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▽レス始

「黄昏の式典 第十二話〜世界の縮図〜(天地無用!+BLACK CAT+ヘルシング+奪還屋)」

黒夢 (2005-09-21 20:25)


???サイド


背後に佇む闘技場から途絶えることなく漏れる興奮に満ちた歓声を聞き流しながら、ろくに舗装もされていない凸凹な道を疾風の如く駆けぬける小さな人影があった。

その人影の名は白眉鷲羽。『元の場所』では自他共に認める宇宙一の天才だ。

見た目は十代前半の少女のようだが、実際の年齢は二万歳にも及び、早々あらゆる意味で人の限界を超えてしまっている。そんな出鱈目という言葉を体現した存在でもある鷲羽は親しい知り合いが見ても珍しいと思うほどに隠しきれない焦りを前面に押し出していた。

(ヤバイわね……これはもう発動寸前のところまで来てる。こんなのが発動したら、私たちは完全に誰かの『箱庭』の中に閉じ込められることになる!!)

それが何を意味するのかを鷲羽以外に知るものはいない。いや、もし他の誰かがそのことに気づいたとしても馬鹿らしいと切り捨てられるほどに非現実な現実が確かに刻一刻と迫っているのだ。

闘技場を飛び出してから全力で走り続けた鷲羽は自分の記憶に留めていた道をひたすらに突き進み、ある一つの建物にたどり着いた。

「やっぱりここか……」

周りを木々に覆い隠されているためか、まだ昼過ぎだというのにそこは薄暗かった。そんな本能で近寄ることを避けそうな場所にそびえるのは大きいアパートのような建物。薄気味悪いその建物を見上げ、鷲羽は自身の予想が的中していたことを知る。

鷲羽はこの孤島に訪れたその日に一人で島を隅から隅まで探索していた。そのため参加者などには発表されていない色々とおかしな設備や施設などを見つけたりもしたが、その中でもこの建物は突出して異様だった。

建物自体にはさして怪しいところは無いのだが、その内部に渦巻く多種多様なエネルギーの危険性はさながら核融合炉や粒子加速器を思わせるほど。

その時は開会式が近かったこともあり、下手に手を出すのは危険と判断して後回しにしてしまっていたが、今はその選択を後悔していた。

こうして近くにいるだけでもわかるほどにこの建物から漏れ出すエネルギーの量が数十倍に増大している。もしもこのエネルギーが暴走することでもあれば一つの国、下手をすれば大陸が一つ跡形も無く消えることになるかもしれないほどに。

若干の緊張の色を宿し建物の中に入った鷲羽はこの膨大なエネルギーの行方を探りながら細心の注意を払って通路を歩く。

途中何個かの致死性の罠があったが、鷲羽にしてみればそんなものは在って無きに等しい。しばらく行くと通路は一直線になり、それまで疎らにあった部屋なども完全に無くなっていた。

「……行き止まり、ね」

久しぶりにあった曲がり角を曲がった所で目の前は壁に阻まれていた。しかし、鷲羽は対して気にした様子も無く近くの壁や床を注意深く観察する。

ここに来るまでの間に特に道らしいものは無かった。ならば、考えられることは一つだけだ。

しばらくすると床のある一部分だけが不自然に埃が途切れていることに気づき、手探りでその辺りを軽くなぞってみる。するとその部分の床が不可思議な紋章として光り輝き、消失する。消え去ったそこには地下へと続く階段が姿を現していた。

「…………」

そこから吹き上がるのは魔界と神界の空気が交じり合う存在しないはずの風。恐らくこの階段の下に現象の元凶もいるだろう。

知らず額から流れていた汗に気づき、鷲羽は手の甲で乱暴に拭うと意を決して階段に足をかけた。無限回廊を思わせる螺旋となっていた階段を時間の流れも忘れて下り続けていく。すると、目の前に巨大な扉が現れた。

鷲羽は戸惑うことなくその扉を蹴り開き、その奥にあったものを目撃した瞬間、迂闊にも意識がどこかに飛んでしまった。

それほどまでにそこは不思議な空間だった。

この世を構成するありとあらゆるものがそこにあり、その全てが無いと言う矛盾を孕んだ原初の宇宙のような混沌。

「ようこそ。白眉鷲羽」

唖然と周りを渦巻く異様を観察していた鷲羽の鼓膜にどこかで聞き覚えのある声が静かに打ち付ける。特に驚くことも無く鷲羽はゆっくりと声の方へと向き直り、鋭い眼光でそこにいた人物を射抜いた。

「……アンタがこの馬鹿げた現象の原因のようだね。答えてもらうわよ。こんな中途半端な『世界の縮図』なんて創って、いったい何をするつもりなんだい?」

その中核を射た問いかけに声の主は驚いたように眼を見開き、続けて心底感心したように声を漏らす。

「そこまで気づいておるのか……なに、簡単なことじゃ。この世界を救うにはこれが一番手っ取り早いのでな。終焉自体を回避することはできんが、これなら被害を最小限に抑えることができるからの」

「終焉……それがこの世界に起こってる異常と関係があるってわけね」

「そうじゃ。今、世界は生誕以来最大の危機を迎えておる。正しく『世界の危機』じゃ。それをやり過ごすためにもお主の力を借りたい」

そう言い声の主が軽く指を鳴らすと宇宙の広大なビジョンが消え、周りには地に根付く魔性なる多数の炉心と空に浮かぶ光り輝く神聖なる巨大な刻印が現れる。

「この獣の数字たる666個の『地獄炉』と終わりたる原初から記した『カバラの樹』を完成させるために……真なる『黄昏の式典』……その発動に備えるためにも」

千年の時を生きた大錬金術師ドクター・カオスはそう言い放った。


黄昏の式典 第十二話〜世界の縮図〜


副将戦      トレイン・ハートネットVS柾木天地


黒猫チームサイド


「ようやく俺か。んじゃ、ちょっくら行ってくるぜ」

これから戦いに行くとは思えないほどの気軽さでトレインは笑みさえ浮かべると躊躇無く闘技場へと踏み入った。そこにスヴィンの声が後ろから響く。

「油断すんなじゃねェぞ、トレイン。何者かは知らねェが、あいつらかなりの遣い手だ」

「心配すんなって。必ずあいつに届けてきてやるよ」

見たものを内から底冷えさせる冷たい微笑と獲物を見つめる猫科の如き眼差しで遥か彼方にいる天地を確かに射抜きながら、トレインは神や悪魔の宣告にも等しく告げる。

「敗北って言う、受け取り拒否のできねェ特大の『不吉』をな」


鷲羽ちゃんチームサイド


「う〜〜〜なんだか勝った気が全然しないぜ。っというわけで慰めて〜天地〜♪」

「なにがっというわけでだ!」

いきなり、というよりもいつも通り魎呼に抱きつかれた天地は苦笑と焦りを交えてこれまたいつも通り引き剥がそうとするが、あいにくと力で勝っているの魎呼の方なのでビクともしない。

「こら!その手をお放しなさい!天地様は次に試合を控えているのですよ!!」

それを見かねた阿重霞が嫉妬と正論を含ませて言うと、

「そ、そうだ!だから手を離せって!」

それに合わせるように天地も声を張り上げた。

「しょうがないねェ。さっさとやっつけてこいよー」

流石にそう言われては仕方がないと思ったらしく、魎呼はしぶしぶながら手を離した。もちろんその後に阿重霞との口喧嘩に発展したことは言うまでも無い。

「はぁ〜〜〜」

背後から聞こえてくる喧騒に頭を痛めながら天地は闘技場の中央へと歩みを進めた。


闘技場の中央に一片の気負いも無く確かな足取りで進み出た二人は十五メートルほどの距離を離し、しっかりと正面から向かい合っていた。

まだ試合が始まる前だというのにトレインは不吉を表す]Vの刻印が刻まれた黒い装飾銃を、天地は柄から伸びる光のようなものが圧縮され刀身を形成している剣を、自身のもっとも動きやすい形で構えている。

両者はそれぞれ己のもっとも信用し、数多の戦いを共に駆け抜けてきた武器を構え合ったままその場からピクリとも動こうとせず、徐々に辺りにはピリピリと肌を焦がすかのような張り詰めた空気が侵食し始める。


トレインの持つ武器の名は銃――――

現在もっとも手軽に相手を殺すことを可能にする武器にして、扱いが簡単のように見えてどんな武器よりも難しい個人が持つことが許される限りでは最強の武装。

天地の持つ武器の名は剣――――

遥か古来より存在するもっとも原初的で一般的な武器にして、神話や伝説にも数多くの名剣、神剣、魔剣として遣い手と共に名を残す。極めれば最強と同等の意味を持つまでに昇華される最高の武装。

現代を生きるものならば、時代遅れの剣で現代最強の銃に勝てるはずがないと笑うだろう。

だが、それは絶対の必然ではなく、いとも容易く覆る薄っぺらの紙のような現実。

古代に生きた剣を携える英雄ならば誇りを持たない無機質なものがどうして脅威になると笑うだろう。

だが、それは持つ者によって剣と同等以上の誇りを宿す絶対の『矢』となる。


最強と最高――――


それは究極ではなく、単純な物差しに過ぎない。

真に最強となれるか、真に最高となれるか、それはその武器の担い手によって左右されるのだから。

故に、だからこそこの二人は、最強と最高になりえる。


まるで相手の一挙一動の全てを観察するかのように二人の眼光はわずかな相手の筋肉の動き、視線の動き、重心の位置、その他全ての微細な変化を貪欲に探り続ける。

まだ本当の試合は始まってはいないが、確かに二人はもう戦い始めていた。

だが、その表情を見ればどちらがこの戦いを優位に進めているのかは一目瞭然だ。

トレインを真っ直ぐ見据え、剣をぶれさせることなく正眼に構えている天地は額から流れた冷たい汗が頬を伝ったのを感じ取る。

(この人……隙が無い!?)

銃を持つ以上容易に近づくことは無理だとは思っていたが、これはそれ以前の問題だ。

こうして対峙しているだけで相手の底の深さと身体から漏れている闘気に気圧され、気を抜けば戦意ごと飲み込まれそうになる。恐らくは天地の祖父である遥照と銃と剣の違いはあるものの同等クラスの技量を窺い知ることができるだろう。

(これは……弾切れとか、そんなのは関係ない。持久戦になったら、たぶん俺に勝ち目は無い……なら、手の内を明かし切る前に決める!)

天地はそう決意すると余計な力を極力抜くために眼を瞑り、一気に力を出し切れるよう意識を極限まで集中させる。例えるならば弓の弦を限界まで引き絞り、標的に狙いを定める狩人のように。

そして、始まりの時が来た。


「副将戦!トレイン選手VS天地選手!!始め!!」


司会の言葉が空気を振動させ鼓膜を打ちつけた瞬間、天地は封印にも等しい役割を与えていた目蓋という束縛を打ち払い、闘気に激しく燃える意志のこもった瞳でトレインを射抜く。

始まりから半秒とかからず、天地はすでにトレインとの距離を半分ほどまで詰めていた。

極限まで集中された意識は普段より周りの時間を遅く感じさせ、自身の動きさえ遅くなったと錯覚させる。

一方のトレインは突如として膨れ上がった地に亀裂を走らせるほどの闘気を纏って一切の躊躇無く正面から向かってきた天地を一度驚いたように目を見開きながら見つめると、続けて口元に抑えきれない好戦的な笑みを浮かべた。

真正面からの戦闘は、トレインとしても望むところだ。

銃口を持ち上げ、引き金を引き躊躇無く発砲する。

銃声は一発。だが、そこから吐き出された弾丸の軌跡は三つ。俗に言う三連続早撃ち(トリプルクイックドロウ)と呼ばれる超高等技術だが、トレインのそれはすでにその領域すら超える間違い無く世界最強にして最高の銃技。

針の穴を通す精度で突き進む弾丸は一瞬後には天地の両腕と右足にその身を埋める事になるだろう。しかし、どういうわけか絶対に回避することは不可能であったはずの弾丸は目的を果たすことなく着弾する直前で何かに弾かれた。

「!?」

驚愕も一瞬。視界の端に見えた振り下ろされた剣の切っ先に反応し、トレインはとっさに銃身を盾のようにして構え、剣を受け止める。

だが、そこに掛かるのは猛る想いを乗せた真正の剣撃。

(!?重い!!)

まるで自らの宿敵であったクリードの『幻想虎鉄(イマジンブレード)レベル3』を受け止めた時のような超絶な重圧にトレインは刹那の機転で銃身の向きを微妙に変え、下方へと受け流す。

恐らく一撃必殺を意識して力み過ぎていたのだろう。ほんのわずかに天地の体勢が崩れ、そのまま振り下ろした剣は地を容易く粉砕する。

外見の華奢な身体からは想像できないあまりの力に少々呆れてしまうが、それも一瞬。

この絶好の好機を逃すほどトレインはあまくは無い。すぐさまトレインは再び標準を天地の両肩に定め、破壊の権化たる銃弾をコンマ1秒以下の速度で打ち込む。しかし、それはやはり天地の肉体に到達することなく、何か壁のようなものに阻まれ地に弾かれる。

「ちっ!」

至近距離からの銃撃でさえも容易く防ぐこの壁のようなものに対して忌々しげに舌打ちを打ちながらもトレインはすぐさまその場を離脱しようとするが、それを許すほど天地もまたあまくは無い。

「はぁ!!」

裂帛の気合の咆哮。

天地は身体の軸を腰の辺りに固定したまま重心を移動させ、気合と共に振り上げるような渾身の一撃を放つ。繊細さや鋭さは先鋒戦を戦ったイヴや鷲羽に比べて無いと言わざるを得ないが、その剣速と力強さはトレインの知る随一の剣の遣い手であるセフィリアとクリードを連想させる。

だが、それさえもトレインを仕留めきるには幾分か足りない。

トレインは器用に銃を持つ左手首の角度を変えると銃口の向きを剣の切っ先へと定め、後方に大きく跳びながら発砲した。それは予想通り展開された壁のようなものによって無力と化すが、トレインの狙いはそれではない。銃撃の反動によって身体は微かに後方に飛ばされ、剣はトレインの頬を浅く掠るだけで虚空を撫でる。

一定の距離が開いた両者は改めて向き直り、今の攻防から相手の戦力について考察する。

(くっ……動きが速すぎる。それに銃の扱いもすごい。やっぱり、この大会の人達は俺が知ってる地球の人とは次元が違う!)

(ったく、厄介な能力持ってやがるぜ。とりあえず今はあの壁が自動なのかを見極めるか……)

浅いとはいえ切り裂かれた頬から首へと流れる血をトレインは手の甲で乱暴に拭いながらそう決断すると、懐から黒猫印のゴルフボールぐらいの玉を取り出す。それを警戒した顔つきで見つめる天地に浅く笑いかけると、自身の足元に投げつけた。その瞬間、その玉から放たれた閃光が夕焼けの淡い光を切り裂き辺りを蹂躙し尽くす。

(これは……閃光弾って言うやつか!?)

わずかに霞む視界の中で天地はあの玉の正体を悟り、どこからか来るかもしれない奇襲に備えて意識を辺りに集中させる。祖父の下で修練したとはいえ、こういった戦法にはあまり免疫が無い天地は焦りをありありと顔に浮かべ、心臓の鼓動は刻一刻と高鳴り続ける。

だが、いくら待ってもそれらしい気配は感じ取れない。時間にして数秒程度だが辺りを埋め尽くしていた閃光が晴れ、天地の目もしっかりと周りを見ることができるようになってきた。

しかし、そこには肝心のトレインの姿は消え、さっきまで立っていた場所には先ほど閃光を生み出した黒猫印の玉だけが残されていた。

「いったいどこに……」

予想外の出来事に戸惑った天地はそう呆然と呟くが、同時に闘技場の中で轟いた銃声によって塗りつぶされる。

「!?」

ほとんど勘に任せて身体を動かし側面から迫る銃弾を間一髪のところで避けるが、銃声が鳴り止むことはない。休む間も無く次々に四方八方から銃弾が迫る。

天地はなんとか勘と自身の周りに展開させる壁のようなものを駆使して避け続けるが、心中では信じられないと大声で叫んでいた。

いくらトレインの動きが速いとはいえ、これは異常だ。ほとんど間をおくことも無く着弾と同時にまったく別の方向から銃弾が襲ってきている。もしもこれを動き回ることで可能にしているとしたら、トレインはすでに人間ではない。

「どうやって……!?」

ついに苛立ちと戸惑いを口から外へと吐き出したちょうどその瞬間。天地はそれを見た。当てずっぽうの所に打ち込まれた銃弾が、石柱の瓦礫に当たって天地の方向へと向きを変えているのを……

「跳……弾!?」

信じられないが、これは事実にして現実。トレインはその超絶的な銃技を以って反射角を予想し、天地の正面、背後、側面、全ての方向から銃弾の雨を降らせ続けているのだ。

しかも銃声から位置を割り出そうにも無数に反響されてどこにいるのかまるでわからない。

樹雷の血を引く天地の持つ神秘のヴェールに包まれた最強にして最硬の護り『光鷹翼』は神々の武具をも防ぎきることができる正しく絶対防壁だが、無敵というわけではない。

発動には多大な体力と精神力を必要とし、己の意思で発現させなければならないのだ。

だからこそ天地は消耗を避けるために短期決戦を狙い序盤から猛攻を仕掛けたのだが、今は後の祭りだ。

また瓦礫のわずかな隙間から銃弾を打ち込み、神業とも言える速さでリロードをし続けているトレインも二十発ほど撃ったところであの『光鷹翼』の特性が自動でないことを確信した。

そもそも自動ならばいちいちあんなに慌てる必要は無い。その場に大木のように構えていればいいのだから気づくのも当然だ。

(残弾は通常弾が後三発……仕掛けるか)

手元にある残り弾数を横目で確認しながらリボルダーに込めると、トレインは再び二発の弾丸を発砲し天地の元へと自身の最速の速さで駆け出した。

(落ち着け!相手も弾が無限にあるわけじゃないんだ。ここを耐え切ればまだ……!!)

天地は次々に頭に浮かんでくる絶望的な考えを打ち払い、自分にそう言い聞かせることで見えない敵からの攻撃に動揺する精神を落ち着かせる。

そうこうして己自身に苦戦している間にも発砲音は休むことなく鳴り響き、側面から迫った弾丸を切り捨て、続けて正面から向かってきた銃弾を流れるような動きで切り落としたその時。それは起こった。

轟音を引き連れ、切り裂いた銃弾が爆発したのだ。

「なっ!?」

至近距離での爆風に押され、剣を打ち込む時のような踏ん張りを利かせていたわけでもない天地の身体は成すすべも無く後方に吹き飛ばされる。だが、ここで倒れる愚を犯すほど天地も未熟ではない。地を滑りながらも体勢を整え何とか踏みとどまり、そこでコツンッ、と傍らから聞こえてきた小さな音を捉えた。

「え……?」

呆然とその音の方に目を向けると、そこには天地の持つ『天地剣』に銃口を押し付けたトレインが……


「この一発は――――


“ハーディス”の銃口から漏れる紫電がバチバチと音を鳴り響かせ、収束された電気は微かに光り輝く。

ヤバイ。

それを見た瞬間から天地の思考がそれだけに埋め尽くされる。とっさに『光鷹翼』を展開しようとするが、もう遅い。


――――強烈だぜ」


瞬間。閃光と爆音が辺りを蹂躙し尽くした。

天地は唖然とした面持ちで衝撃に震える右手を見る。

そこには見慣れた『天地剣』の姿はなく、遥か彼方で何かが地に落ちた音が聞こえてきただけだ。

かわすとか、反応するとか、そういう速さの次元ではなかった。

受け止めるとか、切り捨てるとか、そういう威力の次元ではなかった。

それは放てば敵を確実に打ち倒す。個人が使うにしては行き過ぎていて、必殺の域にまで達する無慈悲な銃撃。

そして、天地はおぼろげに悟った。

自分は、負けたのだと。

トレインは止まらない。

その場で限界まで身を捻り、呆然と棒立ちになっている天地へと独楽のように勢いよく回転しながら跳ぶ。

四筋の黒い閃光が、空を斬り裂く。

『黒爪(ブラッククロウ)』

ハーディスの銃身を使っての高速四連打撃が天地の身体をほぼ同時に打ち抜き、天地は胸部にから伝わる衝撃を激痛と共に感じながら意識を闇に飲みこまれた。

「わりぃな。姫っちやスヴェンがあんだけがんばって俺が負けるわけにはいかねェんだ」

糸が切れた人形のように仰向けに地面に倒れこんだ天地を見下ろしながら、トレインは最後にこう告げる。

「確かに届けたぜ。『不吉』をな」

“ハーディス”を手馴れた動作でホルスターにしまい、トレインは悠然とチームの待つ控えの場へと戻っていた。


「勝者!トレイン選手!!」


殲滅者チームサイド


トレインVS天地の試合の勝敗が明らかになり、その闘争の余韻に浸っていたアーカードは背後から聞こえてきた足音に亀裂のような笑みを貼り付けた。

都合の良い事にセラスとウォルターの二人は席を外している。つまり、この場には自分一人しかいない。

旧友と語らうには、これほど相応しい状況があろうか。

「そろそろ来るころだと思っていた。いや、我々にしてみれば遅いぐらいだ。なあ、坊や」

ククッと喉を震わせ、隠し切れない喜びと嘲笑の声を漏らしたアーカードはゆっくりと狂気に眼を輝かせながら視線を背後に移す。

そこには予想に違わず、あの時の面影を残しながらも立派に成長した坊や……美堂 蛮がいた。

「懐かしい、本当にまったくもって懐かしいな。これほど何かを懐かしいと感じたことなどしばらく無かった。あらためて言おう。久しぶりだな、十年ぶりか……坊や」

「…………」

蛮は何も言わない。いや、もしかしたら十年の時を遡っているのか、アーカードの後姿を憎悪を超えた殺意の視線で射抜き、包帯の巻かれた傷だらけの右手を襲い来る痛みを無視して強く握りしめている。

だが、その沸き立つ激情を解き放つことは無い。今は、その時ではないと理解しているから。

「あの魔女はどうした?確か……マリーメイアと言ったかな?まさか死んだなどといったくだらない落ちではないだろう。あれはそう簡単に死なないものだ。私のように」

しかし、アーカードはなおも口を開き、銃弾にも等しい思い出話に花を咲かせようとする。だから、蛮はそれを切り捨て、新たな流れを開くために、口を開く。

「……てめェは知ってるのか?」

「知らないな」

わずかな間すらもおかず、アーカードは喜色の余韻を滲ませながら返答する。

「私は何一つとして、何も知らない。そういう坊やはどうなんだ?お前は本当に、間違いなく、何か一つでも知っているのか?」

それは聞くものが聞けば神のお告げにも、悪魔の誘惑にも聞こえる、そんな魅惑と誘惑に満ちた声だった。

相手に流れを掌握されているこのやり取りに思わず舌打ちを漏らした蛮は、過去の情景と今を重ねる。

何から何まで、あの時に似ている。


『坊や……お前は自分の宿命に何のために生きる?いや、そもそもお前には本当に、明確に生きると言う意志が、目的があるのか?今の坊やは私から見ても他愛の無い存在だ。そう。地べたを這いずる蟻のような、そんな存在だ』


あの国で……この、仮初の人の形をした魔王と出合ったあの瞬間に。

「……少なくとも、この世界の終焉のシナリオぐらいわな」

だが、それに呑まれるほどこの十年間、蛮もまた楽に生きてきたわけではない。苛立ちもわずかに、むしろ余裕を持ってアーカードに答える。

しかしそれさえも、

「違うな。それはわかっているだけで、知っているわけではない」

アーカードは切り捨てる。お前は、何も知らないと。

「だが、そういったことなら私にも一つだけわかっていることがある。なぜならずっとにおっている。この世界はすぐに……」

今までの狂気と凶気とは違う、微笑の中に本当の本当に真剣さを含んだ顔つきでアーカードは空を仰ぎ、まるで祝詞を歌うかのように告げる。

「戦火の凱歌が鳴り響く」


「大将戦!セフィリア選手VS阿重霞選手!!始め!!」


司会の合図を皮切りに、阿重霞の周囲に丸太のような物体が突如として虚空より多数出現する。それは空中に揺らぐことなく静止しており、さながら指揮官の命を待つ兵士のようにも見えた。

突如として現れたそれに対してセフィリアの眉が微かに震えるが、それだけだ。特に動揺した様子も無く、自らの象徴にして唯一無二の愛刀“クライスト”を鞘と言う名の束縛から解き放ち、不要となった鞘を地面へと投げ捨てる。

現れた“クライスト”は月の光さえ届かぬ闇を思わせる漆黒の刀身を誇り、夕焼けの光に当てられ妖しい輝きを放っている。それを引き立てるように装飾された金色の護拳もまた正反対の光を生み出し、それらが合わさってその美しさは正しく吸い込まれんばかりだ。

不覚にも阿重霞もまたその美しさに眼を奪われてしまったが、すぐさま気を取り直し、周りに浮かぶ配下たる物体に意識を集中させる。

「天地様のためにもこの試合、負けるわけにはいきません!」

その一喝に空中に静止していた物体は阿重霞の意思に呼応して縦横無尽に空を駆け巡り、それぞれが異なった軌跡を描いてセフィリアへと襲い掛かる。

阿重霞の用いるこれは『呪縛結界』と呼ばれる樹雷の皇家にのみ伝えられている秘儀中の秘儀。

身を護る盾にもなり、敵を討つ矛にもなる高い汎用性を備えるバランスの良い優れた戦闘能力だ。

ただそれを操る阿重霞自身が未だに色々な面で未熟であるため恐らくその全ての力を発揮することはできていないだろうが、それでも普通の地球人を討つには十分どころかお釣りがくる。

もっとも、あくまでも普通の地球人ならば、だが……

「…………」

セフィリアは自身の周囲を旋回しながら徐々に距離を詰めて来る物体を気にもせずに、ただ視線の先にたたずむ阿重霞だけを見つめている。

わずかに交差した視線。だが、そのわずかな瞬間に阿重霞は言いようの無い悪寒に身を襲われた。

どこまでも澄み切った光の奥底に見える非常の冷たい瞳……阿重霞がセフィリアに対して抱いたその感情の名は恐怖と畏怖、そして憧れ。

その瞬間、阿重霞は知った。

自分と彼女の住む戦いの世界の違いを。

「ッ!?終わりです!!」

まるで身を縛った何かを打ち払うかのように阿重霞は声を張り上げ、セフィリアの周囲を高速で旋回していた物体に指揮官のように次なる命令を下す。物体は指揮官に従う兵士の如くその命令を受理し、一斉に今までの軌道を変えその全てがセフィリアへと殺到した。

「…………」

しかしそれでも、この絶望的とも取れる状況に陥ったと言うのにセフィリアは動じない。いや、違う。動じるに値しないのだ。

たったこれだけの危機などセフィリア、いや、『時の番人(クロノ・ナンバーズ)』にとっては慣れ親しんだものだ。

一閃――――

虚空を音無き閃光が奔り、何かを斬り裂く風斬り音だけが無数に重なるその瞬間だけは確かに世界は停止していた。

次いで訪れたのは、地に衝突する無数の轟音。

阿重霞は一瞬、そこにある光景が理解できなかった。

だが、それも仕方が無いことだ。そこで行われたことは、不可能の所業。

手に持つただ一本の剣で、十数本にも及ぶその全ての軌道を逸らされるなど、誰が予測できただろうか?

その所業を見ていた阿重霞の目は驚愕からか見開かれ、呆然とそれを成し遂げたセフィリアを見つめている。

だが、セフィリアもまた阿重霞と同様に少なからず驚いていた。

『時の番人(クロノ・ナンバーズ)』の持つ武器は全て『オリハルコン』と呼ばれる世界最強最高の金属にして破邪の銀たる『ミスリル』に続く神秘を宿す超金属で出来ている。

そのため武器自体が強力な対物質対神秘兵装とも呼べる概念武装の域にあり、並の金属や神秘なら容易く斬り裂き蹴散らすほどだ。そこに遣い手たるセフィリアの技量を合わせれば恐らくダイヤモンドですら紙同然だろう。

しかし、それでもあの物質を完全に無効化することは出来なかった。最初の一太刀で断ち切れないことを悟り方向をずらしたから良かったものの、無理が祟ったためか腕が痺れてしばらく使い物になりそうに無い。

(オリハルコンに匹敵する硬度……いえ、これは神秘の厚みに押し負けた?どちらにしろ、彼等が例のイレギュラーであることは間違いないようですね)

地に深く突き刺さり、蜃気楼のように消え去った物体を考察しながらもセフィリアは右腕の状態を確かめ、痺れが完全に取れるまで少なくとも二、三分はかかると判断した。

一方の阿重霞は流石に気をはっきりと取り戻したが、その心中は穏やかでいられるはずがない。

(あれを剣技だけで逸らすなんて……)

もちろんあれだけで倒せると思うほど今までの馬鹿げたレベルの試合を見てきた阿重霞は楽観的ではなかったが、それでもこうも簡単に防ぎきられては冷静でなどいられない。

元々阿重霞は魎呼のように戦闘に特化しているわけでも天地のように戦いに慣れているわけでもないのだ。戦闘能力こそ樹雷の皇族だけのことはありそれなりに備えてはいるが、命を賭けた戦闘経験で見れば無いに等しい。

対するセフィリアは生後すぐに抹殺者としての訓練を受け、日夜死と隣り合わせの訓練を積んできたのに加えて今までクロノスのために数々の死地を戦ってきた。戦闘経験など阿重霞とは比べるまでもなく、剣技だけを見れば恐らく大会中最強だろう。

もっとも、だからといってそう簡単に諦める阿重霞ではない。

いとも容易く先の倍にも及ぶ数の物体を再び周りに出現させるとその半数を防御に、半数を攻撃にあて、今度は小細工無しの真っ向勝負と言うべきか、愚直に正面からの攻撃を繰り返す。

本来ならば必殺と呼ばれるに相応しい攻撃は、けれどそのどれもがセフィリアを捉えるどころか掠らせることすら適わない。その全てを直前でかわされ、紙一重のタイミングで痺れが残っているにもかかわらず剣を巧みに操り方向をずらされてしまう。

だが、これはセフィリアをある場所に誘導するための囮に過ぎない。気づかれないように、慎重に阿重霞はセフィリアを執拗に追いたて、ついにそこに……三方を石柱の瓦礫に囲まれているそこに追い込んだ。

「これでっ!!」

「!?」

セフィリアを取り囲むようにして次々に阿重霞の操るあの物体が虚空から現れ、瓦礫とあわせてセフィリアの逃げ道を封じる。

いかにセフィリアの剣技が神業と呼ばれるに相応しいものであるとしても、身動きがろくに取れないこの状況では本来の実力の内半分ほどしか出せないはず。

そう考えた阿重霞の策は間違いではない。確かにセフィリアの剣技といえどもこの不自由な状況では全てを防ぎきることは不可能だ。

勝利を確信した阿重霞はそれらに命を下し、勢いを増して破壊の槌となってセフィリアへと一斉に獰猛な牙を剥く。

だが、阿重霞はその卓越した剣技に眼が奪われ一つ大切なことを忘れていた。その剣技を可能とする芸術の域にまで高められた身の捌きを。

「な!?」

目を見開き、驚愕が声となって阿重霞の口から漏れ出す。そこで行われるのは予想に反した光景だった。

当たらない。四方八方縦横無尽から襲うそれは、セフィリアの身を捕らえることができない。

そんなただ単純な事実の他に阿重霞はそこで見せ付けられる華麗な動きに目を引かれた。

『桜舞』と呼ばれる、その動きに。

風に舞う桜の花びらの如く緩急をつけた動きはことごとくそれらの狙いから外れ、それでもなお避けきれないものは一切動きを乱すことなく愛剣“クライスト”にて狙いを逸らす。

それは完成された一種の舞いのようにも見えた。

だが、魅せられたのも一瞬。

攻撃のわずかな隙間を縫ってセフィリアの姿がその場から消え、気づいた時には側面に回りこまれていた。

(速い!)

二十メートルはあった距離を瞬く間に詰めたセフィリアに反応できたのは地球人を凌ぐ能力を秘めた樹雷の皇族故か。

阿重霞は考えるよりも先に反射的に全周囲に結界を張り、わずかに遅れて襲い掛かった黒い斬撃を結界が受け止める。

(これは……結界!)

突如として展開された防壁に動揺したのか、セフィリアの動きがわずかに鈍る。その絶好の隙を逃すことなく阿重霞は側面からそれを打ち出すように攻撃を仕掛けた。

「くっ!」

とっさに腕を引き、ぎりぎりの所で“クライスト”を盾にするが、身に襲い掛かる衝撃までは殺しきれずまるで道端に転がる石を蹴り飛ばすかのような無造作さでセフィリアの身体は横に大きく弾き飛ばされた。

だが、空中でわずかに身を捻るとすぐさま衝撃を殺し、地に降り立った瞬間に体勢を立て直すと続けて放たれていた追撃の猛攻をかわしていく。

(攻撃と防御、両方を兼ね揃えている……優秀ですね。ですが、付け入る隙はある)

セフィリアの見立てではあの結界は常時発動型ではない。その証拠にあの斬撃の瞬間に阿重霞の表情が焦りに歪んでいた。

これは天地にも共通することだが、このチームのメンバーは実力の割には思考を表情に出しすぎている。これではせっかくの強力な能力も生かしきれないだろう。

故に、攻撃も単調なものになり、至極読みやすい。

だが、こうしてかわし続けることはそう長く持たないこともまた覆しようの無い確固たる事実。

恐らく、阿重霞を殺さずに倒すチャンスは一度だけ。

その瞬間を見逃すことの無いようにセフィリアは精神を集中し、自身を一振りの鋭利な刃と成す。

阿重霞はセフィリアの変質に気づくことなく、ただただ猛攻を繰り返す。それは確実にセフィリアを追い詰めているが、一向に変わらないように見える戦況は阿重霞に言いようの無い不安を絶えず心に押しつける。そのため焦りからか、攻撃はさらに単調なものになっていき、意識を攻撃だけに集中しだした。

それ故に阿重霞は徐々にセフィリアが距離を詰めていることに気づいていない。

セフィリアは慎重に、自身の持つ能力を全て出し切れる平地の場所へと移動していき、ついに阿重霞と自身が平地を以って一直線に並んだ。

その一瞬の間隙を見極め、セフィリアは全身の筋肉を行使し、己の出せる最速をもって一陣の疾風とかした。

「え?」

横を何かが通り過ぎたと気づいた時、阿重霞は風が身体を優しく撫でたかのような感覚を覚えた。そしてそれは拒絶という名を以って、阿重霞の身体を切り刻んだ。

「あ……」

両腕と両足を切り裂かれ、阿重霞は呆然とした表情のまま地に倒れる。

ついで襲いかかった焼けるような激痛に阿重霞は思わず身を捩るが、気丈にも何とか立ち上がろうとする。そこにセフィリアの声が届いた。

「無駄です。致命傷には至っていませんが、決して浅い傷でもありません。これ以上の戦闘は不可能です」

「くっ……」

阿重霞とてそんなことはわかっている。この傷では例え立ち上がれたとしてもすぐに力尽きて負けるのが落ちだ。

だが、それでも。阿重霞は全身の力を限界以上に行使し、立ち上がった。

「はぁはぁはぁ……」

常人なら気絶してもおかしくない傷だというのに、阿重霞は霞む視界の中でしっかりとセフィリアの姿を捉えている。

「…………」

セフィリアはそんな阿重霞を見つめ静かに、悲しそうに眼を瞑ると、次いで決意と厳しさを宿した瞳で阿重霞を見つめた。阿重霞はゆっくりと、無言で近づいてくるセフィリアを霞む視界の中で見つめてはいるが、身体が動かない。『呪縛結界』も、使えない。

目の前でセフィリアが立ち止まる。だが、阿重霞は最早ほとんど意識がはっきりしていなかった。

「安心してください。勝敗など、今は対した意味を持ちません。いえ、あなた方んとってはむしろ敗北したことによって見えてくるものがあるはずです」

最後にその優しい声色の言葉を記憶にとどめ、阿重霞は気合でもたしていた意識をついに手放した。

セフィリアは自身に倒れてくる阿重霞の身体をしっかりと支えると、耳元で精一杯の称賛の言葉を送る。

「あなたは強かった。私が保証します」

司会の勝利の宣言に背中を押され、控えの場から飛び出してきた天地と魎呼の二人に阿重霞を引き渡すとセフィリアもまた限界以上に筋肉を行使したため悲鳴を上げる身体を引きずるように仲間の待つ場へと戻っていった。


あとがき


どうもー、黒夢です。

ちょっと私生活の方が忙しくて遅くなってしまいました。

さて、今回は純粋な力と技の勝負になりましたが、私の私見、後を見越した設定等を照らし合わせた結果こうなりました。

まずトレインVS天地ですが、そもそも天地が若干不利でした。もちろん剣で銃に勝つことも不可能ではありませんが、それがトレインという最高の銃使いともなれば話は別です。単純な身体能力では天地が上回っていますがトレインはそれを補う技量、気転、反射神経、思い切りのよさがありますので。

ここで誤解の無いように言っておきますが、この二人の実力はそこまで大きな開きはありません。むしろ総合的に見れば天地の方が確実に勝っています。天地が負けた理由は焦りと戦闘経験の差、それと相手を制する戦いを知らなかったためです。

二人はお互いに相手を殺さずにあくまで倒すだけの戦いを目的としていますので、そういった意味ではトレインに一日の長があったといったところでしょうか。

次にセフィリアVS阿重霞ですが……正直に言うと、私はどんなにがんばって考えても阿重霞が勝つビジョンが浮かんできませんでした。何故か想像した大半の予想で阿重霞が死んでしまうのです(『滅界』で肉体を欠片も残さず粉砕されるなど)。

セフィリアびいきとかそういったものではなく、なんというか阿重霞は極限まで達した戦闘者には勝てないような気がして……。

それにしても今回は序文についにアレを書いてしまいましたな……本当ならもうちょっと後に登場の予定でしたが、アレは切り札のようなものです。


相性表


トレイン ― 天地 ○

この二人は良い友人になれるタイプですね。どちらも相手のことを受け入れられる心の広さがありますので。それにこの二人は割りと誰とでも友人になれるタイプに思えます。まあ、絶対にあの吸血鬼さんとお医者さんとは相容れないでしょうが。

セフィリア ― 阿重霞 △

……どうなんでしょうか?いえ、はっきり言って予測不能です。可能性としてはセフィリアの温和な性格に阿重霞が惹かれるか、逆に反発してしまうかだと思うんですが、どっちになるのか私では見当もつきません。ですので今は中間の△ということにしておきます。

さて……それはそうとして今週の『魔法先生ネギま!』ですが……やってくれましたね。

エヴァの過去の暴露……これを見た時はメリットとデメリットの計算で頭が大変なことになってしまいましたよ。

そういうわけで少しエヴァの設定の変更を。真祖うんぬんの部分は特に変更はありませんが、それを言い出したのはエヴァではなく、ストラウスと言うことにしておきます。それというのもエヴァは決して見てはいけないストラウスの一面を見てしまったため。それに勝気なエヴァが乗って現在にいたる、って言う感じでやろうと思います。

……いっそうのこと、どこかで皆様の知りたい情報をまとめて設定だけの話を最新話と一緒に投稿した方がいいでしょうか?


さて、次回は予告通り少し大会編から離れて短編形式の大会の外、番外編に入らせていただきます。

あまり数が多くてもあれなんでとりあえず今回は、

『とある魔術の禁書目録』+『魔法先生ネギま!』=『備え』

『灼眼のシャナ』+『ブギーポップ』=『察知』

『Fate/stay night』+『ARMS』=『出会い』

の三つにさせていただこうと思います。ここで出ていない皆様から要望のあった私が所載を知っている作品は今度の短編か、第二部の方で登場予定です。

それでは次回、黄昏の式典 番外編〜備え〜をよろしくお願いします。


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