「リウイ教師になる 第一章 なんで私が(魔法戦士リウイ)」シカゴピザ (2004.08.27 02:57)
空は晴れている。快晴だ。
風も適度に吹いてすごしやすい一日になりそうだ。
・・・この胸のむかつきささえなければだが。
「あの人は毎日、毎日飲んだくれて〜!」
いらいらしながら歩くのは、まだ10代半ばくらいのかわいい少女だ。
「何もこんな日までの飲みにいかなくても!」
そこへ前に2人づれで歩く少年がいた。少女と同じくらいの年代だろう。
それに気づき、いらいらを隠して笑顔になる。
「こんにちは」
完璧に統制された笑顔といおうか。なかなかこの年代の子供にはできないことだ。
それに少年達は緊張して答えた。
「こんにちは、レイア先生!」
「だっはっはっは」
昼間から飲んだくれている男。よほど金のめぐりがいいのか、周りにはその店でも美人どころがそろっている。
格好をみるだけではとても金をもっているようには見えない。
魔術師のローブを着たままなのだ。
しかも体格は異常に良く、その腕などは並の戦士以上に太い。
「ぷは〜っ」
また一息で麦酒を飲み干した。
もっと高い酒もテーブルに用意されているが、彼のお気に入りはもっぱら麦酒のようだ。
「もう一杯だっ!」
女性達の歓声の中でうまい酒や料理を堪能している。
「先生がこんなところで遊んでていいのぉ?」
胸元があらわな女性が隣で耳元にささやく。
男はいかにも楽しそうに口元に笑いを浮かべる。
「先生が遊んでなにが悪い!」
きっぱりと言うがその内容はとんでもない。
教師が昼から裏通りの飲み屋で女をはべらかせて、遊んでいる。
もしも親だったら絶対こんな教師に子供を任せたくはないだろう。
「この一杯の為に仕事をしてるんだ!」
「全然働いてないじゃない」
「だっはっはっはっはっ」
まだまだこの酒宴は続きそうだ。
部屋の中に集まったのは4人の男女だ。
一人だけが目だって若い。他の3人とは親と子ほどの差はある。
だがその4人はみな同じくここ、王都ファンにある学校の教師だ。
「レイア先生」
40代半ばだろうか。口ひげをはやした男が重々しく口を開く。
おびえたように縮こまりながら、少女はその男の顔を見る。
鋭い眼光に眉間にしわ。あからさまにいらいらしている。
「レイア先生」
繰り返して呼ばれる。
「は、はい」
「それで学長はどこにいるかね?」
「は、はぁー」
「なんだね!その返事は!
私は学長はどこだと尋ねているのだが!!」
獲物をいたぶるようにねちねちと追い詰めていく。
「ようするに、あれかね。
君のところの学長は、私とは話したくないということかね。
この次席導師フォルテスとは!」
少女の前に立つ中年の男はこの国の魔術師ギルドの幹部の一人だ。
学校と密接な関係にあるギルドとは週に何度か会合をおこなっている。
その大事な会合の日に学長がどこにいるのかわからないのだ。前の男が激昂しているのも無理はないのかもしれない。
だからといってなぜ私が責められなければならないのか。
あまりの理不尽さにだんだん腹が立ってくる。
この中にはもう一人教師がいるのだが、少女が目を向けるとさっと顔を背ける。
「ですから、私は」
「ならばこれで今日の会合は中止ということでよろしいかな!
この件は帰ってカーウェス最高導師に報告させてもらわねばならんな」
少女が反論しそうになるのにかぶせて言ってくる。
個人としては好きにしろと言いたいところなのだが、教師という立場上そうも言ってられない。
「いえ、それは待ってください」
「ほぉー我々はずいぶん待たされているのだが、これでは待たせる時間として短いとでもいうのかね」
「本当に申し訳ありません。
今すぐ、はい、今すぐ連れてきますので」
そして少女は頭を下げて、部屋から出て行った。
ドアを大きな音を立てるほど力いっぱい閉めたのはご愛嬌といったところか。
「学長の・・・リウイのばかぁ〜」
といった叫びが校内で響いた。
あとがき
夜華は残念でした。ですがこうしてまたあたらしいHPをつくってくださって感謝です。このBBSでは初めての魔法戦士リウイネタではありますが、あまりのオリジナルで、ひいちゃうかもしれませんが、がんばって続き書いていくのでどうかよろしくお願い致します。
△記事頭 シカゴピザさん、いらっしゃいませ〜
リウイですか。水野良センセのロードス系ファンタジーですね。
アニメ化もされてましたっけ。
しかし、彼が何を教えるんだ?w
【米田鷹雄(2004.08.27 15:11)】
てゆーか、彼はどんな道を歩んできたんでしょう?
【Pr.K(2004.08.29 02:20)】
遅レス失礼します。
リウイですか〜、マンガをちらっとしか見た事ないですが、剛健な魔術師の話でしたよね。
たしか、彼って魔術の方より体を動かす方が好きという感じでしたが、一体何でこうなったんでしょ。
続きも期待しております。
【zokuto(2004.08.29 21:41)】
▲記事頭
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