それは祐巳様の他愛のない悪戯から起こったのでございます。
●姉妹(スール)依存症、サッチー様with双子の怪獣って言うか、紅薔薇編
小笠原祥子様の場合
「祐巳、こんなところに呼び出して、どうしたの?」
「うふふ、お姉様(はぁと)、大好きです♪」
祥子様はそのお言葉を聞くと俯いて立ち尽くしてしまった。
・・・沈黙が流れる。
そう長い、長い沈黙が。
さすがにちょっとだけ(敢えて言おう、それだけかよと)心配になった祐巳様が俯いたままの祥子様のお顔を覗き込む。
すると!
祥子様は何かをやり遂げた、とても幸せそうなお顔で失神なさっていたそうな・・・形のよい鼻から盛大に萌え血を流しながら(汗)。
祐巳様がパニクりながら祥子様を保健室へ運んだのは言うまでもない。
「・・・祐巳が私にプロポーズして、二人は結婚、式場は帝国ホテルを借り切って、いえ国内では招待しきれない方々もいますし、いっそハワイのホテルを2、3買い取ってハネムーンを兼ねてそちらでするのも・・・子供は二人で祐巳と私に似て・・・(以下延々続く)」
どっとはらい♪
松平瞳子さんの場合
「祐巳さま、何の御用ですの?」
可愛らしく小首を傾げる、昨今はとんと見ない髪形、縦巻ロール(愛称はド・リ・ル♪)を左右に一つずつ装備しているところのリリアン女学園1年椿組の自称大女優・松平瞳子さんは、己の最愛の姉である福沢祐巳様に呼び出されていた。
「うぅ〜〜、瞳子ちゃんってば、ちゃんとお姉様って呼んでよぉ!」
「祐巳様が瞳子のことを「瞳子」ってお呼びしてくだされば、呼んで差し上げます(真っ赤)」
「むぅ〜〜〜、と、瞳子ちゃん・・・」
「はい?」
不意に祐巳様は瞳子さんの目を見て、こうおっしゃった。
「・・・好きよ、瞳子(はぁと)」
祐巳様最強の必殺技と言われる「笑顔の爆弾」が最至近距離で瞳子さんに炸裂する!
女優であることを自他共に認める瞳子さんの演技力なンぞ根こそぎ奪い去る、まさにリリアン最強の技。
ちなみにこの笑みに抵抗できたものは未だ存在していない・・・まさに最強の必殺技であった。
不意を突かれた瞳子さんは真っ赤になったまま、顔を伏せてしまった。多分、意識ごと吹っ飛ばされてしまったのだろう、顔は幸せそうにほほ笑んだまま身じろぎ一つしない。
しかし、ここで逃がしてくれる祐巳様ではない(爆)。
普段以上のスキンシップをかましやがったのである。
「も〜〜〜、瞳子ちゃんってばかわゆいんだからぁ〜〜〜♪」
抱き寄て頬を擦り合わせ密着しまくるどころか顔中にキスしてるし・・・(汗)。
まさにリリアン最強のスキンシップ好きの面目躍如、祐巳様は妹である瞳子さんの意識が戻ってくるまで思う存分スキンシップしまくったのであった♪
「今日は瞳子ちゃんとスキンシップできたし、満足満足♪」
祐巳様は大層御機嫌だったそうな。
ちゃんちゃん
細川可南子さんの場合
「・・・祐巳お姉様?」
「可南子、こっちこっち♪」
祐巳様に手招きされ、可南子さんは温室へと入って行った。
そこは可南子さんが思い込みから祐巳様を傷つけてしまった場所。
でも・・・祐巳様は可南子さんを許し、妹(プティ・スール)にしてくれたのだ。そして、自分ともう一人にロザリオを架けてくれた場所。
可南子さんが思い出に浸っていると祐巳様は。
「可南子・・・好きよ。大好き(はぁと)」
そう言うとご自分より(大分)背の高い妹を抱き締めたのだ。
ああ、顔が上気するのが自分でも分かる。全身の力が抜けて行くのを感じながら、可南子さんは祐巳様に身を預ける。
「いい娘ね、可南子。私のかわいい妹(はぁと)」
耳元で聞く最愛の姉の声、そして耳元に口付ける姉の唇の感触を感じながら、可南子さんは幸せな気持ちに包まれて意識を失った。
後は祐巳様のセクハラし放題だったとは、なぜかそのシーンを見ていたらしいとあるメガネの少女(膨大な量の萌え血&カメラ標準装備中♪)のコメントである。
END
あとがき
こんな、天然で鬼攻な祐巳様って・・・(汗)
しかも芥子粒ほども悪気がないのが凶悪w