▽レス始▼レス末
「扉の向こう 第五話(GS+幽白+月姫)」桜始開 (2004.11.26 09:34)
※華の残照からの引越し組です。
 GS美神と幽白と月姫のクロス物です。
 萌えやらギャグやらはありません。多分。
 まぁ、今までの話は華の残照の小ネタ掲示板にありますので……
 パスワードを書いたメモ無くしたから今までのを削除できなかった(泣)















 四人が走る。
 走っちゃいけない病院を走る。
 急患が来たときは走ってもいいけど、一般市民は走っちゃいけない廊下を走る。

「ああッ! もう! 蟲だらけでうっとおしい!!」

 叫んじゃいけない廊下で女性が叫ぶ。

「探すっていっても病院の中は医者だらけですよ!」

「とりあえず医者がいたら全員ぶん殴る!!」

「気が進まんがそれが一番手っ取り早い」

「むしろ、殺すつもりでやるわ!」

「証拠は残さないようにしとけよ!」

「(なんと恐ろしい人たちだ)」

 ま、病院で話す話題ではない。









    扉の向こう 第五話










 一塊で探していては、埒が明かないので、幽助、幻海、美神、城戸の四人は分かれて能力者を探すことにした。
 だが、単独で行動したのがまずかった。
 幽助や美神、幻海だったら個人でも対処できたかもしれないが、敵に出会ってしまったのが城戸。
 城戸は領域を持ってはいるが、基本的にはただの学生。
 そのせいか、敵の攻撃に対処することが出来なかった。

「くくく、手も足も声も出せまい。随意筋の大部分を麻痺させた」

 敵能力者、神谷はこの病院の医師であることを利用してその姿を隠していた。
 偶然、城戸が神谷の近くにおり、近くにいた看護士が神谷が今日休みだと言ったお陰で気がついたのだ。
 しかし、その看護士はその場で神谷に殺害され、また、城戸も殺されそうになっていた。

「いいザマだ。白昼の通り魔、看護婦を殺して自殺・・・といったところだな」

 自らの指先をメスのように変え、城戸の手首を切り裂く。

「やつらが敵を病院の部外者だと思っているのは好都合だ。一人残らず消してやる」

 城戸の手首からは大量の血が流れ始める。
 早く処置をしないと、出血多量で死んでしまうだろう。
 神谷が他のやつらを探そうと立ち上がろうとすると、そこに

「きゃあーーーーーーーー!!」

 一人の看護士が部屋に入ってきた。
 彼女の目に映ったのは、一人の少年が手首から血を探し、同僚は地面に倒れ伏している光景だった。

「神谷医師、これは一体・・・・・・誰かーーー!!」

「(ち・・・騒ぎが大きくなってきたな。ここはなんとかごまかさないと・・・・・・)
 キミ! 大至急警察を呼べ!! 不審な男がたった今逃げていった!!
 病院内に医者に成りすました犯罪者がいるぞ!!!」




「城戸!!」

 そこへ、騒ぎを聞きつけた浦飯がやってくる。

「君、この少年の知り合いか!!」
「こっちの少年はまず心配いらん。発見が早かった」
「一体どうなってるんだ!? 警察を早く呼べ」

 そこには数人の医師が集まっていた。
 口々にいろんなことを騒いでいる。

「(医者医者医者だらけ!!
 この中に犯人がいるのか? それとも、もう逃げたか?
 くそぅ! 全員ぶん殴るか?)」

「犯人は医者に化けてるそうだ!!」
「全棟に連絡しろ! まだ凶器を持ってうろついてるかもしれん!」

「やはりこの病院の医者じゃなかったか!!
 ってことはこいつらじゃねぇ。まだ遠くに行ってねぇはずだ!!」

 数人の医師がそれぞれを見知った人物のように話し合う。
 それをみて、浦飯はここに敵はいないと予測する。
 そんな騒ぐ医師の中、神谷は浦島の言葉を聞いてほっとしていた。

「(くくくくく、よし、後は時間がたてばウイルスでこいつらの仲間は死ぬ)」

「城戸!! 敵はどこだ!! どんなヤツだった!!」

 倒れている城戸の近くに行き、敵の情報を探ろうとする。
 それを周りの医師が止める。
 城戸が手首を切られたショックで体が膠着していると思っているからだ。

「(フン……無駄だ無駄だ。筋肉を麻痺させてるんだ)」

 神谷の領域によって筋肉を麻痺させられた城戸は、すぐ近くにいる敵の正体を浦飯に伝えようとするが出来ない。
 手足や舌、指一本ですら動かせないからだ。

「くそ…しかたねぇ! 城戸、しっかりしろよ。すぐ捕まえて倒してくる! 待ってろ!!」

 そういって、浦島がその場を立ち去ろうとする。
 とっさに、自分の領域を発動させ、浦飯を引き留めさせる。

「(体が動かねぇ!? 城戸の領域! 城戸の“影”か!!)
 城戸!! 俺に「行くな」といってるのか? まさかここに……」

「(そうだ!!ここに敵がいる!!)」

「オレにここにいて欲しいってのか!? 心細いのは分かるが犯人逃がしちまうだろ!」

「(ちがうちがうそうじゃねェェェ。犯人がここにいるんだよぉぉぉ!!
  なんとか教えねぇと〜〜。体のどこでもいい! たのむ!! 動いてくれ!!)」

 城戸の必死の思いもまったく通じない浦飯に何とかここに敵がいることを教えない城戸。
 そんな城戸の思いが自らの領域に新たなる力を目覚めさす。

「なっ!!」
「(城戸の“影”が動いてる!!)」

 そう、今までは影を踏んだ相手の動きを止めるだけの領域だったが、
 城戸の精神の強さによって、自らの領域の根源、“影”を動かすことが出来た。
 そして、その城戸の影は自らが流した血を使って、一人の男の名を床に書く。
 床にはひらがなで三文字。
 か・み・や
 と、書かれていた。

「かみや!? それが犯人の名前か!?」

 敵の名前を浦飯に伝えることが出来たことによって安心したのか気絶する神谷。
 その瞬間、城戸と浦飯の近くにいた医師が首筋を斬られる。
 そして一人の医師を残して全員が倒れる。

「予定変更。病院内の人間、全て殺す」

 自分の名前がばらされ、自分の正体がばらされるのも時間の問題と見た神谷が実力行使に出る。
 まず手始めに、領域で周りにいる医師全員を殺す。

「てめぇか!! 城戸!! 領域をとけ!!」

 襲い掛かってきた神谷の一撃をとっさに後ろに飛び避ける。

「もう“影”がとけている。
 そうか、能力者が意識を失うと効力も消えるのか!!」

「しまったなぁ。もう少しの間「優しい神谷医師」を演じていたかったが……
 病院内にいる人間は全て殺す必要が出来てしまった」

 神谷の周りに無数の蟲、ウイルスが現れる。
 いや、神谷の周りだけではない。
 それは、病院内、神谷の領域全体に現れ、中にいる全ての人間にウイルスを注入する。

「私の念で出来たウイルスは強力だぞ。精神力の弱いものほど死は早く訪れる。
 最初にさされた君の仲間はもっとあと10分かな……」

「その前にテメェを倒す!!」

 一気に間合いをつめ、神谷の顔面に無数のパンチを叩きこむ。
 ついでとばかしに、周りにいるウイルスの破壊する。
 耐え切れず、神谷は吹き飛ばされる。

「能力者が意識を失えば効力が消えると分かったからな!!
 今すぐ眠らせてやるぜ!!」

「ねむらす…………? くくくくくくくくく、うひゃひゃひゃうひうひ…………それは無理だね」

 いきなり、起き上がり、人間離れしか動きで浦飯に攻撃を仕掛ける。
 神谷の攻撃を一撃だけ頬に喰らうが、カウンターでボディーに一撃を食らわす。
 そしてそのまま、壁に吹き飛ばされる。
 かなりのダメージが予想されるが、神谷はニヤニヤと笑っている。
 まったくのノーダメージのようだ。

「その動きとタフさかげん。並の人間の体力じゃねーな」

「能力に目覚めると同時に肉体の機能をメチャメチャに高める方法も覚えた。
 脳内の興奮物質を自在にコントロールできるのさ。
 お陰で痛みもまったく感じないねぇ。ふぇふぇふぇふぇふぇ……」

 そういいながら、ゆっくりと立ち上がる。

「素手で解剖してやるぜぇーーーー!!!!」

 再度、浦飯に向かって攻撃を仕掛ける。
 が、それを見越していた浦飯は既に指先を銃のように握っていた。
 そして、指先にためた霊気を弾丸のように放出する。

「む!!」

 とっさに放たれた霊気“霊丸”を神谷は避けるが、左腕が吹き飛ぶ。
 廊下にぼとりと神谷の左腕が落ちる。

「(これが霊丸か……)」

「もうてめぇを人間とは思わねぇ。次は完璧に当てる」

「忘れたのか? オレの能力は“医師”だぜ」

 そういいつつ、自分の左腕を拾い上げる。
 そして、左腕を千切れた箇所とつなぎ合わせて、右手ですっと撫でる。
 すると、左腕は元通りにくっつき、何事も無かったかのように結合されていた。

「“結合手術”もできるんだぜ」

 繋がれた左腕の具合を確かめるように二三度上下に動かす。

「“医師”という能力でありながら、オレがやって「死ね!!」…はぶっ!!」

 と、そこへ誰かの一撃が神谷の首筋にヒット。
 はっきし言って、シャレにならない音がする。グキッとか、ゴキッとか……

「死んだーーーー!!!!」

「なによ、情けないわね」

 浦飯から少し離れたところにいる美神。
 その手には神通棍。しかも、鞭モード。

「あんた……なにやってんだよ!?」

 妖怪は結構殺してきたけど、人間が死ぬという状況はあまり体験していない浦飯。
 まぁ、浦飯本人が死んだことはあるが。

「何って…………おキヌちゃんに酷いことやって無事にすんでるヤツっていないのよ!!」

 死津喪比女しかり、茂流田しかり、鼠のネクロマンシーしかり……たぶん他にも多数いると思います。
 詳しく説明すると、
 死津喪比女、呪殺+串刺し。茂流田、くびちょんぱ。鼠のネクロマンシー、喰われる、ってとこです。

「くっ………くくくくくくく。援軍を頼むとはねぇ。あの人もそこまでは考えていなかったようだ」

 どう見ても、首の骨が折れている神谷が笑いながら立ち上がる。
 そして、普通に首を元に戻す。
 こういうことが出来るのは、神谷かギャグキャラか中国四千年の某海王ぐらいです。

「ちっ」

「舌打ちすんな」

 よっぽど、本気で殺りたかったのだろう。




















後書き

カウボーイビバップ………………俺の好きなアニメベスト25の一つ。

BLACK CAT(WJ)………俺がちょっと敬遠する漫画。いや、だってねぇ(笑)


俺は書くのが遅いタイプ…………でもあるし、そして現在、リアルが異様に忙しい。
学生なのに過労死しそうだ(笑)

本当だったら、この第五話で対神谷戦が終わるはずだったのに……
しかも、分けるほどの長さではないし……
くそっ!! 次は先輩乱入だ!!! 多分(爆)


△記事頭
  1. >華の残照からの引越し組です
    引越しならきちんと一話から投稿してください。
    不親切ですよ(2004.11.26 09:49)】
  2. 待ってました、流石美神!思ったとおりの行動をとりやがったw
    おキヌちゃんに手を出して悲惨な目にあったのはナイトメアもいますね
    各々の時代の美神令子にタコ殴りされた馬面ですね

    COWBOYBEBOPは自分のアニメランキング上位に位置してます
    あの世界観は素晴らしい。『時代遅れのカウボーイさ!』
    紅魚(2004.11.26 09:56)】
  3. ついでに1の人に

    ・「華の残照」小ネタ掲示板に掲載済の文章は再UPしないで下さい。
    ↑の文はお読みになられたでしょうか?

    作者の方がPASSを忘れて「華の残照」の方の文が消えていないので
    途中からの投稿が正しいと思います
    紅魚(2004.11.26 10:06)】
  4. 前回のレスで自分で言っておいてなんですけど、確かにおキヌちゃんに手出ししたやつっていつも以上に悲惨なことになってますね。しかも妖怪とかみたいなバケモノではなく人間だったり能力を持ってるだけのねずみだったりと、明らかに相手を『殺害』してる結末。
    思えば勘九朗以外では直接人が殺された描写ってそういう時くらいしかなかったのでは?死津喪も花粉を撒き散らした東京で一人殺してるシーンがありましたし。
    さすがはおキヌちゃん。香港でピートがさされて「このまんがで誰が死ぬんだ!?」「あの〜私もう死んでるんですけど」「ああ〜〜!そういやそーゆーまんがだったああ〜〜!!」と言わせた娘!!なんて恐ろしい子!!
    ひとつGSならではの手を考えたのですが、あいつが気絶しないのは肉体のほうを操作してるからですから、強制的に幽体離脱でもさせて霊体のほうをぼこれば気絶させれるかもしれません。
    九尾(2004.11.26 10:32)】
  5. ↑すると例の食い物の出番ですか?w
    まぁ、首でもしめてりゃふつーに気絶はすると思いますけどねー。脳内物質操ろうと、酸素が足りなきゃどーにもならんし。
    基本的に幽遊のストーリー路線で行くようですが、この先は、さて…
    MAGIふぁ(2004.11.26 13:01)】
  6. あ〜あ、やっぱ神谷は酷い目にあうんだ。ま、身から出たさびですわな。さっさとのされちゃってくださいw
    ふと、考えたんですけど、神谷って冷静に考えりゃ強いんですよね。
    変に浦飯たちの前に姿現したからぶっ飛ばされたんですし……
    卑怯等かそういうのも無視にやってたら、多分浦飯達負けてますよね(藁

    >カウボーイビバップ
    オレは堕天使たちのバラッド「Ballad Of Fallen Angels」が好きかな。
    水カラス(2004.11.26 18:39)】
  7. たとえ「医師」であろうと「しめ鯖あんバーガー」を食らわせればあっという間に臨死体験♪と思いつつ、GS専売特許の「霊体直接攻撃」を推薦したいです。むしろ体という物体ではなく、霊魂を狙って。
    nacky(2004.11.26 21:17)】

▲記事頭


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