これが 最後の(逆)オークションです。
ここに、200万円あります・・・・。
■ 貴方はこの金額で人を殺せますか?
■YES ■NO
ハイ、ヨロコンデー 安スギ!上ゲロゴラァ
真っ暗に閉め切られた部屋で、そのものは殺人の依頼を了承した。
別の街にある某魔法学校の男子寮でも、同じことが行われた。
これまた別の街にある某寺の息子の部屋でも、やはり行われていた。
こいつらは一応高校生である。
それぞれの事情はあるが、日中はできるだけ学校へ行き勉学に励み、仲間との他愛のないおしゃべりや遊びに興じる。
だが、それもどこかよその世界のように感じてしまうのは、やはり『職業柄』なのだろう。
もっとも、人に胸を張って言えるような職業ではないが・・・・
高層ビルが立ち並ぶ繁華街の裏道で、3人は待ち合わせをした。
ネオンがまぶしく輝き、昼間の太陽のごとく明るい街は彼らを覆い隠す。
「“爆竜”、5分遅刻・・・・。遅刻癖は直らんのか?」
「しかたねぇだろぉ?!走る二宮像に乗ってくるわけにはいかないし、地下鉄乗り継いでも1時間はかかるんだよ?!」
「逆切れかい!!“紅蜂”も今回は許してあげなよ。彼の仲間って一番個性的でやっかいなんだから、いいわけ考え付いてくるのだって一苦労だと思うよ?」
「“死鬼”・・・お前はこいつを甘やかしすぎ!!」
街を和気藹々と話をしながら歩き、決行の時を待っているとなんだか変な悪ガキ3人組だ。
街を急ぎ足で往来する人々は、彼らが何者なのか知る由もない。
知ったところでどうにもならないし、へたをすれば自分が消されてしまう。
彼らは、そんな危ない職業の人間なのだ。
しばらくして、繁華街から離れた区画の位置にある大きな屋敷の前に来た。
「ここが、今回の標的が住んでるとこ?」
「ああ・・・・」
「ふーん・・・・・何人もの人間を犠牲にして金を巻き上げ、それでぶっっ立てた豪邸・・・・けっ!!」
やがて、月明かりが雲に遮られた。
そして、もう一度3人を照らし出したときには、彼らはすでに戦闘モードに入っていた。
「それじゃあ・・・・お仕事しますか?」
「ふふ・・・・悪い子にはお仕置きが必要です・・・・」
「マッタリ・・・・マッタリと・・・・・」
「「「ぶっ殺す!!!」」」
彼らは職業・殺し屋
この世で最も卑しい職業・・・・・・