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!警告!壊れキャラ有り

「Cross Load(GS+ネギま!)」

黒鼠 (2007-03-17 08:33)
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「どぅわーはっはっはっはっは!
 ドォクタァァァーッ!カァァオスッッ!!」

 真夜中に近所迷惑も顧みずのひゃのひゃ高笑いを繰り広げ、踊り狂うボケジジイ。


「ドやかましいわっっ!!!」

 全身全霊を持ってこのボケジジイの顔面に快心のドロップキックを叩き込む。
 このところの寝不足その他のイライラを思い切り上乗せしただけあり、我ながら感心するほど見事にボケジジイが吹き飛び、目一杯壁にめり込んでいる。


『Cross Load 第1話』


「こんな夜中に人をわざわざ呼び出しといて馬鹿笑いしてんじゃねえ!!
 何の用だってんだ」

 息を荒げながらボロアパートに出来立てのシュールレアリズムの壁画、もといボケジジイに声をかける。
 なんだかんだいって真夜中、わざわざ呼ばれてすぐに来るあたり横島もなかなか律儀でお人好しだ。


「横島さん・ドクター・カオス・気絶しています。
 喋れません」

 マリアの声で少し落ち着いて息を整え、数秒待つ。


「あー死ぬかと思ったわい」

 横島の持ちネタをパクリつつ、ボケジジイが壁から出てくる。ゾンビの復活みたいでなかなかシュールだ。


「こんな夜中に人を呼び出しといて何の用だ。
 まさか用も無いのに呼び出したんじゃねえだろうな。だとしたらてめえの不死性の実験をしてやることになるぜ。
 ゴッドハンドの回数を超えて13回以上殺されても死ななかったてめえの限界はどこにあるのかすげえ興味があるんだが」

 少し凄んでみるとボケジジイは顔中に冷や汗をたらしつつ、慌てて説明を始める。

 確かに最近除霊を毎日10件以上こなしている上に睡眠時間が一日4時間以下なのですごく疲れており、おまけに今日も寝る前に呼び出されたんで、寝不足がきつくものすごくイライラしているのだが、そこまで怖いだろうか。


「待て待て、落ち着け」

…俺は十分に落ち着いているぞ。


「とうとう完成するんじゃ、あれじゃ、あのテレポート薬」


 そう言われて思い出す。

「…ああ、あの胡散臭いどうにも信用ならん薬か」


 この薬のために文珠を用意したり、(貴重な材料を【増】量したり、精製の難しい薬品を【純】化したりなど)、神魔界を含むあちこちのコネに渡りをつけて秘薬仙薬を入手したり、神魔族の学者に協力を求めたりなどして協力した覚えがある。

 無論、ろくなことにはならないから厄珍とは手を組ませず、逆に美神さん対策を兼ねて隊長に六道家との接触を頼んだりした。開発も今までは順調に進んでいるようだが、しかし、厄珍のカタストロフ‐Aのこともある。


 そもそもこいつは“あの”ドクター・カオスだ。


「…自分であれだけ協力しといて胡散臭いも信用ならんもなかろう。
 おぬしの協力に感謝してコレの完成に立ち合わせてやろうと思ったんじゃ。」

 そう言いながらビーカーに入った怪しげな粉末を掲げる。


 話を最初までさかのぼるとカオスのジイさんが発明品を使った共同での新製品の開発を持ちかけてきてつい話に乗ってしまったことから始まる(要するにに目が眩んだというわけだ)。

 最初の資金は文珠を担保にして六道家から借り、カオスのジイさんと協力して霊視眼鏡やらいろいろ創り、それらを六道家に持ち込んで商業ルートに乗せたところずいぶん儲かり、カオスのジイさんと儲けを山分けした。

 そもそも文珠は美神さん達が売らせないんじゃと言われそうだが、美神さんや隊長も相手が六道家では文句も言えないし、六道家には冥子ちゃん対策に【鎮】の文珠が非常に喜ばれてえらく協力的だった。
 文珠の使途に関しては六道家から隊長にきちんと報告してもらうから特に問題は起こらないだろう。

…まあ、事の経緯を説明したら美神さんに『何勝手なことしてんのよ』とかいって半殺されたりしたが、偶然その現場が隊長に見つかり、まともに俺への給料も払わない(現在時給400円)美神さんは逆に隊長に絞られる羽目になり(俺たちの儲けも無事だった)、問題なく発明と新製品の開発を進めることができた。


 そんでもって次の新製品がこの怪しい薬というわけである。この服用式テレポート薬は1錠服用するごとに離れたところへ一気に跳べるというものだ。
 行ったことのあるところにしか跳べないが、それでも出張や通勤地獄で苦しんでいるサラリーマンたちにおおいに売れるだろう。


 そんなわけだが。


「…今更だが本当に大丈夫なんだろうな。
 眼鏡とかならともかくてめえの作った薬なんてすげえ怖くて正直飲みたくないんだが」

「はっはっは、わしは人類史上最高の天才じゃぞ、大船に乗ったつもりでまかせんかい。
 おおおおお…恐ろしい!わしは自分が怖い!本当に怖い!怖すぎるぞー!


 踊りだすジジイをとりあえずアックスボンバーで黙らせる。

…大船って絶対タイタニックとかだろう、でなきれば航路がバミューダトライアングルの周りだけだとか。
 それだけじゃなくこのジジイは確かに怖すぎるな、いろいろと。


「マリアも大変だなー」
「ノー、横島さん・こそ」

 などと話をしているのを横目にボケマッドが復活して器具やら材料やら用意しつつ、
「後はこの粉薬に樟墺石の粉末と冥月液とを混ぜて完成じゃ」

…無事に完成するといいんだが。

 念のため、文珠で【成】【功】とかやっといた方がいいんじゃないだろうか。実際、それがなかったら今までの成果はなかったわけだし。


「えーと、マリア!
 2+2はじゃったかいのー」

…いきなり原作でもやらかしたどえらい台詞を聞き、顔が青褪めるのを感じる。マリアも顔に縦線を入れた上に、冷や汗をかきつつ、
「…です・ドクター・カオス」
「うむ。あ、しまった」


 ボケジジイのふざけた声を聞き、延髄斬りを繰り出そうとすると、部屋が妙な明かりに包まれた。


「え?」

 意識を失い、再び目覚めるまでの間にルシオラの顔を見た気がした。まー臨死体験はいつものことだが、三途の川手前であいつの顔を見たのは実に久しぶりだ。


 で、気付いた時には夜の森の中、目の前に三人の女の子がいた。
三人とも間違い無く美少女と表現して差し支えない。
 皆、なんだか“戦うと決めた それが彼女の誓い” というどこかで聞いたようなフレーズが妙に似合っている。まあ、三人の内の忍者装束の娘は実に微妙だが。

 そしてその三人の内の二人は美神さんに近い胸を誇っており、その胸につい目がいくが、不思議なことに股間のセンサーが反応しない。まさか、この年でEDになったんじゃあるまいかなどと不吉な考えがわきでてしまう。あと1人は小さいし明らかに対象外なので問題ないが。


「あなたたちは何者ですか。なんの目的で麻帆良に侵入してきたのですか」

 胸の無いゲフンゲフン、侍のような娘が日本刀を喉元に突きつけつつ聞いてくる。俺の考えが読まれているのかやたらこめかみがぴくぴくしている。


「俺は横島忠夫、ゴーストスイーパー見習いだ。って麻帆良って一体どこのことやねん」

 その刀にびびりつつ、答える。
 後ろの胸の大きい二人に目を向けると褐色の肌の銃を持った娘の方がこちらに銃口を定めつつ俺を観察しており、もう一人の糸目の方の忍者装束の娘の方は何故か存在している犬神家の一族をつついている。


「麻帆良を知らないだと、しらばっくれるな。
そもそもゴーストスイーパーとはなんだ、名前からして退魔の一種のようだが」

「たいして違わないさ。麻帆良とやらについてはしらばっくれちゃあいないし。
 ってマリアとドクター・カオスはどこにいんだよ」


「横島・さん
マリア・ここにいます」

 マリアの声に振り返る。どうやら彼女達とうまく話ができず俺たちの復活を待っていたらしい。そして、服装から見るにあの犬神家がカオスの爺さんだろう。

「二人とも無事か、だったらいいが。
 ところでマリア、日本中の地名が字単位までの検索ができたはずだったよな。
 麻帆良という地名を検索してくれ」

 そこの犬神さんをスルーしつつ、ふと思いついて麻帆良という地名(?)を調べてもらう。

「承知しました・日本全国地名データ検索開始


……該当ありません」


 どういうことだと目の前が真っ暗になりそうなのを抑えつつ考える。神隠しとかMissingというような単語が思い浮かんでくる。喉にできた刀傷の血と痛みからみるに、少なくとも、ここが神魔界(別名天国・地獄)ではないことだけは確かなようだが。


「あー、何やら考え事をしている最中に悪いが、ちょっといいかな」

 褐色の娘の言葉に現実に引き戻される。


「とりあえず貴方たちは私たちに投降したんでこちらの責任者の下に連れて行くということでどうだろうか。貴方たちの経緯はそこで説明してもらうということで」

 なんとなく面倒な事情があるようだと悟ったらしい褐色の娘がそう言ってくる。要するに説明が面倒くさいなりそうだから一緒に来てくれということだろう。
 糸目の娘は『それで結構でござるよ』といい、胸の小さもとい刀を持った娘は少しぐずぐず言っていたが、結局、褐色の娘の言う通りに決まったようだ。

 なんか貧乳侍少女のこめかみの井桁が大きくなったような気がする。


 まあ、罠だとしても彼女達の実力は俺とマリアの二人がかりでどうにもならないほどでもないようだし、いざとなれば文珠もある。

 なによりこの提案を蹴り、彼女たちがいなくなればどうしようもなくなることだけは火を見るよりも明らかだ。

 さて、そうと決まれば挨拶でもしておくかな。

「あらためて自己紹介するか。俺は横島忠夫、こっちの娘がマリア、でもってそこに突き刺さっている犬神さんがドクター・カオスだ。一応錬金術師らしい。んじゃ君らの名前も聞いていいかな」


「ああ、私は龍宮真名、貴方とはご同業になるのかな」
「長瀬楓でござる。ニンニン」


「はー、仕方がありません。私は桜崎刹那と申します。私も退魔に携わっています」


 自己紹介を終えて、しばらく歩いた後。

「あっ、カオスのジイさんを引っこ抜いてくのを忘れてた。」



幕間
 あらためてカオスの爺さんを引っこ抜いてしばらく歩いていると手の中にビー玉のような何かがあるのに気付く。女の子たちに気付かれないように覗いてみると失われて久しいはずの太極文殊があった。

 前に【復/活】とやって1晩だけルシオラを黄泉返らせることができたが、その代償に失われたはずのものだ。

 思い出してみると、先刻の臨死体験のときに三途の川手前でルシオラにこれを無理矢理渡されて餞別に追い返されたような気がする。これはルシオラにとっても俺の形見だったと思うのだが。


「急に泣いたりしてどうしたんだ。今になって安堵したというわけでもなさそうだけど」
 褐色の娘、真名ちゃん(オレの勘だと多分3人とも年下)が尋ねてくる。残る楓ちゃんと刹那ちゃんも訝しんでいる。

 気のせいかマリアの顔もどこか悲しそうに見える。カオスのジイさんはどうでもいいや。


「泣いている?
 俺が?」


あとがき

 初投稿になります黒鼠と申します。
 ROM専門でしたが、最近Night Talkerの「GS+ネギま!」の作品群に触発されてこの話を書き、投稿いたしました。

 横島が異世界の麻帆良に来るというのは普通ですが、それに加えてドクター・カオスとマリアまでというのはあまりないかと思います。マリアの喋り方が特に難しかったです。おまけにカオっさん西博士化したり等えらくはっちゃけています。

 この話はネギまストーリーの再構成であると同時に壊れの話にもなっており、GS側のみならず、ネギま側のキャラも大勢壊れていきます。
 横島やカオス以外の各キャラクターの性格も両方の作品からかなり変更があったり、本文中のマリアの地名検索システムのように登場キャラの能力等にどちらの原作にもない独自の設定があったりもします。

 また横島が霊能力も通常の戦闘力も原作より相当強化されてる上に作中で新技や新しいスキルを習得・披露する予定で、性格がボケや煩悩よりツッコミや他キャラいじりが優先していたりします。
 それから横島のフラグは基本的なところは当然として、他のSSにない娘のフラグも立てたいと考えています。既に目星をつけている娘もいます。

 なお今後両作品以外からもクロスしてくるキャラやネタがあったりしますのでご了承ください。


 なかなかふざけた話の上、更新のペースも大したことはないですが見捨てないでいただければ幸いです。第2話はもっとはっちゃけています。

   目標一話一壊(いちわいちえ)。


…すいません、石を投げるのとかは勘弁してください。


 蛇足ながらタイトルのLoadには重荷、重量、 重圧、苦労、心配、(火薬の)装填、そしてコンピュータの記録の読み取りなどの意味があります。ですが、タイトル自体に深い意味はありません。念のため言っておきますが、Road(道)とかLord(主人、領主、〜卿、神等)ではありません。

 それから誤字脱字があったり、文章や話の内容におかしい点があればどんどん指摘してやってください。おおいに勉強になりますので。

 こんなバカの書いた文章ですがどうかよろしくお願いします。

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