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!警告!壊れキャラ有り

「ジャブロー上空に海兵を見た -ある連邦軍部隊のメモリアル外伝-(MS IGLOO+機動戦士ガンダム戦記Lost War Chronicles)」

RENESIS (2007-02-25 00:21)

 大変申し訳ないのですが、この作品いらぬ予備知識が2つほど必要なんです。
 「ある連邦軍部隊のメモリアル」を3話まで読んでくだされている事と、MS IGLOOの「ジャブロー上空に海原を見た」を見ている事。
 そうでないとこのSS、全く訳がわからないと思われます。
 MS IGLOOのネタバレもあれば、イメージを壊してる可能性も高いので「壊」のマークをつけました。
 そんなSSなので、矛盾はあるものと、割り切って御賞味ください。お願いします。


 コーウェン准将に呼び出された隊長とラリーは、驚いた表情でモニターを見ている。
 しかし、その表情の中には弱冠のあきれも含まれている。
 数十秒後、映像がとぎれモニターが切られると、ラリーがうめく様な声で確認を取った。

 「・・・つまり、急造のコア・ブースターIIインターセプトタイプでもって、空から落ちてくるジオンのモビルアーマーもどきを撃破しろ・・・と、言う事ですか?」

 あきれた様な表情の隊長とラリー。
 彼らにしてみれば、正気の沙汰ではないこの攻撃方法に対して、こちらまでもが己が命をかける必要があるとは思えない。
 高高度用の対空ミサイルあたりで充分相手ができるのではないかと感じてしまう。
 それもしかたがないと思わなくもないコーウェンだったが、上官として命令を伝え、作戦を遂行させる義務があった。
 もっともその表情には、かなり苦いものが含まれてはいたのだが。

 「すでに3度、敵は攻撃を仕掛けてきている。さいわいな事に被害はでていない。が、だからといって手をこまねいている訳にもいかん。」

 そこで1度会話を切り、2人にゆっくりと視線をむけるコーウェン。

 「本来はモビルスーツの実戦データ収集が目的の部隊ではあるが、ラリー少尉がジオンの降下作戦時にセイバーフィッシュでHLV1基とザク2機を仕留めたエースである事を技術部のほうが嗅ぎつけてな。断る事ができなかった。」

 苦々しげに告げるコーウェンの微妙な立場がわかる2人だけに、反対する事も拒否する事もできなかった。
 余談だが、「なんでオレの機体がないんだー!!」と、アニッシュがたいそうくやしがった事を追記しておく。


   −−−−−−−−−−−−


 「ろくな試験飛行もなければ、訓練飛行もほとんどなしにいきなり実戦か。すでに宇宙(そら)が主戦場とは言え、あまりにおざなりだな・・・」

 パイロットスーツでコア・ブースターIIの前に立ち、思わずひとりごちるラリー。
 元々セイバーフィッシュに乗っていただけに、コア・ブースターの操縦に関しては、特に気になる点はない。
 が、肝心なブースター部に信頼がいまいち置けない所に不安を感じないと言えば嘘になる。
 一方の隊長はというと、ガンダムのテストの一環として、コアファイターの変形・合体の試験を行っていた事も手伝ってか、淡々と機体のチェックを始めている。
 むしろその横で手伝っているアニーの方が気をまわしすぎている様な感すらある。

 (まぁ、下手に緊張されるよりは、こちらの気も楽になる事はなるが・・・)

 年配の自分が逆に安心させられている事に気付き、つい苦笑してしまうラリー。
 改めてコア・ブースターに視線を戻すと、表情を改めコクピットに潜り込み、機体のチェックを始めるのだった。


   −−−−−−−−−−−−


 「クソッ! 全く間に合わん!! よりによって、1番遠い発射台から打ち上げられるとは・・・」

 そう毒づきながら、凄まじいまでの加速Gに耐えるラリー。
 ジャブローから宇宙(そら)への艦艇の打ち上げは、ジオンの察知を遅らせる為、不定期かつランダムに行われている。
 そして肝心な打ち上げ時間と場所の情報が、機密の1点張りで、コーウェン准将の手元には送られなかった。
 レビル将軍がジャブローにいればその様な嫌がらせもなかったのだろうが、生憎彼は今、宇宙(そら)に上がっている。
 その結果、スクランブルがかかり、2機のコア・ブースターIIがエンゲージ地点に到着するはるか前に、マゼラン級1隻、サラミス級4隻は撃沈されてしまった。
 5つの火の玉を遠くに視認し、迎撃に失敗した事を悟る隊長とラリー。
 しかし、到着前に全てが終わっていたのではどうする事もできない。
 そんな2人にノエルから通信が入った。

 「隊長! 母艦であるガウの機影を捕らえました。座標を転送します。」

 ノエルからの通信を聞き、座標を確認した隊長は気持ちを切り替えると、機体をバンクさせる事でラリーに合図を送り、その目標をガウに切り替えるのだった。


 敵基地上空でありながら、直援もなく収容体勢で無防備に飛行しているガウをあっと言う間に血祭に上げると、増槽をパージしモビルダイバーに肉薄する2機のコア・ブースターII。
 インターセプト用に改良されたコア・ブースターIIは、高速で飛行するモビルダイバーの後方にピタリとつくと、仇とばかりにバルカン砲をみまった。
 被弾し黒煙を上げるモビルダイバーにとどめを刺すべく、さらに接近した隊長機だったが、敵機の現状を視認すると攻撃を中止。
 ラリー機を伴い反転帰投した。

 撃破せずに引き上げた彼らをとがめる雰囲気が全くなかったのは、敵ではあるが大気圏に突入し攻撃を加えるという、無茶な作戦を遂行したパイロットへの畏敬の念があったからかもしれなかった。
 なお、この後、打ち上げ時を狙った攻撃が事実上無くなった為、コア・ブースターIIインターセプト型の量産は見送られる事が決定したのだった。




 MS IGLOO 本編にてモビルダイバーに止めを刺さずに反転したコア・ブースターIIを見て閃いたのがこのSSです(いやね、作品の演出上、止めを刺せないのはわかるけど)。
 個人的には、ある連邦軍部隊のメモリアルの4話と5話の間に位置する話なのですが、それじゃーいつまでたっても公開できないので(オイオイ)、こちらに外伝として投稿してしまいました。
 管理人の米田鷹雄様、もしも規約等に抵触するのでしたら、お手数をお掛けしますが削除してください。
 なんにせよ1年以上経って作ったのがこんなので、自分でも失笑ものですが、許してください。
 まだ生きてまーす、RENESISでした。


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