某所・・・
「オンキリキリバサラウンバッタ、オンキリキリバサラウンバッタ・・・」
どこか不気味な雰囲気が漂う、闇に包まれた場所で、男が真言を唱えていた。
「オンキリキリバサラウンバッタ、オンキリキリバサラ・・・」
しばらくして、男を中心に光の線が走る。
光の線は闇と同化し、男を中心にある模様を形作っていく。
専門家が見ればわかっただろう。
それは召喚術の魔方陣。
男はそれを確認すると、その冷たく整った顔に、見る人を凍えあがらせるような冷笑を浮かべた。
そして男は静かに胸の前で最後の印を組み、最後の<呪>をつむぐ。
たった一言。
「人魔・・・招来」
瞬間、ある世界の一人の青年が・・・消えた。
横島大戦
第零話
所変わってまた某所・・・
『始まりましたね・・・』
神々しさあふれる場所で、強烈な後光を発する男の一人が呟いた。
そしてその呟きに、六対十二枚の羽を持つ男が応える。
『いよいよ・・・な。・・・それにしても、どうしてあの坊主はこういうのに巻き込まれるんろうなぁ』
『仕方ありません。<意志>は彼を選びました。遅かれ早かれこういうことになるのは確定していましたが?』
『わかっとるんやけどなぁ、頭では理解できんねんけど、やっぱ納得はできひん』
『子供ですか、あなたは』
『しゃーないやろ? こうなった以上、ワイらには何にもできひんねん。出来ることといえば、ただ見るだけや。ほんま、最高指導者が聞いて呆れるわ』
そういって肩をすくめる。
表面上は軽い口調だが、相当落ち込んでいるのは見て取れた。
『そう落ち込まないでください。私達に出来ることをやる。・・・それでいいじゃないですか』
『・・・そやな。ま、見守ることぐらいしかできひんけど』
『何もしないよりかはマシ、でしょう?』
『そうゆうことや』
こうして運命の歯車は回り始めた。
しかし、その運命がどの方向に回っていくかは・・・誰も、知らない・・・
続く・・・
次回予告
皆さん初めまして。
真宮寺さくらです。
私はやってきました。
この、帝都に。
父様が命をかけて守った、この、帝都に。
胸いっぱいの期待と、ちょっぴりの不安を胸に、帝都に降り立った私を出迎えたもの、それは・・・
次回、横島大戦第壱話、『横島襲来?』
太正櫻に浪漫の嵐!
華の残照のほうがまだ復活しないようなので、横島大戦をこちらに移さしてもらうことにいたしました。
どうぞよろしくお願いします。