それは祐巳様の他愛のない悪戯から起こったのでございます。
●暴走妄想黄薔薇(のつぼみ)超特急編
島津由乃さんの場合
金曜日の午後、薔薇の館の倉庫に呼び出された由乃さんであった。
「何?祐巳さん、こんなところに呼び出して」
「・・・由乃、す・き・よ(はぁと)」
後に祐巳様はこの時のことを、「普通に走っていたはずの軽自動車に何故かロケットエンジンが積んであって、いきなり点火した感じ」と呑気な感想をおっしゃられることになる。
「・・・ふふふ、祐巳♪ 私達は永遠に親友ね、考えていることが一緒だなんて(はぁと)」
由乃さんはその後は何も言わず、薔薇の館の倉庫の鍵を中から閉めると、鼻息も荒く「黄薔薇の小箱(はぁと)」と書かれた段ボールからギャグボールと革手錠、麻縄(煮込み済)、鞭(多数)、蝋燭(低温プレイ用って何?)、鎖、信じられないくらい大きい注射器のような物(2L、マニア向け?)、後なんだかよく分からない前衛芸術のコケシのようなもの(大多数)などなど・・・怪しげなアイテムを出してくる(汗)。
ついでに壁のボタンなんかを押しちゃったりすると、何かを吊るすような滑車や、婦人科の診察台、なぜか大きめの洗面器(令ちゃん用とか書いてある)、座るところが三角形の木馬のようなものが出るわ出るわ(冷汗)。
よく見ると木馬のようなものには「令ちゃん専用」とか書いてあったり、三角形の頂点のところに何かの液体が乾いたような染みがあったりするんだが(大汗)。
すでに目が据わりきっている由乃さんは無言で祐巳様に向かって革手錠を差し出し、その目だけで両手を差し出すように促す。
いや、ヤクザモンでも裸足で逃げ出すような迫力である。
視覚的な暴力とはこういうことを言う・・・三つ編みの、それもお嬢様学校の生徒が親友に革手錠を架けようとする。
ぶっちゃけありえない(笑)。
しかし、祐巳様は全く気にした風もなく、無造作に由乃さんに抱き付き囁いた。
「よしのぉ・・・やさしくしてね(はぁと)」
ブヴァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!
薔薇の館中に響き渡るような凄まじい爆音とともに、由乃さんの鼻から吹き出す、真紅の萌え血・・・。
あまりに凄まじい興奮に、健康を取り戻したとは言え、由乃さんの身体が耐えられなかったのだ。
由乃さんはそのまま緊急入院し、土日を面会謝絶で過ごし、月曜日には元気に登校した(汗)。ある意味入院慣れしてやがるかもしれないが…元気なことである(冷汗)。
もっとも金曜日の放課後の惨劇の記憶は微かしかなく、今まで以上に祐巳様と親しくなっていたという・・・(滝汗)。
じ・えんど!
あとがき
よ、由乃さんっていったい(汗)
ちなみに、この後、祐巳様を巡って志摩子さんと抗争したりして・・・(汗)