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「九峪の苦難―父親への道―九洲騒動記1(火魅子伝)」

sara (2005-06-12 19:12)

九峪の苦難―父親への道―九洲騒動記1

清瑞編―九峪と清瑞の一日―


注:このお話は九峪が現代に帰る前のお話です、因みに戦争中かそうでないかは非常に曖昧というか決めていません(戦争のせの字も出しませんからかわりません)。

注2:このタイプ(過去編)が続くかどうかは作者も知りません、一と振っていますがそれがどうしたわけでもありません。

追記:ゲーム版火魅子伝 恋解をクリアーしました、こちらのほうだけゲームキャラが出ています、でも基本は小説です。


神の遣いの部屋=九峪の私室、その部屋にて安眠を貪っている男が一人、誰だというほども無いが九峪、つーか彼の私室なのだから彼がいるのは当たり前。

イレギュラーとしては、同室で睡眠を取っている女性、最近九峪の正室が内定した(正確には伊雅による半強制、女性のほうに否はなし)清瑞、神の遣いと耶麻台国副王の娘清瑞、身分的にもそれほど問題がなさそうな取り合わせのような気もするがここに至るまでかなりの紆余曲折があったのである。

まぁ此度は彼と彼女の婚約前の日常をと、手軽に気軽に何の気負いもなく楽しく愉快に物語ろう。

因みにこの二人同じ布団で、互いに裸っぽい格好で寝ているので、多分昨夜ヤッテタ。


まぁ、気軽にお話を進めるとしたら、彼と彼女は周囲にその関係が露見する前から親密な関係をとっていた、この場合の親密な関係となるのは、男女関係となるのだが。

この二人、性交渉を持つ関係になっていてもちっとも素直じゃなかった、特に清瑞。

そのお陰で周囲に二人がそういう関係になっていたのを気付くことがなかったりするのだが、だが逆にその素直さの無さが気付かれてから九峪を争奪できると他の女性に思わせた要因でもある。

基本的に彼を慕う女性の基本スタンスは奪ってでも手に入れろという物騒な発想をもっていたりするし、珠洲とか天目とか兎華乃とか藤那とか。

で、素直さの無さで普段どおりに九峪に皮肉を飛ばし、普段の態度もキツサを持つ。

それでいて、他の女性と仲良くしているところを見ようものなら二人っきりになったときに嫉妬し怒りを露にする、この態度を彼女の相手のほうは少し可愛いと思っていたりするらしいのだが、はっきりいって二人っきりでもなければその様子を微塵も見せようとしないので周囲には判らない、故に彼女の相手に手を出そうとする女性があとを立たないという悪循環となる。

因みに基本的に清瑞は九峪の護衛であるから彼女の寝所は彼の部屋の隣に位置している、この位置取りは拠点が変わろうと変化することがなく、おかげで彼女が夜に夜伽の相手を勤めていようと誰に気付かれることもなかったわけだ。

まぁ、拗ねモードに入った清瑞は結構甘え上手になったりするらしいのだが、九峪限定で。

どうも素直になれないのは人目があるときだけらしい、因みに拗ねモードになると九峪が睡眠不足になることは必至で、翌日清瑞の腰周りが充実していたり肌の調子が良くなったりするのだが。


例えば。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。私が愛しいというのなら行動であらわしてみろ」

因みに夜に九峪の部屋、薄絹一枚で上目遣いである、どういう行動を所望しているのか手に取るように判りそうなものだ、端的に言えばアレだろう。

例えば・2。

「清瑞、何でお前は俺にずっと抱きついているんだ。ほら飯くらい自分で食え」

拗ねモードに入っている中無言で九峪に抱きついている清瑞、彼が部屋に戻ってからずっと九峪の傍から離れずにいたりする。

因みに言葉から判りそうなものだが現在食事中(食事を持ってきた時には流石に九峪から離れた清瑞だったが直ぐにもとの体制に戻った)。

そしてやはり言葉から判りそうなものだが、清瑞は九峪に夕餉を食べさせてもらっているらしい、無言の訴えにより。

いや正確には一言「浮気者」と口にしたらしいが、その一言で九峪は文句も言うことができずに清瑞の口元に食事を運ぶことになる、九峪としては幾ら誰も見ていないとはいえかなり恥ずかしかったりするのだが結局は最後まで無言で甘えられたらしい。

なんとなく幼児の甘え方のような気がしないでもないが、彼女、普段が普段だから年相応の甘え方が判らないのかもしれない、そして言葉で甘えるのも気恥ずかしい。

この行動は十分に恥ずかしいと思うが、まぁ、それはそれだろう。

この後に奇妙な恥ずかしさを漂わせた空間で更に彼女が甘えだすので、彼女は甘えだすと歯止めが利かないのかもしれない、普段気を張っている反動で。


素直じゃない清瑞でも二人しかいない状態であれば甘えられる、というか案外拗ねモードに入るのも建前ではないのだろうか、自分は怒っていますとポーズを示さないと甘えられないという微妙な素直さの無さによる。

でも実際拗ねたくなる気持ちがわからないでもない。

気恥ずかしさか、自分が乱破という立場からか他人に自分との関係を出したくない清瑞にとって日中はそれほど愉快な時間ではないだろう、主に自分が好きになった男に対しての不満において。

なお、この時点ではまだ彼女は自分が伊雅の娘、王家の血を引く人間だとは知らない、つーか、一応清瑞も王家の血を引いているという設定があるのなら彼女も女王候補に入っていてもよかったのではないかと思ったりする。

で、不満。

九峪が無闇やたらにもてる、清瑞が現時点で把握しているだけで星華、亜衣、衣緒、藤那、兎音、兎華乃、伊万里、志野、天目、織部、魅土(ゲームキャラ、結構好き)、忌瀬、この時点では珠洲と虎桃は数に含まれてはいない。

それが目の離した隙や、目の前で九峪にコナを掛けようとするのだから日中のストレスは洒落にならないぐらいあるだろう、不満の度合いによってその日の拗ねモードの段階が変わっていたり、夜の激しさが変わったりするのだが。

夜の激しさは九峪の気分にもかなり左右される、特に甘えが色っぽいほうに向かった日には清瑞のほうからギブアップするぐらいに激しくやられたりするし、ギブアップして許してくれるほど甘い鬼畜王でもないが。

清瑞といえど女であり、独占欲もあれば嫉妬心もある、九峪を自分だけのものにしたいという欲望やそれを脅かすものに敵意、そして誠実に自分に答えてくれない相手に不満を持つことは自制は出来ても断ち切ることなど出来るはずもない。

実際に毎日のように目の前で自分の男に他の女が迫っているのは見ていて面白いものではないだろう、故に拗ねるのも無理は無い、つーか少しくらいは拗ねて甘えて九峪を困らせていないと割が合わないところだろう、彼女としては「私がいるのだから。誘いぐらいは断れ」と声を大にして言いたいところなのだろうから。

言ったところで、周りの女性達を拒否することもできない九峪と、そして九峪と清瑞の関係を知らない女性が九峪へのアプローチをやめるとは思えない、遠まわしに浮気を責めたり、それを材料に甘えたりしているので、清瑞が自分の態度に不満を持っている程度は九峪も理解しているのだが、この鬼畜王兼優柔不断に八方美人な態度をどうにかしろというのは無理なようだった。


で、ある日の夜、その日の仕事を終えた九峪が自室へと戻り=清瑞も自分の部屋に宛がわれている隣の部屋に入り、窓経由で九峪の部屋に入室する。

入っているところを誰かに見咎められると面倒なので一度自分の部屋を経由するという面倒な手段をとっている清瑞だった、清瑞が通い妻のような手段を取っているのは立場の差で、清瑞がもし部屋に居るところを見つかっても護衛だと主張したり、相談をしているといえば誤魔化しも聞くが、九峪が清瑞の部屋に行くと誤魔化しが効きづらいからである。

その日もいつも通りに清瑞が九峪の部屋に来ていたのが。

微妙に申し訳なさそうにしている九峪の前に座り込み、無言で見上げる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「清瑞さん」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「清瑞さん」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

早速拗ねモード、状態目線での抗議発動中である。

今回の原因は、部屋に戻る前に食事を取っていたとき(清瑞も同席していました)に九峪に絡んできた藤那と織部、二人とも酒豪で、ちょうど食事を取っていた二人に絡んできたのである、主に九峪に。

酒の入った二人、清瑞の存在など完全に無視してくれて、九峪にかなり直接的なアプローチをしてきてくれた、しな垂れかかってきたり、体を寄せてきたり、酒の酌をしたり、胸を押し付けてきたり。

一種天国のような地獄が九峪に舞い掛かった、天国なのは二人の豊満な美女に迫られることで、地獄は目の前で平静を装っているが付き合いからその変化の機微を読み取れるようになった清瑞が唇の動きだけで九峪に呪詛の呟きを囁いていることを確認した事だろうか。

食事時間中は九峪は幸せな時間を堪能することなど出来ず、目の前の怖い恋人の様子、傍目には普段通りに脅えて過ごしていたのである。

因みに拗ねモードも限界を超えるとお仕置きモードになるので九峪が脅えているのはこちらのほうなのだが、後我慢の限界が時間的に早くてもお仕置きモードになったりする。

昼間に堂々と鬱憤を晴らすのは訓練と称したお仕置きしかないから。

本日は許容限界を超えずに拗ねモードですんでいるようで、清瑞の沈黙が多少申し訳なさを掻き立てる程度にすんでいる九峪だったりする。

この状態ならば多少の苦労と恥ずかしさはたんと感じさせられるがそれ程のものでもない。

ついでに冷たい目線ではなく、何処か膨れたような表情というか、怒りをぶつけているというよりは、態度で“怒っています”と表して“構って、構って”と表現する子供のように見えたりする、微妙に可愛らしい。

でもこの目をしている以上九峪が彼女の要望に答えないと、更に不機嫌になってしまうので早々安定した状態でもなかったりする。

まぁ、拗ねモードに入ったあたりは九峪の身体の安全は微妙なラインに立っているということだろう。


というわけで、殆ど二日に一回ぐらいは陥る拗ねモードに対する九峪の清瑞への恋人としてのサービス=甘えさせてやること、本日は食事は終了しているので。

九峪は見上げてくる清瑞の正面に座り込んで、その目線自体は慣れているのでどうということもない、清瑞の肩に手を置いて軽く半回転、自分の腹と清瑞の背中が密着するような体勢にして清瑞の首のほうに腕を回して胸の前で抱き締める。

「これでいいか、清瑞」

子供を抱き締めるような体勢で九峪が清瑞を抱き締める、清瑞のお気に入りの体制の一つで、いい加減九峪も慣れてきたのか恥を感じずに出来るようになっていたいりする。

実際抱き締められた清瑞のほうはというと、先程の不満を感じさせる、もしくは何かを要求するような表情から一転、表情を弛緩させ満足そうに体の力を抜いている。

日中に溜まったストレスが弛緩して抜け落ちているようにも見える表情。

本当に緩みきった幸福そうな表情。

それでもその表情がしばらく続いた時、唐突に清瑞は口を開いた。

「なぁ、九峪。お前は本当に私でいいのか、私のような可愛げのない女で。それに私はお前が思っているよりもずっと浅ましい女だ。私よりいい女など探せば幾らでもいるだろう」

表情がわずかに限り、声の調子に僅かに不安が混じる。

この手の言葉も数日置き、最近ではかなり期間が置かれるようにはなってきたが、清瑞が九峪に問う言葉、九峪が何度同じ言葉をつむごうと彼女が九峪に聞き続ける言葉。

不安なのだろう、女としてではなく戦いの中で生きるような人生を歩んできた自分が本当に愛されているのか、自分につなぎとめていられるだけの魅力があるのか。

まぁ、この手の不安は彼女の考えすぎによるところが多いのだが、他の女性達にも九峪がモテルものだから不安になるのもどうしようもない、彼女に比べれば自分が他の女に比べたら可愛げが無いと自分で思い込んでいるのだから。

この状態は拗ねモードの対極、不安モードとなって九峪に認識されているが、この状態に入るのも慣れている、大体九峪という優柔不断の男が明確に好意をあらわにして関係を築いたのはこの世界では清瑞が初めてである、清瑞が清瑞だから好きになったのだ。

こうなったらいつも通りの言葉を掛けるのが定型になっている。

いつも通りであるが、何時もどおりの儀式のようなものだが、それでもこの二人の間では交わされるような言葉。

「なぁ、清瑞。いつも言ってるだろう。お前が可愛らしいとか可愛らしくないとかそういうので俺はお前を好きになったんじゃないって。お前が清瑞だから好きになったんだよ。それにな、俺はお前が十分に可愛いよ。俺の清瑞」

そう言われて、いつも通りに清瑞は目を細めて九峪に見えないように微笑んで。

いつものように九峪の腕に両手を当てていた。


後書き。

久々に新作となる九峪の苦難シリーズ、異話、九洲騒動記。

九峪との女の子たちとの馴れ初めでも書いてみようかなぁと思って書いてみたりしていたのですが。

書いていったら清瑞中心に九洲での九峪と清瑞の間の話になりました、もしこれからも続くことでも清瑞を中心にして浮気を責めたり、珠洲を認めたりするような話の展開になると思います。

まぁ、本編では影が薄いといわれている清瑞を目立たせようと書いているようなものかもしれません。

因みにゲームをクリアしたのですが最初に告白を受けたのは清瑞でエンディングも清瑞で終わりました。

後ゲームをしていて不満なのはなんで魔兎族三姉妹ルートや魅土ルートがないということです、忌瀬がないのも残念です。

追記、最後の九峪軍は清瑞、兎華乃、魅土、織部でした。


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