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「小ネタ集(かりん、痕)」

テルヨシ (2005-01-17 20:32/2005-01-17 20:49)

こんな未来? その1


雨水健太は今刑事の職にある。
高校時代に一にらみでチンピラを追っ払った眼力は未だに健在で、捜査に十二分に役立っている。


そんな彼には不思議な所がある。
性格には彼が担当した事件なのだが、彼が捜査した事件の犯人の半数ほどが自首してくるのである。

犯人の中には今まで数十人だましてきた悪党もいたのだが、進んで自供するのである。
同僚・上司は不思議がっていたが、犯人が逮捕できるのだから特に問題にはならなかった。


「これが今度の分です」
そう言いながら雨水は一枚のメモを懐から取り出す。

「前回はあまり良いのがいなかったけど今回は期待出来るかしら?」
「どうでしょうか?」
「何時も悪いね雨水君。助かるよ」
「いえお互い様ですから」

雨水と話しているのはかりんの両親であるカレラ・マーカーとヘンリー・マーカーである。
そして彼等に雨水が渡したメモにはここ最近起こっている犯罪の容疑者の情報が書いてあった。


彼ら吸血鬼が吸血すると吸血された人間には変化が起こる。
カレラの場合は嘘をつか無くなる。
したがってその対象が犯罪者の場合、自分の罪を自白するのだ。


そういった訳で雨水は犯罪者の情報をカレラに教えていた。
本来なら守秘義務があり、雨水のやっていることは犯罪物なのだが彼らは人間でなく吸血鬼であり、悪用しているわけでもないので問題ないだろう。


カレラとしても自分好みの『破滅的な』嘘つきの血を探しやすくなり、ヘンリーも同様である。
そして雨水としても地域の治安向上になる。
皆が幸せになる刑事と吸血鬼の持ちつ持たれつな関係である。

こうして彼らの住む町の犯罪者がまた一人と減っていく。


こんな未来? その2


雨水健太は苦労の末奨学金を手にして医学部に入学、医術の道に進んだ。
旧姓真紅かりん、現雨水かりんはそんな雨水を支える為に看護学校に入学し、持ち前のドジを発揮しながらも何とか卒業し看護士の資格を手にした。

その後も色々あったのだが、雨水とかりんは開業して一緒に新たな生活を歩みだした。
雨水は「顔(目つき)は怖いけど親切て優秀な先生」、かりんは「ドジだけど優しいナースさん」としてそれなりに良い評判になっている。

母に苦労をかけない、そしてまっとうな人間になる。
そんな夢を雨水はかりん協力の下かなえられた。


「よう、青年とかりん。まじめに働いてるか?」
そんな雨水とかりんの元にかりんの兄である真紅煉が親しげに訪ねてきた。


雨水と煉は実は仲が悪かった。
だが今はあの当時が嘘のようである。

元論こんな煉の態度には訳がある。
その訳とは?


「今日は一人お願いします。後十分ぐらいしたら来ると思いますから」
雨水がそんなことを煉に言う。

「そうか」
それを聞いた煉は二人がいる診察室の隣にある部屋へと姿を消した。


そして約十分後。

一人の女性が雨水達の診療所を訪れた。
そして煉の入っていった部屋へとかりんと一緒に入っていった。


数分後


入ってきた女性は何やらすっきりとした表情で出てきた。
それをかりんは見送ると煉と共に診察室に入っていく。


「ご苦労様でした」
煉のそう声をかけ、かりんにお茶を手渡す雨水。
煉にお茶を出さないのは、彼ののどが今渇いていないのを知っているのと彼に人の味覚が無いからである。


「今日のはなかなか上手かった。いい具合にたまっていたみたいだな」
「彼女は姑さんと上手くいっていないみたいですからね」
「ドラマだけじゃないんだね」
雨水の母、文緒との嫁姑関係が上手くいっているかりんには彼女の話を聞いていてもピンと来なかったのだが。


さて煉が何を行ったかというと吸血行為をしたのである。
彼の血の嗜好は『ストレス』。しかも女性のみ。
今までは街でナンパし、所謂オトナな関係になりつつ吸血していたのだ。

一方雨水達がやっている診療所には勿論女性の患者がいる。
そして彼女達の中には強いストレスを抱え、雨水やかりんに治療の合い間に愚痴をこぼすのである。


それをたまたま彼等の所に立ち寄った煉に話し、現在のように彼が吸血し、それと同時に彼女達のストレスを解消していたのだ。
とはいってもストレスの源・原因が無くなる訳ではないのではあるが。


煉としては味の良し悪しはともかく定期的にストレスな血が吸え、雨水達は一時的とはいえ患者のストレスをなくすことが出来る。
両者の利害が一致し、煉は定期的に診療所に来ることになった。


言うまでも無いことだが患者に対しては煉が記憶消去・記憶操作しており、煉のことは『雨水達の診療所に定期的に来るカウンセラー』
という記憶になっている。


まあそんな訳でかりんと結婚したことにより、これまで以上に悪化していた煉の雨水への感情は百八十度変わったのであった。


「じゃあまたな」
煉はそういって立ち去った。
何でもこれからデートだそうだ(勿論お相手はストレスのたまった女性。一人ぐらいの吸血では満腹にならないようだ)。


そんな(義)兄に苦笑しつつ雨水とかりんは仕事に戻るのであった。


あとがき

いかがだったでしょうか?

私の知る限りかりんSSって見かけたことが無いので
「無いのなら書いてしまえSSを」
と思い書いてみました。


痕SS


「彼と彼女のその後」


あの彼らに深くかかわり、いろんなことがあった夏も終わりを告げ、いくつも季節が過ぎ去っていった。

柏木耕一は大学を卒業し、鶴来屋に就職し足立の指導の下、経営を学んでいる。


千鶴は鶴来屋会長として今もがんばっている。
就任当時は色々あったそうだが今では鶴来屋をまとめ上げ、名実ともに会長職をこなしている。


「耕一君と付き合いだしてから心の余裕ができたみたいで、もう私がフォローすることは何もないよ」
とは足立の弁。


千鶴曰く、
『耕一さんが柏木の鬼の力を制御できたことにより、今まで張り詰めていたものがとれ余裕ができた』
そうだ。

耕一はそういわれて嬉しかったが、同時に千鶴の実力なら会長職をこなすのも当然だと思った。


そういった忙しくも楽しい日々も過ぎ、千鶴の誕生日を迎えた。


この日のために二人してがんばって仕事をこなしていたので、二人そろって休みが取れた。

本来なら姉妹三人と一緒に祝うべきなのだが、皆から
「二人でデートでもしてくれば」
と言われたのでその言葉に甘えることにした二人。
ただし夕食兼誕生日パーティーは皆でやろうということになった。


そして誕生日当日。
耕一は千鶴と朝からいろいろなところに出かけてすごし、久々の二人の時間を楽しんだ。


家に帰る前に二人はあの水門に来ていた。

二人の始まりの場所だった此処で、耕一は千鶴にプロポーズをしたかったのだ。


「千鶴さん。俺と結婚してほしいんだ」
柏木の血を制御し、鬼を退治したときよりも緊張した面持ちな耕一。


「…はい。でもひとつだけ約束してください」
嬉しそうな、でもどこか今にも泣きそうな千鶴。

「何ですか」
「一分でも、一秒でもいいですから私より長生きしてください。もう…私の大切な人を見送るのは…耐えられそうにありません・・・」
両親を、その後色々面倒を見てくれた耕一の父も柏木の血の宿命で無くした千鶴。
彼女の心からの言葉であるだろう。


それに対し耕一は、
「…分かりました。でも5分ぐらいでいいですか? 俺も千鶴さんがいないのは嫌ですから」
「それくらいで…十分です」
目に涙を浮かべながら、それでも嬉しそうに微笑んで千鶴。


その後二つあった人影はひとつに重なった。
長い間その人影は重なったままだったという。


家に帰る途中、

「でも俺のほうが3歳年下ですから大丈夫でしょ?」
と冗談っぽく耕一が言うと、千鶴はすねた声で、
「どうせ私は年増ですよ」
と怒ったように言った。


「拗ねると千鶴さんって子供っぽくって可愛いな」
と耕一は思いながらも
「ゴメン。すねないでよ」
と言いながら千鶴さんを抱きしめた。


「いつもそうやってごまかすんですから。耕一さんは」
少し怒って口調で、でもしっかりと抱き返す千鶴。

「親父。伯父さん。伯母さん。皆で幸せになるよ」
耕一はそう改めて誓った。


いかがだったでしょうか?

これは『めぞん一刻』の五代裕作が音無響子にプロポーズしたときのものを参考にしていますので、あまり代わり映えしないかもしれません。
ただ、アニメ名シーン集でこの場面を見た時、千鶴さんと耕一でやってみたらどうかな、と思ったものでこういうショートSSを書いてみました。


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