。美鶴や慎司が玉依の分家としてスペアの要素をもっているような記述がルートまたがってちょこちょこ出てくるのに犬だって分家の狗とかからひっぱってくるだろ、普通。

力が強すぎるというよりも、ご乱心しやすいから、な理由にしたほうがよかったと思う。だってあの兄妹になんど瞬殺されたかわかんないよ、私の操る珠紀。
慎司君には、結構殺されたのでなかなか攻略する気分になれませんでした。
拓磨のときはお互いの絆の関って感じでむしろ気分よく殺されてみましたが、狐のルートとかで慎司に殺されるのは気分悪かったですもの。
もうあの兄妹は二人で完結していて欲しい。その意味で狐のときはほほえましかった。
慎司ルートでの美鶴ちゃんの泥沼三角関係は盛り上がり見ているほうはきわめて楽しかったですが、慎司君は美鶴ちゃんにご贈呈したい気分です。

言蔵美鶴

薄幸の美少女。
ルートによって彼女も大分変わります。一番輝いているのはやはり慎司君のルートでしょう。激しいご乱心ぶりに見る目が変わりました。
その前にお姉さまと呼ばれてちょっと嬉しかったので切なさ倍増。

彼女はどのエンドでもその後自分が手を汚してきたことの責任からは逃れられないと思うので辛いでしょう。中途半端に近代化しているから美鶴ちゃんは罪の意識に悩まされていたのでしょう。完全に村のルールに支配されていたら罪悪感なんか抱かないでしょうからね。拓磨悲恋エンドで村人たちが頭を下げたという描写がありましたが、それは自らの行いについての謝罪ではなく、鬼きり丸を封印したという巫女の務めに対しての礼のように読め、村のルールでは罪悪感など抱かないという表現に見て取れましたし。
ただまあ、閉鎖された村のままなら封印のために仕方ないですみますが、外からやってきた珠紀によってくびきを放たれたらそうは行かない。近代化したら村の自浄作用は機能を失いますからね。

美鶴ちゃんが男の子だったら、憎みつつも愛するという素敵などろどろラブストーリーが展開したような気がしてもったいないと思います。
ヒロインに反感を持っているという割りに、遼はちょろかったですもの。だいたい遼の反感は手を下してきたおばあちゃんたちに対するものであって綺麗なままのヒロインには甘いにおいなどといって最初から骨抜きです。
その点美鶴ちゃんは綺麗なままのヒロインがにくいわけですから、なんかわくわくするストーリーが……!!こう汚してやろうとしてみたり!その反面綺麗なままでいて欲しかったり!!どきどきします!!



宇賀谷静紀

おばあちゃん。
おばあちゃんは、実のところ封印を守ることを第一だと思い込もうとしていただけで全部壊してしまいたかったんじゃないでしょうか。
閉じた世界に外部のものが入るということは穴を開けて空気を入れることです。異邦人は村社会では福の神か災いの元かそのどちらかになることが圧倒的に多い。福の神のときは異邦人の財貨を奪って自分が財をなす場合。災いは変わらない村を変えようとしておこるいさかいで、結局旅人は殺される。
あんな小さな村に逃げ出してリベラルな生活を送ってきた孫を呼び戻すこと自体がすでに計画の破綻です。異端である孫は散々暴走して力の限りぶっ壊していきますよ。慎司ルートを見る限り美鶴たちでもある程度何とかできるみたいなんだから、本当にどうにかしたいならあんなはねっかえりを呼び戻すわけがない。
他に手段がなくて呼び戻したにせよ、それなら言霊の力でずっと幽閉とかそれぐらいしないと。何も教えず玉依姫は鬼切り丸を封印して世界を守るのですなんていうだけならそりゃ思惑と違う方向に突っ走っていくに決まってます。覚醒するかもしれないとか何とかおっしゃってましたが、覚醒しなくても生贄にはできるみたいじゃないですか。まあ、ルートによりますが。教えるならもっと誘導しやすい情報を教え、教えないならまるきり教えず調べまわらせないのが一番です。与えたい情報だけ与えるなら齟齬のないもっともなつくりものを口伝すりゃいいんです。疑問を持たせずマインドコントロール。

あの矛盾に満ちた行いはピリオドを打ちたかったからなのだろうと受け取りたい。



春日珠紀

彼女の公式設定は
高校2年生、17歳。
元気で前向き、有言実行な性格。
社会的な習慣や協調性を思いやるタイプで、
向こう見ずな割に意外と保守派。

神社仏閣めぐりが好きな理由は本編では何も語られず、巫女だからにしても理由なし?と釈然とせず。更に神社仏閣めぐりをするということはその神社の来歴や祀る神様についても詳しいはずだし、八百の神という言葉に「?」となるのもおかしくなる。

明るく前向きにしては結構悩んでいるので、「最終的にはきちんと乗り越えられるのだけれど転びやすく悩んでぐるぐるしてしまう。前向きというより無鉄砲でけれど必死。社会的な習慣を守るというよりも彼女が所属していた都市部の近代的常識にのっとっていて協調性というよりもみんなが仲良くできたらいいなあと思いやれる子」という風に性格を捉えることにしました。ルートによって性格は少しずつ違うのですが、そのあたりは好きな人に好かれたい女心ゆえと認識します。

あの村やおばあちゃんは怪しさ満載なのにまるきり気づかないってのも見えないものが見る感覚の鋭い珠紀にしてはへんだし、あまりにお馬鹿に見えてしまう。そのあたりも補正。結果、別人に成り下がりました。

全体通して

片っ端からキスしまくらせて守護者そろえてみたかった。
変身した六人並べたら無敵ですよ。瞬殺じゃんね。
代々の玉依姫がなんでそうして破壊しようと考えなかったのかが不思議でたまらない。もしかして手元に核兵器を置いとくことで回りの威嚇にして自分たちの安全を図ろう、みたいな考えがあったのかなあ。

あと全員に共通するけど、その後が大変そう。反抗を封じていた刀の驚異がなくなったらあとは生け贄を強いてきた神社に憎悪がむかうし、村人どうしでもそれ関連で汚いことをしてきたすべてに覆いはかけられない。大変だろうな……。芦屋がラスボスの時は芦屋の暴走をネタに国の口出しを封じれそうだけど、それでも刀の封印維持のために成り立ってきた村はそれがなくなれば消えるかもしれない。国が村人の移動を禁止すれば別だけど、家族を差出し隣人を差し出してきた記憶をもって村に居続けるのは大変だろうからでてゆく人も多いだろうし。

美鶴ちゃんはずっと手を汚させられた苦しい記憶を抱えて生きてかなきゃいけないことに変わりはない。そのあたりは大人が悪いんだけど。子供に手を汚させるのはやっぱり大人として最低です。おばあちゃん一人が悪いわけじゃなく、彼女の両親もまた悪いわけです。
珠紀の母親も、どの程度理解したうえであの村に娘を送り込んだのか次第ですよ。その辺さらりと流されてるのでわかりませんが、理解していたら母親は娘を生贄として送り込んだってことになるんだし。おばあちゃんの話だとお母さんはそれを拒んで村をでてったはずなのにねえ。だので祐一先輩のエンディングで擬似親子で旅立つのはだから結構納得。珠紀は親に捨てられて、親を捨てたわけで、捨てた親を許し愛することをやめないアリアと一緒に旅立つってのは暗示的じゃないですか。どのルートでも、すぐに村に戻ってくることにはなるみたいですが。

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