▽レス始▼レス末
「散歩論議(GS)」MAGIふぁ (2004.10.15 16:53)

「さんぽーー!」
「ぬおぉぉぉぉ
ぉぉぉぉぉ!!」

 能天気なセリフを叫び、無邪気な笑顔で爆走するプラチナブロンドに少し額のあたりに赤いメッシュの入った元気な少女。
 そしてそんな彼女の腰に縛り付けられたロープに引っ張られ、ドップラー効果を効かせた悲鳴を上げて引きずられていく少年。

「ふぁ〜〜あ、よく寝た」
「ああ、もうこんな時間か…」
「最近寒くなったせいか、布団から離れにくいな〜…」
「…ん?…寝直そ」

 道沿いの民家の方々に時報代わりに利用され、親しまれたり迷惑がられたりするようになって久しい彼らは、男のほうは横島忠夫といい、女のほうは犬塚シロといった。



「だからバカみてーに全力疾走すんじゃねぇ!と何回言ったら解るんだっ!?」
「キャイン!すまんでござるよ、先生。拙者つい、嬉しくて…」

 ようやく立ち止まった少女に、いつもの様に文句を言う少年と、いつものように謝る少女。
 いったい何回繰り返したやり取りなのか、もはや本人達にも判るまい。
 そして、少年がかねてよりの疑問を口にする。

「まったく……しかし、あれだな。お前、ホントに人狼か?犬じゃねぇのか?」
「狼でござるよっ!」

 犬塚シロ。こう見えて、由緒正しき血筋の人狼なのは本当だったりする。なにせ北欧神話のフェンリルがご先祖様だ。
 しかし、その行動パターンは少年が知る限り犬そのものだ。しかも野生ではなく飼い犬のソレ。

「そうか?でもなぁ…狼はしねぇぞ?サンポ」
 がーーーーん…!!

 衝撃の事実に打ちのめされるシロ。
 それが本当だとするなら、自分のあいでんてぃてぃに関わる。
 かと言って、サンポを止めるなど論外だ。それは既に己の生きがいであるし、しかしそれを受け入れてしまったら、狼としての誇りや主張が通らない。

「う、うぅぅうぅ……」

 本能との戦い(?)と葛藤にシロは本気で悩んだ。頭を抱えて座り込んでしまうくらいに悩んだ。
 これには指摘した側の横島少年も慌ててフォローに入った。彼は素朴な疑問をぶつけただけで、ここまで深く考えさせたり、まして苦しめるつもりはこれっぽっちも無かったのだから。

「あ、ああ、まーそー深く考えんでもいいぞ、シロ!ほ、ほれ…俺もただ言ってみただけだし!」
「し、しかし…」

 テキトーな事を言って何とかしようとしたが、どうやらフォローし切れなかったらしい。
 そう悟った横島は、今度はシロの考える矛先をズラそうと試みた。

「え〜っと、そうだ!他の!お前の里の他の奴らはどーだったんだ?」
「へ?」
「やっぱりサンポ好きだったりしたのか?」

 言われてシロは思い出す。
 そして思い出したそのままに横島少年に語った。

「ん〜〜…そう言えば、朝日が昇る前に遠吠えと共に集合の合図があって、長老の所に集まって皆で結界のすぐ内側をぐるぐると走り回っていたでござるよ」
「そ、そうか…」

 ちなみに人狼の里は結界に覆われているが、その結界の大きさは山2〜3個分である。
 バカ犬集団暴走…しかも毎朝…
 毎度毎度、フルマラソンを短距離走のスピードで駆け抜けるシロの散歩に付き合わされている横島には、誰よりもその集団散歩集団の恐ろしさが良くわかった。
 決して、人狼の里には泊まるまい。
 そう心の中で硬く決心しつつ、この話題からの撤退を図る。何より、自分の精神的な安寧のために。

「さて、そろそろ帰らんと遅刻しちまうし、帰るぞシロ」
「解ったでござる…でも、また明日も付き合ってくれるでござるか?先生」

 しぶしぶその意見に賛成するも、ちゃっかりと次の日の要求をセットにする愛弟子に…

「しゃーねーなー。解った、付き合ってやるよ」
「わーーい!だから先生好きー!」
「ぶっ!?やめんか!飛びつくな!顔をなめるなー!!」

 苦笑してうなづき、押し倒されて顔をペロペロとなめ倒される師匠の横島。
 なんだかんだ言って、仲の良い2人だった。


 めでたしめでたし。


△記事頭
  1. お前ら絶対犬だって!!野生の狼がそうまでして走りたがるかーー!!!!
    そもそも『サンポ』というのは走るものではなく歩くものだーーー!!!!!

    この議論の結論を出させれば、さんぽしたがるのと犬と呼ばれたがらないこと、どっちかはなくなるかもしれん。一番こだわってる二つだからな。一つに減らせれば少しはマシになるだろ。
    「狼だからサンポしない」か、「サンポしたいから犬でいい」か、どっちになるかかけます?どっちにしろ今までのシロとは大幅にイメチェンすること必至です。
    九尾(2004.10.15 17:13)】
  2.  やっぱ犬だわ(^^)。
    武者丸(2004.10.15 17:37)】
  3. 散歩はきっと狼の習性が残っているのかもしれませんね。
    狼は餌を求めて、一日に数十キロ以上歩き回りますから。
    人狼のみなさんの食べ物は自給自足でやっていると思われますから、昔の習性を散歩で発散しているのかもしれません。
    それにしてもシロは可愛いなあ。
    ろろた(2004.10.15 17:39/2004.10.15 17:41)】
  4. シロは犬でしょう、犬、メスの。
    あぁ、大変だ!頭の中にピンクのあれやこれやが!
    ぴええる(2004.10.15 18:32)】
  5. 狼は犬科だし、いいんではないでしょーか。大体、野生の?犬はわざわざサンポとかせんでも生活そのものがサンポですし。
    家というか集落を作って完全に定住してる人狼一族の生活が犬化してもしかたないかと。っていうか、飼い犬ならぬ飼い狼だったらサンポしないと運動不足になるし本能も鈍るんでは。生活体系が人間化している人狼一族は飼い狼っ!(爆)
    …ちなみに狼よりも強い犬種ってザラにいるらしいですな。犬って捨てたもんじゃねーですよ。
    WEED(2004.10.15 19:40)】
  6. …メス犬…いやらしい響きだ<止まれ
    散歩って結局は『飼われ』て、動き回れないからこそ…なんですよね。野良は気の向くままに動き回ってますし
    …と、なると犬や狼以前に…既に『ペット』と化してないか?(爆)
    朧霞(2004.10.15 20:58)】
  7.  まぁあれはある意味縄張り確認とかですからねぇ・・・・・あと、排泄などで住みかがばれないよう遠くでするってのもあるから・・・・サンポさせなすぎて体調壊したってのもあったらしいですし・・・・(−−;;;;
    D,(2004.10.15 23:08)】
  8. 狼は、狩をするか、縄張りを守るとき以外は、体力温存してるんじゃないっすかね?

    となると、やっぱりシロは・・・・・・・・・・犬・・・・・・・・なんじゃないかな
    まさのりん(2004.10.16 02:46)】
  9. 狼がどーのイヌがどーのとゆー以前に、結局シロは横島君の”ペット”だってコトですかね…(笑
    偽バルタン(2004.10.16 02:55)】
  10. まぁ簡単に言っちゃえば狼が野生を無くしたのが犬のようなもんだし、
    すっかり横島のペットとなったシロは犬化して行ってるんじゃないですかね。
    さんせい(2004.10.18 12:46)】
  11. まあ、結論からいうと、横島に調教されて、犬になったと……あれ?
    米田鷹雄(2004.10.21 19:18)】

▲記事頭


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