「リウイ教師となる 序章 別れ(魔法戦士リウイ)」シカゴピザ (2004.08.27 02:54)
冒険者がいる。
この世界には怪物を倒し、遺跡を荒らす、冒険と宝を求める冒険者たちが星の数ほども存在する。
彼らもその1集団にすぎない。その輝きは他の星とは比べようがないとはいえ・・・。
彼ら・・・いや彼女らだ。
集団の先頭に立つのは女性だ。
すさまじい筋肉をこじするようにほとんど体を露出させた鎧をまとっている。
うける印象はまさに歴戦の戦士といえる。
燃えるような赤い髪をなびかせ歩くそのさまは町を歩く人間、男女を問わず振り向かせるほどだ。
後ろに他の凄腕の冒険者を連れていても、誰が見ても彼女が従えているように見える。
「はっ!」
気合の声と共に、手になじんだ剣をふりおろす。
まったく重さを感じさせないような動きだが、その一撃で動きだした石像を頭の先から下まで斬りおろした。
剣の切れ味もそうだが、その迷いのない剣さばきには感嘆する。
斬りおえた彼女は横を見る。
今まさに彼女に襲いかかろうとしている石像が崩れる。音もなく一瞬にして確かにいたはずの石像が消えてなくなった。
「原子分解。俺の切り札の一つ」
長髪の男が笑いながら言う。
黒いローブに古い木でできた杖、格好はどこにでもいるような魔法使いだがその体格はなかなかどうして戦士である彼女にも負けていない。
「魔法の無駄づかいはやめな!」
礼も言わず怒鳴りつける女。
魔法使いはまったく気にしないように再び呪文を唱える。
「魔狼の咆哮、雪娘の抱擁、始源の巨人の悲しみの心……万物の根源たるマナよ、氷雪の嵐となりて吹き荒れよ!」
杖を女戦士の前にいる狼たちに向ける。
「ブリザード!!」
10匹あまりはいた狼たちはたちまち氷の像とかす。
「この程度の魔法ならいくらでも使えますよ。それに今日は・・・だしおしみするつもりはありません!」
「好きにしな」
女戦士はそういい捨てると再び剣をかまえ突進していく。
魔法使いもその援護をするために彼女のあとを追うのだった。
そして一向は目的地へとたどりついた。
彼らの力量だからこそ容易にたどりついたが並の冒険者ではとても無理だったろう。あふれる怪物に自然ならざるものども、さらには致死性の罠に難解な謎。
まさに難攻不落の洞窟だった。
「ここにくるのも久しぶりだねー」
女戦士が感慨ぶかそうに皆に向かって言う。
「78日ぶりです」
魔法使いが感情をこめずに返す。
「そうかい?10年はたっているだろう?」
あまりにかけはなれたことを言う。
「3734日といったところです」
それにまた返す魔法使い。さきほどと言っていることが違う。
女戦士をたてたのだろうか。それにしてもおかしな会話だ。
「では参りましょうか?」
集団の一人が言った。
女戦士の横に並ぶ。
一人は森の妖精であるエルフだ。その美しさは伝説にもなっているほどだ。人間よりもはるかに整ったその顔は整いすぎていて人形のようにも見える。
そしてさらに神官と盗賊もつづく。
「そうだね」
うなずく女戦士。
「最後にもう一回だけ聞くけど、ほんとにこないんだね?リウイ」
「申し訳ありません」
女戦士の言葉にわずかに驚いた顔をしたが、すぐに答える。
「ふふ」
女戦士は自嘲気味な笑い声をあげた。
「やれやれ私も未練だね。つまらないことを言ったよ。私のほうが謝る」
「ただ俺もあとで必ず・・・。」
そう言って女戦士の目をじっと見る。
「私の命はあなたのものです。いつでもお呼び下さい。私がどこにいたとしても、必ずあなたの前にはせさんじましょう。私の名にかけて誓います」
ほとんど愛の告白のようなことを言う。
「ああ、当たり前だ」
自信に満ちた表情でうなずく女戦士。
「では私たちは行くことにする。
レイア!」
呼ばれてリウイの後ろから少女がでてくる。その手は彼のローブをにぎったままだ。
「この馬鹿は頭はきれるくせに大馬鹿だ。
だからあんたがこいつの面倒をみてやるんだよ」
リウイにはまったく見せなかった優しい笑顔で少女の頭をなでる。
「あ・・・」
少女は頭をなでられて少し恥ずかしそうにしながらも顔をあげた。
「はい!約束します!」
「そうか」
満面の笑みを浮かべている。
「では行く!
また会おう!」
そして一向は光の中へと消えていった。
残されたのはリウイとレイアの二人だ。
リウイは彼女たちの消えていった光の先をずっと見続けていた。
レイアにはまだリウイが何を考えているかはわからない。だがわからなくてもリウイが自分がいるから彼女についていかなかったということを漠然とだが感じていた。
それから3年後
リウイは故郷であるオーファンで教師になっていた。
あとがき
なんじゃこりゃ??
っと皆様お思いでしょうがこれは魔法戦士リウイの二次創作です。だれがなんといおうとリウイです(爆)
残念ながら私生活が忙しいので更新遅いですけど読んでくださると嬉しいです。
ではまた第一話であいましょう。
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