これも再録です。
摩夜摩夢視点での蔦子さんです
リリアン女学園高等部2年生 武嶋蔦子の朝は早い。
メタルラックに収められたレンズ専用保管庫から遠・中・近用のレンズを選び手入れ。
大型モータードライブを装着した愛機ニコンFと、学園内用デジタルカメラも入念に手入れをする。
愛機の巻き上げ機を動かしシャッターを切る。
― カシャンッ
モータードライブの調子も見る。
入念に、入念に。
「私の感では今日当たり・・・」
眼鏡を妖しく光らせ、蔦子はいそいそと通学の用意をする。
挨拶を交わすのもほどほどに、蔦子は制服が汚れるのを気にすることも無く、予想地点脇の柴の中に入り手際よくカメラを持ち伏せる。
そっとレンズを出し予想地点を中心に、大雑把に視界に入れ待ちに入る。
待つこと20分。 目標は来た。
蔦子はファインダーを覗き、獲物を狙う鷹のようにじっと見つめる。
目標はマリア像の前で立ち止まり手を合わし祈る。
この学園ではパブロフの犬の様に繰り返される行い。
目標以外に人影は無い。 有るのか無いのか、くるのかこないのか、蔦子は早鐘を打つ心臓にイライラしながらその瞬間を待つ。
「今日も頑張らなくっちゃ♪」
「(今日は駄目か・・・)」
だが、最後まであきらめない。 自分の感を信じる蔦子。
そして、その瞬間は来た!
「ぎゃん!!」
「(っ!!!!!!)」
― カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャッ
「いやだもぉーーー 何でこんなところで転ぶのかな・・・ はっ(きょろきょろ) だ、誰も見てないよね・・・
見てませんよね〜〜〜
やだっ、スカートがくしゃくしゃ。 も〜〜〜御姉様に見つかったらまた怒られちゃう。
困ったなぁ・・・
と、とにかく薔薇の館に行って着替えなくっちゃ。 あん、もう中まで汚れてるし。
もぅ、祐巳のおばかさん♪(てへっ♪)」
盛大にまくりあがったスカートを直し、とてとてと走り去って行く目標。
「いまどき飾りも何も付いてない白のショーツとは・・・ さすがだわ祐巳さン」
鼻から一筋流れる萌血に彼女は気が付いていなかった・・・
彼女の名前は
リリアン女学園高等部2年生 武嶋蔦子
人から犯罪すれすれだと言われても、自分の信念の為にひたすら突き進む山百合の乙女である。
ごめんなさいURSさん
どうしてもあの話の出だしが書きたかったんですよ
ほら、今銀河一周中だし。 ねねね♪