「ちぃーす、幻海さん、今日は何の用すか?」
アシュタロスとの戦いから2年、横島は幻海に呼び出しを食っていた。
「ああ、あんたと雪之丞に招待状が来ていてね。まだ、雪之丞の奴は来てないようだが、先に説明しとくとしよう。」
「招待状?」
心当たりの無い事に横島が首をかしげる。そんな彼に幻海は招待状を渡し、説明を始めた。
「あたしの一番最初の弟子、あんたの兄弟子にあたる浦飯幽助の事は前話したね?」
「ええ、元神界の専属GSで実は魔族の子孫だったって人ですよね。」
横島の答えに幻海が頷く。そして話を続けた。
「でね、そいつの魔族としての父親が魔界の権力者で、突然変異で生まれた2人の強力な妖怪と争っている事は前、話したと思うが、そいつの親父が死んで後を継いだ幽助がその強力妖怪達も巻き込んで面白いことを始めたんだよ。」
そこで、幻海は彼女には珍しく苦笑する。それを見て横島は無性に気になり始めた。
「一体何をしたんですか?早く教えてくださいよ!」
せかす横島に幻海は彼女には本当に珍しく笑って答える。
「いや、あいつらしい馬鹿な事さ。魔界全土を巻きこんで喧嘩しようっていいだしたのさ。」
「喧嘩?」
予想外な言葉に訝しげな顔をする横島、幻海は笑った表情のまま答えた。
「ああ、そうさ。幽助の親父と2人の強力な妖怪が支配していた魔界の10分の1を締める広大な土地の支配権をかけたバトルトーナメントを開こうっていうのさ。」
「そ、それはまた、なんとも・・・・・って、まさか!!」
そこで横島はある事に気付く。それはひじょーに嫌な予感だった。
「お、気付いたみたいだね。あんたもそれに参加しないかっていう招待状なのさ、それは。」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!魔界の10分の1を支配していたってそいつらとんでもなく強いんじゃないですか!?」
必死に抗議する横島、幻海は笑って受け流す。
「そうさねえ。だいたいアシュタロスと同じくらいの強さらしいね。それも人界と違って魔界では魔族や魔界で生まれた妖怪はその真の力が発揮できるから10倍くらい強いだろうね。」
「あ、アシュタロスの10倍!?そ、そんなのと戦ったら死んじゃいますよ!!」
「ああ、後、佐藤の奴もでるよ。2年前の100倍近く強くなってるねえ。それから、あたしが鍛えてやった同レベルの実力者が後5人程でてる。」
さらに追い討ちをかける幻海。横島はなんとか辞退しようとする。
「そ、そんなのに俺が出るなんて無茶に決まってるんじゃないですか!?大体なんで俺に招待状なんて届くんです!!」
「あんたは魔界では色々有名なんだよ。アシュタロスと戦った事や幽助の弟弟子って言う事でね。まあ、ちゃんとルールもあるし、ギブアップも認められてるみたいだから、行くだけ行ってみな・・・・・・・・。その方が面白そうだからね。」
そう言ってニヤリと先ほどまでとは異なる種類の笑みを浮かべる。それを見て横島は力の限り叫んだ。
「い、嫌じゃあああああああああああああ!!!!!!!」
だが、当然のように、いつものように彼には拒否権などないのであった。
(後書き)
幽白世界での魔界の設定がこの世界でどうなっているかを表現する為にこんなの書いてみました。この続きはいつか書くかもしれませんが、書かない可能性の方が高いです。
現段階での霊力
横島 16000マイト
雪之丞 8000マイト
(何故この二人がこんなに高いのかは本編のネタバレを含む可能性があるので秘密です。(本編でそのイベントが起こるかどうかはまだ不明))
幽助 120000マイト