見渡す限りに広がる赤い大地。
空も赤く、地も赤く、海さえ赤い。
そう、それは死んだ世界、全ての物が消え行く世界。
そんな壊れた世界に一人たたずむ黒い影。
かつて横島忠夫という名で呼ばれ、アシュタロス大戦を潜り抜けた覇者がそこにいた。
アシュタロス大戦から3ヶ月後、彼は三界から追われる身となった。
何が悪かったのだろう?
何がいけなかったのだろうか?
自らを犠牲にし、恋人を犠牲にし、彼の全てを犠牲にして手にした平穏。
その平穏は彼が助けたヒトによってあえなく潰えることとなった。
アシュタロス大戦の歪みは、まず異端排除という形で出た。
世界中の霊的生物が次々に人の手によって狩られていった。
世界をさわがせたアシュタロスという魔人の存在は、その存在が無くなってなお人の心に深い闇をもたらしていった。
彼女が守った世界という存在が他の生物を排除する。
横島忠夫にとって、そんな事が許されるはずがなかった。
彼はヒトを必死で説得した。
しかし、その思いもむなしく一人のヒトの手に脆くも崩れ去ることとなる。
【横島忠夫が魔族因子を保有】
美神美智恵の手によって流された情報は瞬く間にヒトの間に広まった。
美神美智恵が行った行動は、かつてアシュタロス大戦において、キーアイテムであったエ
ネルギー結晶を保有していた美神令子を守るためであった。
しかし、その行動は裏目に出ることになる。
神魔族による横島忠夫殲滅作戦。
横島忠夫が魔族因子を得て魔族となったとき、彼はアシュタロス以上の化け物になる。
なぜなら横島忠夫がエネルギー結晶を壊した際に彼のエネルギー源と化したからである。
さらに暴走でも起こしたらその力は数十倍にも跳ね上がる。
その様な危険物をそのままにしておくわけにはいけない。
神魔族による苦肉の策であった。
しかし、横島忠夫は魔族化していた。
襲い来る神魔族混合部隊を相手に無傷で返すほどの力を持っていた。
そんな中で一人の強行派魔族が行動を起こした。
横島忠夫を倒せないのだったら横島忠夫に関する仲間を殺せばいい。
結果的に作戦は成功した。
横島忠夫の不意をついて彼の弟子、犬塚シロを殺害に成功。
結論を言おう。
横島忠夫は暴走した。
その後、横島忠夫は150年に渡り、彼女が守った世界で神魔族の殲滅を行った。
最後の神族を滅ぼした彼は死の淵に立っていた。
長年に渡る戦いで、彼の体は限界に達していた。
彼の右手に小さな光る珠
陰陽模様の珠に光る文字は【破/壊】
元より助かる気のない彼は、最後の文殊で彼はこの世界を破壊した。
世界が壊れる瞬間、彼はとんでもないものを目にすることになる。
それは別の次元にて【アカシックレコード】と呼ばれるものであった。
瞬間に入ってきた大量の情報に彼は驚愕する。
なぜなら、この情報の中には世界が壊れた原因があったからである。
壊れた原因 【美神令子】
なぜ美神令子が存在する事で世界の破壊に繋がるのか。
それはコスモプロセッサによる宇宙意思の破壊が直接的な原因である。
なぜアシュタロスが究極の魔体からコスモプロセッサ計画に変えたかと言うと美神令子に
よる時間移動によって未来に飛ばされたからである。
もし美神令子がいなければアシュタロスは究極の魔体で神魔族に戦いを挑み敗北
そして 【魔人アシュタロスの死亡】 で終わったはずなのである。
そう美神令子さえいなければ世界は滅ばなかった。
それを知った彼は復讐を決意した。
自分の人生を変えた美神令子に。
彼女を殺した美神令子に。
歪んだ思いを胸に秘め、彼は英霊となった。
今回初めて投稿させていただくシロガネといいます。
ブルガさんの作品を見て GS+Fate stay night っていいなあ
と思い投稿させていただきました
まだまだ未熟者ですがよろしくお願いします。