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▽レス始

「減らない魔力 第2話(まぶらほ)」

マジック (2006-08-10 18:13)

       減らない魔力

第2話      「もれちゃった・・・・・・・・・・・・」


ここは昼休みのB組の教室
「ったく、なんで俺が校舎の修理なんかしなくちゃいけねぇんだ!! 俺の貴重な魔法回数を!!」


仲丸は和樹とクラスメートの浮氣光洋と御厨真吾と昼食を取りながら愚痴をこぼす。


「まあ、自業自得なんだから諦めるんだね」


「確かに・・・」


和樹と浮氣がつぶやく。


「すべて俺のせいだとでも言うつもりか、お前ら!!!!」


「「確実におまえのせいだろう!!!!」」


「くっ・・・」


和樹と浮気に即答され、言葉に詰まる。


「仲丸が最初から松田の攻撃受けてれば被害少なくすんだんじゃないのか」


「おお、そういやそうだな」


「うん、うん」


和樹の言葉に浮氣、御厨が同意する。


「くっ!松田が邪魔さえしなければ今頃風椿玖里子は俺のものになっていたはずなのに!!」


仲丸が一人熱く訴えるが・・・


「無理」


「無理だ」


コクコク


和樹と浮氣は即答し、御厨が首を縦に振った。


「ま、松田さんに止められてちょうどよかったんじゃない。犯罪者にならずすんだんだから」


「式森は俺みたいな目標ってもんがないのかね〜?」


「ほう!仲丸の目標ってさっきのチカン行為なんだ〜?」


「げげっ松田。いつのまに」


いきなり背後に現れた和美に仲丸は声を上げて驚いた。


「俺の目標は向こうかな、一年の神城凛。なかなかの美形だと思うが」


浮氣は窓越しから校庭を見ながら言う。巫女服のような服を着て刀を持った小柄な女の子が歩いていた。


「そういえばうちのクラスもそうだけれど、うちの学校ってかわいい子って多いね」


「ま、どのみち式森にはまったくといって関係ないけどな」


浮氣が皮肉をこめて言うが和樹は皮肉などものともせず


「あたりまえだろ」


と軽く返す。


自分を認めてくれない人がいようと千早さえ自分を認めてくれさえいれば特に問題ないのだ。


偽装されていない自分を知っているのはこの学園では5人もいない。森校長でさえ知らないのだ。


表向きは生涯魔法回数が8回のおちこぼれ魔術師を通している。


運動もダメ、趣味もなし、勉強もできないと個性もない学生として学校では通している。


だが本当は全てが偽りである。


いや、たしかに10年前はそうだった。


だが、いまの本当の自分の生涯魔法回数及び魔力は世界中を探しても勝てるものはいないだろう。


一つの理由は自分に流れている血は世界中の歴史に名の残した偉人達の血が集まった現時点での最高傑作であるからだ。


しかし、今の力を手に入れたのはそれだけでなく、10年前の事件があったからだ。


そんな自分のことを一番よく知っているのは間違いなく千早だろう。


物心が着く前に知り合ってそれからいつでもいつも一緒にいた。生まれてから自分が今まで一緒にいた時間が一番長いのは親さえ抜いてダントツで千早である。


自分を千早の友達の多くが認めてくれていてくれればいいと和樹はいつもそう思っている。


二人の関係を知っているのは二人の家族以外は千早の親友である杜崎沙弓とF組(原作では清修高生)の友人である石川映子だけである。なぜ千早の友人である松田和美には教えないかというと教えたら最後B組法廷(判決は即死刑)が行われてしまうからである。


しかし、二人のラブラブっぷりではすぐばれてしまうためしょっちゅう忘却呪文を4人で交代交代かけることになる。


「浮氣、それはいくらなんでもかわいそうだ。例え魔法が後七回でも男だ。憧れくらい持たせてやれよ」


いつも忘却呪文をかけられて忘れているためこんなことも言う。


「どうでもいいよ」


千早お手製の弁当をきれいに食べ終え、鞄にかたずける。


(やっぱ、千早の手作りはおいしいな〜コンビニのパンなんかとは比較にならないや。いや比較するほうが悪いか)


和樹はお腹も心もしあわせいっぱいで満面の笑みを浮かべている。


「式森君、美人がいるって言ったけど例えば誰?」


「もちろんF組の千早・・・・・と松田さんとか、あと浮氣が言った神城さんとかかな?」


「えっ!千早?ああ、幼馴染だっけ」


「あ、うん」


(しまった、ちょっと口滑らしたかな?)


「まあ、友達をほめたとして今日だけは許してあげましょう。それにちゃんとわ・た・しを忘れずにいったしね。」


(た、助かった。あぶなかった〜)


少し冷や汗をかきながらしみじみ思った。


「おい、式森。確かにおまえが言ったうち2人は正しいが松田は違うぞ。それはおまえの幻うぎゃゃゃーーーーーー」


「言わなけりゃよかったものを・・・・・・・・・・・・・・・・」


「そうだな」


コウコク


少し間違えばあんなことになってたのかと思いながら和樹を含めた3人はその場を少し離れて呟いた。


そして、そのことをごまかすように仲丸は話し出した。


「そういえば、午後の魔力診断、楽しみだな〜」


「あ、今日魔法診断あったんだっけ?」


「なに、もしかして忘れていたのか」


「うん、じゃっ僕帰ろうかな」


「式森ぃ〜帰らずうけたほうがいいんじゃないか」


「なんかのはずみで使ってかもしれないし!あと7回だぞ7回」


「その若さで灰に待って死にたくないだろ」


それぞれが和樹を見下すように散々言っている。


「ああ、知っている」


そういって教室を出て行く。


そして和樹は千早に『念話』を送った。


*『念話』―魔力を使って相手と会話する手段。しかし盗聴される可能性があったり、自己の心理状態によって通じにくくなるなど問題点もある。


(千早、今から早退できる)


(うん、できるけど早退するの?)


(どっちみち測ったって変わらないだろ)


(そうだね、じゃあ夕飯の材料買いに商店街にでも行こうかな。あ、千早は校門で待ってて)


(了解!)


と和樹は簡単に返事し、念話の会話も済むと教室を出て行った


同時刻


薄暗い生物室の中で巫女服で日本刀を持った美少女こと神城凛が、耳に手を当て誰かと話をしている。


だが携帯や電話といったものではなく、念話による会話方法である。


「・・・そんな!?」


(すべては神城の為だ。必ず使命を果たせ)


「だが・・・なぜ・・・私が・・・」


(反論は許さん。それに急がねばならんからこそ、盗聴を覚悟の上で『念話』で伝えておるのだ。良いな、凛!)


その言葉を聞き、凛と呼ばれた女性は、ぎゅっと刀を握り締める。そこで念話は一方的に終了した。


「・・・くっ・・・」


凛は刀の鞘を強く握り締め、つぶやいた。


「・・・・式森・・・・・・和樹・・・・・」


さらに同刻、葵学園の裏生徒会室といわれる中


「玖里子様、お電話です」


「あら、珍しいわね電話なんて」


おそらく風椿のメイドが、電話機を持ってきていた。


そしてメイドの主にしてこの葵学園の影の支配者、風椿玖里子である。


電話ということはこの会話は盗聴などされてはならない重要な用件ということを指している。


「・・・・・で、何かあったの?」


厳しい顔で玖里子は電話の相手に向かい話をする。


(はい、実は・・・・・・・・・)


玖里子は電話の相手の話を真剣に聞く。


「なに・・・神城が!?」


その言葉を聞いたあと、彼女は学校の二年生の生徒がのる名簿を見る。


開かれたページには一人の男子生徒の写真とその履歴が乗っていた。


「式森・・・・和樹、か・・・・・・」


彼女は興味深そうにその少年の名を呟き、その写真をしばらくの間見つめるのであった。


「式森くん」


靴を履き替えているときに後ろから声をかけてくる人がいた。


和樹の身体のことを知っている葵学園の教員の一人である紅尉清明である。


「あ,紅尉先生。何ですか?」


「いや、魔力診断をうけていってもらえないかな。」


和樹がさぼろうとしていることはあえてきかない。


「けれど、僕の魔法回数は変わらないので別にいいんです。」


「まあ、そうなんだが」


紅尉は、苦笑しながら続ける。


「まあそれはいいとして、実は少し不味いことになった」


「へ、何かあったんですか?」


「この学園の情報をどこかの探魔士が地下市場にばら撒いたようだ。君の情報は偽装がされているが遺伝子の潜在能力のデータ、君の先祖に関して部分は書き換えられないからねそのままの部分もある。すぐにその魔探士をとらえ情報は隠蔽したが・・・・・おそらく問題がいくつか起こるだろう。」


「僕の力のほうですか、それとも遺伝子のほうですか?」


「ああ、遺伝子のほうだ、君の力はさすがにばれるような状況にはしていないよ。だが・・・・・・・・・」


「例えば、名家の家の者たちが僕の血をいれるため何かしてくるってことですか?」


「ああ、そういうことだから十分に気をつけるように」


「はい、わかりました〜。それじゃあ、千早が校門で待っているんで、それじゃ!」


和樹はそれほど危機感を感じられない返事をしてあっという間に去っていった。


しばらく苦笑いしていた紅尉だったが、和樹の方を向いてそっとつぶやいた。


「やはりあの人の子孫か・・・・・・」


あとがき
意外と好調だったのでまた書いてみました。実は原作を読んで千早がかわいそうにもほどがあるだろう。と思い和×千を書きました。あと、1話ではサブタイトルを付け忘れすみません。この話からはつけます。

ではレス返しです。

甲本昌利様
はい、同棲しています。
どこでかはまだ秘密です。

ながれ様
ありがとうございます。
初めてかいたので不安でした。


HEY2様
安心してください。
千早が原作みたいに不幸になることは
ありめません。

黒炎様
キシャーを人間扱いするかは未定です。
(酷くはしますが)


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