おすすめ度 7 満足度 8 乙女が恋を知るまでの物語、もしくは親とはありがたいという物語
| イラスト | 8 |
シナリオ | 7 |
システム | 7 |
| 配役 | 8 |
主題歌 | 8 |
音楽 | 8 |
| 萌え | 7 |
切なさ | 6 |
ときめき | 7 |
| 好きキャラ | サーリヤ、ファラーシャ |
ブランド:SPICA
ジャンル:恋する乙女活劇AVG
発売日:2009年5月1日
公式にパッチあり
苗字固定名前変換あり(デフォルトネームでもよんではもらえない)
ガーネットクロニクルという名の全シーン回想あり、イラスト回想あり
ミュージックモードあり
クイックセーブとロードあり
バックログ、スキップ、強制スキップあり
キャラごとに音声オンオフ可
ディスクレス可
コンプまでプレイ時間20時間以上
以下、敬称略
プロデューサー/CARNELIAN
ディレクター/片桐由摩
シナリオ/片桐由摩、高梨瑠花
原画/雲屋ゆきお
音楽/Elements Garden
原画/雲屋ゆきお
ここのブランドは、多分トップの絵柄に似せて全部やっていきましょうという方針なのかなと思います。概ねえっらく美しいものばかりなのですが、一言だけ。
キイチはグラフィックの面でなんだか冷遇されているのではないか。
あと、背景がとても綺麗です。イスラム風の建物や廊下がとても美しかった。
シナリオ/片桐由摩、高梨瑠花
後半がほとんど変わらないのはこの形式と設定のゲームだと、魅力を半減していると思う。要の部分となる誓いは絶対に入れたいのだろうなとか、あとは予算の都合とかあるのだろうとは思うのですが、もう少し変化があったほうが、設定的に楽しめた。
ただ、本をめくっている感じで進むゲームで、章立てされており枠外にはなかなかいけないのだということを強調したい部分もあるのかなと思う。金太郎飴については前記のような解釈もできるけれど、そのあたりもう少し。
章立ての関係上、あと設定上、視点の移動に少し戸惑いました。どこの場でどの時点でのことなのかということが、少し解りづらい。夢よりも、章を読むところと章を読むキャラが語り部のようなことをしているところが、キャラの配役の聞き分けのできない私には特に難しかった。
あと特に目立って感じたのは、女の子キャラたちによる姫の大絶賛、そして女の子たちが姫をものすごく大切にしているということを半端なく徹底させたなと。友達キャラに大事されているシチュエーションが好きな人には、ツボじゃないかと。
あとは個人的に、メインヒーローが決まっていて、攻略制限もあるので、ひたすらその彼とヒロインの美紅のための物語じゃないのかなあとか思いました。
音声のボリュームがどうやらPCの元音量をいじるようで、いつものようにイヤホンつけてたら大変な目にあいました。これは正直、痛い。確実なのは起動のたびにそうで、コンフィグ画面出したときも何らかの条件でそうなっていたようで、もうなにがなんだかどうなんだか。少なくとも強制スキップについての項目をかえるたびに音が馬鹿高くなりました。コンフィグ画面自体も可愛らしくおしゃれなのですが、いちいち設定をOKでセーブしなきゃいけないのもちょっと面倒。
ただ、ガーネットクロニクルはそのシーンの回想が全て出来てとても便利だし、チャートで見えるのも体系を意識でき、かつ本を意識できてとても良かった。あとスキップもはやかった。これは便利。ディスクレス可なのは、やはり長い期間かけてクリアするときはとても便利だとあらためて認識した。
サーリヤ 立花慎之介
勅使川原透矢 近藤隆
白土楓 寺島拓篤
西蓮寺理人 柿原徹也
櫻沢輝一郎 平川大輔
迦神 古沢徹
白土椿 結本ミチル
野々瀬実咲・ファラーシャ 松本恵
主に章題で、千夜一夜を意識させようという狙いなのか、朗読風に話しかけてくるのですが、……耳が悪いので、その読んでいる人がどのキャラなのかがいまいちわからなかったので、若干引いています。
もっとわかりやすく分けてほしかった。
「……」のところで喋っていたりするので音声は切らない方がいい場合もあるかも。
ゲーム主題歌 『ガーネット・クレイドル』
作詞:片桐由摩、作・編曲:藤田淳平 (Elements Garden)
Vocal:長瀬弘樹
エンディングテーマ 『微睡む月の夜のアリア』
作詞:片桐由摩、作・編曲:藤間仁 (Elements Garden)
Vocal:サーリヤ (立花慎之介)
アラビアンを意識させられる部分とよくわからない部分がありましたが、アラビアンっぽいのは楽しかったです。もっとアラビア風でも私は良かったんじゃないかと思うのですが、好き好きだと思います。
サーリヤが苦手な場合は、そこでやめればいいだけだからそれほど問題はないが、サーリヤが好きで他のキャラが苦手と来ると、コンプまでの道のりが長さの割りに険しくなると思われる。
設定的に恋愛の切なさ燃え上がる恋、何を犠牲にしてもとにかく燃えて燃えて燃え上がる恋、みたいなんですが、これはゲームシステム的なものもあって、ちょっと……。
ゲームの構成の話になりますが、途中でここから章がわかれますよと、直接的に選ばされてキャラのルートに入るので、そのせいで、なんというか、設定の割りに美紅が運命の恋におっこちてる感じがしてこない。そのせいもあっていまいち切なくなりきらない。
恥ずかしい台詞とシーンは山ほどあった気がするとくにリヒトとかで。あとはトーヤが結構。キイチは微笑ましい恋愛シーン。サーリヤは王子と姫。
ちょっと、金太郎飴過ぎる部分が引っかかります。
その金太郎飴の部分が入れ子構造を強調している部分もあるのかなとは思う。
しかし、一章終わって、物語が始まるまでちょっと入り込めない部分がまずあった。そして入ってからは、特にラストの誓いがどうしても入れなきゃいけない部分なんだろうなあと思いつつも、そしてサーリヤのいい人っぷりも彼への愛着を抱かせるという点で必要なんだろうなあと思いつつも、ほとんど同じなのでだれる。確かに愛着は持ったが、いつも同じなので、五人しかいないにもかかわらず、結構大変だった。
設定と主題的には、もっと美紅に必死に恋愛させた方がいいんじゃないのかなとも思う。二幕に入るときの選択肢が、いくら本を読んでいる形式をとりたいにしても、なんだかあからさま過ぎてかつ経費削減したかなあという気がしてならない。一幕のあとは、一回目と二回目までは意図と演出によりひきこまれるけれど、続くとその部分にまただれる。キャラルートはクロニクルであそこまで綺麗に分かれていると解りやすいし、何度も読んでいる本という認識も強まるけれど、美紅が誰よりも激しい恋をしてる感がそれで損なわれているような気がする。
個人的には、もう少し美紅が何か頑張ったから、結末が変わりましたという醍醐味を味わいたかったような気もするのですが、恋愛によって色んな感情を覚えるという目的は達成しているから他の人からの評価は高いような気もするので悩ましいです。
音声が大きくなって毎回直さなきゃいけないのも地味にストレスでしたから、引かせていただいています。
ただ、少女向け恋愛ゲームとして、少女が暖かな母子関係を脱却し男性との恋に心を燃え上がらせるという部分が強調されているので、その部分を好む人は多いのではないのかと思って7にしてあります。
というのが比較的冷静な意見ですが、個人的には2009年夏発行の薄くて高い本も買いましたし、サントラも買いましたし、ファンディスクも買う気満々です。サーリヤに萌えたから。
ディレクター兼シナリオさんのブログにて書かれている攻略順で頑張ろうと思います。
キイチ→トーヤ→リヒト→楓→サーリヤの順です。
ディレクターさんのサイトに伺うと、メサイアとかの宣伝がいっぱい張ってあって、絵の感じとか似てるので、ちゃんと調べてませんが、CARNERIANさん率いる会社でプロデューサー、ディレクター、シナリオ、原画のポジションの方たちはよく一緒に組まれているということなのでしょうか。わたしメサイアはやってませんが、そして僕のいない朝が何とかってほうは、人気の高いBLだったような気がするので、このゲームにも自然と期待が高まります。
この子こんなに満たされていて問題ないのに、なんでそんなにさらに過保護にしなくちゃいけないのかのあたりとかが、ちょっと初めのうちはついてゆけませんでした。グラフィックもアラビアンな衣装の美紅の方がかわいかったし。あとここまで個性があるなら、配役がついていても構わないと思う。
物語の真相を追う順番だから仕方ないが、サーリヤが一番気になる私にはけっこうな試練です。
サーリヤは猫のサーリヤでファラーシャはオウムだというのが、物語のかなり初めの方ではっきりと答えとして記述されますね。繰り返すうちにわかる方が続ける気力がわいたかな……。しかしそんなにウィスキーボンボンがすきか……なんか買ってあげたくなるよね。
なんというかあれですよね、これはアミーラアモーレアミールって感じですね。
キイチ先輩のルートは「おかあっさあああああん!!!!」につきます。
魔法失敗しちゃったなんて、なんてうっかりさん。かわいいおかあさんだった。
どうでもいいですが、16ぐらいの子供が、本人たちが愛真っ盛りで向こうの世界捨ててこっちで幸せになります! とか言い張ってるならまだしも、お父さんとお母さんが心配してるから帰ります!! といってる場合、「帰せよ、当たり前じゃないか、お前らが300パーセント悪いよ」とイブリースとエマに向かって思った次第です。人の恋路を邪魔するやつは何たらありますが、他所の子供の人生めちゃくちゃにする大人はもう駄目だろあかんだろ、人間失格だろ……。関係のないところで幸せになっててよ……甚だしく迷惑な人たちでした……。まあ、人間じゃないのかもしれませんけど。
子供たちは幸せになってよかったと思います。サーリヤはキイチと良い友情を築いており、二人ともいい人たちでした。
ループが始まってからは楽しかったのですが、ループはいるまではちょっと続けるのが大変でした。キイチはとてもいいキャラだったし、サーリヤルートでとってもいいお兄ちゃんやってるところもよかったです。ただ、同じハーフというのが、親の辿った結果がサーリヤと楓にいかされているのは解るものの、強い特徴というよりもちょっと地味になっちゃう傾向はあった気がしました。
これは結構「……」のところにも台詞指定が入ってるゲームでしたね。しかし先ほどのルートでちょっと思いましたが、恋愛に積極的じゃないぐらいで現実を拒否していてこっちの世界で流されるように眠って消えてしまっても良いといわれるのは、どうよ……。普通にこの子、お母さんのこと好きで、おばあちゃんのことも好きで、友達のことも好きで、生きていくこと自体にはなんの絶望もしてないじゃないのよ。恋愛に一生懸命じゃないだけで勝手に決め付けないでほしいんだが、エマ。
まあなんというか、こういうゲームの割りに、購入層にもうこんなゲームやってる場合じゃないでしょ!! 現実戻りなよ!! と高らかにいってくるゲームばかりこのところ立て続けにやっておりまして、さすがの現実逃避スタンド使いの私もめげそうです。
……まあ、心の壁は張りなおしましたが、トーヤはあれですね、小さい美紅が星座教えてと言ったから星座覚えたとか、そんな初恋の相手に気づかないとはあんた、もう、らしいとしか言いようのないへたれぐあいですね。しかし今書いていて思いましたが、眠り姫にしないようにと思っている割に、お父さんとお母さんは、美しい紅なんて名前を娘につけてどうするんでしょうか。赤いゆりかごから出てこれなくなりますよ。そのまんまじゃないですか、マジで。まあ、生まれてすぐにつけた名前だろうから仕方ないのかもしれないですけど。
補修クラスには大笑いでした。いやあ、確かに君は補修クラス受けたほうがいいかもしれない。
美紅側の親族が用意した相手なだけあって、テンポがあっていてぴったりの恋人でした。
しかし水鏡が正直洗面器に見える。彼はそのうちしっかりと美紅の尻にしかれて、亭主関白に一瞬見えても実質は完全なるかかあ天下であり彼の下克上は不可能だということが明らかにみえみえになることでしょう。
そうちゃんとお父さんがお星様になったそうなので、そうちゃんといえば楓なんじゃないのかと思い、そっちも気になるのですが、シナリオ、ディレクターさんのおすすめどおり、次はリヒトにいきます。日仏ハーフ設定と公式のトップのキャラ説明にありますが、名前がドイツ語なあたりが、伏線でしょうか。どの光が見えますかとか、ガーネットクレイドルに満ちる光やらもでてきますし、きっとなんかと関係あって名づけられてるのかなあと思います。とりあえずここまでいっつも楓に惨殺されてきたリヒトもいい加減死なないルートをみてやりたい。……いやあ、いつも清々しいほどに惨殺されてたよね……。だからなんつうか、小悪党感が拭えない子ですよね。他の姫も惨殺というのについては……まあ、夢の世界からの強制送還で現実世界では生存しているそうですから乙女ゲ攻略対象としてはギリセーフ?
いっつも悪巧みしている人が、自分に彼女の気持ちが向いていることでたいして活躍しないせいで、美紅の心の悩みのが多くでてきます。……いやあ、世界のため死ねといわれるよりは、いいだろ、好きな男作る方がまだ。とか、ホタテのひも片手に他人の恋愛鑑賞している私は思いますが。まあ恋愛嫌悪症、恐怖症なんでしょうから、ホタテのひも食べて頑張ります。こんだけトラウマになってるから、よっぽど小さい頃から大好きで強くて綺麗なお母さんがお父さんのことで泣いてるのみちゃったんだねと思うわけですけど。こんなふうにお母さんのこと好きだからこそ、いなくなったお父さんへのわだかまり→恋愛に躊躇、なんでしょうから、ほんと、別に現実拒否してないと思うんですけど。エマは失礼です(まだいっている)。
しかしみんな一途ですね。トーヤが現実でもこっちでも生まれながらに王子なだけあって、リヒトはここでは努力型の王子になりたい人なだけになんとも。まあ、それでトーヤが嫌いなんですかね。……まあ、病んでいる人枠なわけですが。そしてへたれ。……へたれだな。なんという、……エマが嘘つきなのはまあ確かなので、小さな男の子とあったということを真実とすると……この不安定っぷりはずっと長いこと植物コースですか? ……。美紅にとってリヒトが初恋の相手なんだと思いたかったんですが、やっぱりへたれのほうがインプリンティング系初恋執念型でした。サーリヤに関してはサーリヤのお母さんが美紅用に作成した王子ゆえに嫌いだったそうです。そんな迷惑な。そんな理由で人の家壊しまくってたのあんた。……早く目覚めて出て行ってほしいです。ラストに正体ネタ晴らししてくれましたが、帰れなくなったあと、やっぱり植物……ではなくどうなってたんですかね実体。親びっくりしただろうな……。戦いでトーヤとキイチよりも頑張ったのは、術師の才能とそこで過ごした年月加算で努力と才能の勝利ということでしょうか。
(振り返ると、別に他の姫を強制送還しなくても、そもそもサーリヤは美紅仕様ですし、リヒトも自分で自分を美紅仕様にしていった人ですから、他の子には他の子の王子が選ばれたんでしょう。なら、放っておけばそれでよかったんじゃないのと思いました。
トーヤやナスルも美紅仕様であるのは間違いないです。ただ、キイチに関しては、美紅のためではなく、サーリヤのためにお友だちになってくれそうな子を探してきたんじゃないのお母さんたち、みたいな感が拭いきれませんが。)
あと残り二人。ヘタレ不安定に毒殺されそうになっても病んでる直情的な人を助けに来てくれた、涙が出るほどいい人なサーリヤさんに行く前に楓です。正直ミフターフの皆さんは迷惑すぎると思います。
サーリヤさんはキイチとのお別れがやはり一番悲しそうでした。友情ですね。他の人のときにも俺の友人を死なせるわけにはいかんとか何とか言ってますが、きゃんきゃんかみついてくるトーヤはまだともかく、優しい言葉で騙して毒殺しかけるリヒトまで友人というあたりが人が良すぎるのか器が大きすぎるのか、ルートが楽しみです。
文芸部に人が入らないのは三人で完結しすぎてるからだと思うんですよねえ。幽霊部員だけでもいいからといったら、三人が卒業したあと結局つぶれるじゃん。
小さい頃にお星様になったそうちゃんあたりかと推測つけてたら、微妙に違いました。そして、何故彼だけあんなに押し倒した後頑張っちゃうのかと思っていたらそういうわけでしたか。種族の特性ですね仕方ないです。
とりあえず楓編の美紅は頑張りました。そして超強い楓のときは猫っぽいサーリヤがちょっとだけ物を届けに来てくれるついでに幻破ってくれたっぽいだけでした。しかし父さん(イブリース父さんだよね?)のせいで脳内麻薬で苛められたあげくいつもみんなにぼこられる気の毒なサーリヤは、それでも助けに来てくれるのでした。……ひどいよみんな。
そんな度を越えたいい人なんじゃね? 疑惑が高まるどんな人でも友達といってくれる寂しそうなサーリヤさんを救済するターンがやっときました。……いっつも無償で助けてくれるのに、ちっとも報われない人でしたからね……。
すいません、竪琴引いてるお母さんの一連のシーンで、ひどいよお母さん!! みたいな気分になったんですが、なんすか、あれ、白いでかい豹と褐色の肌黒い髪のお母さんとの間の子だから、黒い家猫なんですか!? なにその飼いならされちゃいましたみたいなの!! いや飼いならされてたけどさ、確かにあんたの息子は……。でも、もうちょっと頑張って黒い豹ぐらいで生んであげてよ!! ペットと野生との間には越えられぬ壁があるじゃないか!! まあ白い豹も飼いならされてましたけど……。もう動物園って感じですけど……。
王子といわれるたびに、パパとママの小さな夢の王国の一人息子ていうか家猫の王子……非情というたびに、リヒトでさえ助けるようなお人よしのくせに……となんか、突っ込みたくてうずうずします。まあ、家猫なのは彼のせいではありません。飼いならされたあとの白豹の子供だから家猫なんでしょう。悲しいお話です。でも、飼いならされたライオンの子供もライオンです。よって、きっと彼は成長したら家猫ではなく黒豹になるんでしょう。間違いありません。白豹の子供が黒豹になるのか私にはわかりませんが。はい。(→エンド後追記、なんということでしょう、エンド迎えても彼は家猫でした。)
リヒトは危険な男ではなく、頭のおかしい男だと思います。ええ、サーリヤさんは、ちょっと、いつでもどんなときでも親切に助けに来てくれてただけあって、相手がただ「お姫さまの王子様になりたいだけの男」だとは気づいていない模様です。俺んちに迷い込んだまま帰ってくれなかった迷惑な王子様シンドロームの人だっただけだとなかなか気づかないのはどうかと思います。ちょっと、いくら領民が一人もいなくなった後の世界の王様にいっつもなってるとはいえ、心配です。もう少し頑張ってくださいサーリヤさん。
お父さんが好きな子にこれあげるから断ち切って帰ってよ俺傷つくの嫌だみたいなことを言って渡したものを、息子はさらりとわたしております。渡すまではでしたが、その後もめてたのは気の毒です。サーリヤさんが。……こうしてみると父の方が致命的なヘタレかもしれませんな。父に比べると息子の方が見所があると思います。父は駄目だ。
とりあえず夢魔ばっかりに囲まれて(サーリヤ派って結局のところ夢魔なんだろうな)たところに、やってきた、体育会系明るい豪放磊落で思いやりに満ちてて繊細なところもある、しかも同じハーフであるキイチがやってきてくれたのは、よほど嬉しかったんじゃないだろうか。おっとっもだち!! 嬉しいなおっともだち!! みたいに猫の尻尾がゆれてるように見えるよ。よかったな……キイチいいやつで……。冬美ちゃんは、いいお母さんですね。
プールから戻ったのが本当の世界で、二人があそこから出られなかったのは偽りの世界につながれているからってことですかね。頑張れ子供たち。
しかし最近は役者は当然のように歌を歌えなきゃいけないようです。頑張れ。
まあ、家猫と豹じゃなあ、比べたら半端とかいわれても仕方ないでしょうが、でも飼いならされた豹と初めから家猫なら、家猫の方が飼いやすくていいような気も……。
まあ、人間の夢を操るのがうまい女に惚れるのは、遺伝だと思うの。しかたないよね。
やはりメインヒーロー、今までに比べて美紅がめちゃくちゃ恋愛しまくってます。うんだから、心配しなくても年頃になれば好きな男なんかいくらでも出来るって話なのよね。
いや、ナスルひどくね、サーリヤがおかしくなったのってお前の主二人のせいじゃね? 私怨ちょっと入ってね? というのは冗談ですが、ナスルとサクルが極端に過保護なのは、親ではなく友達でもないということの帰結なのかもしれません。あそこまで過保護だと友人ではなく従僕から動けない。
ところでサーリヤの章の最後のタイトルコールは誰の声だったんでしょうか。ファラーシャなのかママなのかが微妙にわからん。話の筋から行くとサヤラーンだと思うのですが、耳良くないからなあ。
悲恋まっしぐらのシーンですが、息子はもう少し落ち着いていろいろ考えた方がいいと思う。だって美紅がそこにいるのって、迷惑な大人たちの行動の結果と、その子が持ってる夢術師としての才能なわけでしょ。現実逃避の女の子を留める云々みたいなこと魔女いってたけど、どう考えても「うちの子の嫁にいいかも」みたいなママの考えも介在してるでしょ。
いや、盛り上がってるとこほんとに悪いんですけど、息子ちょっと人の言うこと疑った方がいいよ。ちょっと立ち止まって考えてみようよ。
そんな悲しいお別れエンドだったわけですが、……いや、子猫状態考えればまだ思春期でもないのかなこの子、じゃあ仕方ないよね。親が絶対だな。育児放棄の癖にな、仕方ないかあのオヤジじゃ。
グッドエンドルートに入った。
才能じゃなくて、ひとめぼれの因果関係なのかー!!!!! さすが遺伝子。オヤジとおんなじことしてるんだな。
で結局、初恋の連鎖は誰が一番初めなんですか。メインヒーローだからサーリヤ? まずサーリヤのせいでミフターフに来て、その後森で迷子になってリヒトの初恋の君になり、そうちゃんが死んだあとトーヤにあって初恋の君になり、ナスルが来ましたこんにちはであってますか。先生。
いや、遺伝子的に、あんた女に勝てないよ。あのオヤジの子だろ。無理だよ。>完敗
なんすか、結局は息子にハッピーエンドが来るまで待っていたという話なんすか。でも初めからエマとかが余計なことをしなかったらあっさりハッピーエンドだったんじゃないっすか。演出したかったんですか。
あの子を盾で守ってあげて、わたくしがイブリースを守ったようにとか、姑が嫁に言っているシーンですが、ママがパパを甘やかして護りすぎたんじゃないのかと視聴者的に疑惑が。
とりあえず越えるべき父というにはちょっとあれな父を息子は乗り越えました。……え、もしかしてキイチ先輩って超すごいハーフ? だからサーリヤも懐いちゃうわけですか? しっかり形持ってましたよ。
でこの父子は何故そんなに石榴が好きなんでしょうか。イスラムでアラビアンであることからの帰結でしょうか。……とりあえず、サーリヤはまだかなりちっちゃな子だということでいいですか。結局姑は自分たちの失敗から、旦那のつくる夢の世界で生きるよりも息子を現実世界に送り出すことにしたようです。キイチ先輩のお母さんの失敗も踏まえて、純粋に愛情で支えられそうな嫁だなと考えたわけですね。
まあ、お母さんにとっては、愛する息子は王子だな。そして愛し合い子供を愛す夫婦にとって娘は王女だな。幸せな家族の中では子供は王子で王女で二人で幸せになって新しい王子と王女を育成してくものだよね。
誰も愛せず誰にも愛されないってのが誰なのかなあと、最後までよくわからなかったのですが、あいつの運命を変えられるのあたりが、サーリヤと美紅を差していたので、初めに先生がくっちゃべってたのもサーリヤのことだと考えていいのでしょうか。しかし、サーリヤは余裕で初恋ハンター美紅に狩られていましたし、誰も愛せずってのは違う人のことなんだろうか。最後までやってもわからない。
ラストに歌が唯一流れるのは真エンドだけなわけで、これはサーリヤの初恋を実らせ、生き延びさせるためのサヤラーンお母さんと乳母である冬美ちゃんの二人タッグによる壮大な戦いだったわけです。お母さんはうちの息子をよろしくと結構頻繁に嫁候補に息子を売り込みに来ていましたものね……。そんなお母さんも自分の死と一緒に旦那にもお亡くなりになっていただきたいと思っている、恋に情熱的というかなんつうかな人でした。
赤いゆりかごってのは、直接的にはサヤラーンによるサーリヤのための暫定的命綱であり、イブリースが作ったサヤラーンが夢を見るためのゆりかごでもあるんだろうけど、まとめると、美紅含め恋をして親元を飛び出してゆく前の子供時代ってことなのかなあ。
ようは、親の庇護という赤いゆりかごの中から子供たちが出てゆく話だったわけかい、と思ったんですけど。
子供の死をまともな親が願うわけがないので、息子が死なないように自分の命の限度で息子の延命を図るサヤラーンは、まあ優しいお母さんだったわけですよね。
親は子供がどうしようもない不幸のどん底に落ちることや、事故や病気で生死を危うくすることなんて望まないものの、自分の力で独り立ちして新しい家族を築いて続けてゆくことを望みますから、いつまでも親のゆりかごで誰からもなんの傷も負わずに生きてゆくなんてことはけっして望まないわけです。子供は子供の力で生きてゆかねばならないわけで。(まあ、だからサーリヤも最後は子猫から大人の猫に変わるのかななんて思ってたんですがラストまで家猫でした)
そういえばこのあたりはサーリヤに対しての母だけでなく、美紅の母もそうでしたね。辛い思いを多少しようが飛び出してゆけというあたり。
多少傷つこうがゆりかごをでて強く生きてゆけ、お母さんはだけどずっと子供を愛しているのよとお前は愛された特別な子なのよと、キイチの母もサーリヤの母も思っているわけですよね。ただそれは親の愛なわけで、男女間になると変わるんだよなあと。イブリースは父親にはなれない男でしたが、サヤラーンに対しては一筋の傷もつけたくなく、悲しませることの全てから排除して甘い甘い夢だけを提供し続けた。それは確かに乙女が夢見る恋人の理想像ではあるのだろう。
でも実のところ、外的要因を受けずに引きこもってた場合、内的変化があるわけがない。よってあの王国はしぼんでゆくばかりで発展するわけがなかった。
このまわらない王国では迷い込んでくる夢魔やら人の迷子やらの流動と対処もうまくゆかないから、一つ目の滅びの因子になるわけだ。
で、子供は成長し家をでてゆくものだから、変化のない楽園には生きられるわけがない。まあ、まともな親だったら、子供が成長し出てゆくことも王国の歴史のひとつとして予定調和だと思うんですけどね。とはいえ、精神的な魔物がつくった楽園で、動物的な種の保存からはかけ離れていると考えれば、純粋に異物なんでしょう。つきつめれば物質性の否定でもあるのかもしれません。というわけで、子供が生まれたこと自体が二つ目の滅びの因子。
そして子供を産むことで女が母親に変わってしまったということが、変わってはいけない楽園にとっての三つ目の滅びの因子。
それに飽き足らずさらに夢の国に、人間の女の子を呼び込んでしまうというのが四つ目の滅びの因子。物質を持ち込む人間の女の子は王国の破壊を促す異物以外の何者でもないという罠。
サヤラーンの寿命は肥大化した夢を受け止めきれずに破裂したのかと思いましたが、それだけでなく滅びの因子による必然なのかなとも振り返っていて思いました。
そういうことを、微睡む月のアリアをエンドレスリピートしながら考えていたわけです。
ゲーム全体を振り返ると、美紅はナスルたちにとっての恩人であるサヤラーンがあの子なら息子の嫁にぴったり!! と狙い定めたわけですから、ナスルが手を出すのは許されませんね。確かに身分違いだ。主の息子の将来の嫁ですから。
あと、未だによくわからないのがエマと先生です。エマが本読みながら「ほにゃららでしょう、魔物よ」とかって話しかけてるとこの魔物ってなんですか。初め主とか言ってたんでイブリースかと思いましたが、あれは劇中における主であって、章題という本の外に出たら魔物よと呼びかけているのか、読んでいる彼女のとなりに魔物がいるのか。劇中自体でもよくわからないのですが、結局彼女は誰のために何をしてたんですか。やっぱり、先生ですか。あの二人は展開があるときに全体を繋ぐための狂言回しとして、作品を超えたキャラになるのでしょうかねえ……。初めは先生がイブリースだと思ってたのですが、それだとエンドの意味が全くなくなる。まあ、物語には悪役が必要だから無料エキストラとしてわざわざ来ていたのかもしれませんが、本を開くとき、つまりガーネットクレイドルというゲームのスタートを押したときにわざわざ先生話かけてくるという点で、彼は本の中にも入っているけれど、本の外とゲームの間にいる人ってことなんでしょう。で、本の外に出れるというのは夢術師か夢魔なのかなと、思わないでもない。あの影だからもっとずっと高位の夢魔なんだろう。多分。暇な夢魔だな。
劇中のさらに劇中、という感じがこの話の形式ですから、どれかひとつのルートでは、舞台を最後までやる話も見てみたかったかもしれません。ただ、物語は終わらず続くものだという本のラストからは、ガーネットクレイドルというゲーム中のガーネットクレイドルという本の中の劇でも終わらせてはいけなかったのかもしれず、書いていて自分でもよくわからなくなってきました。
ループには美紅は最後まで気づかずに、知らないまま終えているというのも、視点にちょっと戸惑った原因かもしれない。結局あの本を読んでるのが保健室の先生で、かつそれをみているプレイヤーだとするとこれもやっぱり視点に戸惑う。
章タイトル近辺は外側から、その中では登場人物たちという風に視点動いてるんだろうなあとは思ったんですけど。合間に入るイラストにも絵本風の挿絵がいくらかあるので、それも本を強く意識させられたし。ただ、ううーん。
サーリヤのオッドアイは、なんだっけ猫の遺伝子のほにゃららでオッドアイがでるんだっけ? そういうことなんですかね?
で、夏発行の高くて薄い本も照らし合わせて見てみましたが、夢魔二匹はお父さんに拾われて、いずれ美紅の使い魔になって夢渡るのに付き合うそうですが、そうなると脱夢魔になっちゃった旦那のサーリヤはおうちで美紅を待たなきゃいけないんでしょうか。まあ、本人の自認だけでなくお母さんとお父さんにも揃って夢魔としては超弱いよって言われているサーリヤですから、妻の仕事手伝うの不可能そうなんですが、そう考えると気の毒です……。だいたい美紅の特技は初恋ハンターじゃないですか。しかも夢魔からの好感度すごい高い子じゃないですか。いいのか、それで、旦那。やっと閉じて壊れる夢の世界から脱出して人間になって幸せになれたはずのサーリヤには今後も難関が待ち構えているようです。病んだリヒトは絶対学園来るだろうしさ……。まあ、同じハーフで大好きな友達のキイチと再会できたらサーリヤは嬉しいだろう。あと、冬美ちゃんに会えたらやっぱり嬉しいだろう。冬美ちゃんは乳母みたいなもんだしな。……しっかしなあ、あんなに恋をしろ恋をしろ、恋をしなきゃ生きてちゃいけないみたいな感じだったのに、いざ恋をしたら夏は家族サービスみっちりね!! ってのはなんなんですかね。
うんうん唸りながら楽しくゲームを終えましたが、もちろん、私の一方的な解釈なので全く違う意図のゲームだと思いまっす。
夢を渡り現実を彷徨うというのがとても楽しかったです。