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「我、無垢なる刃 メイド編 第三話(まぶらほ+デモンベイン)」

sara (2005-09-02 14:28)
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我、無垢なる刃 メイド編

メイドの巻―MMMVS式森奥様連盟 第三話


アグレッシブな捜索の結果、人手が多いのとスキルが妙に高いのが多いのであっさり場違いな城を見つけた。

ぶっちゃけ、かおりが羽を出して(この話では彼女は完全に吸血鬼です。勿論羽は蝙蝠)上空から探って見つけたのだが、周囲の環境との調和を全く考えない建物を探すのはとても簡単だったらしい、つーか悪目立ちしているので飛ばなくても高い山か木にでも登ればあっさり発見できたと思う。

事実「城がある」と述べたかおりに対して「終には目まで腐ったの」と江美那はのたまったぐらい周りの南国風の風景から見るとあるのがおかしいと騒ぎ立てたいぐらいのミスマッチ、何をトチ狂って南国の島に欧州風の城を建設するのか理解が不能。

まぁ、往々にして金持ちとは常識からかけ離れているが。

そして一応は城があるのだし道もあるのだから誰か居るだろうと城を訪れることとなった。

原作での城到着前のリーラ遭遇イベントをハッキリ無視して、大所帯でぞろぞろと。

因みに場違いな城に対してこいつらがやったのかと既に殺気立ったのがいたりするが。

こいつらにやらせてはおけんと年長者の気概を出したのか、それとも単にこういう場合の雑用は全てこいつに押し付けられる運命なのかウエスト、年齢的に多分一番年上(保健医兄妹は実年齢が不明すぎるため削除、かおりもそれに順ずる)、が扉の呼び鈴のようなものを叩いていた。

奇人変人が集まるとレベルの高い変人も凡百の変人になってしまうのだろうか、いやウエスト案外根っこのところはマトモなのかもしれないが、発想はキチガ○だが。

しばし待って、中から出てくる小柄なメイドさん。

「あのー。何か御用でしょうか」

目の前に居る微妙に変態チックな男、緑色の髪に白衣、変態っぽい造作のウエストに微妙に引きつつ声をかけてくる、それでもメイド根性か応対は丁寧だが。

笑みさえ浮かべているのは褒め称えよう。

突っ込んではいけないのは明らかに欧州系の顔立ちだというのにいきなりの訪問客、それもやはり欧州系の顔立ちのウエストに対して日本語で会話しているところだろうか。

突っ込んじゃいけないところだろうけど。

漫画の世界では日本語が世界共通語なのだし。

「うん、すまんのであるが我輩達。不逞の輩に撃墜されてしまったのである。我輩は心が広いのであるからして、その程度のことで怒り心頭なんて心の狭さは待ち合わせていなーいのであるが、我輩の高貴な頭脳を嫉妬する輩は幾百といるであろうから、祖rも天才の勤めとして、全く命の危険なんて気にしないであるが。殺気ビンビンな婦女子や兄馬鹿どもがゴロゴロ。と言うわけでこの辺でいきなり対空砲撃をかますような困ったちゃんが居るということを知っているならば速やかに供述することがモアベター。さらさらと我輩たちに情報提供するのがベストオブベスト。で、知っているであるかな、教えてくれるようであるならあの辺の危険人物引き連れて迷惑なんてこれっぽっちもかけない所存」

なれない人間には理解しづらい語調で話すウエスト、それを笑顔で聞いているメイドさん、かなり引き攣った表情をしているがプロ。

対空砲撃と危険人物辺りで引き攣りがひどくなったような気がしないでもないが。

特定単語でウエストに対しても殺気が幾らか振り分けられたりしているがその辺は気付いているのかいないのか、ま、どうでもいい問題ではある、八つ当たりをされるのはどうせウエストなんだし、不死身だから平気だろう、多分。

「撃墜ですか」

「撃墜であるな」

この言葉の時点で通常の会話などでは決して無い、ウエストの声が少々震えているのが先程との違いか。

メイドはなにやら逡巡したような顔をしたが。

「申し訳御座いません」

「何のことであるか」

「いえ、恐らくですが撃墜したのは私共・・・、
ヒィッ!!!!」

小柄なメイドさんは悲鳴を上げた、メイドさんの目の前に殺眼(アイランド)をした人物に睨みつけられていた、メイドさんは卒倒しそうになった(若干ドラクエ風)。

グワシッって感じにウエストの頭部を掴んで横にどけると非常に冷静な微妙な悲しみをたたえた表情で注射器を握った保健医「さて、誰が砲撃したのかな。私の妹と将来の婿を傷物にしようとした愚か者は。速やかに私の前に引き立てるように。とっても素直に慣れるお薬を注射してあげよう、試作品だが」とっても怖いことを素敵に口走っているキ○ガイ二号がメイドさんを脅していた。

なお、誰も止めず、と言うか止めたくなく、止めたら方向性が自分に向かってきたら非常に嫌だから、ぶっ飛んでいるこの保健医に関わろうなどという勇者は馬鹿である。

止められるのは。

「兄さん。そんなに怯えているじゃないですか」

彼の妹ぐらいだった・・・・・・・・・・ただ妹も常識という言葉に喧嘩は売っているが。

「それに。その注射は媚薬ですよ。気持ち良くはなれるでしょうが。お一人では辛いだけ、お相手が居るようでしたら天国までいけるでしょうが。お薬としてはこちらがお勧めです。しがない平凡なアンフェタミン類のお薬ですが、私の改造版です、常習性ありとなしではどちらがいいでしょう」

取り出した二つの薬瓶の中身、洒落になっていない。

アンフェタミン類、覚醒剤、アッパー系の薬物で常習性があり医療許可が無い場合の使用は覚醒剤取締法、薬物取締法により禁止薬物に指定されている。

今更、この兄妹がこの程度のものをちらつかせようとなんとも思わないだろうが、後ろの人達は、目の前に居るメイドさんは芯から震えているっぽい。

アンフェタミン類の意味が判っているかどうか微妙だろうけど、酷く楽しげに注射器をちらつかされるのは恐怖以外の何者でもない。

「そうかね。では常習性ありを、常習性がないと少し体調が悪くなる程度だろう。それではつまらん。地獄と天国の鬩ぎ合いよりも、天国から地獄に突き落とされるほうが効果的だろうしね」

「いえ、常習性が無いほうは濃度が高いので一撃で天国に召されることでしょう。地獄かもしれませんが」

つまりはどちらに転んでも救いが無いってことかい。

(因みに麻薬類は最初の一度が問題です。人生薬物塗れの仮初の幸せでいいやと思える刹那的快楽主義者以外の方は好奇心ですら試そうとしないことがお勧めです。更に医療行為以外(ある特定の病気、もしくは鎮痛剤、そもそも鎮痛剤の多くには微量の麻薬効果がありますが、ホスピスなどで使用されている)での麻薬類の使用以外は犯罪になりますので)。

本気で性質が悪い。

「アル。この国の警察機構の電話番号知っている?厚生省みたいなところでもいいけど」

「知らぬな。なんじゃ砲撃を受けたことを通報するつもりか。うん厚生省?」

「いやあの変態は一度塀の向こうに行ったほうがいいかな、なんて思って。それに幾らなんでもこんな南の島まで変なコネ持ってないだろうからぶち込む程度はできるかなと」

因みに日本の厚生省は麻薬などの薬物絡みの犯罪に対しては捜査権、および逮捕権を保持している、当然の如く縄張り争いで警察関係とは仲が悪いが。

「そうじゃが、この辺りの国なら金さえ積めば出てこられるのではないか。牢屋にぶち込んだほうが世界のためのような気がするのじゃが、あの変態は何故か金を持っておるからのぅ」

彼らの後方ではどうやって目の前の危ないマッドを司法に引き渡せるかを悩んでいるようだった、話し合うだけで話しかけるつもりはないよう、つまりはメイドさんを助ける行動には出ていなかったが、因みにアルは攻撃的に報復を考えてはいたが目の前にいる哀れな子羊(可哀相なメイド)で多少怒りが収まったらしい、他人が切れると冷静になるような時みたいに。

他には保健医の人格を完全に知らされた、危ない危ないとは思ってはいたが、本当に度を越えて危ないということがわかった女生徒達が畏怖の目で見つめていたりする。

やっぱり誰も止めようとはしなかったが。

メイドさんのほうは殺眼で睨まれるは危なそうな薬片手に迫られるは、中々哀れであるが、それでも何とか逃げ出さないのはメイド魂か、それとも目の前の脅威に背中を向けることの恐怖か。

ヤバイ変態がメイドさんに歩み寄ろうと、一歩ごとにメイドさんは涙目になっていく、その時。

「お待たせいたしました、お客様。私、当館のメイド長リーラと申します」

銀髪のメイドさんが静かな笑顔で頭を下げていた、但し頭を下げる前の一瞬少しばかり和樹に向けて視線をやっていたが、頭を垂れる向きもそちらを向いている。

「何やら騒がしいようですが。何かありましたでしょうか?」

で、説明、何故か再びウエスト。

「それは申し訳ありません。発砲したものより報告はあがっておりましたので捜索隊を出すところでしたのですが。そちらから参られるとは失礼致しました。謝罪して済むことでは御座いませんが。当館の主人からも謝罪したい旨を承っております、お詫びというわけでは御座いませんが当館に暫しご滞在願えませんでしょうか」

原作より遥かに畏まった謝罪、つーか殺気立って居る面子に対してTPOを合わせた言葉なのかもしれないが。

その後、一応謝罪し詫びると言うならばと、謝ろうとする相手を蹴りつけるほど外道がいなかった、いないと思う、いないと思うことを願おう、凛が重傷だったりしたらアルが怪我をしていたりしたらやばかったのかもしれないが、それで凛は擦過傷を負っているが。

この辺りの二名は保護者が暴走すると手がつけられないから、それなら玖理子もそれに入るのかもしれない。


先ずは主人の所へということで案内されたが、女性陣は、そもそも海に突っ込んだので多かれ少なかれ服が汚れているということで(荷物も水没しているので洗濯が必要)、何かとってつけたような理由って感じがするが。

で、男性陣が案内され広い部屋に入る、男性陣も汚れているんだから服の替えを用意してもいいんじゃないだろうか。

和樹に保健医、駿司、ウエスト、男性が女性に比して極端に少ないが、部屋の中の光景は四人が四人とも呆れた、この四人変態、兄馬鹿、色狂い兼鬼畜と揃ってはいるが。

何が揃っているのかは突っ込まないで。

目の前の五十人を越えるメイド集団を平然と受け入れられるほどお馬鹿さんでもない。

目の前の高そうな椅子に座っている老人はいいとして、五十を超えるメイドさん、それも若い子ばかり、和樹自身が世界に喧嘩を売っているがそこはそれ、これはこれとして眩暈がするような光景だ。

圧巻というよりはあきれ果てるほうとしての眩暈だろうが。

「何だ、僕の視覚が狂ったか」

「いや私も見えているな」

「我輩もである」

「つまりは現実と言うことだろう」

小声の会話で現実を疑いたくなるほど、正確には現実ではないことを祈ったかのか。

若干ウエスト辺りまで引いている、まぁ、ウエストはマッドだが人間倫理と言う点では和樹よりは上なのかもしれないが、普段はおちゃらけているが。

しかも主語が抜けているのに意味が通じ合っている。

「いや。突然砲撃を加えてしまって済まないことをした。謝罪するよ」

老人の開口一番、謝罪の言葉を聞かされ、常識から外れた四人、保健医辺りは本当に呆然としているのか疑わしいところはあるが、薦められるままに椅子に座り。

茶を出され、そのままとりとめも無い会話が続く。

メイドの数だとか、同好の士が大勢居るとか、その趣味の人、つまりは目の前の老人=変態と認識と同類にしかわからない言葉を羅列するような、今一そちらの趣味が無いほうには聞くことさえ苦痛なことを喋ってくる。

MMM「もっともっとメイドさん」と言うわけのわからん名称を聞かされた辺りで、和樹は、こいつの日常生活の中でも傍目には大して差が無いような鬼畜っぷりの癖に、変態の考えることは判らんと思考放棄したり。

老人は、和樹の呆れた目と他の三人のなんともいえない目、駿司辺りは和樹と同様の目をして老人を眺めていたが、つまりは可哀想な人を見る目で見るが知ったことかと暴走した趣味の人の如く自分のメイド知識をひけらかしていた。

原作を参照して欲しいがメイド団体がNPOになることは無いだろうし、メイドに対する煩悩度、メイ度なんて測りようの無い単位がSIで認定されることは無いと思う、認定されたら学者は化学兵器を暴走させても文句は無い。


因みにこの辺りは作者がどれだけ頑張っても原作と大して変わらなかったので思いっきりはっしょっています。

書いてもしょうがないし。


で、ウエストが常人に見えるほどのいっちゃったメイド嗜好を披露されて、そろそろ傾聴するのが苦痛になってきたところで、和樹達の入ってきた扉がノックされ「ご主人様お連れ致しました」といった声がかかる、微妙に声が疲れ切った感があるのが微妙に気にかかるが。

で、開かれたドアから現れたのは、まぁ、原作通りに和樹達の連れの女達なのだが。

まぁ、変だった、一部だが。

確かに着替えに行ったはずなのだが、着替えているのは半数程度だろうか、そして着替えているのはメイド服、来ている理由も問いただしたいが、和樹は頭痛がするのか頭を手で押さえて。

「この島では女性はメイド服を着ることになっていてね。同じ服を提供させてもらったよ。ところで何故着ていないものが居るのかね」

因みに着ていないものは、江美那、葉流香、かおり、ディステル、アル、エセル、凛、紫乃、ライカ、沙弓、未空、一子、彼女達は別れる前に来ていた服をそのまま着ていた。

着ている人間の中にも若干不満そうな子達も居る。

多分、連れてきたメイドの声が疲れていたのは着ようとしない面子に着せようとして反論されて駄目になったものと思われる。

で、老人の最後の微妙に不満そうな言葉に対して。

「着たくないから着なかっただけよ。私達が着るものをそちらに指図されるいわれは無いのだし」

江美那、若干不機嫌そう、彼女の若干はかなりドスが効いていたりするが、言葉遣いという以前に身に纏う雰囲気とかで。

理由としては最近下僕に着せていた服を自分が着たくないという辺りだと思われる。

因みに江美那の衣服は海水のせいで少し痛んだ黒のサマースーツ、メイド服よりは傷んだ服のほうがましと判断したらしい。

「何故かね」

「趣味じゃないから。私が下僕と同じ服を着ることはないわ」

下僕辺りで、若干三人が引き攣っていたりする、こいつらも嫌な思い出のある服は着たくなかったというのが理由、加えてなんつーか、自分の崇拝する衣服を頑なに拒否られて老人は機嫌が更に悪くなったようだ。

この爺メイド服に人生かけているっぽいし。

突っ込むと他人に自分の趣味など強制できない、それがまして女性なら、ついでこの場合撃墜したのは自分達なのだから立場的に弱いのは老人側。

「ふむ、私はメイド服を着ている子達は似合っていると思うがね。まぁ、強制は出来んか。女性にはメイド服が似合うものだよ」

「それは性差別でしょうし、固定概念の押し付けでしょうね。私たちが貴方の趣味にあわす必要性は無いでしょうし。自覚していないようだけど、誤射であれ乗ってきた飛行機を撃墜したのは貴方たち、こちらは当局に通報して助けてもらえばいいのだし。立場の上下を考えるべきね」

それ以前に自力で武力的制圧が出来そうな面子が揃っているのだが、江美那の言うことが全面的に正しい。

「それについては謝罪しよう・・・・・・・・・・・・・・」

「謝罪はどうでもいいの。口だけなら誰でも言えるものだし金もかからない。謝罪は金銭で購いなさい。慰謝料と、飛行機の弁償、無駄な時間を費やされた精神的な苦痛に対しての賠償金と法的償いを要求するわね。この世で唯一まともに被害者に誠意を表すとしたら頭を下げることや交渉以前の状態で慰謝料を払いなさい」

謝罪をにべも無く断ち切る江美那、風椿財閥の女傑にて姉以上に魑魅魍魎の経済界を渡り歩いてきている鬼札、どうやら相手に主導権など微塵も与える気は無いようだ。

賠償金で法的償いの辺りを変換を狙っているのかもしれない。

その江美那の言葉に老人は更に不快そうに顔を歪めるが、リーラがそばにより何事か耳打ちする、老人は頷き。

「どうやら少し急用が出来たようでね。席を離さなければならないようだ。申し訳ないのだが本日は床を用意するので明日の朝にでもまた話といこうではないか」

と、老人が立ち上がりながら声をかける。

「またこの島は魔法禁止となっているのでその点だけ気をつけてくれたまえ」

そして立ち去ろうとする老人の背中に。

「明日には発つ積もりなので。それまでにこちらへの慰謝料計算しておきなさい。明日の朝から交渉と言うのも面倒なので。あと魔法禁止というのもそちらのルール、私たちが従う道理はないわよ」

江美那の言葉がかかった、どうやら本気で慰謝料を取り立てるつもりらしいし、あちら側にあわせるつもりもかけらも無いようだ。


で、其々の部屋に通されたのだが、如何せん数が多いのと、それなりに我が強いのが多い。

そもそも、和樹が自分の部屋に通された時点で和樹の部屋にアル、エセル、和美、沙弓、江美那、かおり、ディステル、凛、玖理子が揃っていた、アルとエセルは一端自室に案内されてから来たのではなく最初からついてきたのだが。

個室にこれだけの人数が普通は入らないのだが、この部屋常識はずれに広かった。

まるでホテルのスイートのように広く、十人がこの部屋に集まろうと窮屈さを感じさせない、最初慣れない高級な部屋にてアルと和樹は茶菓子をつまんだり、弾力のあるベッドでコロコロと転がったりしてみてはいたが、案外この手の部屋に慣れているエセルがお茶を入れるころにはほかの面々がこの部屋を訪れていた。

開口一番の台詞は大体が私の部屋より遥かに豪華ねだったが、どうやら彼女たちの部屋はこの部屋に比べると遥かに狭いらしい。

集まった面子で話したこともこの島が怪しいということと、扱いが悪いと言うことだ、確かに口先では過ちを認めているのだが態度がそれに追随していない、例に出すなら不祥事を出した○日本旅客鉄道(JR○日本)の記者会見に臨む役員連中のように、因みにそれなりに近いところに住んでいる友人曰くは対応がかなり悪いと言う話を聞かされました(これだから元官営は、因みにN○Tも客に対する態度は悪いと思う、特に○フレッツ)。

まぁ、喧々囂々となったりはしなかったが、燻るような不満があり、扱いを含めて江美那を筆頭とする大人連中に任せることになった。

一応、和美とかおりがこの部屋に居ない連中に対しても話は通しに行った、流石に全員をこの部屋に集めるには人数が多い。

で、結論としては和美達B組女子でも交渉ならば楽々と搦め手を使いなんとでもできるかもしれないが、その手の経験値の高い大人に任せたほうがいいとなった。

特に江美那の交渉術を知っている連中は特に。

ネコソギに掻っ攫う至上最悪の交渉人

そもそも其々の地域で半年はかかりそうな仕事をその弁舌と手腕で一月で済ませられるようなスーパウーマンが江美那、葉流香もそれほど見劣りするわけではないが得意分野の違いとも言える。

判りやすくいうと、葉流香は下の意見を纏めたり指導したりする仕事に向いているが、江美那は瞬間の判断を求められる仕事に向いているということだ。

葉流香がある程度人望を獲得でき、周りの意見を総合して判断を下すタイプならば、江美那は己の考えで瞬時の判断を下す、どちらがいいと言うわけではないが、状況によりけりだろう。

まぁ、江美那は瞬間の判断を求められ、葉流香は意見の統一、意思の掌握に長けているといったところだろうが、基本的にゴーイングマイウェイの妹は他人を省みることが少なく、姉はある程度は人を意識する、役割分担としては姉妹で分かれている感もある。

口先三寸となると江美那に勝てるものは早々居ない、彼女の言うことは大体が正論なのでよりやりにくいのだろうが、正論と言うのは耳に痛いし受け入れがたいがオールマイティの武器であることには代わりが無い。

状況がわからない現状で彼女が交渉の舞台に立つことが適当と満場一致だったりする。

因みにこの話エセルが入れた紅茶と用意されているお茶菓子で茶話会のように話されているので緊迫感など、微塵も無かったのだけど。

なんか、「まぁ、変な島だけど、出来るだけ毟り取って山分けしよっかぁ」ってな感じ、所詮は金の無い和樹とB組女子、それに金儲け主義の風椿。

賛同者、アル、和樹、エセル、生活費を稼ぐのにバイトの必要なくなるかなぁと言う動機。

現在は日雇いバイトに従事中の和樹君、あんまり炎天下の下での労働はしたくないらしい、因みにアル、エセルは外見があれなので雇ってもらえなかった。

葉流香、かおり、ディステル、なんとなく心理的にメイドは敵。

和美、沙弓、まぁ、金もらえるんならいっかぁ。

凛、周りに呑まれました。


暫くして扉がノックされ一応は部屋を宛がわれている和樹が扉を開けようと立ち。

開けた先には銀髪のメイド長リーラが「失礼致します」と深々と礼をしていた。

「お食事をお持ちいたしました」

「ああ、ありがと」

彼女の置くにはカートがあり、それで食事を運んでいるのだろう、見た限りでは一人前しかないが、それを見て和樹が口を開く。

「ええと、この部屋に居る人達の食事もここに運んでもらえます」

まぁ、せっかく同じ部屋に居るのだから食事もそれぞれの個室に戻ってとるよりも集団でとったほうがいいだろう、気分的にもそちらのほうがリラックスできるだろうし。

その言葉を受けて、リーラが目を上げて部屋の中を見る。

「お食事は其々のお部屋に用意するようにしておりますので。お戻り願えないでしょうか」

と、言ってくるが。

「用意している食事をこっちに持ってこさせればいいだけでしょう。たいした手間でもないでしょうに」

葉流香がその対応にすら不満を覚えたと言う感じに言い返す、言い方がきついのはやはりメイドと相容れないからかもしれない、正確には拒否反応。

「ですが、この部屋には十分なテーブルもありません」

確かに十人がつけるような食卓は無い、いいところ五人、六人が精々だろう。

「じゃあ、隣室からテーブルを一つ運んでおくからそれで食べるからよろしく」

沙弓が立ち上がり、和樹のほうに指を曲げて「来なさい」とジェスチャーをして呼び寄せる、和樹も基本的にこの場に居る男は彼一人なので否は無いとばかりにそちらに向かう。

適役としては百キロでも片手で持ち上げられるかおりだろうが、やはりこういう仕事は男性だろうし、バランスの加減で二人は居る。

そもそも沙弓にはかおりを指図して使うような度胸は無い、それにこの二人パワーでは釣り合っているのでこの手の仕事の相方には向いている。

そして隣室に二人が消えるころには。

「食前酒はいいが食後の酒を用意してくれない。ロゼの年代物、銘柄は任せる。これだけ大きな屋敷を構えているのだから、それなりのものが置いてあるわよね」

注文する江美那、どうやら立場はこちらが上とそれなりに女王様として振舞うことをきめたらしい。

「あたしは大蒜の入ってない料理。苦手なのよね。後トマトジュースつけて」

「私はブランデーを頼む。それなりに味わえるなら銘柄は問わない」

かおり、ディステル、それぞれ注文と言うか飲み物を言いつけている、こちらも完全にウェイトレスに注文するようなノリで注文している。

「私もロゼでいい、ただ子供たちには度数の低い果実酒を口当たりがいいので」

子供達とは一応大人組以外の全員である、どうやら案外常識をわきまえているのか未成年者にキツイ酒を飲ませる気は無いようだ。

と、殆ど一方的に注文を受けているリーラはというと、戸惑ったように辺りを眺め回して。

「もう注文は無いわ。そんなところに突っ立ってないで食事の用意をしなさいな」

江美那に急かされる様に言葉をかけられ、ほんの少しだけリーラは江美那のほうを睨むと、その視線に気付いたのがごく少数だったが、「少々お待ちください」といって部屋を出て行った。


それから待たされた時間は少々ではなかったような時間が経過して。

再び扉がノックされて今度は扉の先に複数のメイドが食事を持ってきており、リーラを筆頭に配膳が進められていく。

マナーに則った順に皿が置かれ、その皿に盛られた料理も豪勢の一口に尽きるようなものではあり、それなりのレストランにでも足を運ばなければならないものが出されている。

そして、配膳が終わるとリーラを残して他のメイドたちは部屋を後にするが、これは並べられた料理から察するに他の料理を取りに戻ったのだろう、並べられているのはパン類や前菜、スープ、サラダ、メインディッシュとなる魚や肉類などの料理は並んでいない。

「随分遅かったようね。高々料理を運びなおすためには待たされる時間としては不適応なのだけど」

それぞれのグラスに飲み物をついで回っていたリーラに対して江美那の言葉が突き刺さる。

確かに配膳しなおすにしても時間がかかりすぎ、スープなどは温めなおすにも時間がかかりすぎだった、三十分近く待たされていたのだから。

「申し訳御座いません」

リーラは無表情に頭を下げる。

「何が申し訳ないのかしら。配膳に長時間待たせる無能、それとも別の何かがあるのかしら」

辛辣に江美那の言葉が攻撃に使われる、どうも少々不機嫌になっているようだった。

「いえ、こちらの手違いでして。手間取りましたことを」

「正直に料理を作り直すのに時間がかかりましたと言えないのかしら」

この言葉にリーラが顔を上げる。

「貴女が下がった後に他の部屋に行かしたのだけど、目の前の料理に比べれば粗食のような料理が振舞われていたわね。あれがご馳走というのなら貴方達の食文化を疑わなければいけないのだけど。それともこの食事も見た目だけで、あの安ホテルの朝食のようなメニューのような味なのかしら」

どうやら、江美那が怒っているのはあからさまな扱いの差が生じていることらしい。

和樹の部屋に居る自分たちにはかなりの料理が振舞われているのに、他の部屋に居る人間には料理と言うのもおこがましい様な食事が振舞われている。

それにどうも様子を伺うと和樹以外の誰もがそういう食事を振舞われていると言うこと。

「どうも、他の部屋を覗いた感じでもこの部屋だけが別格扱いされているようなんだけど。先ずそれはどういうことかしら。返答によっては態度を決めないといけないのだけどね」

挑発するような口調ではあるが、完全に相手を見下すような口調でもある。

それに対しては「私達の主賓は式森様ですので、扱いに差が出るのは当然のことです」。

「私達は貴方達の不当暴力行為でこの城に滞在する形になっているのだから全員が主賓だと思うのだけど。それに何故、和樹なのかしら。それに式森なら、将来的にだけどこの城にあと六人いるのだけど。そっちは蔑ろのようだけど」

六人、と言う言葉にリーラが眉を上げるような感じになり。

「どういうことでしょう」

「この二人は和樹が面倒を見ている子達だし、性も式森の名前をしているわ、他にも四人婚約者がいるのよ。内縁関係になっていれば十分式森でしょう。貴方達の主賓は式森なのらしいけど。それならばやはり主賓も満足に持て成せない無能と言うことね」

殆ど揚げ足取りだが、戸籍上ですら、アルとエセルは式森なのだから、最低限この二人は式森として扱うのが正しい、リーラは式森和樹とは言わず式森様といっていたのだし。

指された二人の少女を見て、リーラは僅かに唇を噛んだような表情になり。

「大体、そちらが主賓と見るかが問題ではないでしょう。こちらは持て成されるだけの理由がある、押しかけたわけでもないし、逗留せざるを得なかった原因は其方にあるのだから、それを承知でこの扱い、恥知らず以前の問題でしょう。それが主人も命令だったら貴女を責めてもしょうがないのでしょうけど。それでも貴女の態度はおかしいわ。うちの使用人のほうが客に対する対応はそれなりマシのようね」

「それともあのじい様の趣味の館らしいから形だけのメイドごっこで雇われているのかしら。いかがわしい風俗店みたいなこと専用に」

メイドとしての能力までを侮辱する。

殆ど叱責よりも侮蔑と取れるような言葉だが、今までの扱いをみると正論なので反論の仕様が無い、それにリーラにとってメイドとしての仕事を侮辱されるのはそれなりに効いたのか、傍目にも動揺しているのが見て取れる。

「で。そちらが誠意を見せたいのなら、他の部屋の食事も同じものに変えさせなさい。食べる必要もなしと言って待っておくようにしておいたから。何ならキッチンと材料を使わせてくれるのならこっちで勝手に作らしてもらうわ」

どうするの、とばかりに江美那が挑発的に問いかけ。

「他の部屋の皆様の食事は取り替えさせていただきます」

そういい、胸元を弄くり、通信機になっているらしい、そのことを伝える。

彼女としては他人にキッチンを使わせるのは我慢なら無いだろう。

「後部屋も変えておいてもらうわ。あんな粗末な部屋に押し込められる理由もないし。この大きさの部屋なら他にもマシな部屋なんていくつもあるでしょう。少なくとも隣の部屋はここと同じくらいの部屋だったわ。数が足りないと言うのなら、それなりの部屋にベッドを幾つか運び込んでおきなさい。こちらで適当に部屋割りして使うから」

「承りました」

「ああ、この部屋にも隣の寝室に二つばかりベッドを運んでおいて」

この要求に対しては、どうやら彼女の主賓はあくまで和樹らしいので難色を示したが、其方がとやかくいうことじゃないと言われれば反論できず了承することとなった。

因みにこの言葉の応酬と言うか弾劾の間他の面子はと言うと、それなりに口を注がれたジュースで湿らしたり、酒の味を楽しんだりしていて、我関せずとばかりに介入をしようとはしなかった。


後書き。

今回は少し話の展開を進めただけみたいな感じになってしまいました。

ご要望でエロが足りないとありましたが、見返すと最近ないなぁと気付いて。

なんでだろうと考えてみると、自分のサイトが18禁なのでそれに合わせてソフトに書き換えた名残が残っていたのと最近萌え系書いて無いじゃんと気付いたり。

次辺りからエロはあると思いますが。

セレン辺りが一番目かなぁっと。

>ヒロヒロ様
確かにその二歳は命に関わる二歳でしょうねぇ。

>D,様
元々和樹君て台詞ないんですよねぇ、他のキャラが濃すぎて。

>平成ウルトラマン隊員軍団(仮)様
やります、次回辺りからエロ、確かに設定的にそうなっているのに最近無い、ご忠告有難う御座いました。

>EROスキー
メイドさん誰からにしようっかなぁーと。

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