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▽レス始

「WILD JOKER(後編)(GS+Fate)」

樹海 (2006-03-05 02:45)

@最初に
これは試作品です。続篇希望者が多いようなら続篇考えます
希望者が少なければ読みきりになります。その場合はご了承下さい


『WILD JOKER(後編)』


「……いやーまさかあのナイスバディーのねーちゃんから刺されるとはな」
 横島は真っ暗な闇の中、途方に暮れていた。
 「しっかし……ここどこだ?」
 ふとぼやいた横島の脳裏に直接声が響いた。
 『ここは世界意志の場。全てが存在し、また全てが存在しない世界』
 「へ?」
 いきなりの言葉に訳が分からず間抜けな声を上げる横島、だったのだが。
 『あーまあ、ぶっちゃけ、世界意志が現れる為の演出兼ねた登場シーンってこった』
 「ぶっちゃけすぎだろっ!?」
 余りと言えば余りな表現に思わず突っ込んでしまう横島だったのだが。
 『うーん、それなら死んだって事が実感出来るよう地獄を体感しつつ、上から蜘蛛の糸とか』
 「このままでいいです、ごめんなさい」
 即座に謝って土下座した。

 「あーつまりなんだ、俺に英霊って奴になれってか?」
 世界意志、と名乗る相手が告げる所によると、横島の力は通常のレベルの人間とは大きくかけ離れているらしい。まあ確かに横島が普通の人間と同じかと言われると甚だ疑問が残る。実際、その戦闘力は人間のカテゴリーからは完全に外れるレベルの代物と化してしまっている。横島や雪之丞の場合、更に武器が何もいらないという点も大きい。
 英霊になるには、ただもちろん力だけでなく、英雄という世界の認識もいるのだという。
 それ故に最近はそういう存在は減ってしまったらしく、横島は久々の有資格者なのだという。ちなみに、横島が英雄と呼ばれた時嫌な顔をしたが、事情は彼が死んだ後の世界の流れをダイジェストで見せられて納得した(ちなみにシロらの様子には苦渋の表情だったようだ)。
 『で、どうだ。なってくれるかね?』
 「…その前に一つ聞きたい事がある」
 『何かね?』
 「ひのめちゃんはどうした…?」
 それが横島には気がかりだった。最初彼は殺されたのは自分だけだと思っていた。ひのめが殺される理由なぞ思いつかなかったから、というべきかもしれない。だが、打ちのめされる隊長こと美智恵らの声を聞いて、初めて知った。庇った後急速に意識を失った為にその後の事は知らなかったからだ。
 『うむ、まだ幼すぎて自我が確と確立していなかったから…君に吸収され』
 「なにいいいいいっ!」
 『たら君が自分を責めそうだったので、とりあえず除けて保護してある』
 ずるっと思わずずっこけた。
 「そ、そうか。それに関しては礼を言っとくよ」
 ほっとした横島だったが、まだ話は終わらなかった。
 『とはいえ、死んだ者を生き返らせる訳にはいかない。かといって自我が確立していないから英霊かそれに類する者どころか今の段階では使い魔にすら出来んぞ』
 「……どーいうこった」
 シリアスモードでの真剣な表情で睨む横島。だが、世界意志とやらは全く慌てる様子はなかった。
 『要は赤ん坊すぎるのだ。従って選べる方法は三つ。世界に漂う浮遊霊の一つになる』
 「却下じゃ却下!」
 『二つ目、転生の輪に乗せる。これをやれば魂自体はまたどこかで別の赤ん坊として生まれる』
 『そして最後が何かに一旦魂を封じて、お前と共に成長するという手だ』
 「…………」
 『一番真っ当な手段は二番目のものだ。ただし、記憶も力も何もないから、本人にとっては別人となる事とイコールと言えるだろうな』
 「………俺は」
 「俺は……自分の都合で縛る事になっちまうかもしれないけど……それは間違ってるかもしれないけれど……三番目を選びたい」
 『ふむ……』
 「ひのめちゃんはまだ……何も見てない。見せてない……それがあの子の運命だなんて……可哀想過ぎるじゃないか」
 横島の脳裏に嘗て、一年しか生きられないという…蛍の姿が浮かんだ。
 「俺は……あの子にもっと世界を…見せてやりたい」
 『いいだろう……だが、それは』
 「分かってる。俺が英霊を引き受けるって事だ」
 当然だ。そうでないと、後に残るのはひのめの魂が封じられた何かがぽつんと放置されるだけになってしまう。
 『よかろう、交渉成立だ。受け取るがいい、これが封じられしレーヴァテインだ』
 真紅の燃える炎の大剣が虚空に浮かぶ。
 「…って何で武器なんだ!?」
 『仕方なかろう、お前に関連する周囲の相手に関連する物で探したら、彼女の属性に最も合うものがこれだったのだ』
 世界意志によると、横島に全く関係がないものでは傍にいる事が難しいのだという。そこで炎に関連する何かを探したのだが、人間関連では転生に直行コースになってしまう。神族の内、小竜姫やヒャクメは神話がない。斉天大聖も炎関連と言えば火炎山とかが当たったのだが、それは物とは違うから入れられない。
 最終的に容れ物となったのは、ワルキューレやジークの属する北欧神話繋がりから火の世界ムスペルヘイムに住まう巨人族の長たるスルトの豪剣、炎の剣レーヴァテインを引っ張ってきたのだという。
 『それが嫌なら世界に認識された確固たる概念を持つ炎関連の何かをお前の周囲から言ってみろ』
 そう言われると勉強不足が祟り、思いつくものがない。こんな事ならもっと勉強しておけば良かったーーーっ、などと叫んでも、正に後の祭り。どうにもならない。本来の使い方……すなわちこの場合英霊として世界を守る戦いにおいて使用しないと、自我確立には意味がない(要は使わず大事にしまっておくというのは、道具がほったらかしにされて錆びるのと同じらしく却って自我が消えてしまう方向に働くのだそうだ)。

 英霊に就いた横島は世界を飛び回り、時間が過ぎていった。
 英霊となった横島の姿は、嘗ての自分のシャドウを模したものだったが、幾つか違う点もあった。以前の彼のシャドウは白系統だったが、今の彼は黒……どうやら魔族の因子が強く影響した結果らしい。結果として、黒いコートに黒いズボン、ブーツ、黒い道化帽子でコートの肩は肩当でも入っているかのように張り出しているという姿となっている。嘗てのルシオラの如く光を利用した幻影まで使えるようになっていた。
 レーヴァテインそのものとなったひのめも、長い時間の中で着実に自我を確立していき、最近では短時間なら少女の姿を取れるようになっている。外見年齢は14程で、死んだ時の17のまま外見固定されている横島はしばしば『俺は、俺はーーーーっ』などと叫んで頭を何かにぶつけたりしてるようである。
 そして、そんなある日……。
 横島は何かに引っ張られた。
 邪悪な意志ではない。何か世界意志に認められた何かによって喚ばれるような……そんな感覚を覚えた。
 「なっ、なんじゃーーーーっ!?」

 冬木市。
 その一角、一軒のそれなりに大きな屋敷で……一人の少女が呪文を唱えていた。彼女の名は遠坂凛……聖杯戦争に参加する予定の魔術師の一人である。そして彼女が最後の一節を唱えた時……魔方陣が光り……!
 別室から轟音が響いた。
 「…え?」
 本来なら成功すれば魔法陣の中央にサーヴァントが現れるはずだった。だが、そこには姿は何もない……だが、手に令呪が明らかに輝いている……すなわちそれは。
 「……何かミスった?」
 慌てて、物音がした部屋へと向かう。扉を開けると、そこはしっちゃかめっちゃか……酷い有様だった。その中央に一体の黒い何かが蠢いていた…いや、よく見ると黒い衣装を纏った人間のようだった。そしてそれに……令呪は反応していた。どうやらこの相手が自らのサーヴァントであるらしい。
 「……貴方は?セイバー?それとも」
 『何ですそれ?』と言いかけて……横島は自分の脳裏に聖杯戦争の知識が浮かんでくる事に気付いた。どうやらこれは……英霊を召喚しての戦争らしい。ただ、どうやら自分の世界とは微妙に異なった世界ではあるようだが……どうやら目の前の少女が召喚の術式を何かミスったのか異世界の英霊たる自分が呼ばれたらしい。
 「いいや……」
 だが、どうやら聖杯は……ならば動かねばなるまい。最早悲劇を招かぬ為に。或いは悲劇を最小のものとする為に。
 「俺は……ジョーカーだ」


『後書きっぽい何か』
 読んでる内に何やら自分としても書いてみたくなり、Fateを実際にやった事もないのに手を出してしまった樹海です。
 とりあえず読み切りの試作品として書き上げてみました。ご意見お待ちしてます。

(設定)
英霊:横島
外見年齢は17歳程度
全身黒一色で身を固めた道化師風の姿
能力としては霊波刀、サイキックシールド、文珠の他、光を利用した幻覚作成と宝具としてのレーヴァテインを持つ。結果として霊波刀を剣以外で使用する事を選び、網やロープ、或いは如意棒の如く伸ばしての遠隔直接攻撃など様々な形態を獲得するに至る

レーヴァテインinひのめ
ひのめの魂を宿らせた炎の剣
Fate世界風に記すなら『全て焼き尽くす業火の源』となる
現在はひのめは14歳程度の外見で実体化する事が出来るようになっているが、本体であるレーヴァテインが横島の体内に霊体化して存在する為あまり離れる事は出来ない
ちなみに、横島が大好きで、実は誘惑したりしてたりする
横島が持つ限り巨大な剣の形状を持ちながら重ささえ感じさせないが、他者が持つと圧倒的な重量と業火を発する


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