奥多摩市内。
そこにあるボロビルには、『元』英雄横島忠夫が相方、カオスと共に事務所を構えていた。
GSのように払うするのではなく、共存の道を探すための。
その他にも、異能力といわれる力に対する相談所を。
そして、依頼者が現れる。
ナは、紅尉春明…とない某高校の校医。その人である。
「久しいね…横島。いつ以来かな?
飛騨であったような記憶もあるけど」
そんな軽い挨拶を、男はいきなりしつつ入ってきた。
共に来たのは妙齢―とはいえ一見した感じのみ。実際にはどうだかわからない―の女性と、少々ひ弱そうな少年。
所長室のソファ。
拾ってきたもので弾力も存在しないそれに座っていたカオスが声を上げた「ほう」と、興味深げに。
「…で?痴話げんかの仲裁はごめんなんだが」
「伊庭君とは何の関係もない。レアゲームを差し出せばいつでも、という感じかもしれないかね。問題はこっちだ」
そういって紅尉が示したのは少年のほうだった。
彼から何かを感じているのはカオスだ。
過去の功績により若返った彼は知識を取り戻し、700年前。ヌルとの戦いのころの思考能力を取り戻していた。
その彼が異常に興味を持っている。
彼からしてみればかつて、魔法使いにも会っていることからこういうときに役に立ってくれる、と横島は正直頼りにしている様子で。
「…この少年を、どうしろと?」
カオスが顔を上げ、紅尉のほうを見る。
その視線は楽しそうで。
「暴走させれば世界が滅びかねん。
抑える方法を。できれば、妙神山で抑制してほしい。」
かつての女性たちから離れ、自分から連絡もたっている横島からしてみれば、少々困った依頼。
だが、妙神山というのが助かった。
あそこには多少なりとも、修行名目で赴いている。
管理人は、あくまで『姉弟子』だが。
ただ、この段階では…だれも気がついていなかった。
文殊により少年…式守和樹の魔力集中を紅尉が散らしてきたとはいえ、暴走を起こしかけてもいないことに。
ちょうどこのころに、表には炎…ではない。逆立った髪を見せつけながらビルの前に立つ少女+二名があった…
動乱は、もう少しで、始まるのかも、しれない。
前は過去ログ参照ということで。
遅れた理由としてはどっちにやったもんかと。
完全に混在させる予定なので…
少々またお付き合いのほどを、というかんじで。