はじめに
ここで使われているデビルマンは岩本佳浩先生の『闘神デビルマン』です。
「?」
人通りの少ない通りを歩いていた赤垣洋治は何かがぶつかり合う音を聞いて空を見上げた。
「気のせいか」
そう呟くと再び歩き始めた。
―――――――
洋治の見上げた空では純白の翼も持つ天使と漆黒の右腕を持つ悪魔がぶつかり合っていた。
「死ね!横島忠夫!」
天使のやりを凶器の右腕ではじく
「俺はアモンの力と横島忠夫の魂を持つ者、デビルマンだ!!間違えるな!」
「ふざけるな!」
さらに数度ぶつかり合い、大気を揺らした。
「オォォォォォォ!デビルカッター!!」
右腕にある四枚の羽の内、鋭利な二枚の羽が開いた。
「!!」
光を放つ天使の槍ごと天使を斬り裂く。
「雑魚が」
吐き捨てるように呟くとデビルマンはそのまま飛んでいった。
―――――――
「まさか人間界に着て早々襲われるとは思わなかった」
(まったくだ)
あの後デビルマンのまま自分の住むマンションに飛んでいき、そこで変身をとき、今にいたる。
「今更だけど師匠、あの手紙なんて書いてあったの?」
(あれか…あれはアシュタロスがキーやんに頼んで紹介文書いてもらったらしい)
「へ〜〜あの最高神嫌いのアシュが」
(それほど奴はお前が大切なんだろ)
アモンは建前上アシュタロスの部下であるが実際のところは杯を交わす仲である。自分達が見つけた愛おしい少年のためと自分の大嫌いなサッちゃんとキーやんの元にいく姿を想像して笑った。
「さてとたいしてないけど荷物の整理でもするか」
ぐぅぅぅぅぅ…
「…の前に腹ごしらえしよ」
―――――――
「何なのよ。あいつ」
「何かあったのぉ〜?令子ちゃん」
「変な奴がいきなり教会に着て先生に手紙見せて、そしたら急に先生、自分の名前でそいつをGS試験に出すとか言い出したのよ!」
「平たく言えば、自分の目標盗られたって気分なワケ」
美神令子は友達の六道冥子と小笠原エミにグチりながら歩いていた。女が三人集まりゃ姦しい。
「フ〜ン、会ってみたいかもぉ〜」
「やめときなさいよ!」
「でも〜どんな人か気にな…キャ」
冥子が偶然向かい側からきた少年にぶつかって倒れた。その手の打ち所が悪かったらしくきってしまった。
「すあません。大丈夫ですか?」
「ああんたなんてことしてくれたワケ!」
「ふぁぁぁぁん!!」
式神暴走
「なんなんだ!?」
狼狽している少年をよそに慣れている令子とエミは暴走した式神から逃げた。
暴走地帯に一人残された少年は冥子をおさえればいいことに気付いたらしい。
「『災害の手』<ハンズ・オブ・カラミティ>」
少年の右腕に二つの砲がついた漆黒の盾が現れた。
「ふぁぁぁぁん!!」
暴走した式神達が少年をターゲットにしたらしく盾と身体能力をくしして泣き続ける冥子に近づく少年を襲った。
「あ!」
突然令子が叫んだ。
「何?」
「あいつ!私が言ってた奴よ!」
そう、今更だが冥子の式神達とやり合っているのは横島だった。
「後、一歩…着いた。君もう大丈夫だから泣き止んで」
冥子を抱き寄せ頭を撫でる。
「うぅぅん」
「泣き止んだね。いい子いい子」
撫でられるのが気持ちよかったらしく、冥子は泣き止んだ。
「ごめんね。痛い思いさせちゃって」
「ううん。冥子もごめんなさい」
「大丈夫なワケ、冥子」
暴走がおさまって安心して令子とエミがやってきた。
「大丈夫〜。この人が止めてくれたのぉ〜」
「あんた横島だっけ?何でこんなとこいんのよ」
「?どちら様で」
首を傾げながら令子を見る本気でわからないらしい。
「教会にいたでしょ!」
「…ああ、そういえば」
ポンと手をたたいて納得した。
「で、何でこんなとこにいるワケ」
「飯食うため」
ぐぅぅぅぅぅ…
ベストタイミングで横島の腹が鳴った。
「じゃぁ〜。うちくる〜?お礼もしたいしぃ〜」
「いいの?俺、大食いだよ(アモンのせいで)」
断る気はないらしい。
「別にぃ〜平気よぉ〜。私〜六道冥子」
「私が小笠原エミなワケ」
「美神令子よ」
「俺は横島忠夫だ。よろしく、冥子ちゃん、令子ちゃん、ん〜呼びづらいから冥ちゃんと令ちゃんでいい?」(ヨコシマスマイル発動)
「うん。いいよぉ〜(ぽ)」
「べっ別に構わないわよ(ぽ)」(さっきまで邪険にしてたくせに)
「改めて、令ちゃん、エミちゃん、冥ちゃんよろしく」(ヨコシマスマイル再び)
「「「(赤面)」」」
(またやりやがってこいつは)
(なんか言いましたか?師匠)
(いやなんでもないぞ)
解説
赤垣洋治君は狗狼伝承で出てくるわき役です。
『災害の手』〈ハンズ・オブ・カラミティ〉はガンダムSEEDのカラミティの〈ケーファー・ツウ゛ァイ〉です。
シャーマニックファイヤー以降の技名と効果を教えていただけるとありがたいです。
では