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「喉元過ぎれば・・・ 前編(NARUTO)」

拓也 (2007-02-15 03:52)

会場の外に、里を警備していた暗部を殺し、お面を外している眼鏡の青年がいた。

そしてすぐ横には同じ木の葉の忍が殺されたのに何もせず、何も感じずに立っている者がいた。


「ボクにはまだ・・・あなたが躊躇しているように思われますが・・・。」


今は何も起きていないが、自分が仕えている大蛇丸よりも強いこの者の気が変われば、すぐにでも計画は潰され、そしてカカシと同じ実力しか持っていない自分は何も抵抗できないまま殺されるだろう。

カブトは体に滲む汗を感じながらも、その者に大蛇丸に聞いた時と同じ質問を聞いてみた。


「躊躇?今まで我慢してきた俺が何で思い留まるんだ?そもそも、
 里のやつらが自分たちの立場を理解していない所で間違っている。」


その者は面を着けていて顔を見ることは出来ないが、面を取ったらきっと、なぜ当たり前なことを聞いてくる?と不思議に思っている表情が見れるだろう。

そして、返ってきた返事にカブトは哂いたくなった。

相手に対する恐怖よりも好奇の方が強かった。

そんなことを考えているのを表に出さずにカブトは会場を見上げながら呟いた。


「「さて・・・。いよいよか・・・。」」


試験官を務めるゲンマは千本を銜えながらも会場の真ん中に立っている二人を熱く見守っている。

そして今ここに中忍試験のメインイベントが行われようとしていた。


        うちはの血を引く天才    うちは サスケ
                         VS
        砂の絶対防御          我愛羅


どちらとも既に、下忍の枠を超えた強さを持っているだろう。

そして、二人の闘いは格闘技を見ている以上の興奮を得ることが出来るに違いない。

観客はそんな事を思いながら固唾を飲んで見守っていた。


「始め!」


声が放たれたと同時に、相手に隙を与えないようサスケは手裏剣を相手に向かって投げたが、当たる直前になると我愛羅の体からは砂が溢れ出し、砂の壁が出来上がった。

そんな結果に舌打ちしながらも、サスケはこの一ヶ月の間に向上した体術に自信を持っていたので迷わず相手に殴りかかった。           

それでも再び作り上げられたチャクラを含む砂の壁に遮られてしまった。

我愛羅の砂の壁も完璧かと思いつつも、自分自身のチャクラが無くなってしまっては、いつダメージを受けるかは分からない。

我愛羅は疲れた顔を出さずに印を結び始めた。

すると、我愛羅を覆い隠すように砂の球体が出来上がった。


サスケの方も、先ほどからの攻撃であの球体は普通の攻撃では壊せない事を解っていた。

だったら、普通の攻撃をしなければいい。自分はカカシから教わった、とっておきを持っているのだから。


「っ!!」


術の準備をしようと距離を取ろうとした瞬間に、沢山の羽が空から舞い降りてきて、観客の眠りを誘った。

そして木の葉という風車に一吹きの風が送り込まれようとしていた。


「サクラ、幻術を解いてナルトを起こした後、サスケを追え!」


カカシは演習場の鈴取りで、サクラに幻術をかけて良かったと思った。きっと、騙されたことを知って対策を学んだのだろう。

ガイと背中合わせになり、覆いかかってくる敵をクナイで殺し、我愛羅を追って行ったサスケに合流するようにサクラに指示を出した。

サクラは顔を青くしながらも、カカシの言葉に従ってナルトを起こしに行った。


「なっなんだってばよ!これは〜〜」


ナルトはサクラに体を抑えられながら、先程までと様子が違うようで驚いている。


「今から私たちでサスケくんを追うのよ!」


サクラは急がなくてはいけないと思い、カカシから言われた言葉をそのまま伝えた。


「じゃあシカマルも連れて行くってばよ。」


サクラはなぜシカマルを?と思ったが、ナルトが既にシカマルを叩き起こしているので黙っておくことにした。


「・・・・フン、何で俺がサスケなんかを・・・。巻き込まれたくねーよ。」


シカマルはかなり興奮しているナルトの前でため息まじりの愚痴を吐いた。

起こされる時に強く叩かれたのでさらに機嫌が悪い。

サスケのことは交流がないこともそうだか、あの他人を見下している眼がどうしても好きになれないのだ。


「いいから、ほら!さっさと行くわよ。」


シマカマルの文句もサクラの耳には届いてはおらず、ナルトを抱えて出て行ってしまった。


「ったく・・・。これからめんどくせー奴らと闘わなきゃならないのに、  呑気なもんだぜ・・・。」


シカマルの言葉は2人にではなく、サクラだけに向けられていた。

シカマルが2人を追いかけて穴から出て行くのを壁の上で、暗部服を着た小柄な4人が見ていた。

4人は、里を守るために敵と闘っている忍たちと違い、ただそこに立っていた。


「行ったみたいだよ。」


「ああ、この状況を利用する以外は他にない。」


「まあ、あの三人以外は辺りに見当たらないし大丈夫だろ。」


「・・・・・・・・・。」


この任務は、もしもの場合が起こってはならない為に広い場所で行わなければならない。

さらに里に大勢の他国の忍びが進入していて混乱している今が一番ベストである。


「じゃあ行こうか」


4人はその場から消えた。


「おい!!お前らもっとスピードを上げろ!後ろから2小隊8人、              イヤ・・・あと5人・・・13人が追ってきておる 」

パックンは後ろからの臭いに気がつき、焦り出した。          

かわいいお顔がすでに崩れてしまっている。


「おいおいもうかよ!!しかも13人もいるなんて縁起わりーな」


「そんなこと言っている場合じゃないでしょ!どうすんのよ!!」


カカシから今回の任務はAランクだと言われ、焦っているサクラは妙に落ち着いてるシカマルにキレた。

イノと闘った時とは違い、波の国で再不斬や白の時と同じで命がかかっているのだ。

さらに自分たちより確実に強い敵が来ると予想出来ているため、さらに不安になっていた。


「よっしゃー!こんな時こそ待ち伏せだー!」


「待ち伏せ・・・・・・そうね・・・ってあんたもなにが『よっしゃー!』よ!!敵が来るんだからしっかりしなさい!」


「お前ら喋ってねーで早く先に行け。俺が残って敵を待ち伏せる・・・・・ って、もう遅せー。」


シカマルは後ろから飛んできたクナイを体を少しずらして避け立ち止まり、後ろを向いた。

すると、そこには既に音の忍がいた。


「・・・・・・・・・・・・」

黙っていて何もして来ない為、今がチャンスだと思ったナルトは、

「いくぜ!俺の新技をくらぐぇ!」


相手にいきなり向かって行こうとした、が、


「ナルト待て、相手の動きを良く見てから動け」


シカマルによって襟を捕まれ止められた。


「・・・・・・・・・・・・」


未だ武器も構えていないし、何も言葉を発していない。

それを不思議に思ったシカマルだったが。納得のいったような顔をした。

そして、

「お前ら、そこにいるのばれてるぜ」


シカマルが気配のしない場所にいきなりクナイを投げた。

サクラは波の国でナルトがしたと同じように、今度もまた相手はウサギだと思っていたが次に出てきた人物に驚いた。

それらは暗部の服を着ていたが、お面を着けていなかった。


「ヒナタ、ネジさん、キバ、シノ!?どうしてそんな格好でここにいるのよ!!」


サクラの大きな声が森の中で響き渡った。


ども、初めまして拓也と申します。
今まで色々なSSを見てきましたが、自分も何か書いてみたいと思い
初めて文章を書いてみました。よろしくお願いします。


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