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「鬼畜将ランス〜第22.5話 動き始める『炎』〜(鬼畜王ランス)(鬼畜王ランス)」

B-クレス (2005-05-20 15:34)


 ランスの出生の秘密が明らかになって三日ほどが過ぎ

 意外過ぎるほどに、ランスロット・バーコフの存在は第一軍にあっさりと受け入れられた

 その理由の一つは、第一軍の全員がレリューコフを信頼しているという事と

 古参の兵達は、レリューコフとアミランがどれほどランスロットを探していたかを知っているからだった

 今まで、偽者が何人も現れたが、そのこと如くを追い返し続けたという事実もあり

 レリューコフ自身がランスロットが本物であると宣言した為に、疑いなく受け入れたのだ

 また、ランスがリーザスの将軍であるという事と、ガンジーがゼス王であるという事実がわかり

 そのことでまた一騒動有りそうになったが・・・

 ガンジー自らのゼス王としてではなく、一介の冒険者として参戦したいという嘆願と

 リーザス軍のランスは、ヘルマンにおいても義将の代表格として見られていた為に

 王になるほどの実力を持った魔術師と、大陸でも屈指の将軍が味方になる方が得と考え

 無条件で、とまではいかなくても、かなり好意的に受け入れられたのである


 
 そんな中、ランスはパットン・アリストレス軍との連携作戦へと参加するために

 第一軍側にカオス(人間形態)、ガンジー一行を残す形で

 ボルゴZより、ウシ車で砂漠を横断していた・・・・


 「しかし・・既にボルゴZの囚人を引き込んでいたとはなぁ・・・

  父上を侮りすぎてたか・・・親父でも下手に油断すれば敗れるだけか・・」

 ウシ車に揺られながら、レリューコフ(父上)の采配に、ランスは感嘆の声を漏らしていた

 ランスが最も理想とする将軍はバレス(親父)であったが

 戦争前の地盤固めという点においては、レリューコフの方が勝っていると認識し始めていた


 「まぁ、俺達は元々は食えなくなったから盗賊になったやつの集まりですから・・・」

 「捕まった時は死を覚悟してたけど、仕事もくれるし、生活も安定しはじめたし

  レリューコフ将軍を恨んでる奴なんてボルゴZにはいないんじゃないかな?」

 そんなランスに、ウシ車の御者を務める兄妹、バウンド・レスとソウル・レスが話しかける

 「そうなのか・・・?だが、砂漠を通るってのはかなり危険じゃないのか?

  俺はまだ軍人だからしかたないにしても・・・・」

 「まぁ、確かに危険って事は否定はしませんが

  それでも、ウシ車を使わせてくれますし、給料も結構出るんですよ?」

 「そうそう、それに罪を問わないでくれるしね

  ボルゴZで待ってるだけだと、先にあるのは死をだけだし

  多少危険でも働けるだけ幸せって考えてる奴ばっかりだよ

  実際、家の馬鹿親父みたいな奴以外はほとんど危険な仕事に好んで就いてるみたいだしね」

 「それだけ、レリューコフ将軍に人徳があるという事か・・・」

 二人の会話に、ランスは深く自分の思考に入り込もうとしたが・・・・


 「あ〜・・・それよりも将軍さん、できたら後ろのお二人さんを止めてくれない?

  何か下手すればウシ車が燃えるか凍りつくかしそうなんだけど・・・・」

 ソウルの一言に、ランスは強制的に現実へと復帰させられた

 「・・・できるものなら、とっくに止めてるよ・・・」

 ランスは、そう一言言うと、頭を抱え始める

 そう、ランスとバウンド、ソウルの後方、ウシ車の後ろの方では・・・


 「ですから・・・兄様のお世話は私がしますので

  貴女はもう自由にしてもいいんですよ?」

 「断るわ、マスターの世話は私が引き受けるって言ってるでしょう?」

 絶対零度の視線を交わしながら、その背中には炎を背負っているアミランとジルがいた


 この二人が衝突し始めた原因は、たったの一つ、ランスが原因であった

 最初にウシ車に乗り込んだときに、ランスがマントを引っ掛け、少し破いてしまったのだ

 それを見たアミランが道具袋から簡易裁縫道具(布製品(篭手やマント等)を縫う為の物)を出そうとした時に

 ジルが『マスター、マントをお借りします』といいながら、ランスからマントを奪い

 アミランがフリーズしている間に、さっさと縫い上げてしまったのだ

 そして、ジルに縫われたマントを、ランスが再び装着した後に、アミランが再起動した


 「兄様!!その女性とはどういう関係なのですか!!マスターと呼ばせるなんて・・・!!」

 『マスター』発言が気になったらしく、アミランはランスに問い詰めるが・・・

 「いや、ジルが勝手に「マスターはマスターよ、何か貴女に不都合があるのかしら?」…」

 ジルが、何か気に障ったのか、ランスの言葉を遮り、挑発するようにアミランに返した

 しかも、ランスにサイレントマジックをかけ、話せなくするというおまけつきでだ

 「な・・た、確かに不都合はないですが

  それでも、兄様が人として誤った行動をしているのなら、家族として正す義務があります!!」

 「あら、じゃあ何も問題ないじゃない、マスターはマスターで私はマスターの『ドレイ』

  貴女にその事で何か言う資格なんてないわよ」

 「ど・・・奴隷!!兄様!!どういうことですか、説明してください!!」

 「いや、だからジルが勝手「説明も何も、そのままの意味よ」…!!」

 サイレントマジックが解けた瞬間に再び沈黙させられるランス・・・

 そんなランスを尻目に、二人の言い争いは段々と加熱していき

 冒頭のような修羅場を形成し始めていたのだ・・・・・


 ランスがそんな生き地獄を味わっている頃・・・・

 リーザスも、大きな動きを見せ始めていた・・・


 リーザス城 謁見の間

 「現在JAPANでは未だに混乱が続いており、殿が動くわけにはいかぬ為に

  某が代理として参りました、殿よりの書状は、ここに・・・」

 本田忠勝が、JAPANの現状報告の為に、リアに謁見していた

 忠勝が持っている書状をマリスが受け取り、マリスからリアが受け取った

 そして、リアはその書状に一通り目を通すと・・・・

 「長旅ご苦労でした、宿は既に決めているのですか?」

 「いえ、到着と共に城へと参りましたので」

 「そうですが・・・では、宿はこちらで手配しましょう

  明日には返書を渡しますので、今日のところは宿に泊まり

  長旅の疲れ、存分に癒してください・・・・マリス?」

 「はい、お任せください、リア様」

 忠勝の労を労い、マリスに宿を手配するようにリアが目配せをしたときに


 「ご報告します!!ヘルマンのレリューコフ・バーコフが書状を送ってまいりました!!」

 緊急用の伝達兵(魔法を使い、身体の能力の向上が可能な伝達兵)が書状を持って、謁見の間へと入ってきた

 「報告ご苦労様です、忠勝様、宿の場所は直ぐに伝達しますので・・・」

 「お気遣い無用、火急の用という事でありましょう

  某らのことは後でも構いませぬ、では、この度はこれで失礼いたす」

 その伝達兵の焦りと、リア達の表情を見た忠勝は、そう言うと、謁見の間から出て行った

 忠勝が出て行って間もなく、リアは伝達兵が持ってきた書状を受け取った

 そして、その書状にしばらく目を通すと・・・・・

             『グシャッ』

 「・・・マリス、全将軍に伝令をだして

  緊急軍議を開きます・・・・・・」

 憤怒の表情を浮かべながら書状を握りつぶし、マリスにそう声をかけた

 リアの怒りの表情を見たマリスは、珍しくも焦りながら、伝達を行っていった


 リーザスの現在いる全将軍が集まるまでにかかった時間は、僅か1時間であった

 ヘルマン国境付近にいるリック達も戻されたので、その時間が以下に脅威かはわかるだろう

 そして、全将軍が集まったところで、リアは口を開いた

 「ヘルマンのレリューコフからの書状について・・・・みんなの意見を聞かせて」

 そういうと、その書状を机の中央に開いた

 その書状を見て、将軍の反応は三種類に分かれた

 一つはリアのように憤怒、というよりも異様に加熱するグループ

 二つ目は、動揺はするものの、冷静に思考をしようと勤めているグループ

 三つ目は、元から表情を変えずに、思案し続けているグループであった

 「リア様、直ちにヘルマン侵攻の命令を下してくだされ!!

  このバレス、命を賭してでもレリューコフを打ち破って見せましょうぞ!!」

 最初のグループの代表格であるバレスが、そうリアに進言する

 「落ち着いてください、バレス将軍!!

  山脈越えの上でレリューコフの軍を破る事は容易ではありません!!」

 二番目のグループの代表格であるリックが、加熱しているバレスを諌める

 「リック将軍の言うとおりです、それに、書状が事実とは限りませんし・・・」

 三番目のグループの代表格であるエクスが、リックに続いて発言した

 「じゃが・・・そのような悠長な事では、ランスが取られるかもしれんのだぞ!!」

 ・・・そう、バレス達第一グループが異様に過熱した原因は

 書状に一言かかれていた、レリューコフの追伸にあったのだ

 書状の内容自体は、ランスに説明したとおりだった為に、かなりリーザス優位なのだが

 追伸に書かれていた一文・・・・

 『なお、貴国の将軍であるランス・プロヴァンスは儂の息子である事が判明しました故に

  我が軍の将軍として迎え入れ、用いさせていただきます』

 ランスが意図したものとはまったく違う形での名前の使われ方が

 今回の混乱を招いたのであった

 レリューコフからすれば、意趣返しのようなものである

 長らく探し続けていた息子が、リーザスの人間として生きると宣言したのだ

 年月を思えば仕方ないにしても、やはり実の父親としては面白くない

 そう思うと、ランスの養父であるバレスを少々からかってやりたくなった為に

 レリューコフは、そんな余分な一文をつけたのだった・・・・

 その事で、万が一リーザスと戦争になったとしたら、

 間違いなく息子はヘルマンの人間として生きざるを得なくなるだろうという野心と

 また、リーザス軍が攻めてきても防ぎきるだけの自信があったうえに

 リーザス側でも冷静に思考できる人間は残るだろうという読みがあったからこそ

 そんな余分な一文をつけたわけなのだが・・・・

 そして、レリューコフの読みどおりに、冷静な思考をする人間は残ったのだった

 「落ち着いてください、バレス将軍

  あのランス将軍がリーザスを裏切りと思いますか?

  ランス将軍は義に厚く、情に脆い所があります

  それはバレス将軍にも言えるところですが・・・・

  おそらく、何らかの理由あって、ヘルマンの戦争に介入せざるをえなくなったのでしょう

  ランス将軍は、必ずリーザスへと戻ってきますよ」

 エクスがそう言うと、加熱していた面々はその熱を冷ましていった

 エクスの言うとおりの部分を、ランスは間違いなく持っていた

 敵に対しては情の欠片も見せない時の方が多いのだが

 女、子供に関しては、異様に甘いところがあるのが、ランスなのだ


 「しかし・・・ヘルマンのこの混乱を放置するわけにもいけないと思うのですが?」

 「えぇ、確かにハウレーンさんの言うとおり、わざわざ放置する必要はないでしょう

  といっても迂闊に介入できないのも事実・・・・

  健太郎さんにシャングリラへ友好の使者としていってもらったとはいえ

  結果はまだ解りませんし・・・・」

 そう、エクスの言うとおり、健太郎はシャングリラへと使者として向かっていたりする

 何故健太郎が使者になったかというと・・・リアの気紛れである

 ちょうどシャングリラ側から、リア女王を宴に招きたいといってきたのだ

 しかし、リアはランスのいない宴になど一切興味がなかった

 とはいえ、大陸の中央に位置するシャングリラとの国交ができれば

 どれほど軍事的に、政治的に優位に立てるかもしっかりと理解していたのだ

 だから断るわけにも行かなかった為に、聖刀使いである健太郎を使者として送ったのだ

 選ばれた理由は、最近の健太郎の雰囲気が暗かった為であったりする

 もっとも、そんな健太郎を心配して仕事(宴)をわざと与えて気分転換をさせようとしたのではなく

 暗い雰囲気の健太郎がいるのは少々目ざわりという我が侭な理由だったりするのだ

 まぁ、流石に日光は美樹の精神的支えでもあるし、魔人と美樹の橋渡しをしている為に動けなかったので

 健太郎と、数名の共だけで、シャングリラへとむかっていたりする・・・


 「あの・・・でしたら、リーザスからの援軍では無い形で

  レリューコフ将軍に恩を売ってはいかがでしょうか・・・?」

 アールコートの言葉に、その場にいた将軍全員がアールコートの方を振り向いた

 「リーザスからではない援軍・・・なるほど、その手がありましたか・・・!!」

 エクスは、アールコートが言いたい事が解ったようで、しきりに頷いていた

 「あ・・・あの、その僕達じゃない援軍って・・・どういうこと?」

 理解できていないグループを代表して、メナドがアールコートに尋ねる

 「リーザスとレリューコフ軍、この場合は正規ヘルマン軍というべきでしょうが・・・・

  つまり、両国が結ぶのは不可侵条約であったとしても・・・

  リーザスにとっての同盟国、JAPANに関してはなんら言われていません・・・

  ですから、リーザスが仲立ちして、JAPAN軍を援軍として送る形にすれば・・・」

 「兵数の少ないレリューコフ軍にとっては、援軍は有難い存在のはず・・・

  しかしリーザスからは受け入れられなくともJAPANの軍なら受け入れられるだろう

  そして、受け入れられればリーザスへの借りができる・・・という事ですな?」

 冷静になったバレスが、アールコートにそう訊ねた

 アールコートは、そのバレスの言葉に、深く頷いた

 「・・・では、その作戦で行きましょう

  決して、ランス様をヘルマンに取られないように!!」

 リアが女王としての気品を出しつつも素で命令を下すと

 その命令に全将軍が頷き、次々と作戦実行の為にその場所から出て行った・・・


 こうして、再び戦乱の用意は整っていく・・・・

 場所的に他の軍を包み込む形のレリューコフ・アリストレス・パットン軍

 包囲陣こそしかれるが、兵数では上のヘルマン第三、四、五軍

 同盟国であるJAPANを動かす事で戦乱に介入する予定のリーザス軍

 要請を受け、猛将本田忠勝と、新たに加わった将を二名ほど加えた上で援軍を送るJAPAN軍

 戦乱の火種は既に整い、後は燃え上がるのを待つだけであった・・・・


 あとがき

はい・・・更新遅れて申し訳ありません・・・orz
本来一気にパットンたちと合流予定でしたが
リーザス側の動きを書こうとして、どんどん話を推敲するはめになり・・・
ここまで遅れてしまいました・・・実に申し訳ない
次回、ランスとパットンの合流、パットン軍たちの戦略についての話です
もうそろそろ、カラーの女王様+更なるオリジナル設定が出てくると思います
そして、オリジナル設定とともに、プランナーが何をランスに仕掛けたかも判明します
更新、元が夜間執筆だったのを昼間に戻しているせいもあってか
どうにも遅れまくりですが・・・・どうか気長にお待ちください
何故か永遠のアセリア+鬼畜将ランスネタが頭に浮かびまくった性もあるんですが・・(ぇ
なお、↑のネタを書く場合は本編後のような形にあるとは思います(ぉぃ
多分書かないと思いますが・・・今後の電波具合ではどうなるか・・・orz


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