「う〜ん、なんか霊気の色が違うように見えるんだが気のせいか?」
『やはりか!、気をつけろ、
アヤツ人間ではないぞ!』
心眼は自分自身でも霊視は可能ではあったが、
あえて横島の霊的コントロールの特訓ため、横島にさせた。
「あんなえぇネーちゃんが妖怪だってのか!、
一瞬、欲情して損していまったじゃねぇか!」
『くだらん事をぬかすな!、よいかアヤツは我等が正体に感づいてる事を
気付いていない。間抜けな振りをして話しかけて正体と目的を探れ!』
そういった後、心眼は目を閉じた。
――心眼は眠らない その3――
「こんにちは、ボク横島!、お茶でもいかがですか!」
「!!!」
本当に演技なのか、それとも地なのか、
今にも女性に飛びかからんばかりである。
「ッコホン!、こちらは美神令子さんのお宅ですね?
私は令子さんに頼まれて子供を預かりに来ました。」
「え?、美神さんに?」
横島たちが気付いているとは知らずに話し始める女性
「えぇ、子供の世話はプロにお任せください。」
女性は笑顔を浮かべながら、窓際に居る、れーこを見つめる。
(なぁ心眼、れーこちゃんを狙ってるってこのヒトか?)
(間違いなかろう、怪しすぎる、横島よ、コヤツを家に誘導してみるんだ。)
心眼の支持通りに、横島は彼女を中に案内しようとすると、
「少し、急いでますので、子供をここにつれて来てくれませんか?」
(やはり、結界を恐れるか。
ふむ、今の横島ではコヤツの相手をするのは難しいな、
美神どのの帰りを待った方が良いだろう。)
心眼は思考し、横島に新たな指示を出す。
「わかりました、それじゃ待っててください!」
「えぇ、お願いします。(これでやっとおわりじゃん。!)」
横島はれーこを連れてくるように見せかけて家の二階に上がると、
「オキヌちゃん、頼みたい事があるんだ。
急いで、美神さんを探してきて!」
「わ、わかりました!」
下に居る女性にばれないように、美神を探しに向かうオキヌちゃん。
『目の前にいってわかったが、
アヤツは鳥妖族の可能性が高い、もしそうならアヤツの武器は羽の投擲だ。
気を引き締めろ!、相手の実力は先日のワニとはくらべもんにならん!』
心眼はそういった後、横島に戦法を教える
「はぁ〜、今までで一番きつくないか、それ?
でもまぁ美神さんが来るまでやしな〜
あぁそうだ、れーこちゃんはここで待ってな。」
そう、れーこに言い残し、待っている女性の元に向かった。
「どうしたんですか?、連れてきてないようですが?(っち、グズガ!)」
「いや〜、ちょっと駄々こねてるみたいなんすよ。」
横島はいつものノリで時間を稼ぐ。
「美神さんのいいつけなんですよ、
時間も押してますし、早く連れてきてくれませんか?(早くするじゃん!)」
アセリ始める女性、横島も時間を稼ぐが、
『やれやれ、芝居も終わりにしたらどうだ?
正体を現せ!』
「な!、・・・ッチ!」
女性は心眼の言葉に思わず動揺した後、舌打ちし距離を取り始める。
女性は今まで隠していた霊気を解放し、
「こんな、まどろっこしいのはやめじゃん!
もうお前は用なしじゃん!」
『やはり鳥妖族か、そしてその姿・・・ハーピーか!』
本性を現したハーピーは、横島に必殺の一撃を放つ、
「フェザー・ブレッド!」
『横島!、正念場だ、集中せよ!』
ギィィィン
飛んでくる死の羽に横島は間一髪でサイキックソーサーを合わせる。
「なっなに!」
己の必殺の一撃がはじかれ、動揺するハーピーであったが
「くぅー、ギリギリやんけ!」
『よくやった横島、今の要領で行くのだ!、
常に霊視を続け、ヤツを見続けろ!
ヤツは羽を出す瞬間に霊波の流れが乱れる!
出すタイミングさえわかれば、
狙いが正確な分、読みやすい。』
元来持つ横島の才能なのか、それとも美神事務所で鍛えられたものなのか
横島の動体視力は間違いなく、人間としては最高クラスの物であった。
それゆえ横島は、飛び道具を使う相手に対してはサイキックモード無しでも
少しはまともに戦えるようになっていた。
しかし動体視力が良いだけでは戦えない。
他にもある程度の度胸や勇気を必要とする。
だが横島は先日のワニの件で、サイキックモード無しでも戦えるという事を証明した。
それが彼にとってどれだけ自身になったかは言うまでもないだろう。
『いいか、常に一定の距離をとれ!
接近されて今のヤツを放たれては、
今のおぬしでは対処できん。』
「うぅ〜まだなんか〜。」
ハーピーは自分を落ち着かせた後、第二弾を放つ
「まぐれは続かないじゃん!」
『いいか、おぬしは防御に専念せよ。
専念している限り、そう簡単にやられはせん!』
「っ〜やったるわい!」
そうして迫りくるフェザー・ブレッドをサイキックソーサーで防ぐ
「っまたじゃん!」
『所詮動きは線。見極めれば、
面を用いれば防ぐ事などたやすい!』
横島とて、GS試験後に何をしていなかったわけではない。
っていうより心眼が半強制的に毎日、
霊力が尽きるまで霊気のコントロールの特訓をさせた。
そのおかげで戦闘中も霊視を続けられるようになり、
そして現在は様々な経験を積ませているところである。
「だったらこれで終わらせるじゃん!」
ハーピーは複数の羽を取り出し
ハーピーは第三弾を放―――
「っ!!!」
「かわされたか!」
「美神さ〜ん」
―――つ瞬間
防弾ベストを身につけている美神は後ろからハーピーに攻撃するが
それを間一髪反応され回避される。
しかし、回避しきれず、多少のダメージを翼に負う。
「よくがんばったわね、横島クン。
オキヌちゃんは結界に入って!」
「まぁ、どっちでも美神令子を殺せたらそれでいいのさ!
今度は、頭を吹き飛ばしてやるよ!」
美神はオキヌと遭遇した後、事務所の付近で不意打ちのチャンスを待っていた
目の前には、対峙する横島と、ハーピー
「みっ美神さん!、横島さんが!」
「っちょっとダマッテ!(横島クンに集中している、なら後ろから!)」
オキヌを黙らせ機会をうかがう美神
そして目の前では横島がハーピーの羽をサイキックソーサーで弾いた。
(!、本当にあんたってコは・・・)
GS試験後、確実に変わり始めている従業員に多少の寂しさを感じつつ、
「だったらこれで終わらせるじゃん!」
(今だ!)
美神は突撃した。
「まぁ、どっちでも美神令子を殺せたらそれでいいのさ!
今度は、頭を吹き飛ばしてやるよ!」
「そうはさせるか!」
ハーピーが背を向けた瞬間に横島は距離を詰めた。
「このガキ!」
反撃は間に合わないと判断したのか、ハーピーは回避に専念する
が、それを見逃す美神ではない
「もらったーーー!」
「ッチ!」
すかさずハーピーに仕掛ける。
これ以上は無理と判断したのかハーピーは空中に撤退する。
そして、そのまま逃亡する瞬間―――
「!!!」
「っくそ!」
『だから無理だといったのだ。』
サイキックソーサーを投げた横島だが、それを確実にかわす。
ハーピーの回避力の前ではあまり意味がないようでだった。
戦闘が一段落した後、家のほうから悲鳴が上がった
「美神さん!、大変です、れーこちゃんがいませ〜ん!」
「「なに〜!!!」」
そう、目の前で繰り広がる戦闘に恐怖したのか、
それとも頼みの母を捜しに行ったのか、れーこは
裏口から何処かにいってしまった。
雲行きは怪しかった・・・
「れーこはどこ!」
「・・・・」
知らせを聞いた美神たちはすかさず、れーこの捜索を開始した。
美神たちは雨が降る中、れーこの捜索に必死であった。
「早くみつけないと!」
「・・・この車、雨降ったら、どーしよーもないですね・・・」
『・・・』
横島の無常のツッコミはスルーされた。(心眼にも
「っち、あの連中、次は確実に始末するじゃん。」
美神たちとの戦闘後、体力の回復に努めていたハーピーであったが、
「あの結界さえなんとか・・・・!!!!あれは・・・
なんだかしんないけど、ついてるじゃん!」
雨の中、走っていたれーこを見つけ、
「死ねーーーー!」
「ダメーーー!」
必殺の一撃を放つ瞬間、ハーピーと同時にれーこを見つけたオキヌが邪魔をする。
ハーピーは応援を呼ぶオキヌを振りほどき、れーこに再度、羽を投げつけた。
「ママーーー!」
「伏せて!、れーこ!」
「させるかーーーー」
応援を聞きつけた美神がれーこを抱きかかえる。
れーこに向かったフェザー・ブレッドは
ギィィィン
横島がサイキックソーサーで防ぐ。
「大丈夫っすか!、美神さん!」
「えぇ、なんとかね。」
「おねーちゃん!」
(っち!、まぁ、いいじゃん、結界にさえ入ってなければ、どうにでもなる。
不意打ちで終わらせてあげるじゃん!)
ハーピーはすかさず撤退する
「横島クン、ハーピーは私がひきつけるから、
れーこを連れて逃げて!」
「!、でも美神さん、さっきから調子わるそうっすよ!」
美神はハーピーが事務所に来る前に一度、フェザー・ブレッドを受けてしまった。
いくら防弾ジョッキ越しでもダメージは隠せない。
「いいから、これは命令よ!」
「っでも・・・・」
横島が美神の気迫に負けそうになった時
「ママが、ママがきっと来てくえゆわ!」
「そうね、あなたのママは・・・・でも私のママはもう・・・
横島クン、この子だけは何としてもママの所に帰したいの・・・」
「美神さん・・・」
「俺、逃げません!、捨て身の攻撃なんてさせませんよ。
今の美神さんに何かあったら、れーこちゃん無事に連れ戻したって
お母さんも、誰も喜びやしませんよ!」
「横島クン・・・」
横島は美神に自分の着ている服をかけながら続ける
「それに、お母さんがもう死んでるからって美神さんは独りじゃありません。」
『あきらめろ、美神どの。今の横島に何を言おうが関係ないらしいぞ。
ワレは横島に修行を付けるとき、常に言っておる。
”何故、強くなりたい、 強くなりたいなら目的を持て!”とな
今の目的はおぬしを死なせないことらしいな』
心眼は満足そうに美神に語る。
そして美神は笑う
「そうね、横島クン。私達の実力、存分に魅せてあげましょ!」
「いた!!こっちを仕留めてやる!!」
ハーピーは美神を見つけ、追い始める。
美神は路地裏に入り込み、それを追撃するためハーピーが
路地裏に入った瞬間、
「たぁっ!」
「!!!っ何故!!!」
美神令子が横から神通根で攻撃をする
だがそれを翼でガードする
「っく、なんで二人もいる!」
ハーピーが動揺している間も、追撃する美神
「んなもん、自分で考えなさい!」
路地裏という狭い空間のせいで満足に戦えないハーピー
美神は逃がさんといわんばかりに接近戦にもちこむ
「すげ〜。」
『よく見ておけ、アレが一流の戦いというものだ。』
路地裏に入っていた美神、もとい横島はいつでも助太刀できるようにして美神の戦いを見ていた。
今までの横島は実力の無さから美神の実力がよく分かっていなかった。
だがここ最近の急成長で改めて、美神の強さを今、実感した。
「ああ、美神さんの戦いはほとんど無駄がないよな」
『覚えておけ、一流とはいかに自分のペースに持ち込むかを問われるのだ
そして、霊力の扱い、さすが天才と呼ばれるだけはある。霊波の流れが実に綺麗だ』
ここで霊波の流れが綺麗とは、例えば攻撃する時に美神は神通根に
素早く、そして無駄なく籠めていたりする事を表したりする。
現在の横島はこれを連続でこなす事ができていないため、
無駄に霊力を消費したりしている。
確実に押し続ける美神であったが、
怪我の影響もあり限界は近かった。
「っ美神さん!・・・心眼!」
『わかっておる』
――サイキックモード発動――
目の前には距離を置くことに成功したハーピーがフェザー・ブレッドを複数、放っていた。
それを防ぐも地面に倒れるこむ美神
美神は起き上がろうとしているが、ハーピーの追撃のほう早い
「させるかーーーー!」
サイキックソーサーを放つ
「これをかわして終わりじゃん!」
「っく!」
『諦めるな!よく聞け―――』
それを右によけ、フェザー・ブレッドをかまえ――――
「曲がれーーーーーーー!!」
ザシュッ
避けたはずのサイキックソーサーがハーピーの片翼がさく
「ギャーーーー」
そして―――
「極楽に逝かせてあげるわーーーー!」
「まったく、いつもいってるでしょ、ペース配分を考えろって」
『ふっふっふ、すまぬな美神どの、注意はしてるのだが。』
戦いが終わり、気絶した横島を他所に語り合う二人
「まぁ、いいわ。次はしっかりしなさいよ。」
美神は、見ている人がいたら心奪われるような笑顔をしながら言う。
ドゴォォォォン!
「落雷!?、ママが来たみたいね。」
『そのようだな』
そうして二人も横島に習うよう眼を閉じた。
――心眼は眠らない その3・完――
あとがき
前半がいままで一番書きづらかたっす・・・(ハーピーが結界に入れないから
実際ハーピーってかなり強いと思うですよね。(作者主観
結構、擬人化の話があがってるようですが、(さすが心眼!)
ぶっちゃけた話、擬人化の案は頭では完全にできてます。
ということで、心眼(竜神モード)の属性ですが、火、水、風、土、光、闇、どれがいいでしょか?
あとこれ疑問なんですが、小竜姫の属性て何なんでしょう?、無属性?
>シロガネさん
そ〜すよね、スロットなんかした日にゃ○儲け。
>.さん
ではカウンターを極めさせてみよっかな。
>法師陰陽師さん
なるほど、言われてみればそうかもしれない。貴重な意見ありがとうございます。
>wataさん
かっかわいいっすか・・・(なんか新鮮な気分
>九尾さん
太陽拳か〜なつかしいな
>T城さん
っということで美神も活躍させたつもりですがどうでした。(感想が怖い・・・
>草薙京弥さん
回避能力はまちがいなくGS一でしょう!
>柳野雫さん
ハーピーとは美神とのコンビでいっちゃいました!
>...さん
心眼の地位ですか、それは”ピー”です。いずれ書きたいと思います。
>・・・エクトプラズムさん
ナイスバディ・・・そうですね、心眼って間違いなく姉、兄キャラのどちらかだし。