「あんただって本当のこと見せないじゃん。
あいこだよね」
「え……!?」
もう、何ビックリしたような顔してんの?
「男の子だからって
がんばってばっか
いちゃってさ」
平気なフリしてれば誰にもわからないとでも思った?
でもね。
女って、そういうの何となくわかっちゃうものなの。
ましてや……。
私は普通の女の子じゃないのよ?
妖狐タマモなのよ?
「笑って
いいコにしてなくていいじゃん!」
そりゃあ私だって、あんたの笑顔は好きだわ。
だけど……。
「悲しいんだったらさ、
泣いたっていいのに……!」
私と一緒にいるときくらい、ありのままの自分を見せてくれたっていいじゃない。
「男のコでもさ……!」
今さらカッコつけないでよ。
あんたの男らしさは、もう十分わかってるから。
……ね?
「……!
〜〜〜〜〜〜!!」
はいはい。
ほら、こうやって私の胸の中で泣くのも、たまにはいいもんでしょ?
まったく。
ここまで言わなきゃ、自分をさらけ出せないなんて。
これじゃあ、当時を知る人たち――美神さんやおキヌちゃんの手には負えなかったわけだわ。
真友くんといい、あんたといい、男ってホントに不器用な生き物なのねえ。
これからは……。
せめて私の前では素直でいてね、ヨコシマ。
(完)
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あとがき
『横タマもの』ということで、こちらに投稿させていただきます。
この短さでも形態的に小説として認められること、また、既出のネタでないことを祈っています。