風の聖痕 転生日記プロローグ 炎の王子転生す
天界、または精霊界と呼ばれる場所。
その一角にある池のほとりに四人の子供が集まっていた。(中身は百歳以上なのだが)
「それじゃ罰ゲームを発表しま〜す」
恐らく四人の中のリーダー格であろう、水色の髪の少女が手の中の紙を広げて見せる。
「今回の罰ゲームは、人間に転生してもらいま〜す」
「期限は体が死ぬまで。力はそのまま転生しても良いよ、可哀想だし」
「うん」
知的な雰囲気を持つ少年が少女の説明の補足をし、空色の髪の少女はボーとしながら短く返事をかえす。
「炎の王子様は力が無かったら、何も出来ないからね〜」
「転生先は神凪一族が良いだろうね。あそこは君の父上の加護を受ける一族だし」
「ふん。誰がそんな所に転生するか」
4人目の赤い髪の少年は、忠告を簡単に却下してしまう。
「父上の加護を良い事に、好き放題やってる一族だぞ。不甲斐無い父上に代わって俺が性根を叩き治してやる」
この少年の父の浮気が妻にバレ、妻から逃走を続けているのは公然の秘密なのだった。
「ふむ、面白そうですね。中からやりますか?それとも外から?」
「外からに決まってるだろ、土の」
土の、と呼ばれた少年は力を使い、少年に都合が良い転生先を探していく。
「その呼び方は止めてください。・・・ならここが良いでしょう。ここなら政界、財界に充分な影響力を持っている」
そう言って少年は自分を実に不本意な呼び方をする少年に、転生先の資料を渡してやる。
「ありがとな、土の。それじゃ罰ゲームに行ってきま〜す」
そう言い残し、少年は消えてしまう。
「さて、それじゃアイツがしでかすトラブルを楽しみますか」
「ええ。彼のトラブルを作る才能は、彼の父である炎の精霊王に匹敵しますからね」
二人は友が仕出かすであろう未来のトラブルを想い、心から楽しませてもらう事を誓い合う。
「アンタも土の精霊王の性格そのままだけどね」
「それは貴女もでしょう、水のお姫様」
二人は互いに皮肉り合うが、今だにボーとしている少女を見て。
「「まあ、こいつ(彼女)は風の精霊王そのものだけど(ですけど)」」
「うん?」
やっぱりボ〜としている少女だった。
まあそれは仕方が無い。彼女は眠りの女王と呼ばれる風の精霊王の娘なのだから。
「あ、どうやら無事に転生したみたい」
少女が力強く腕を振るうと、池には一人の産まれたばかりの男の子が映っていた。
そしてこの赤ん坊により、日本最強の炎術師の一族は散々な目に遭うのである。
あとがき
初めまして、ハネぽん と言います。
ここには初投降です。よろしくお願いします。
この作品、素人らしく勢いで書きました。ですので何と主人公の名前もまだ決まってません。まあ決まってないのは名称だけなんですが・・・
今後の勉強の為、皆さんのご指摘をお持ちしてます。