〜体験版『脅迫ネタお届けします3』(本文の一部を抜粋)〜




「あのことは、もう終わったはずでしょう。一回だけっていう約束だったのに……」
 ラブホテルの一室で涼子は、肥満体の青年と対峙している。
 丸々と太った体。
 ブタを連想させる冴えない容姿。
 見るからに女性と縁がなさそうな彼こそ、涼子にとって『初めての男』だった。
「うふふ、涼子さんの体があんまり良かったからさぁ」
 増田がにやにやと笑う。
 涼子の頭がカッと灼熱した。
 脅迫ネタさえ握られていなければ、こんなデブオタは殴り倒しているところだ。
「最近は、相手にする女の子が多くてさ。真由に香澄さん、早苗ちゃんに亜矢香先生……ローテーションが大変なんだよ」
「……あたし以外にも、こういうふうに脅している相手がいるのね」
「脅されるようなことしてるからでしょ」
 増田は悪びれた様子もない。
 初めて会ったときは、ただの大学生にしか見えなかった。
 だが今は──まるで歴戦の犯罪者のようだ。
「汚いわ、あなた……」
 涼子は絞り出すような声で呻く。
「それにただ処女を失っただけじゃ、涼子さんもヤられ損でしょ。どうせならセックスの快感を覚えたくはない?」
「快感を……」
「それとも弟さんにバラしちゃおっかな」
「……!」
 涼子の顔がはっきりとこわばった。
「涼子さんの横領のことも、こーして僕とエッチしたことも全部秘密にしてあげるからさ。だからちょっとくらいオイシイ思いさせてよ」
「……痛くしないでよ」
 涼子は諦めたようにため息をついた。
「わかってるわかってる。優しくするから」
(このエロデブ……!)
 涼子は屈辱に震えながら、スーツを脱ぎ捨てた。
 女性にしては長身の彼女は、ヌード姿もすらりとした印象だ。乳房はそれほど大きくないが、薄いピンク色の乳首が初々しさを感じさせる。対して、秘唇を覆うのは濃い目の黒いヘアだった。
 増田が赤ん坊のように乳房に吸い付いてくる。はっきり言って気持ちが悪かった。
 ベッドの上に上がると、四つん這いになってお尻を向けるように言われた。
「そんな格好……嫌よ」
 まるで動物ではないか、と涼子が眉を寄せる。
「バックのほうが奥まで届くんだよ」
「……どうせ、あたしが嫌だって言っても無駄なんでしょ」
 涼子は顔をしかめるとベッドの上に這いつくばり、尻を高々と掲げた。
 増田が背後に回る。
 処女を失ったばかりの性器も……さらに尻の穴まで彼に覗き込まれているのだと思うと、さすがに羞恥心が込み上げる。
 増田の太い指が秘唇を弄りまわす。生理的な反応からか、じわり……と秘唇の奥から分泌されるものがあった。
(あたし……濡れてる?)
 好きでも何でもない男に触れられ、性器が濡れてくるのは不思議だった。
 ──感じているわけではない。ただ女体の防衛機能から、ヴァギナを保護するために濡れているだけなのだ。
 涼子はそう考えて、自分を納得させた。
「この間は痛がるばかりで申し訳なかったからさ。今日はたーっぷりと、女の悦びってやつを教えてあげるよ」
 涼子は彼に見下された気がして、思わず言葉を返した。
「あたしの処女を奪ったのが、そんなに得意なの。言っておくけど、あたし、べつにセックスなんて大したことじゃないと思ってるんだから。皆やってることなんだし」
「ふふ、強気じゃない。セックスが大したことじゃないかどうか、いまから君に教えてあげるよ」
「初体験したばかりのあたしを、いきなりイカせる気? 随分な自信ね。お手並み拝見させてもらうわ」
「本当に気が強いんだね、君って。それじゃ……そろそろ始めよっか♪」
 増田は下半身をあらわにすると、脈打つペニスを秘孔に押し当ててきた。
 涼子はごくり、と呼吸を止める。
 処女を失ったときの痛みは、まだはっきりと覚えている。
 今回は二回目だから、おそらく処女喪失のときほど痛くはないだろう。だがそれでも──セックスへの恐怖感は依然として彼女の中に残っていた。
 先ほどは強がって見せたが、本当はたまらなく怖かった。増田と裸で向き合っているだけで、白い裸身が震えるのを抑えきれない。
「……痛くしないでよ」
 涼子が唇をかみ締める。思わず漏れた、本音だった。
「大丈夫だよ。たっぷりと濡らしたから」
 増田は軽い口調で答えた。
(どうせあたしの体のことなんて、これっぽっちも気遣っていないくせに)
 苦い気持ちを胸の奥に飲み込む。
 今回は違うが、初体験のときは濡れてもいない状態で、無理やり挿入してきたような男なのだ。
 そのとき──太いモノが胎内に押し入ってきた。
「んっ!」
 せめて声を出すまい、と思っていた涼子だが、思わず喘いでしまった。


 初体験のときとは全然違う……!


 熱い感触が秘唇を左右に押し広げ、ずいっ、ずいっ、と突き進む。空虚な部分がたくましい存在で埋められていく充実感。背中に感じる男の体が、いっきに重さを増した。
 同時にお腹の奥をたくましいモノが突き上げる。
「奥まで入ったよ」
 得意げな増田の声が、背後から聞こえた。
 バックからのピストン運動が始まった。たぷん、たぷん、と肉と肉がぶつかりあう音が響く。
 増田はリズミカルに下腹部をローリングさせて、肉壷を攪拌していく。丹念に丹念に。何度も何度も。
 執拗に──膣内をえぐられていく。
「ふふ、そろそろ感じてきたかな?」
「馬鹿言わないでよ。気持ち悪いだけで、何も感じないんだから」
 涼子が吐き捨てた。
 体は許しても、心は許さない。
 自分はあくまでも保身のために、彼に抱かれているに過ぎない。
 男としては最低の部類に入るこんなデブオタに犯されて、快楽を覚えるなどあり得ない。あってはならないことだった。
「本当にそう?」
 増田は妙に自信たっぷりだ。まるで百戦錬磨のジゴロや調教師のように。
 その間も膣内への摩擦は続いていく。
 時に深く、時に浅く。様々な角度で、膣内のあらゆるポイントを刺激してくる。
 じわり……と秘芯の奥に湧き上がるものがあった。
(これ……は……!?)
 膣の入り口近くが、彼女の内部でもっとも敏感なポイント。そこを雁首で引っ掛けるようにしてこすってきたのだ。
「最初は強気でも、僕に抱かれてるうちに、みーんなヨガってきちゃうんだよね」
「うぬぼれないでよ。誰があんたなんかに──」
 言いかけたところで涼子の言葉が止まる。秘孔の入り口付近を中心に擦られ、背筋からゾクゾクとした感覚が這い上がってきた。
「んっ……ああっ!」
 自然と、声が漏れた。
「あれ、さっきと随分態度が違うねぇ」
 馬鹿にしたような嘲笑が背後から聞こえる。
「涼子さんって……もしかしてマゾ? 僕みたいなデブに無理やりヤられて、気持ちよくなってるんだ?」
「ま、マゾだなんて──馬鹿にしないでっ」
 涼子は思わず怒鳴った。
 自分にそんな被虐的な性癖があるなど、考えただけでもおぞましい。
「じゃあ、こういうのは……どう?」
 次の瞬間、ひやり、とした異様な感覚が下腹部を襲った。






……体験版はここまでです。
続きは製品版にてお楽しみください。

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