〜本作は”心眼の為に鐘は鳴る”の続編です〜
現在、横島はとあるビルに向けて歩いていた。
う〜んっと頭を悩ませながらであったが。
――目的地に着く直前で突然横島が、
「サイキック・モードってのはどーだ」
『・・・悩むのが終わったっと見れば、何をわけの分からぬこと』
相も変わらずの二人?である。
――心眼は眠らない その1――
「いやな、あの超加速ってのか、俺って完璧にこなしてるわけじゃないんだろ。
だったら偽・超加速、改めサイキック・モードっつーほうがカッコいいじゃねぇか。
サイキック・アイっても捨てがたいがな。
あ、ちなみにあのタテはサイキック・ソーサーな!」
どうだといわんばかりの横島であったが、
『おぬし、今まで悩んでいたのは初仕事で緊張していたのではないのか。』
あきれたっと心眼であった。
「はぁ〜何で緊張しなくちゃなんねーんだよ。いや確かに多少はビビってんぞ、でもな」
『でもな?』
多少、はにかみながら
「俺には頼りになる相棒がいるじゃねぇか、なぁ相棒!」
『っバカモノ!!!、下らん事考えておらんで気を引き締めよ!』
『本当に何を考えておる。』
ちなみ、話に入れないオキヌがいたのはそっとしておきたいところだ。
――話は少し前まで遡る
「なんでなんスか!」
『うるさいぞ、横島。』
叫ぶ横島、最も近くにいる心眼はたまったものではない。
「死ぬ思いでGS資格とったのに、まだGSになれないってどーゆーことっすか!
俺はもーGS横島のはずでしょー!」
『落ち着け、横島』
なだめる心眼であったが全くもって効果無しのようだ。
「だーかーら。アンタがプロになるには私の許可が必要なの。
横島クンはひとりでも悪霊退治できますっていう私の保証が必要なの!」
幼児退行した横島をあきれながらなだめる美神であったが、
「いまその許可ください!」
「できるかー」
自分を落ち着かせて美神は、
「調子になるんじゃないの、大体あの試験だって心眼がいたからあそこまで戦えたんでしょ。
しかもペース配分も考えず、あの試験はアンタが倒れたら審判が止めてくれるし、
ペース配分をさほど考える必要がないかもしれないけど実戦は何があるのかわからないのよ。
力を使い切ったときに何かあったら、アンタ間違いなくオダブツよ!」
そう、前回の勘九朗戦でも横島が参戦する前に美神やエミといった日本有数のGSが、
先に戦っていて勘九朗は自分で気づかぬ内にかなり疲弊していた。でなければ横島の
最後の一撃にも耐えていたのかもしれない。それを考えると横島がどうなっていたのか
ぞっとしないところである。
「ところで、そろそろお仕事の時間ですけど」
「ん。じゃ横島クン、オキヌちゃんといってきて、
GS見習い横島忠夫の、初仕事よ!」
横島が事務所を後にしてしばらく、
「さて、そろろそかな。」
美神は何処かに出かけて行った。
――話は現在へ
「じゃぁ、今日中に除霊のほうよろしくお願いします。」
そういってフロアまで案内してくれた係員の人は逃げるように去っていった。
今回の依頼内容は単純な悪霊退治である。
ターゲットは自殺者の怨霊、霊力レベルC。
凶暴な性格ですでに説得は不可能である。
特殊なところはなし、通常除霊で成仏可能
ちなみにギャラは20万で全てが横島の取り分である。
このとき横島が美神に抱きつこうとして返り討ちにあったかどうかわからない
ただ出発する際、横島が瀕死ではあったのは事実である。
『で、どうするのだ。』
「ふっふっふ、いでよサイキック・ソーサー!」
心眼の問い掛けに横島はサイキック・ソーサーを出す。
聡明な読者ならわかるだろう。早い話、
「くらえーーーー」
―――不意打ちである
横島が投げたサイキック・ソーサーは見事に敵に直撃する。
しかしその攻撃に耐え抜くサラリーマン風の悪霊、もちろんこの後の展開は
「オンドリャー!!!」
敵の反撃が始まる。
「なぜじゃー。」
横島もなぜと言ったが、今のサイキック・ソーサーは心眼のサポート無しで放ったものである。
横島一人でもサイキック・ソーサーを出せるようになったが、まだまだ威力は見込めない。
現在の横島はサイキック・モード(超加速)の使用により、霊波で自身を強化する事の方がが得意になり始めていた。
それゆえ、単純にGS試験の時のように拳や脚といった肉体の一部分に霊気を集中させ攻撃したほうが効率が良い。
早い話、横島はまだ基礎(肉体強化)の段階で応用(サイキック・ソーサー)を使用としたのである。
もし本編でも美神が横島に基礎を教えていればどうなっていたであろう。
なにはともあれ、現在回避中の横島であった。
「くぅ〜カッコよく一撃で終わらすつもりがなんでや〜!」
『不意打ちがカッコよいかどうか置いとくとして、次の策は何だ。』
なかなか鋭い突っ込みを入れつつ心眼は横島に尋ねた。
「あっはっは、そんなもんあるわけないやろ!ってことで心眼サポートは任した!」
『ふぅ〜あの二人(雪乃丞、勘九朗)を倒してるのだから、この程度の敵にワレは、
本来必要ないのだぞ・・・まぁ仕方あるまい。しかし、この仕事が終わったら
おぬしには多少修行が必要のようだな。』
心眼は愚痴りながらも、精神を集中させていく。
――サイキック・モード発動――
「一気に決めたる!」
『全く、美神どのの忠告を聞いとったのか。こんな相手に全力で挑まなければいかんとは。』
いきなり調子付く横島と、それにあきれながらもなんだかんだいって付き合いのいい心眼であった。
――反撃の狼煙が今、上がった。
オキヌは驚いていた。
横島がいきなり逃げるのをやめると突然横島が敵に向かっていったのだ。
「横島さん!」
オキヌの静止もむなしく悪霊に向かう横島。
悪霊の魔の手が横島に迫った瞬間
「キャッ!」
とっさに目を背け悲鳴をあげる。
しかし予想した横島の悲鳴は聞こえてこない、代わりに
「ギャーーーーー」
悪霊の悲鳴がフロアに響いた。
「「え!?」」
発音こそ違うが、オキヌの他に同じ言葉を呟いた人物がもう一人いた。
「全く、横島クン逃げてばかりじゃない、ちょっとはしっかりしなさいよ。」
美神は横島を送り出した後、横島の仕事振りを見るためにこっそり後をつけていた。
横島が心配であったのか、それともGS規約で”初仕事は師匠が同伴する”という規約に
従ったのか、はたまた別の思惑があったのかはわからない。そう例えば依頼料金をごまかしてるとか・・・
「仕方ないわね〜」
美神がボーガンにと掛けようとした瞬間、
「横島さん!」
「なに!、まさか!」
オキヌの悲鳴が聞こえ、顔をあげる美神
目の前に写った光景は横島が悪霊に向かっていた。
「あのバカ!」
横島を叱咤しながらボーガンの準備を凄まじい速さで完成させそうとする。
しかし無常にもそれは間に合いそうになかった。
「キャッ!」
オキヌの悲鳴が聞こえる、美神はとっさに準備を中断し、顔をあげる。
美神は横島が敵の一撃目を耐えることを祈った。そうすれば追撃をされる瞬間、
自分が仕留めるからだ。
だが結果は美神の予想の右斜め上にいく
横島は相手の攻撃を回避しながらカウンターパンチを放ったのだ。
それも美神の目ですら追えるかどうかの速さで・・・
「ギャーーーーー」
雄叫びをあげながら壁までふっとぶ悪霊
すかかず横島はサイキック・ソーサーを投げた。
「えっ!」
サイキック・ソーサーは悪霊に直撃し、悪霊はその存在を消した。
―――美神は動揺しながらもその場を後にした
・・・ぶっ倒れた横島に気づかず「横島さ〜ん」
美神は思う、確かに始めは逃げ回っていた事は確かだ。
しかし横島が攻撃に転じた瞬間、ほんの数秒で片付いてしまった。
確かに攻撃の最中も、まだまだ動きは未熟な部分が見受けられた。
しかしあのカウンターパンチは何だ?
あの時、ほんの一瞬ではあったが間違いなく自分の霊圧を・・・
そして最後の圧縮された霊気のカタマリ、あれはエミの霊体撃滅波に匹敵するのでは?
心眼がいれば霊波のコントロールは可能であろう
だからといってあそこまでの攻撃力をだせるのか
あんなぺーぺーの新米が私に匹敵する力をもっている?
そんなばかな・・・
――心眼は眠らない その1・完――
余談であるが、悪霊をぶっ飛ばした付近に持ってきた荷物があり
お札が焼け本編より大赤字を出してしまった横島であった
「なんでじゃーーー」
『ふぬ、精進せよ』
あとがき
なんか調子に乗って続編を書いてしまいました。
なんかレスが来るとめっちゃやる気が起きてしまい。
今回は戦闘シーンを三者の視点から書いて見ました。どうでしたか。
ちなみにテストは・・・現実逃避をします。
>片やマンさん
そ〜ですね、香港編ですか。
私は行き当たりばったりで書いてますからど〜しよかな
>九尾さん
はいそうです、肝心なのは自分の意思だと思います。
>.さん
>九能市、見てたら自分との試合のギャップとかでいろいろ悩んでおもしろそう
・・・そんなおいしいネタがあったとわ。
>シロガネさん
ありがとうございます。
テストっすか、まぁ単位を落とさん程度に
>shinさん
横島をいかにカッコよく書くか、いつも悩んでます。
>wataさん
できるかぎり原作の雰囲気を壊さずに思いまして(もしかしてもう遅いですか?
>通りすがりさん
擬人化か〜ほんとどうしよっかな
>草薙京弥さん
性別っすか、それはもちろん――です。
テーマ
1、横島の能力の補足
2、初仕事
3、美神の葛藤
今から勉強しますが、
明日はテストでぶったおれてるでしょう <−−滅