「取引?俺とあんたが?」
その女性、ステラの発した言葉に疑問符を浮かべ警戒しながらも問い返す横島、
「そう、取引だ。私と君がね。」
一方ステラの方はまるで警戒する様子も無く、相変わらず微笑を浮かべている。
「そんなに警戒せずに、とりあえず話だけでも聞いてもらえないかな?」
「解った。戦う気は無いみたいだしな。」
そう言って警戒を解く横島、確かに彼女には殺気などは無く戦う気が今の所は無い事が解る。
「よかった助かるよ。一応WIZ−DOMの総意としては君たちと事を構える気は無いのでね。むしろ友好関係を築きたいと思っているのだよ。」
そう言って微笑む、
「友好関係ね〜。」
「まあ何だ、いきなり現れてこんな事を言っても信憑性の欠片も無いことは重々承知の上だよ。」
これまた疑問符を浮かべる横島に苦笑しつつも答えるステラ、
「さて、早速取引の話と行きたいが・・・その前に私達の組織の説明をしよう。
君は異世界人だったと思が、WIZ-DOMの事はどの程度知っているのかね?」
取引の話をしだそうとするが、ふと一瞬考え込みそんな提案をした後質問してくる。
「あ〜西洋魔術結社が正式名称で、魔女や魔法使いなんかの集まりだって事くらいかな?」
「ふむ、まあその程度だろうね。」
正直に答えた横島に、うんうんと頷くステラ。
「では、私達がこの戦争に参加している理由は知らないのだな?」
「ん?ああ知らないけど。」
「ではまずそれを話そう、そうすれば先に私の言った言葉を少しは信じれるかもしれないしな。」
そう言って何故か満足そうに頷き話し始める。
「さてその理由なのだが、簡単に言うと自衛のタメだな「自衛?」そう自衛だ。」
途中呟いた横島の言葉に頷き答え、さらに話していく。
「君の世界はこの世界とそう大差が無いと思うが間違いないかな?
ふむその通りらしいね、では君の世界で魔女と聞くとどんなイメージを思い浮かべるかな?まあ悪いイメージだろうね。
この世界でもそうでね、WIZ-DOM本拠のある西洋でこそ今はそうでは無いが昔は酷い物でね、本当に魔女狩りや火炙りが行われていたりしたのだよ。
まあ本物の魔女は捕まるようなヘマはしないのだがね。」
最後の言葉を苦笑しつつ喋ってから一息つきまた話し出す、
「と、話がそれたね。まあそんな事が歴史上あったわけだが。
今現在の阿羅耶識の者の中には私達西洋系の術者、様は魔女や魔法使いだな、それを敵視している者が居てね。
しかも厄介なことに上層部にも居るらしいのだよ。
で、だ。そんな連中がこの世界の覇権を握ってしまったら私達はどうなるものか解らないのでね。
それで元々ダークロアとの一対一の戦争に横槍を入れる気になったんだよ。
とまあこれが大元の戦争参加理由さ。」
そこまで話横島の反応をうかがうように見つめてくる、
「理解してもらえたかな?」
「ああ、解ったけどさ、それならダークロアと手を組むなりして阿羅耶識を叩いた方が早いんじゃあないのか?」
「ああ・・・まあそう思うのが普通か。説明が足りなかったらしいがそれはできないな。」
「何故?」
「どちらが勝っても困るからさ、WIZ−DOM自体には世界の覇権がどうのというのは無いが、他の組織の下に付くつもりもないんだ。
ダークロアもそのつもりは無いだろうしな、阿羅耶識を潰しても戦争は終わらない、それどころか一対一の衝突になるのだから被害が増えるだけだ。
それなら三竦み状態にして小競り合いを続けるほうが楽なのだよ。」
「あ〜なるほどな。」
その説明に納得する横島。
「解ってもらえたみたいだな。私達が戦争に参加しているのはあくまで自衛、バランスをとって小競り合い状態に保つためというわけだ。」
そう締めくくって話を終わらせるステラ、
「敵をいたずらに増やしたくないのが君と敵対したくない理由の片方なのだよ、もう片方は取引を聞いてくれれば解ると思う。」
「ん〜解った。で?その取引って何なんだ?あんたらと取引できるものなんて俺には無いと思うんだが。」
取引を聞く気にはなったようだがその内容にさっぱり思い当たる事が無く、頭を捻る横島、
その様子に微笑を浮かべながら内容を告げるステラ、それは彼を驚愕させる内容だった。
「なに、君の作り出す不思議な球、あれを定期的に譲って欲しいのだよ。もちろんそれに見合う見返りは用意させて貰うつもりだよ。」
そう彼女の持ち出した取引、それは文珠の譲渡だった。
「な!文珠をか?!って、なんで初対面のあんたがしってるんだよ?!」
「もちろん見ていたからさ、遠見の魔術というのが有ってねそれで君の行動を見ていたのでね。」
横島の問いにさらっと答え、見た感想なのだろうそれを話し出す。
「文字を入れることによって様々な効果を持たせられる万能具、あらかじめ入れておくのではなく後から好きなように込めれる物など、少なくとも私は知らない。
魔女、魔法使いの本来の道は真理や魔道の探求、研究心がうずいてしょうがないのだよ。ぜひとも譲って研究させてほしい。
その代わりに私にできる事ならなんでもしよう、この体を差し出すことも構わない。それなら安い位だしな。」
体を差し出す〜の部分で横島の喉がぐびりと鳴るがすぐに頭を振って煩悩を追い払う。
「いや、でもな〜。そう言われても。」
「無理は承知で頼みたい。どうしても研究したいんだ!私の作った魔道具や資金面のバックアップ、他にも元の世界に帰る方法を探す情報面の協力もする!だから頼む!」
箒から降り横島に詰め寄り両手を掴みながら顔を寄せて頼み込んでくる。
普段ならこんな美女が目の前に、それもキスしそうな距離にいれば赤面するか飛び掛る横島だが、
ステラの目は知識欲にギラギラと輝いており引き気味になっている。
「あ〜そんなに量は渡せないぞ?後条件付でいいなら・・・。」
「どんな条件でも飲む!言ってくれ!」
「数は一週間に1〜2個なら。ただし俺達に敵対行為かそうと取れる行為をしたらその時点でご破算、それでいいならいいぞ。
後はそっちが言ってた資金提供とか情報集めの手伝いとか・・・。あと取りあえず離れてくれ。」
うんうんと聞いていたステラだが最後の言葉を聞いた瞬間ハッとし顔を赤くして離れる。
「す・・・すまない。少々取り乱した。取引をOKしてくれたこと本当に感謝する。
細かいことは明日・・・いや今日か、今日の朝にまたたずねてくるので他の者達への説明と一緒にそこで決めよう。」
「ああ、解った。条件忘れないでくれよ?」
「解っている。言っただろう?WIZ-DOMは君達と敵対するつもりは無いと。そこは信用して欲しい。では、また。」
確認をとる横島に頷くと箒に乗って飛び立つステラ、
それを見て横島は、
「あ〜勢いに押されてOKしちまったし・・・。いまさらやっぱり無理じゃあ通らんだろうしな〜。」
後悔していた。
「まあ敵対する気は無いってのも本当だと思うし、大丈夫だとは思うけど。」
頭をボリボリと書きながらそんなことを呟く。
「まあ考えてもしゃあないかな?・・・寝るとすっか。」
ため息を吐きながら戻っていく横島だった。
━同時刻(横島が部屋に戻った時)━
宇宙の彼方から地球に向かう複数の物体があった。
それはまるでカプセルのようであり何かの紋章のような物が表面に書かれている。
この物体はそう・・・イレイザーと呼ばれる者達の放った先発部隊だった。
━同時刻・某宇宙戦艦内━
「ラユュー、先ほど発射したあれは何だ?」
「ィアーリスか、なに地球に向けて宣戦布告のメッセージと共に私の所のアンドロイドを何体か・・・な。」
ラユューと呼ばれたのは長身の女性、額に第三の目が有る。外見は美女と言っていいだろう。
ィアーリスと呼ばれたこちらも女性、背中に竜の物であろう羽根を生やし頭に角があり、そして耳が尖っている。その手には二振りの長剣が握られており、その雰囲気は歴戦の戦士のそれだった。
「なるほどな、その何体かに負けてくれないといいのだが。」
「確かに、それでは張りがないからな。お前も久々に戦いたいのだろう?」
「当然だ、わが一族にとって戦いこそが人生、戦えない戦などこれ以上の地獄は無い。」
そう言って目の前のスクリーン・・・そこに移った地球を静かに眺めるのだった。
━後書き━
おまたせいたしました第十二話お送りしました〜。
ステラとの取引、そしてイレイザー初登場の回でした^^
覚えている方がいてくれるのを祈るしだいです^^;
レス返し〜
やっと開きました^^;何が悪かったんだろう?(滝汗
D,様
あはははは〜^^;フェンリル腹黒いですか^^;ん〜何故こんな風になったんだろう?(汗汗
攻略度合い・・・上がってる?かな?どうなんでしょう?^^;
遊鬼様
デートに見えましたかwよかった〜^^;そんなイメージで書いたので^^
フェンリルは以外にやきもち焼きなようですw
大勢でワイワイガヤガヤ騒いだりご飯食べるのは楽しいですしね〜^^
団体の楽しさを覚えるにはうってつけかとw
SIRIUS様
初めまして〜^^REKIですよろしくお願いしますね^^
そう言ってもらえると幸いです^^
そうですね〜あの平和になればいいです・・・。
可愛い子ばかりだし戦ってばかりなんか勿体無い(オイコラ
世界間の移動・・・ノーコメントです!
森型様
あはは〜立ったかもしれません^^
気が向けば外伝で書くかもです^^
錬金術師・・・^^;あの140歳言っても怒らないけどババア言うと怒るマッドな御方ですね^^;
風呂場の事件・・・15禁確定?(オイ
気が向いたらこれも外伝で書くかもw
むっちゃ短編ですがw
うあ^^;誤字直しておきます^^;報告ありがとうございます^^
ななし様
おもしろいですか^^ありがとうございます〜(感涙
う・・・説明的ですか^^;そうかも^^;
triger様
あ、あははははは^^;
確かに幸せかもしれませんな^^;あっちも美人だらけだけどこっちもだし^^;
理不尽な暴力も無いし・・・横島戻る気無くさないといいけど^^;