鬼畜将ランス～外伝　伝説の始まり～（鬼畜王ランス）

　これは・・・後に名を世にとどろかせた将軍と

　その義父であり、師であった人物との出会いの物語である・・・

　彼らがであったのは・・・雪の振る寒い日だった・・・・・

　リーザス軍の将軍・・バレス・プロヴァンスが・・・・

　最愛の妻を失い・・・仕事にのめりこんでいた時期だった・・・

　「・・なに？この地では小さな子供までもが犯罪を犯していると？」

　地方都市の治安強化の為に、マウネスの街に来たバレスが

　その街の警察官達に治安状況を聞き、一つ疑問に思ったことを返した

　「はい・・見た目7,8位の幼い少年なのですが・・・

　　とても子供とは思えないほどに腕が立ち

　　これまでに4人が襲われ財布などを

　　他にも・・・この辺りで犯罪を犯していたものが何人もころされており

　　私達の調べで、死因はその少年との衝突の結果、となっています」

　そこまで聞いたバレスが、自分顎鬚をさわりながら考える素振りを見せた

　(7,8歳の子供が犯罪を・・・しかも殺人を犯すか・・・・

　　リーザスの治安がそこまで落ちておったとはな・・・・・

　　なんとか・・・その少年を救えぬものか・・・・)

　バレスが考え事をしている間に、警察官が街の地図を持ってきていた

　「ちなみに件の少年がいる場所はこの辺りなのですが・・・・

　　バレス将軍、一つだけ、お願いがあります・・・・」

　「ん？」

　「その少年・・できれば無傷で捕らえてもらえませんでしょうか・・・」

　警察官は、どこか寂しげな顔でそうバレスに言った

　「・・・なぜかね？」

　「・・・・少年に会えば分ると思います・・・・

　　将軍・・あの少年を・・救ってあげてください・・・」

　警察官は深々と頭を下げ、バレスもそれに応えるように大きく頷いた

　「地図ではこの辺りなのだが・・・・・」

　つれてきた兵達を分散させ、単身で地図に記された場所に来たバレス

　単身で来た理由は、捕らえるのなら自分だけの方が容易いと思ったからだ

　「ふむ・・・・ここでまちがいないはずなのだが・・・・！？」

　地図と周辺の地形を見比べて、場所を確信したバレスだが・・・

　それと共に、自身に向けられる異様な殺気に気づいた

　(・・・なんだこの殺気は・・・まるで魔物・・・)

　バレスが異様と感じたわけは・・・その殺気が不気味なものだったからだ

　人の身で発している殺気と思われるのだが・・・

　まるで、獲物を狙う獣の様な・・・魔物のような・・・・・

　人間が発しているのか、魔物が発しているのか分らないほどに

　バレス近辺の空間に満ち溢れていながらも

　自然に殺気が流れているため、場所の特定が難しい殺気だったのだ・・・

　(集中しろ・・・どこの殺気が一番濃いのか・・・・・・

　　正面・・違う、背後・・・これも違う・・側面・・・右か！！)

　周囲に蔓延するような殺気の中で、一番濃い部分にバレスは向きなおすが

　　　　　バッ！！

　「くっ！？左か！！」

　　　キィィン！！

　予測した方向とは逆方向から襲ってきた影に対し

　バレスは戦を重ねた実績もあってかそのすばやい動きに完全に対応する

　　　　キャリキャリキャリキャリ・・・・

　「・・・・くっ・・・なめるな！！」

　鍔迫り合いに持ち込まれていたバレスだったが・・・・

　その影が僅かに微笑んだのに気づき、力を込め、吹飛ばしに掛かる

　　キィン・・　　ドガッ！！

　影はその力に耐え切れなかったのか、吹飛ばされ、近くの壁にぶつかる

　そして、バレスはその影の正体をその目で見ることになった

　「・・・・・なっ・・・！！」

　その正体は、バレスを驚愕させるにふさわしいものだった・・・

　壁に衝突したダメージが大きかったのだろう

　ゆっくりと構えなおしているその姿は・・・・

　警察官に聞いた、7,8歳位の少年の姿だった

　驚愕しているバレスとは別に、少年は構えなおすと再び殺気を放つ

　その正体に気づいたバレスですら、反射的に構えてしまうほどの殺気を

　そして、バレスが構え終わった瞬間、再び少年は一気に接近してくる

　バレスはその少年が繰り出してくる斬撃を受け流し続けるが・・

　　「・・・・・死ね」

　少年が小さくそう呟いた後の恐ろしい殺気と共に放たれた斬撃を受け止め

　それでもなお衰えぬ殺気と、氷ですら暑いと感じるほどの冷たさを持った

　少年のその瞳を見て・・・思わず弾き飛ばし、壁にぶつけてしまった

　再び壁にぶつけられた少年は、再び構えなおすことはなく

　ゆっくりと、ゆっくりと、その体を道路に横たえる事になった

　「ふぅ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・・」

　少年が横たわり、しばらくたった後、バレスは忘れていた呼吸を繰り返した

　(しかし・・なんと言う殺気・・・このような少年が放てるものか・・・)

　バレスは自分すらも脅えさせた殺気が少年から放たれていた事から

　この少年が、自分の想像を絶する生き方をしているのだと実感した・・・

　そして、バレスがゆっくりと少年に近寄ったとき・・・

　ヒュン・・・・カッ

　石つぶてがバレスに向かって投げられ、届かずに、地面に落ちた

　そしてバレスがそちらの方向を向くと・・・・

　少年よりも幼い・・5、6歳の子供達が・・・7人近くいた

　その内4人が少年、三人が少女だと言う事をバレスが認識すると共に・・・

　「ラン兄ちゃんから離れろ～～～～～～！！」

　「あっちいけ～～～～～～！！」

　「ラン兄ちゃん！！」

　「馬鹿野郎～～～～～！！」

　四人の少年がズボンのポケットに手を突っ込んでは石つぶてを投げ

　その間に三人の少女がバレスの横を通り横たわっている少年に駆け寄る

　バレスは少年達の行動に驚きながらも、何とか説得を試みる

　しかし少年達はそれに耳を貸さずに、石つぶてを延々と投げ続ける

　その間に少女達は必死に倒れている少年を起こしていた
　

　そのような行動が繰り返し続けて・・・・

　「お前ら・・・やめろ・・・お前らじゃ勝てねぇ・・・」

　最初の少年が目を覚まし、そう言葉を発する事で投石行動はとまった

　「おぉ・・・目が覚めたか、少々やりすぎたと思ったのだが・・・」

　「・・・なんで殺さなかった」

　バレスが起きた少年に言葉をかけると、少年はそう冷たい声で返した

　「・・・・なぜ殺さねばならない？」

　バレスは殺気を発さず、武器から完全に手を離した状態で話しかける

　「・・・・」

　その様子を見て、少年は沈黙を返す、隙あらば飛び掛れる体制で・・・・

　「一つだけ聞かせてくれ、なぜ君は犯罪に手を染めたのだ？」

　「・・・・・・・・」

　バレスの問いかけに、少年は再び冷たい目でバレスを睨みつける

　バレスも、少年から目を離すことなく、じっと、睨み合った

　「・・・・・・・・・・・ついてきな」

　バレスを睨んでいた少年はそう言うと、バレスに背中を向け歩き出した

　バレスは少年に誘われるままに路地裏に入っていきその路地裏のつきあたりで

　小さな、ボロボロの木材でできた小屋を見つけ

　先を歩いていた少年に中に入る様に促された

　バレスが小屋に入って最初に見た姿は・・・・・

　四人の幼子達が、その小屋の中で、毛布一枚だけで横になっている光景だった

　「コホッコホッ・・・・ランス兄ちゃん・・・誰？この人・・・」

　小屋の入り口から一番近くにいた少年が、指だけをバレスに向けた

　「馬鹿な質問をしてきた、馬鹿な大人だよ

　　それよりちゃんと飯食べたか？食べないとよくならないぞ・・・」

　ランス・・・そう呼ばれた少年が、その少年の問いに応える

　その声は・・・親愛の情で溢れていた・・・

　それと共に、バレスは一瞬で状況を理解した・・・・

　自身、戦場においてさまざまな光景を見てきた、だからこそわかったのだ

　ランスと呼ばれた少年が・・・・犯罪に手を染めた理由は・・・・

　自身も孤児でありながら、この幼子達を養うために・・・

　この年で、自ら修羅となり、手を血に染めている・・・

　バレスは・・・その事に胸を締め付けられるような感触だった

　将軍として功をあげてたとしても・・・・・・

　自分が護りたかった・・・幼き子供、力無き者達の事を・・・

　まったくわかってやれず・・・救えていなかったと実感したのだ・・・

　そして・・・バレスは一世一代の賭けにでた・・・

　この子供達だけでも・・・救うための賭けを・・・・・・・

　それから月日は流れ・・・・

　「ランス、これリック将軍の所にもってって頂戴」

　「・・・・・・あいつの所に？」

　「あら、リック将軍と仲良いでしょ？」

　「そりゃ仲は良いけど・・・

　　あいつ最近顔をあわせるたびに勝負してくれってうるさいんだよ・・・」

　「何言ってるんだか・・・自分も楽しくて仕方ないくせに・・」

　「うっ・・・・じ、じゃあリックの所に持ってってくる！！」

　「あっ！？・・・まったく・・いくつになっても変わらないんだから」

　血の繋がらぬ姉弟が繰り広げる光景を見ていたバレスは・・・・

　あの時・・・ランスとあった時にした取引を思い出した・・・・

　
　「・・・・・今なんていった？」

　「だから、リーザスの孤児院でこの子達を引き取るといったのだ」

　「・・・あんた、孤児院の園長か？」

　「いや・・・だが、金を出せば受け入れてくれるはずだ」

　「・・・・・で、あんたのメリットは？
　　
　　これだけ人数がいるんだ・・・メリットなしに言うとは思えないね」

　「ほぅ・・・・流石は・・・・」

　「もったいぶるな、とっとと言え」

　「うむ、では率直に言おう、少年、儂の息子になれ、これが条件だ」

　「・・・・・・メリットがあるとは思えないんだがな・・・」

　「メリットはある、お主のその力じゃ、儂はこれでも将軍でな
　
　　お主ほどの力の持ち主が育ち、鍛錬をした上で

　　軍に参加してくれればこれ以上のメリットは無い」

　「・・・・・・・・・・・・・あんた・・・馬鹿な奴だな」

　「儂が馬鹿である事など百も承知、で・・・返答は？」

　「・・・・・わかったよ、癪だけどその取引、乗らせてもらうさ」

　「うむ・・・儂の名はバレス・プロヴァンス」

　「俺の名はランス、苗字は当の昔に捨てた」

　そう言いあって、互いに目を見合った後、握手をかわした・・・・・

　その時、少年ランスは、ランス・プロヴァンスとして生きて行く事になった

　

数年後、人類にその人ありと謳われる人物の物語が、この時始まった・・・

　後書き　

　思いつくまま書いて見た出会い編、真のプロローグがこれかな？ｗｗ

　ちなみにバレスさん、孤児院に子供達を入れた事で一時的に金欠になります

　でも本人は、まったく気にして無い、むしろ満足してたし

　ハウレーンも自分の弟ができた事に喜んでましたｗｗ

　その後の物語は・・・本編に繋がってます

　今回のように突発的に外伝を書くかもしれませんｗｗ

　たとえば本筋と異なるENDとか、今回みたいに過去編とか

　本筋無用のランス争奪女性最強決定戦とか

　では本編の方のレス返しｗｗ

　葵さん

電波MAX状態での思いつき、気にいりましたか?(ぇ
でも、美樹をランスLOVEにすると魔王変化しちゃう可能性が・・・(ぇ
しかも争奪戦に勝つためだけに（ぉぃ
喧嘩別れどころか消えちゃえボムで消しちゃいそうな・・・(ォィ
日光さん・・・参戦すると美樹と連合組むな・・確実に(マテ

　Ｄ，さん

そりゃ一応ピー行為はされましたが、無理矢理ではないですし（ぇ
奪還作戦時に何度も好感度上昇イベント起きてますので♪(マテ
カスタムの魔女との経験・・・当然姉は知ってますよｗｗ
というか、事件レポート提出する必要があるから、それからバレタｗｗ
知った当時は説教フルコース(4時間コース)を受けましたし
それ以降微妙なアプローチを『義理の姉』の立場を使って仕掛けてたり(ぇ
当然、ランスは気づいてません、お手つき寸前になったのは・・・・
カオスの影響による暴走(時間差型)のせいだったりｗｗ
ちなみに↑の暴走はその場に居合わせた他のメンバーにより鎮圧
だからお手つき寸前で止まってるんです(爆
ちなみに初めては・・・眼鏡の発明家さんｗ
カスタムの街で指輪に関する情報を集めまくった結果そうなりました(ぉぃ
勅命受けた当時はどんな事件か正確には把握してなかったランスでしたｗ

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