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「ある幻想の魔術師と黒の姫君 第九話(まぶらほ+月姫系)」

REKI (2005-09-09 12:47/2005-09-09 12:54)

さて、保健室を出た和樹達はというと、すでに問題の屋敷の前に来ていた。

「これは・・・想像してたのより凄いな・・・。」

屋敷を見上げながら和樹が呟く。

賢者の瞳を発動させたその右目には、屋敷に張られた結界の中に意外に強力な瘴気が見て取れた。

「そうね。・・・ねえ夕菜。」

和樹の呟きに同意し、少々思案顔になった後夕菜に話しかけるアルト。

「はい?何ですか?」

「あなたはここで待ってた方がいいと思うわ。この瘴気、人間が耐えれないってレベルではないけどかなりきついと思うわよ?」

同じように屋敷を見上げていた夕菜がどうしたのかと問い返すと、そう忠告し提案する、

「ん〜確かにそうかもしれませんけど・・・でもでも、せっかくここまで来たんだから最後まで一緒にやりたいですよ!」

が・・・納得はできるようだが、それでも一緒に行きたいと言う夕菜。

「けど、ほんとにきついだけよ?」

「それでもです!」

さいど忠告するがそれでも曲げない、

(まあ私と和樹二人いれば危険は無いと思うけど・・・)「どうする?和樹?」

「ん〜本人がいいって言うならいいんじゃないかな?ほんとにきついか危険だと思ったらすぐに引き返すならさ。」

尋ねるアルトに別にいいのでは?と答える和樹。
その後小声で、

「それに夕菜って結構頑固みたいだし・・・無理やり置いていっても後からこっそり付いてきそうだよ?」

「まあ・・・確かにね。それなら最初から一緒にいる方がよっぽど安全か・・・。」

「そういう事。」

なんて事を話してたりする。(まあ和樹の推論は当たっているだろう、死徒としかも27祖と解ってて口論するような娘だし・・・)

「しょうがないわね・・・いい?きつくなったら直ぐに言って直ぐに引き返す。それでいい?」

「それでいいです。じゃあ早速いきましょう・・・あ、でもこの結界どうするんです?壊すわけにはいかないような。」

しぶしぶといった感じで夕菜に言うアルトに同意し早速入っていこうとするが、結界の事に気づく、

「ん〜、進入防止の結界と脱出妨害の結界か・・・出るのを防ぐのは瘴気と魔物だけみたいだからいいとして、
 多分、進入禁止のは一般人を入れないためだから、どこかに関係者用の出入り口が開けてあると思うけど。」

「じゃあそれを探しましょう。」

そう決めると三人分かれて出入り口を探し始める・・・少しして、

「あ!和樹さ〜ん、アルトさ〜んありましたよ〜!」

どうやら見つけたらしく二人を呼ぶ夕菜
(だがどうやって見つけたのだろう?解らないように隠してあると思うのだが。)

「ほんとだ、じゃあ行こうか?二人とも。」

「ええ。」

「はい!」

和樹、アルト、夕菜の順に中に入っていく三人、

「うわ〜・・・さすがに空気が淀んでるな・・・。」

「なんか体に空気が絡み付いてくるみたいで変な気分です。」

ぼやく和樹と感想を言う夕菜、アルトは周囲を見回している。

「ここには居ないみたいね、さっさと探し出して退治しちゃいましょ。」

「そうだね、えっと風椿の部隊が返り討ちに合ったのって二階だよね?」

「そのはずよ。じゃあ二階から見て回りましょう。」

「そうですね。」

どうやら二階から見て回るようだ、

「夕菜、結構元気そうだけど大丈夫なの?」

「はい、最初ちょっと体が重かったですけどもう慣れました。」

以外に元気な様子を見て問いかけるとそんな返事が返ってくる、

(慣れたって・・・こんな短時間で?とんでもない適応力ね・・・。)

(そんなに早く慣れるか普通?しかも体がちょっ重くなっただけって・・・。)

その様子に呆れる二人、

「どうしたんですか?」

何故二人が呆れているか解らないようできょとんとしている本人、

「もういいわ・・・行きましょうか。」

「そうだね。」

何故か疲れたような声を出し歩き出す二人に、

「あ、待ってくださ〜い。」

慌てて歩き出す夕菜だった。

━十数分後━

「後はこの部屋だけね。」

「うん、中に何か居るみたいだ・・・例の魔物だと思うから注意して。」

「はい。」

最後の部屋の前に着いた三人、そんな会話をした後和樹が扉を開き中に入って行く。

その三人に反応するかの用に振り向く影、部屋の中心にいるそいつは・・・。

「レイス?いやスペクテットクラス・・・か。」

ゴースト系の魔物の最上位種であるスペクテット、見た目は黒い霧の塊に顔に当たる場所にある白い仮面のような物、そしてその仮面の穴から覗く赤い光といった物である。

注釈(ゴースト系には弱いものから順に『ゴースト』『レイス』『スッペクテット』の三種に分けられその魔力の強さによって分けられている。この者らは怨念、執念、無念等の人間の不の意識の塊であるとされ物理的な攻撃の一切が通じない厄介な相手でも有る。されに最上位のスペクテットともなるとかなりの魔力を有し特殊な能力まで持つ事も。)
(ちなみにこの『ゴースト』と『幽霊』は完全な別物である。)

その相手はこちらを見ているだけで攻撃してくる様子は無いが・・・、

(これは面倒だな・・・あいつこっちの強さを測ってる。)

そうそれはこの侵入者三人の強さを測り、自身が戦って勝てるかどうか調べているらしい。

(厄介な特殊能力を持ってないといいんだけど・・・能力次第じゃへたな死徒より厄介だ・・・。)

何処からか例の剣の塚を取り出し手に握りながらそんな事を考える和樹、

「二人とも身を守る事だけ考えてね。あいつは僕が倒すからさ。」

「私も手伝おうか?能力しだいじゃ面倒だと思うけど。」

「私はその通りにしますね・・・ゴースト相手じゃ精霊魔法は効きにくいですし。」

和樹の言葉に夕菜は頷きアルトは手伝うと言うが、

「ううん、僕が一人で行くよ。アルトは夕菜を守ってあげて。そっちに攻撃はさせないつもりだけど万が一もあるし。」

「そうね・・・解った任せるわ和樹。」

返ってきた返事に頷き夕菜のそばによる。

「じゃあ・・・行くよ!」

そう言った瞬間刃を生み出し駆け出し即座に間合いを詰める和樹。

スペクテット(ここから相手と書きます)の方はその和樹に反応したのか魔力塊を複数作り出し打ち込んでくるが、
和樹のもう一つの瞳の力にかき消される。

「ハッ!」

目前まで迫り刃を相手に向けて振るうが、
相手も高位の存在だけはあり後ろ側に浮遊し避ける。
その位置から魔力塊を打ち出すが飛びのき避ける和樹、
さらに追撃で放たれた物は瞳で無効化する。

「・・・。」

浮遊したままその仮面の穴に光る赤い目を和樹に向けている相手、
一瞬その体がぶれたと思うと、

「くっ!」

その体から槍のように黒い霧が伸び和樹を突き刺そうとせまる、かなりの速度を持ったそれを避ける和樹。

相手は浮遊したまま連続でそれを打ち出し続けてくるが、その全てを裁くか弾くかしてかわしていく、
一分ほどその攻防が続いていたが、

「ウォーーー!」

そんな咆哮と共に相手の全体から一斉に複数の槍が和樹にせまる!

(チャンス!)

速度を上げ一瞬にしてその範囲から逃れた和樹は跳躍し相手に迫り切りつける、

「ギャーーー!」

見事に捕らえ命中した一撃に悲鳴をあげる相手、

「これで!」

魔力を足から放出することによって空中に停止しさらにもう一太刀相手に叩き込む!

ザシュッ!

そんな音と共に真っ二つにされ消えて行く相手

「やった!和樹さんの勝ちです!」

「いえ・・・違うわね。」

その様子に嬉しげな声をあげる夕菜と反対に、アルトの声と表情はあまり優れなかった。

「和樹さんお疲れ様です。あいかわらず凄いです!あっという間に倒しちゃうなんて!」

「いや・・・まだ倒せて無いんだ夕菜。」

「え?どういうことですか?だってさっき。」

「あれは本体じゃないんだ、切った感覚がまるで無かったからね。」

戻ってきた和樹に声を掛ける夕菜だが、直ぐに否定の返事をされ疑問に対しても答えられる。

「まさか身代わりを残して異空間を渡り逃げるなんてね・・・厄介な能力だわ。」

「うん。ただあの能力ではこの屋敷の結界の外には出れないみたいなのが、唯一の救いかな。
 この屋敷のどこかには居るって事だからね。」

「ええ、じゃなかったらとっくに外に出てるでしょうし、空間転移の即時発動なんて能力そうそう連発はできないはずよ、いくらスペクテットでもね。なら・・・。」

「この屋敷をしらみつぶしに探せばいずれ見つかるし、転移に力が足りなくなれば嫌でも相手は戦うしかない。いつかは倒せるって事か。」

「そうね。かなり面倒だけれど。」

「しょうがないさ。」

ふうっとため息を吐き夕菜の方を向く和樹、

「どうしたんですか?」

「あ〜夕菜、聞いてた通りかなり時間もかかるし危ないからさ、アルトと一緒に結界の外で待っててくれるかな?」

「あ、はい。解りました。なんか一緒に居てもまるで役に立てないみたいだしそうします。」

しゅんとなり和樹の言葉に同意する。

「じゃあ取りあえず出口まで行きましょう。」

そのアルトの言葉に従って出口に向けて歩き出す三人だった。


━続く━


━後書き━
はい第九話お送りいたしました〜。
さて敵の正体と能力もわかったこの回、
次回は屋敷の探索と決着そして家についてです^^
さてさて和樹は魔術回数を使う事になるのでしょうか?
次回にご期待ください。ではまた。
あ、精霊魔法が聞きにくいのはこの世界では物理的な力の方に偏っているからです。
精霊を使役する以上浄化なんかの効果も多少はありますが、それでも大ダメージを与えられるほどは強くないって設定です。

レス返し

プラ吉
ありがとうございます^^そう言ってもらえると励みになります^^
過去編は大分後になりそうですが^^;気長にお待ちください。
がんばって続けますので^^;

ななし様
あははは^^;
慣れですか^^;まあ有り得そうで怖いですね〜^^;
まあここの夕菜はこんな感じですので^^;

ケルベロス様
正解ですか(爆笑
確かに持ってそうですよね^^;
怖い怖いw
次回で決着予定ですのでもうしばらくお待ちください^^


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