ココは私立リリアン女学園。
明治三十四年創立のこの学園は、もとは華族の令嬢のためにつくられたという、伝統あるカトリック系
お嬢様学校学校である。
東京都下。武蔵野の面影を未だに残している緑の多いこの地区で、神に見守られ、幼稚舎から大学まで
の一貫教育が受けられる乙女(百合)の園。
時代は移り変わり、元号が明治から三回も改まった平成の今日でさえ、十八年通い続ければ温室育ちの
純粋培養お嬢様(たまにカメラ片手に走りまわる娘や、セクハラ親父入った娘も居る)が箱入りで出荷される(はず!)、という仕組みが未だ残っている貴重な(百合育成)学園である。
そんな学園で生徒会と同じ役割をはたす山『百合』会、その生徒達が集まる薔薇(百合?)の館。
その中で白薔薇こと、佐藤 聖は紅薔薇の蕾こと、小笠原 祥子を呼び出していた。
ガチャ・・・
「よく来たね・・・・祥子・・・」
部屋に入って来た祥子様に飄々と声をかける聖様
「私を呼び付けてなんの用です?白薔薇さま・・」
そんな聖様の対応に不機嫌そうに問いかける祥子様
「ちゃんと祐巳ちゃんと姉妹(スール)になったようだね・・・」
だが質問に答えず飄々と逆に問いかける聖様
「それが今回の呼び出しと何か関係があるのですか?」
その返答に苛立ちながら更に問いかける祥子さま
「すごく関係があるよ・・・
私は今まで祐巳ちゃんの事を可愛い後輩だと思ってた・・・
だから見守る側に居ようと想った・・・
でも私は本気になっちゃったんだよ・・・」
やっと祥子様の問いに答えるも、さらに言葉を重ねる聖様
「何が言いたいんですの?」
聖様の言葉に祥子の表情に怒りが混じり始めた。
「祥子!私はココで宣言する!!
私が卒業するまでの数ヶ月の間に祐巳ちゃんの唇を奪って見せると!!」
大真面目な顔で叫ぶ聖様
「なっ!何を馬鹿な事を言い出すんですか彼方は!
彼方の何時もの冗談に付き合うつもりはありませんよ!!」
顔を真っ赤にして怒る祥子さま
「私はいつだって真面目だ!!」
あっさりと切り返す聖様
「彼方と言う人は・・・
そーゆー事しか頭に無いのですか・・・・・」
その返答に呆れる祥子さま
「そのとうり!私の頭はそーゆー事で一杯だ!!」
キッパリと言う擬音が似合うほどに言いきる聖様だった・・・・
おしまい
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らんま1/2の3・4巻にある話しに出てくるスケコマシっぽい男の台詞を聞いて、『あ、聖もそんな感じかも』って想ってものの十数分で書き上げてしまいました・・・(TT)
あと、読みなおしたら文字の大きさとか変えたくなったので変更