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「陰陽られるもの(元ネタうたわれるもの)」

FOOL (2006-03-23 20:08)


※:ネタです、読まれる際はそれをご承知になって読んでください。


あるところに、とても仲の悪い双子の兄妹がいました。

双子の兄ハクオロは、昔顔に酷い怪我を負った所為で鬼のような仮面を被っていますが、
根はとても優しく人を惹き付ける雰囲気を持つ若い考古学者。

「みんな、疲れているようだな。
少し休もう。
なに、私も少しばかり疲れたからな…休める時に休まなければ、作業は捗らないさ」

双子の妹ディーは、背中に灰色の羽を持つとても麗しい女性なのですが、
性格は唯我独尊、他者を寄せ付けない雰囲気を持つ博士。

「貴様の事情など知ったことでない。
これは交わした契約、ならば守るのが当然のことだ」


両親を早くになくしていた双子の兄妹は、いつも喧嘩ばかりしていました。

「兄者、今日こそ貴様を殺してくれよう!!」

「望むところだ! いま眼前に、お前がいる!!」

「いま目の前に、兄者がいる!!」

『どうして抑えられようか!!?』

「お父様、お姉様!
もうやめてください!!」

そんな2人を停めるのは、養子に引き取られた娘のムツミでした。
なぜ娘? というのは、知らなくて良いことなのです。


さて、考古学者であるハクオロは遺跡があれば東へ西へ、南へ北へと飛び回って大忙し。
そんな彼の周りには、薬師の娘エルルゥや動物の扱いや罠の察知に長けた妹のアルルゥ、
彼の助手でもあるウルトリィと妹のカミュ、
そして彼の護衛役で兄者と慕う弟分のオボロ、傭兵のカルラやトウカなどがいました。


家を空けることの多いハクオロ、それを面白くないのは
寂しがり屋のムツミと……ディーでした。
家に帰ってくることはあっても、それより空ける事の多いハクオロ。
家族を養うためという面もあり今まで我慢してきたムツミ(とディー)でしたが、
とうとう我慢の限界がきてしまいました。

「お父様・・・もう、置いて行かれるのは嫌。
あの娘達だけが傍にいるなんて・・・許せない」

一度決断すればもうためらうことなんてない、とムツミはハクオロの元へと急ぎました。
……誰もいない家を後にして。


ある日の夜。
調査が一段落し、現地で野営していたハクオロ達。
ふと、尿意を覚えたオボロがテントを離れ、
少し離れた草むらで用を足していましたが……その時!

「ッ!?」

突然、何者かが背後からオボロに襲いかかりました!

「クッ、何奴?!」

襲撃をなんとか躱し、愛刀の二刀の脇座を抜くオボロの前に現れたのは
自らの愛刀であるレイピアを構えた、ディーでした。

「お前は……!
そうか、とうとう痺れを切らして兄者を殺しにきたか。
だが、この俺がいる限り兄者は殺らせん!!」

「誤るな。
我の目的はただ1つ……貴様だ」

体中から闘氣を発するディー。
そこから生み出される威圧は、恐ろしく凄まじいもの。
だが、オボロは後ずさりそうになる体を叱咤しながら、ディーを睨みます。

「何が許せない、となれば……我は貴様の全てが許せぬ!!」

「なんだと?」

切っ先をオボロに向けるディー。
その虚ろを思わせる黒い瞳は、
紛う事なきオボロへの殺意と憎悪と怒りに満ち溢れていました

「兄者を兄と呼んで良いのは我だけだ。
兄者を兄と呼ぶのは我の特権、当然の権利であり自然なこと!
それを、何処の馬の骨とも知れぬ愚物が兄と呼び敬い慕うなど……!!
その罪、万死に値するぞ!!!」

そう、ディーはオボロを憎んでいたのです。

昔から、面と向かっては衝動に駆られるように喧嘩を繰り返すハクオロとディー。
喧嘩が終わるたびに、ディーはいつも自責の念に駆られるのでした。

「また、やってしまった……なぜいつもこうなってしまう?
我がしたいのは、本当にしたいのはこんなことではないのに…………兄者」

平然としている普段でも、その胸の中はいつも自己嫌悪でいっぱいになり、
もし原因が前世にあるならば、前世の自分を括り殺してやりたいと思うほどでした。

そんなある日。
食卓の時間、ディーは兄からオボロのことを聞き、愕然としました。
自分を義理の兄のように慕う、オボロのことを……その時からでした。
ディーが、深い憎しみを抱いたのは。
兄と呼び敬い、隠すことなく彼に慕情を見せるオボロ。
平然と、当たり前のようにしている……
それがディーには、殺したいほど羨ましかったのです。


「愚物、いまここで貴様を殺す!
兄を兄者と呼び、慕う者は……2人といらぬ!!」

「良いだろう!!
ならばこのオボロ、1人の兄者を敬い慕う者として、貴様を屠る!!」

こうして、
ディーとオボロの兄者を掛けた戦いの幕が切って落とされたのでした……。


〜あとがきられるもの〜
初めまして、今回が初投稿のFOOLと申します。
ある日料理をしている時にふっと浮かんで書いたネタです。
あっ、石は投げないで! こう見えてもうたわれるものは大好きなんですっ
ちなみに、続きは今のところ予定はありません。
好評だったら考えますー。 それでは、今日はこの辺で。


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