注意、まぶらほが大元ですが三人娘は現時点で出てきません、最悪、脇役になる可能性があります
……毎度毎度の事なんだけど、今みたいな状況だけは勘弁して欲しいと思うわけよ、私としては。
「どうするのよこの状況…」
「どうしようか…」
「「「SYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」」」
時刻は夜の十一時、サボテンと岩だけしかない荒野のど真ん中で腐りかけた肉体で叫んでいる元ホモサピエンスの成れの果て、つまり俗に言うゾンビ共が私達を囲んでいる、生前はそれなりに鍛えていたらしく全員、ムキムキだ。
夜更かしは肌の大敵だってこと知らないの?腐った体に関係あるとは思わないけど。
「まさかこんな所で人間が車にも乗らず走っているとは、貴様ら自殺志願者か?」
そう私達に言ったのは腐った死にぞこない共ではなく、後ろにいる一際マッチョな半裸の大男、筋骨粒々の肉体は今にもはじけそうなぐらいパンパンだ、恐らく股下1mあるであろう足はぎりぎり股間が隠れているズボンをはいている、恐らくこいつらの親玉だろう。
畜生、無駄にセクシーなポーズを決めやがって。
しかしマッチョが異様なのは姿形ではなく――それもある種異様だが――口からはみ出した鋭い犬歯………否、牙が除いている、その点が今この場での一番の異様であり重要な箇所だ。
そう、目の前にいるのは漫画やブラムストーカーで御馴染みの吸血鬼と呼ばれる怪物どもだ。
私は吸血鬼はそれこそ腐るほど見たことあるが今回のようなボディビルダーを見た後じゃこれから先吸血鬼に偏見ができそうだ。
「やれやれ、ね………」
そもそもこうなった原因は私の隣に立っているこの男、この男のせいだ。
黒髪黒眼に黒のレザージャケットと黒の皮パンツ、さらには黒のブーツと黒のオープンフィンガーグローブと全身黒ずくめの大柄な男、この糞暑い中レザージャケットを着るのは暴挙以外の何者でもないが本人のポリシーらしい、一目見た限りでは服装のデザインのせいもあって、まるで新手のスタンド使いだ。
男の名前は『和樹』と、私は呼んでいる。
この男がいきなり私の家に来て「メキシコに行くぞ」と一言だけ言い久々の休暇だと思って喜び勇んで来たらこのザマだ。
飛行機の中で実は仕事だと聞かされて危うく飛行機を爆破しかけた。
空港に着いて目的の町に行くのに交通費ケチって徒歩で行くことにしたら、手前の町でもう既にゾンビ共が出没していてそいつ等を全員叩きのめした(もちろん全員天に召されました)後、こりゃあまずいぞと急いで荒野を駆けていたら丁度近くの町へ侵攻していた吸血鬼一味と鉢合わせ、文句の一つも言いたくなる。
「「「UREEEEEYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY」」」
それで今まさに町が全滅しているなら少なく見積もって2000体以上からなるゾンビ&吸血鬼の軍団達に襲い掛かられそうになってるわけだ、私達が。
それなのにこいつらは…
「しかし、流石メキシコ、熱い男達ばかりだな」
いや、熱いとかそういう問題じゃない気がするんだけど。
「ええ、でもこんな真夜中に近所迷惑もいいところね、臨時の仕事とはいえ仕事は仕事、とっとと片付けてホテルに戻りましょう」
男の隣にいる長剣を腰に挿した長髪の金髪碧眼の美女が言う、近所迷惑も何も周りにゃゾンビしか居ませんが。
名前はレナ・ノースライト、180ある私より少しだけ身長が高い、関係ないけどスタイルも私よりいい………自分で言って悲しくなってきた。
「そうだな、腹も減ったし酒も飲みたい、メキシコに来たからにはテキーラが飲みたいんだが……」
ここに来る前からホテルで飲んでたじゃない。
「…ここに来る前から飲んでいた気がするんだけど?」
私も思っていた事を言ってくれたのはブルネットの長い髪のドレスを着たこれも極上の美女。
名前はベストラ、この中じゃあ一番の優しさと共に一番の厳しさを持ってる人物だ。
ちなみに突っ込みとボケどちらでもいけるオールラウンダーでもある、ボケは天然だが。
「あれはビールだ」
「アルコールには変わりないでしょう…」
ベストラさん、そいつに酒を飲むのを止めさせるのは地球上からアルコール類が無くならない限り無理な話よ、それこそ工業用メチルアルコールすら飲みかねないんだから。
「しばらく禁酒したら?そうすれば少しは金が貯まるかもしれないわよ」
「………財布の紐を握ってるの、お前達じゃないか」
そんな無駄話してると、ほらゾンビ共が何か蠢いているわよ。
「ゾンビ共が何かしでかそうとしてるわよ」
「「「GOOOOOOOOOOOOOOOOOOU」」」
と私の台詞が言い終わると同時にさっきから奇声を上げていたゾンビ達が数人飛び掛ってくる。
かなりのスピードで私達との距離を縮めてくる、ゾンビの分際で世界記録どころかG1ですら制覇できそうなほどのスピードだ。
「ふん」
だが黒尽くめの大男は詰まらなそうにそれを一瞥しその姿を確認すると鼻で笑う、無造作に拳で飛び込んできた先頭のゾンビの顔面を殴る、殴られたゾンビは殴られた瞬間頭が吹き飛び体が宙を舞いつつきりもみし後ろに吹き飛ぶ、後続のゾンビたちが頭を吹き飛ばされたゾンビに巻き込まれその腐った体を四散させながら近場の大岩にぶち当たり大岩ごと粉みじんになる。
あれじゃ完全にお陀仏ね、南無。
しかし相手が悪かったはねゾンビ共、ここにいる連中と戦いたかったらせめて音を越えなさい。
音を越えたとしても殴り飛ばされるのが落ちだろうケド。
「それじゃそろそろ片付けるか?」
「そうね」
「美容に悪いわ、早く終わらせてもらいましょう」
………ん?もらう。
なんだかイヤな予感がする…
こいつ等と仕事をすると毎回ろくな目に遇わない、前回だってアラスカまで行って伝説の傭兵と呼ばれる人物を連れてくるだけの仕事のはずが紆余曲折ののちアメリカの秘密兵器と戦う羽目になったのだ、最終的にその傭兵と現地で知り合った女性兵士と共に戦術核で吹き飛ばされるところだった、あの二人今どこで何をしているやら。
まあ吸血鬼と聞いていた時点でなんとなく厄介事になることは分かっていたことだけど。
やっとゾンビ共を倒すかと思いきや、いきなり三人が後を向き私に近づいてくる。
「そんじゃ、あとはよろしく」
と、私の肩を叩きながら大男は後ろに下がる。
…やっぱりか。
「頑張って」
「その辺で見守ってるわ」
二人の女も私の肩を叩きつつ後ろに下がる。
いや、ここに来てからなんだかそんな予感がしてたのよ。
「ちょ、ちょっと!この量を一人で片付けろっていうの!」
無駄だと分かっていても文句を言う。
恐らく殺されはしないだろうが、いくらなんでもこの連中の相手を一人でするのは正直めんどくさい。
普通のゾンビ共や吸血鬼なら―――それこそ町一つ相手でも小国一つ相手でも負けはしない自信がある、だけどこいつ等に関しては私は何も知らない、それ故に怖い。
知らないということはそれだけである種の脅威となりえるからだ。
「これも修行だ、がんばりな」
私が声を荒げるが連中は手を出すつもりはないらしく、後ろにさがる。
いつも皺寄せは私のところに来るのよね。
「………ふぅ、まあ毎度のことだしね」
私の溜息&愚痴が合図だったかのようにゾンビ共が一斉に走り出す。
―――――――――心を落ち着かせ呼吸のリズムを整える。
「「「UUUUUUUUUUUUUUUUUURRRRREEEEEEEEEEYYYYYYYYYYYYYYYYYYY」」」
怪物共が私に殺到する、狙いは私の血液だろう。
―――――――――呼吸のリズムが肉体にエネルギーを作り出す。
怪物達が私に牙を剥き出しにしながら飛び掛ってくる。
―――――――――体中にエネルギーが駆け巡る。
「来なさいバケモノ共!この私が相手よ!………成り行きだけど」
とりあえず胸を張り格好をつけつつ言ってみる。
―――――――――ふるえるぞハート
ゾンビが迫る。
―――――――――燃えつきるほどヒート
あと数メートル。
―――――――――刻むぞ血液のビート
ゾンビの拳が私に襲いかかった。
「アリーヴェデルチ(さよならよ)」
数年前に出会ったイタリアンマフィアの人の決め台詞、実は一度言ってみたかった。
「山吹色の波紋疾走」
ここで自己紹介、私の名前は杜崎沙弓。
今こそゾンビと大乱闘中だがこれでも一応学生だ。
ちなみに副業?として傭兵をやっている。
今まさにその副業としての傭兵家業で死に掛けてるわけだが……和樹め、死んだら末代まで祟ってやる。
ちなみに残りの三名は地面に座って月見酒を楽しんでやがる。
続く
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
と言う訳でやってみました主人公『杜崎沙弓』
やったはいいけど、三人娘どうしよう。
恐らく夕菜、凛、玖里子は蚊帳の外になることでしょう。
キシャーは多分しません、したら死にます。
とりあえず出場予定はまぶらほから『柴崎玲子』『風椿四姉妹』『ディスティル』『MMMの面子』など、ブギーポップシリーズから『死神』『ff』『イナズマ』など、戯言シリーズから『哀川潤』『いーちゃん』『零崎一賊』など、ラグナロクから『オルディエ』『ヴァナードの人々』『ヴァルハラの人々』、TYP−MOONから『月姫系』『FATE系』の面子が登場予定です。
このSSでは主にまぶらほ系統のキャラクターが原作とは違います、あと皆さんが好きなキャラクターが負けたり死んだりする可能性があります。
TYP−MOON好きはご注意を。
では最後に沙弓のスペックとこの言葉を。
「JOJOは私の大好物だ!」(変態仮面風に)
杜崎沙弓 近接パワー型
破壊力 A
スピード A
射程距離 C
持続力 A
精密動作性 A
成長性 A
細かいプロフィールは後ほど。