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▽レス始

「アライブ・ハート 予告?(とらいあんぐるハート3×最終進化的少年アライブ)」

トール (2007-01-11 01:26/2007-01-11 01:28)

その日、高町恭也は学校帰りに自分の趣味である盆栽の雑誌を買おうと、駅前の本屋に行こうとしていた。いつもと何の変わりない普通の午後。
しかし、恭也が信号を渡り向うにある本屋に行こうとしたとき異変は起こった。有名書店「ゲ○」が入っているビルに入ろうとしたとき、ふと恭也は何かが落下してくるのに気が付いた。このままそこにいるとその物体に当たりそうなので、後ろにステップした。

「グチャッ」

恭也の目の前に落ちたもの、それは笑いながら自殺した少女だった……。


第一話   死んでいくものたち


恭也はショックだった。胃の中から何かがせりあがってくるが分かる。人の死を見たことが無いといえば嘘になる。リスティから頼まれた仕事で人を殺してしまったこともある。罪悪感はあったが、仕事であるし、第一相手に情けをかけて、それが原因で自分が死んでしまったら家で待っている家族に申し訳ないからと、そこは割り切ることが出来た。しかし、恭也は自殺を見たことはないし、やろうと思ったことも無い。……幼い頃に膝を壊したときはもしかしたら考えていたのかも知れないが、少なくとも最近はやろうとは思ったことは無い。
だが、現状は恭也は見てしまったのだ。自殺の瞬間を。しかも、笑いながら死んでいく様を少し、うらやましいとも思ってしまっていた。

それから、恭也は何があったかは覚えていない。気が付いたら家にいて、テレビを見ていた。すると、臨時でニュースが流れ出す。

「臨時ニュースです。日本全国で自殺事件が異常に多発しており、その件数は……」

テレビから聞こえてくるのが雑音にしか聞こえない。いや、内容は理解して、必要な状だと思うのだが、ただただ、うっとうしくて仕方が無い。

「ドクン、ドクン」

心臓の音が急に大きくなり始めた。急に家族のことが気になり始めた。なぜだと自問してみるが、分かるはずがない。皆の安否を確かめるために、電話をしようとして恭也は立ち上がったがその途端に

「ドンッ!!」

意識が闇に吸い込まれていった……。

〔サイド 恭也〕

夢を見た。自分でそう分かる不思議なものだった。
始めは、一面瓦礫の山で、ところどころ、その瓦礫が家だったと分かるような場所がある。そう、それは、自分が幼い頃、龍(ロン)がテロを起こした御神宗家爆破事件により吹き飛ばされた家であった。その頃から自分は年齢らしくない性格をしており、人の死というものが、どういうものなのかは分かっていた。その当時は、深い悲しみと、憎しみがあった。それは今も変わることは無いが、自分の父により、それを抑えることは出来た。
そして、いきなり夢の場面が一転した。今度は、少し成長した自分と、美由希、今よりさらに若く(幼く)見えるかーさんが見える。かーさんは泣いている。多分これは、自分の父である高町士郎が死んでしまったあたりの夢なのだろう。その後、父との約束である「美由希が望むのなら、美由希を立派な剣士にする」というもののために焦りすぎて、自分の膝を壊した夢を見た。
3つの出来事を見終わったときあたりは真っ暗な闇に包まれていた。これらは、何の意味があるのだろう。この3つの出来事は自分の中では絶対に忘れることはないことだし、夢としてみたいと思うような出来事でもない。そんなことを考えていると、一点の光が見えてきた。俺はそれに向かって歩き出した。そして、また意識が薄れていく……。

〔サイド 第3者〕

美由希、晶、レン、なのはは家に帰った途端驚いた。恭也が倒れている。ソファーなどに横になっているのなら、寝ていると思えたが、生憎恭也が倒れていた場所は電話の前。いくらなんでもおかしすぎる場所に倒れていた。
とりあえず、パニックになった美由希たちは

「恭ちゃん、待っていてね!電話だよ!110番に・・・」

「美由希ちゃん、それは警察。救急車なら911……」

「アホかー。お猿。それはアメリカのレスキュー番号や。救急車は119番や!」

「はわわわわわわ、お兄ちゃん、大丈夫〜」

滅茶苦茶だった。

その後、病院に運ばれた恭也は特に悪いところも見られず、外傷も無いため、多分過労だろうと言うことになり、そのうち意識を取り戻すだろうとのことで一日だけの検査入院ということになった。

夜が明けて次の日になると恭也は普通に目を覚ました。雰囲気もいつもと殆んど変わらない様子だった。恭也はそのまま立ち上がり、着替えさせられていた病院服を脱ぎ、多分家族が持ってきてくれたのであろうよく着る服である、黒いシャツ、黒いスラックスを穿き、黒い上着を着る。どうやら、まだ時間的に早いらしく、辺りはまだ薄暗い。このままどうしようかなどと考えていると、なにやらこの病室に近づいてくる気配が感じられた。
大して気配を隠しているような感じも感じられないので、大方、看護師たちの見回りだろうと思い、ベッドに腰をかける。別に悪いことをしているわけではないが、少しどきどきする感じがある。まぁ、同じ病室にいる人も1人だけだが、いきなり怒るということは無いだろう。恭也がそんなことを考えている間に、さっきまで感じていた気配が病室の前に止まり、中に入ってくる。この病室には恭也をあわせて2人いるのだが、1人は廊下側のベットにおり、恭也は窓際のベッドだった。当然、見回りの看護師だったら、窓際からではなく、廊下側から様子を見るのだが、気配はどんどん恭也に近づいてくる。戦闘態勢を整える間もなくカーテンを開けられる。そこにいたのは、

「あ、恭也君。起きていたのですか?」

フィリス・矢沢だった。

〔サイド 恭也〕

フィリス先生の話によると俺は、リビングで倒れていたらしい。どうしてそんなことになったかは分からないが、とりあえず、体に異変はなく、外傷も無いためただの過労として診察されたらしい。……あの症状は、疲労というより、貧血に近いものだったのだが、そこは黙ってフィリス先生の話を聞いておくことにする。とりあえず

「退院はいつ出来ますか?」

フィリス先生にいつ退院できるか聞いてみた。

「今日の朝には退院の予定でしたので、なんなら今帰っても構いませんよ。治療費などは私が払っておいても構いませんし」

とフィリス先生は返してくれたが、さすがにこんな朝早く家に帰るのは家族に迷惑が掛かるかもしれないし、治療費を払わないで、フィリス先生に肩代わりしてもらって帰るのもなんだか後味が悪い。だが、実際に今は目がさえてしまい、これ以上寝ることも出来ないし、さすがに倒れてしまった後に鍛練をしようとは思わない。……フィリス先生に怒られるのが怖いわけではない・・ハズ。
とりあえず、なぜフィリス先生がこんなところにいるのか不思議に思ったので聞いてみると、
「今日は夜勤でしたし、……その、恭也君のことも心配でしたから」

と顔を赤くして答えてくれた。なぜそこで顔を赤くするかは分からないが、無難に

「そうですか。心配してもらい、ありがとうございます」

と出来る限りの、無愛想の自分には限りなく無縁だと思われていた笑顔でお礼を言っておく。すると、フィリス先生の顔はますます赤くなった。風邪だろうか?

ふと、フィリス先生と小さな声で談笑していると昨日の事を思い出した。今まで思い出せなかったのは、少々薄情だなと思いながら

「あの事件。自殺多発の事件はどうなっているのです?」

フィリス先生は影を落とした顔をしながら

「昨日の時点で日本全国、あわせて約2000人の人が自殺をしています。世界各国でも同じような現象が見られていまして、それをあわせると数万人単位です。ここ、海鳴市でも2名の人が自殺しています。……こんなことを言うのは不謹慎なのですが、ほかの町や市よりずいぶん大きさのわりには少ないんですよ。」

そう説明してくれたフィリス先生はかなり無理をしているようだった。確かに原因が分かっていないのだから、いつ自分の知っている人が自殺をしてしまうかも知れないという恐怖心もあったのだろう。実際、その話を聞いて自分自身も怖いくらいだ。海鳴で2人のうちの1人は自分が見ている。しかも、目の前で。まじかに死を見せられると怖くなるのは当然だと思う。それは、人の死が日常茶飯事である医者にも当てはまるだろう。俺はそんなフィリス先生を慰めたいのだが、いかんせん自分は女性に対して気の聞いた言葉をかけるなんてことは出来るたちではない。だから、妹のなのはがまだ小さいころ、泣きそうになったときに頭を撫でてあげると、落ち着いたことを思い出して実行してみる。フィリス先生は大人なのだから子供と一緒にするなと言われてしまうかもしれないし、黙っていると空気に押しつぶされてしまいそうなので、ついついやってしまった。

「ありがとうございます。少し、慰め方が子供っぽいですが、元気が出たと思います」

どうやら成功だったようだ。しかし、フィリス先生を慰めることは出来たのだが、今度は俺自身の元気が無くなっていくようだ。……元々元気はあまり無かったのだが。無性に、自分が昨日体験したことを聞いてもらいたくなってきてしまった。少なからず自分もやはり堪えているのだなと思い、フィリス先生にこのことを話すかどうか迷っていると、

「話してください、恭也君。さっきは慰めてくれたのですから今度は、私の番です」

と銀色のリアーフィンを広げた天使がそこにいた。少し、申し訳なさそうなのだが、どうやら、ただならぬ俺の雰囲気を察して自分の心を読んだらしい。こういう時フィリス先生は凄いと思う。自分から切り出しにくい事柄を話したいと思っているときには、決まってフィリス先生は自分に話すように言ってくれる。この気の利きようがたまに、膝を酷使したことを言いにくいと思っていてもすぐに読まれてしまうということにつながっているのだが、今は考えないようにしよう。

それから俺は、昨日の放課後に何があったかフィリス先生に隠さず全て話してしまった。無論、自殺者を見てうらやましいと思ってしまったことも話した。するとフィリス先生はある一つの推測を立ててくれた

「恭也君を不安にさせると思うけどそれでも、聞きたいですか?」

俺は、首を縦に振る

「では、話します。恭也君の話によると自殺した少女は最後まで笑っていたのですよね?普通、自殺をした人、特に飛び降りなどをした人の遺体の表情は少なからず恐怖が浮かぶと言われています。……私は実際の遺体を見たことが無いのでよくわからないのですけどね。それで、その少女の顔が最後まで笑顔だったと言うことはですね。え〜と、なんて言えば良いのでしょうか?多分その娘は死ぬことに恐怖を感じなかったということだと思われます。恐怖どころか、自殺することが、言い方が悪いですが、嬉しかったのではないでしょうか?普通、自殺することが嬉しいなんてことはありません。自分から命を絶つことが嬉しいことだなんて思うのなら、とっくに人類は全滅していますからね。やはり、この事件には何らかの原因があると思います。そして、その原因が日本中、世界中に広まって沢山の自殺者を出しているのだと私は思っています。さらに言うなら、恭也君。多分あなたにもその原因が入り込んでいます。実際に恭也君は自殺をしたいと思ったことはここ最近無いでしょう?なのに、自殺者がうらやましいと思っていしまった。つまり、恭也君にも自殺の原因となったものが存在していると私は考えます。ですが、何らかの条件の下恭也君は自殺衝動に駆られずに生きている。何かの条件により……」

フィリス先生が途中からぶつぶつと1人ごとのように呟くようになってしまった。だが、要点は掴むことが出来た。自分は自殺者を見たときうらやましいと思ってしまったことは事実だが、それは、今世界中に広まっている自殺事件の原因によるものらしいとのことだ。フィリス先生に打ち明けたことにより少し気が楽になった俺は、お礼が言いたかったのだが

「やはり、この事件の原因は…………
      であって、あれがこうなって」

とまだぶつぶつといろいろな推論?を呟いていたので言うことはできなかった。


ここから、能力者事件と呼ばれるようになる戦いに恭也は赴くことになるのだった。


あとがき
始めまして。アライブssに初挑戦のトールです。といっても、始めはクロスであるとらハの方の場面なんですけどね。
難しいですね。アライブ。世界観がかなり文章だと表しにくい。どうにか頑張ってもこの文章ですから。とっても文才がほしいと思いましたよ。
ちなみに、続くようなことで最後が終わっていますが、実際に続けるかどうかは分かりません。時間があったからなんとなく書いてしまったものなので。
皆さんがどのような感想をくれるか楽しみにしながら続きを書くかどうか考えていきたいと思います。


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