【注意書き】
このお話は、『GS美神 極楽大作戦!!』と『マブラヴオルタネイティヴ』のクロスです。
・GS、オルタともに原作準拠とは限りません。
・横島は、このプロローグで、原作の横島らしさがありません。(1話では、横島らしさがでてきますが…)
・ストーリー展開は、オルタに沿った展開ですが、横島(そのほか)の来訪により、展開がオリジナルと思われる可能性があります。
・話が進むにつれ、徐々に物事がわかってくるように書いていきますので、疑問に思われることが多いかと思います。
以上を踏まえて、良いという方のみ、この話をお読みください。
(なお、続きを読まれる方は、お手数をおかけしますが、自HPまで、お越しくださいますようお願い申し上げます。現在1話まで掲載中です。)m(_ _)m(詳細場所は掲示板にて)
あと、この場をお借りして、紹介させていただいた、Night Talker様に
お礼申し上げます。
「ここは……?」
「ここは……どこだ?」
いったいここはどこなのだろう……。
本当にオレは、ボロアパートの部屋に戻ってきたのだろうか?
―――――!?
「――戻って来れたのかっ!」
……………間違いない、ここは……オレの部屋だ。
食べてしまったカップ麺、積み上げられた新聞紙と雑誌、部屋のあちこちにある空き缶など、生活ゴミが片付けられず残っている。
(「そっか、あの頃の自分に戻って来たんだな……。」)
………………。
…………。
ソロモン72柱の魔神のうちの1柱であり、魔界の六大魔王の一角を担うアシュタロスが人間界に侵攻するという前代未聞の事件。
その魔神大戦後から約五年、オレは修行していた。
“ルシオラを救えなかった。”
今ゆっくり考えると、その事実が人生を狭めてしまったのかもしれない…。
あの大戦の後、体に違和感を感じるようになったオレは、身体を調べてもらうため妙神山へと向かった。
ルシオラの霊基構造を受け入れ、魔族因子を内包した体はいずれ魔族となる。そして、ルシオラが転生し生まれ変われないこと知った。
その結果がわかってから、修行に打ち込むようになった。
魔族となってしまえば、永遠の寿命を手に入れるだろう。だから、横島は修行に励んだ。愛する女性を救えるように、これから先自分の大切な人を守れるように、オレを愛してくれたルシオラとの思い出が消えてしまわないよう力を得ようとしたのだ。
五年経った今、どれほどの力をつけたのだろう。本当にオレは大切な人たちを守れるのだろうか。
オレは過去に戻ることにした。
正確には過去に戻るというより、平行世界の時間的に過去の自分に戻るといったほうがいいだろう。
時間移動によって個人が過去を変えるとき、変えることができる出来事しか変れない。
世界の歴史の流れに大きく作用する出来事に干渉しても、宇宙意思の歴史の修復力が働くため、
今、オレが過去の自分に戻ったとしても魔神大戦が世界の歴史の流れとしてある以上、ルシオラを助けることはできない可能性は高い。
だから過去ではなく、限りなく近い平行世界の過去の自分へ戻ることにしたのだ。
一つは、自分の力の確認のため、もう一つは仲間を探すため。
自分の過去を変えられないと諦めたわけではない。宇宙意思と呼ばれる、集合的無意識に打ち勝つためには、それに対抗できる意思の強さと量が必要なのだ。
数億いや数兆という膨大な無意識に抗える強靭な意志をもち、自分の運命に抗としている同士として集めよう、定められた運命を改変するために…。
………………。
…………。
平行世界の過去の自分へ転移してきた横島は、今後のプランを考えることにした。
(「とりあえず、自分の戦力の確認をするか。」)
手に霊力を集中させる。するとそこには、ビー玉のような透明な玉が現れた。
(「霊力と魔族因子の封印状態で、なんとか文珠は生成できるみたいだな。しかし、まずいな、肉体の方は鍛える前の状態に戻ってしまったみたいだ。これじゃあ霊力の方の封印は解けないな。きっと体が壊れてしまうだろう…。」)
妙神山の修行で、小竜姫と老師による徹底した霊力の基礎鍛錬と剣術、体術などの訓練を行った結果、霊力はうなぎのぼりに上昇し続け、霊格はアシュタロスと同等、剣術や体術を身につけていたことでアシュタロスより実力は上となった。
しかし実力の上昇に伴い問題が起きるようになった。
霊格がアシュタロスクラスにまで達し、なおかつ魔族因子を保有している横島が人間界に存在していることが神魔間のデタントにおいて問題に上がったのだ。
そこで神族と魔族の両方の最高責任者により、横島にこちらの要望をいくつか上げ、それの選択権を与えた。
1. 魔族因子の活性化させ、完全な魔族となり魔界に住むこと。
2. 魔族因子の反転による神聖化によって神界に住むこと。
3. このまま、妙神山に住み続けること。但し、人間界への関与はできない。
4. 魔族因子及び霊力を抑え、人間界に住むこと。
横島は人間界で住むことに決め、人間界で生活ため霊力を常に抑えることになった。
それが今回幸いしたのか、封印状態転移によって、修正力は肉体にしか及ぼさなかった。
(「とりあえず、修行して前の体を取り戻さないとな、しかしここに、妙神山があるかな」)
と思案にくれながら、玄関の扉に手をかけ開けた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
バタン!
とりあえず扉を閉めてみた。
今度はそっと開けてみることにした。
ガチャリ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
そっと扉を閉じた。カチャリ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんじゃこりゃ!!」
目の前には、荒廃した土地が広がっていた。
その土地を見たことも無い生物が10〜15匹ほど徘徊していた。
恐らく、そこに徘徊している生物がこのようなことをしたと検討は付くが、しかし今はそれより………。
横島のいた世界とかけ離れた光景に驚いていた。
(「オレはまったく別世界に来たんじゃないか!平行世界への転移は失敗か…。」)
(「いや、まだ完全に別世界と決まったわけではないか…。調べてみる必要があるようだな。」)
(「問題はどうやって、切り抜けるか。着たばかりの世界で文殊による転移は使えない。」)
文殊に『転』『移』と念をこめ、転移先をイメージすることで始めて転移することができる。この世界に来たばかりの横島にこの世界の転移場所をイメージすることはできない。これは、前いた世界とかけ離れているためである。
一か八かで転移を試みてもイメージ先が存在しないことによって転移がキャンセルされてしまう可能性のほうが高い。
………………。
…………。
・・・・・・・・・・そう横島が思案に暮れているときだった。
赤い妙な形をした生物が玄関の扉をぶち破ってきた。