キィ・・・
真っ暗な部屋に、金属の軋む音が重々しく響く。
動時に今まで闇に支配されていた空間に光が僅かに流れ込んだ。
部屋の中にいる人物はその音と光、そして僅かな空気の流れにビクリと身を震わせた。
『来てしまった・・・』
何処か諦めと・・・動時に興奮を彼女は覚えていた。
身動きのとれない体が、嘘の抵抗をする度にぎしぎしと音を立て、それがさらに彼女の体を熱くさせる。
肌にやさしく食いこんだ拘束の、自身の体温で温められた硬い感触。
これから起こるであろう、自身に課せられる事象に対しての期待と不安。
彼女の心と頭が僅かにぼやけてしまい、それでも顔が紅くなるのが感覚で分かった。
開け放たれた扉から部屋の中に、複数のカツカツと足音が部屋の中へ入り込む。
灰色に鈍く光る鋼鉄製の扉の向う・・・
扉の向うから来る光が逆光になり、人物が黒いシルエットにしか見ることが出来ない。
それでもその数は二人分であることが、音に聞き耳を立てていた彼女には理解できた。
2人の人物が部屋に入ると、扉はゆっくりと開いたときと同じ鈍い音を立てて閉ざされる。
やがてがごんという一際大きな音を立てて扉が閉ざされ、ガチャリと重い鍵をしめる音が部屋野中に大きく響いた。
扉が開く前と同じ、完全な闇が再び部屋を覆い隠していたのも束の間。
軽いスイッチを押す音と共に、部屋の天井に埋めこまれた蛍光灯が光を放ち、闇を瞬時に消し去った。
蛍光灯独特の白い光りが、部屋の詳細を事細かに映し出す。
30畳程の広めの空間には金属の扉意外窓も何もなく、四方の壁は白く塗りこまれ、天井には壁と平行になるように蛍光灯が四角を描くように配置されている。
その異質なこの部屋のそのまん中には・・・
『むぐぅ・・・!!』
そこには1人の女・・・否少女が拘束されていた。
銀色に赤いメッシュの入った長い髪が、頭を支えるクッションの後に流れ、少女の頭の動きに併せてさらさらと揺れる。
変わったことに、頭の上にはまるで犬のような長くとがった耳が鎮座し、ヒクヒクと動いていた。
医療器具として使われる分娩台の上に、完全な全裸で両脚を大きくMの字になるように固定され、両脚の付け根にある白銀色の慎ましやかな毛が生えた女性器と、その下にあるすぼまり。
ヒクヒクと震え、とろとろと液が流れる淫靡な様を余すこと無く見せ付ける。
その小さくも筋肉が美しく詰まった腰と分娩台に挟まれるようにして、髪の毛と同じ長いふさふさとした尻尾が、流れ落ちる愛液と腸液の滴りを受け止めしとどに濡れ、ぺとりと分娩台に張りついている。
体を複雑にビニール紐のようなもので台に完全に縛りつけられ、縄が少女の大きくも小さくもない少女らしさを表現しているかのようなふたつの膨らみを絞りだし、頂点のピンク色の尖りをさらに強調する。
両手を天井から伸びた鎖の先に付けられた革製の輪っかに両手を上げるように拘束され、少女が時折思いきり引っ張るが、天井も拘束具もギシギシと音を立てるだけで、その戒めを解く事は無かった。
さらにその小さな口には丸い穴の開いた玉にベルトのような物が付いた、俗にいう『ギャグボール』で口を塞がれ、さきほどから自分の目の前にいる2人に向かって叫んでいるであろう言葉も、まったくその意味をなさないものにしている。
犬の耳と淫液でしとどに濡れた尻尾。
恥辱に赤く顔を染め、分娩台に拘束されたその姿。
『メスイヌ』
まさに今の彼女にこそ、この名称が相応しかった。
「気分は如何かしら?」
拘束された少女の前に、腕を組み微笑む人物。
少女の足の間につかつかと歩み寄り、その秘所を覗きこむ。
『むぅぅぅぅぅ!!!!』
恥辱を誘う人物の行動に、拘束された少女は紅かった顔をさらに紅くして、拘束をギシリギシリと軋ませながら抗議の声を出す。
しかし、その抗議の声を全く気にした様子もなく、少女の秘所やすぼまりを調べる人物。
その姿は少々・・・余りにも変わっていた。
白い白衣を真っ白な裸体の上に羽織っただけの、
「15分しか経ってないのに、もうこんなに濡らしてるの?」
言いながら金色の髪をするりと掻き上げ、にやりと笑うとその秘所に左の人差し指と中指を添え、ゆっくりと左右に開く。
『むむぅ!!』
「あら〜。
中までとろとろねぇ。
膣のヒダからとろりって愛液が滴り落ちてる・・・まるでバターが解けてるみたい♪」
左右に開かれた秘所の中を覗きこみ、自分の一番羞しい場所の状態を楽しそうにわざと大声で実況する白衣の少女。
拘束された少女はその恥辱に両眼をきつく閉じ、その小さく綺麗な顔を真っ赤にし、顔を横に背けることで、時折体をヒクつかせながらひたすら耐えていた。
年相応の可愛らしいにこにことした笑顔のまま、金髪の少女はさらに右の人差し指で開かれた膣へ指を差入れた。
前ぶれない強い刺戟で、拘束された少女が目を見開いて一際強く背を弓なりに反らす。
「子宮口まで丸見え♪。
ふーん・・これならばご主人様のご期待に添えるわ。
・・・ってあら?」
子宮口を観察していた少女はあることに気がついた。
それに気がついた少女は、にこにことした笑いを打ち消し、まるで獲物をなぶるような深い笑みを浮かべる。
両手を膣からちゅるりと抜き取ると、少女は熱に浮かされたように手に付いた少女の愛液をぺろりと小さく赤い舌で舐めとる。
ひとしきり舐めおわると、白衣の少女は目の前にいる犬の少女の視線に気がついた。
自分の羞しいところから出た液を、あんなに美味しそうに舐めとる白衣の少女。
信じらないような、それでいて淫靡な光景に思わず魅入ってしまった少女。
視線に気がついた白衣の少女は笑みを深くすると、犬の少女に覆いかぶさり、ゆっくりと這い上がるようにして、少女の耳もとに自分の顔が届くまでずるずると這い上がった。
白衣がみだれることなど全く気にした様子もなく、白衣の少女は目を見開いてふるふると顔を左右に振る犬の少女の顔の耳元で囁いた。
「貴女・・・また感じちゃったんでしょう?」
熱い吐息交じりのその囁きに、犬の少女は激しく頚を左右に振る。
その反応に深い笑顔のまま目を細める白衣の少女。
「!!? ひぃぁ!!!!??」
突然犬の少女が叫び声を上げた。
見てみれば、片手を伸ばし先程まで観察していた秘所に、人差し指と中指を深々とさし込み、そのまま激しく抽送を繰りかえしていた。
「もう一度聞くわね?
感じていたんでしょう?」
少女は聞きながらも激しく指を出し入れする。
さし込み引き抜く度に、泡立った愛液がぶじゅぶじゅと音を立てて流れ落ち、分娩台を重力に引かれ下へ流れ、やがて床へ滴り落ちる。
快楽から逃れるために、肢体を弓なりにのけぞらせようとする犬の少女。
しかし完全に拘束されたその肢体は多少動きはするものの、強すぎる快感から逃れるにはあまりにも足りなかった。
両腕を拘束する鎖がじゃらじゃらと音を立てて、彼女の儚い抵抗を音で表現する。
「今さらいいじゃないの。
昨日なんてもっと乱れてたじゃない。
極太バイブで前と後を塞いで、1日中ずっと責め立てたときなんかもっと喘いでたわよ?
ま、もっとも最期の一時間までずっとバイブの強さを調節して1度もイかせなかったけどね。
あの時の科白覚えてる?
『おねがいします。 イかせてください』
あそことおしりから太いバイブを突き出して、腰を振って涎をたれ流してハッハッて息荒げて・・・
最期の一時間連続で絶頂する度に絶頂の叫びを上げて・・・
楽しかったな〜♪」
目を閉じてその時の光景を思い出してうっとりとしている白衣の少女。
その間にも執拗に続けられる責めに、犬の少女は最早何も考えられなくなっていた。
「さて・・・もう一度聞くわよ?
貴女・・・感じてるわよね?♪」
目を閉じたまま深い笑みを浮かべ、犬の少女の陰核の皮を剥いてその中身をキュイっと捻る。
『んぐっ!!!!! んぐっ!!んぐぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!』
犬の少女は余りに強い快感にくぐもった絶叫上げ、がくがくと首を縦に振る。
「正直でよろしい♪ ・・・ひぃあぁ?!!」
心底嬉しそうに頷いていた少女の表情が、一瞬で驚きに変わり絶叫する。
ただし、その絶叫は苦痛などの感情は感じられず、快感に震えた嬌声に似ていた。
「な、なに?」
慌てて後を振り向くと、そこには・・・
「主を置いて何を愉しんでいる?」
少し低めの男の声。
自分の後に立っていたのは、自らが主と呼ぶ男だった。
そして男の手には太い何かを両手に持ち、それを少女自分の足の間に押しこんでいる。
今白衣の彼女の膣と鞫門が大きくくつろげられ、腟内と直腸をゴリゴリと何かが擦っていた。
彼女はそれが何かをすぐに理解した。
昨日自分が、下にいる少女を攻めていたときに使っていたバイブだった。
「も、申しわけありませんご主人様。
ですから・・・お、お許しを・・・ああぁっ!!!」
元々感じやすい上に、下にいる犬の少女を攻めていたため自分自身も興奮が高まっていた。
そこへ二本の極太バイブを突き刺されては、彼女もひとたまりもなかった。
ひたすら懇願する少女にか舞わず、男はバイブをグリッとお互いを擦りあわせるようにする。
膣と腸壁の薄い壁を二本のバイブで抉られ、一際高い嬌声が少女の口から付いて出た。
このまま絶頂できる。
白衣の少女は身体を快感で弛緩させ、白い霞みがかった頭でそう思った。
ところが・・・
「あっ・・・」
次に彼女が口にしたのは絶頂による叫びではなく、心の底から残念だと感じ出た声だった。
あと少しで絶頂へ誘われるはずが、直前でその両方を引き抜かれてしまったからだ。
白衣の少女は犬の少女から急いで降りると、後に下がった男の足にすがり付いた。
「ご主人様!
わたくしめが勝手をしてしまったことは謝ります!!
ですから・・・どうか・・・この浅ましい女狐にご慈悲を!!!!」
必死にすがりつき、男を見上げる少女。
見上げた男の顔は・・・苦笑していた。
男は苦笑しながら少ししゃがみ、少女の耳元に囁く。
『なんだかすごいノリノリだな、タマモ』
タマモと呼ばれた少女は、その言葉を聞いた瞬間表情が変わる。
先程までの蕩けたような表情から、少しバツの悪そうな顔に・・・
『もうっ!
そこで素にならないでよヨコシマ!!
こっちが恥ずかしくなるじゃない!!!』
小声だが、頬を赤くして怒りの口調で言い返すタマモと呼ばれた少女。
『いや〜、ここまで凄いとやっぱり・・・なあ?』
男・・・横島と呼ばれた男はタマモと同じように顔を赤くして頬をぽりぽりと掻く。
『いいのよ!
イメージプレイなんだから、これくらい激しい方がお互い楽しめるでしょう?
安全面にはあたしもシロも気を使ってるし、危なくなったら止めるしね。
だから・・・今は楽しみましょう?』
タマモはニコッと横島に笑顔を向ける。
それは先程見せた淫靡な笑みでもなく、犬の少女・・・シロを責めるときの獲物を狩るときのような笑みでもなく・・・
年相応の少女の見せる、あたたかい微笑みだった。
『・・・分かった』
タマモの笑みを見て数秒の沈黙の後、苦笑しつつ首を縦に振った。
『じゃあこの遊びを、とことん楽しませてもらおうか?』
多少苦笑交じりの笑顔で言う横島を見て、少しクスクスと笑うタマモ。
『そういうこと♪ ・・・ありがとう、ヨコシマ』
少ししおらしくなったタマモの頭を、やさしく撫でる横島。
『こっちこそ、何時もありがとう♪』
『どういたしまして♪』
首を少し横に振ってタマモも笑顔で返した。
その後お互いクスクスと笑い合う。
「むぐぐぅ!!!」
突然タマモの後ろからくぐもった声が聞こえた。
「あ、御免」
タマモが後ろを振り向くと、苦笑して分娩台に縛りつけられている少女・・・シロに謝る。
「むむぅむむむむむぅぅぅむぅむっ!!!!」
全身を縛られた状態でも、必死でタマモと横島に何かを伝えようとするシロ。
「何て言ってるんだ?」
横島はタマモに問いかける。
タマモは先程横島がしていたように苦笑しつつ頬をポリポリと掻いていた。
「あはは・・・多分、拙者をおいてけぼりにするなでござる!! ・・・だと思う」
肩をすくめ、正面の横島に答えるタマモ。
その答えに手で口もとを押さえくくくと笑う横島。
「じゃあ、お言葉に甘えようかな」
「甘えてください。
じゃあよろしくね、『ご主人様』
「ああ、こっちこそ宣しく頼む・・・『ドクター』」
2人は笑い合うと再びお互いの役になり切った。
牝い・・・メスオオカミ『シロ』を調教するご主人様『横島』と、その手先となるドクター『タマモ』。
そう設定された、淫劇の役者へと・・・
刹那のエロス 調教遊戯 第一話(開幕/カイマク)終了。
第二話(奴贄/ドエ)に、続きます。
<後書き>
どうも皆様お久しぶりです。
そして初めてお会いする方は、初めまして。
夜華でSS書きをしていました、永久詠美夜です。
今回は、その頃掲示板で出していたSSの一つを再投稿致しました。
至らぬところがあったりで今ひとつかもしれませんが、お楽しみいただければ幸いです。
>NEXT
--------------------------------------------------------------------------------
△記事頭
いやぁ、このえちぃののレベルの高さ、感服致しました。
旧夜華では、レスポンスをつけることが出来ませんでしたが、再びここで見れてよかったです。
三者三様の個性溢れるエロチズムが、よく映えているなぁ、と思いました。
【zokuto(2004.09.02 03:30)】
はやいとこもっとエロくなる続きを見たいですね〜。全然刹那じゃない数々のシーンを(笑)。
それが終わったらどういういきさつであの二人が一緒になったのか知りたいですね。いろんなアイテムを使い始めたいきさつとかも。
【九尾(2004.09.02 05:19)】
全ての黒幕はタマモかい!
【D,(2004.09.02 12:57)】
おお、俺的18禁作家ランキングでブッチギリNo.1の永久詠美夜さんが来てる!!
いや、何度読んでもえちぃですな。
・・・・・・師匠って読んでも良いですか(核爆)
【ほんだら参世 (2004.09.02 17:31)】
よっしゃ、自作の宿題SS、シロはどー料理しようかと悩んでいたけど永久詠美夜さんのこのSSパクって・・・
ゴスンッ!!
盗作は刑法ににも定められている立派な犯罪です。良い子も悪い子も、そしてネタにつまった〆切ぎりぎり前の子も絶対にマネしないようにしましょう(チャイム音〜♪
つーか、この濃厚な世界観とエロい中にもどこか清らかさがある文は絶対マネできませんが
【カラカッタの村(2004.09.02 23:37)】
初めまして。新人SS書きの司です。
恐ろしく濃いエロスの世界を堪能させていただきました。(笑
いや、素晴らしいですね〜。情景が頭の中に浮かんできましたよ。
続きを楽しみにしています!!
【司(2004.09.03 00:12)】
このお話だけでも十二分にエロイのに…
この先更に濃ゅ〜い展開が待構えているのですよね…
続きまっております。
【偽バルタン(2004.09.03 03:48)】
>NEXT