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「貴方のお答えは?(GS+一部DQのシステムのみ)」

チョーやん (2008-06-15 15:18)


 カラーン……カラーン……

 清々しい青空に響く鐘の音。

 白亜の建物の玄関から、同じく純白の衣装を纏った若い男女が腕を組んで出てくる。

 途端に起こる歓声。

 テープやら、紙吹雪が二人の頭上に舞い落ちる。

 そんな周りの人々の――多少やっかみも含んだ――祝福を受けて、
二人がお互いの顔を見つめ合い、幸せいっぱいの笑顔を浮かべあう。


 それは、いわゆる人生の終着駅とも言われる人の人生における一大イベント――


    ――結婚式であった――


『うわぁ〜。横島さん、あれなんですかぁ?』

 巫女服姿のおっとりした感じの少女――おキヌが、隣を歩く赤いバンダナをした少年――横島に質問する。

「ああ、あれは結婚式だよ、おキヌちゃん」

 質問してきたおキヌを斜め上に見上げながら、そう応える横島は、
彼女がみている光景――花嫁と花婿がキスをしていた――が眼に入り、
思いっ切り眉を顰める。

「くぅ〜〜〜っ! チクショウー!! いい女ゲットしやがってーー!!
やっぱり男は顔なんか? 顔なのかーーー!?」

 結婚式を挙げている二人の容姿は、正に美男美女の組み合わせと言えた。

 しかも花嫁の纏うウェディングドレスは、胸元が大きく開いたタイプであるので、
花嫁のプロポーションのよさを、これでもかと知らしめていたのである。

『キャ〜〜♪ こんな所で接吻だなんて……いいなぁ、幸せそうですねぇ〜』

「くそう! あんないいチチを……え? あ、あぁ、そ、そうだね、おキヌちゃん」

 穏やかな、しかし羨ましさを含んだ声で言う彼女の様子に配慮したのか、
それまで続けていた戯言を止め、付け足すように彼女に同意する。

『今の祝言ってこんな風に挙げるんですねぇ〜』

「まあ、こうやって教会で挙げる所もあるけどね。
どちらかと言えば、神社で挙げる方が多いんじゃないかな?」

 横島の言葉に、それまで式を挙げている二人に熱心な視線を送っていたおキヌが、
『そうなんですか?』と、横島の方を向いて尋ねる。

「まぁね。でも、ああやってヴァージンロードを歩く結婚式ってものいいよなぁ」


 この直後、横島はなんとはなしに言ったその言葉を後悔することになる。


『? “ヴぁーじんろーど”ですか? “ろーど”って確か道のことですよね?
この間テレビで言ってましたけど……横島さん――


――“ヴぁーじん”ってどんな意味なんですかぁ?』


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


                         貴方のお答えは?
                        〜幽霊おキヌ 冒険の書〜


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 固まった。

 何が? と問われても困るが、とにかく固まった。


 彼女の質問の直後に、『ビシッ!』という音が響いたのを聞いた気がした横島が思ったのはそれであった。

 一瞬、周りの景色ごと自分や空気までが真っ白に染まったのを感じた横島は、
冷や汗を全身にダラダラと流しながら、硬直した身体をなんとか動かして一歩、二歩と後ずさる。

「あ、うん……いや、まぁ、そ、それよりもさ! 確かお使いの最中だったろ? 俺ら。
俺は厄珍の所に御札とか引き取りに行くから、おキヌちゃんも食材の買い物済ませておきなよ!」

『ふぇ? あ、ちょっと横島さん!? 一緒に行くんじゃないんですかぁー!?』

 おキヌがそう言った時には、既に横島の姿は米粒ほどの大きさになっていた。

 相変わらずと言うか、見事なまでの逃げ足の速さである。

『もう! ちょっと聞いてみただけなのに……横島さんのイジワル! イッーーっだ!!』

 両手の人差し指を口の両端に入れて引っ張る仕草――文字通りの『イッー』を、
横島が去っていった方向に向けてすると、その後は手を口から離して身体の前に組む。

『私……そんなに変なこと聞いちゃったのかなぁ……』

 そうぽつりと呟くおキヌの姿からは、しょんぼりという表現がこれでもかというくらいに表れていた。

『あ、でも、結婚式に使われるくらいなんですから、そんなに変な言葉じゃないですよね?
そっか♪ 横島さんたら、意味も分からずに使ってたから恥ずかしかったんですねぇ〜』

 別の意味で恥ずかしかったから逃げたなどとは露ほどにも思わず、
おキヌは横島が去った方向を見ながら、彼を微笑ましく思っていた。

『そうだ! 知ってそうな人に聞いて、横島さんに教えてあげよっと♪』

 良い事思い付いちゃった♪ とばかりにそのままフワリと浮かんで商店街の方へと向かうおキヌ。

 どうやら買い物がてらに聞いて回るつもりのようであるが……

 その姿は、先程までしょんぼりとしていた表情を窺わせないほどに楽し気であった。


 尚、おキヌの言葉が聞こえたのであろうか、式場の人達――新郎新婦を含む――の、
真っ白になって止まっていた時間が動き出したのは、一時間後であったのを明記しておく。


◆◆◆


『ふぇえええ……なんで誰も教えてくれないんですかぁ〜?』

 おキヌが半ベソを掻きながら美神の事務所に戻ってきたのは、日もだいぶ傾いた時刻であった。


 買い物のついでに商店街の人達――懇意にしている商店の店主やその客――に聞いて回ったのだが、
どの人も満足には答えてくれなかったのである。


 ある店主は真っ白に固まったまま商品を取り落とし。

 ある客は困った表情を浮かべて『ほ、他の人に聞いてね?』と言って、そそくさと帰ってしまう。


 それならばと、帰り道に唐巣神父の教会に行ったり、横島の学校で愛子に聞いてみたり、
同じくお使いの途中であったタイガーに出会って聞いてみたりしたのだが……


 同じ教会の人なら当然知ってるだろうと思っていた神父は、
聞いた直後に『罪深い私をお許し下さい……』といきなり懺悔を始めるし。

 ピートは真っ白な灰……ではなく、教会内を漂う霧になってしまった。

 愛子は『ご、ごめんねぇ〜。ちょっと調べ物があるから……これも青春ね』と言って、
机の中に引っ込んでしまって出てこなくなるし。

 タイガーに至っては、『わ、ワッシは……ワッシわあああーーー!!』と叫んで暴走してしまったのだ。


 すっかりしょげかえってしまったおキヌを、事務所の意思である人工幽霊壱号が迎える。

『おかえりなさいませ、おキヌさん……どうされたのですか?』

『えっと……あ、ううん、なんでもないんです……』

 おキヌの様子を気遣って尋ねる人工幽霊壱号に事情を話そうと思ったのだが、
ここでこの事務所の意思である彼(?)にまで同じ対応をされたらと思い、
誤魔化すように取り繕った笑顔で答える。

『そうですか? オーナーと横島さんはまだ戻られませんが、何かお悩みでしたら私が伺いましょうか?』

『ううん、ホントになんでもないんです。ただちょっと調べたいことがあっただけなんです』

『そうですか……でしたら、オーナーの机にあるパソコンで調べられたらいかがですか?
今の時代、ネットというものがありますから、検索したい項目を入力すれば直ぐに分かりますよ?』

 おキヌの様子から何かあったのだろうと思い、気を使って尋ねたのだが、
そのおキヌの答えに、それならばと提案する。

『あ! そうですねぇ〜、ありがとうございます。調べてみますね』

 その提案に、その手があったとばかりに飛びついたおキヌは、早速パソコンの前に座り、
電源を入れて検索項目を入力していく。


 三百年前の幽霊である彼女だが、現代の便利アイテム――パソコンの使い方については、
以前、銀行強盗の霊を除霊する依頼を受けたときに美神から教わっていたのである。

 但し、その時の使い方は真っ当な……とは到底言えない代物であったが……


『ホント、便利な世の中になりましたねぇ〜……っと、後は検索をクリックして……』

 パソコンのモニターに検索した結果が出てくる。

 その結果を見たおキヌの反応は……


◆◆◆


「(ガチャ)た、ただいま〜『ふぇえええええええええん!!』って、ど、どうしたの!? おキヌちゃん!?」

 そろそろほとぼりが冷めたかな? と、そう思いながら戻ってきた横島であったが、
そんな彼を出迎えたのは、大声で泣き声を上げるおキヌの姿であった。

『あ! お帰りなさい、横島さん。それが、調べものがあるからと、ネットで調べられていたおキヌさんが、
この通り急に泣き出してしまいまして……』

 それまで泣き続けるおキヌを宥めていた人工幽霊壱号が、心底困った様子で横島に事情を話す。

「え? 調べ物ってまさか……!! あちゃ〜知っちゃったか〜」

 心当たりがあった横島は、パソコンの画面を見て思わず納得する。

『ふぇえええええええええええええええええええん!!』

 そんな横島に、おかまいなしに大声で泣き続けるおキヌ。

「な、なあ、おキヌちゃん。そんなに泣くことないと思うよ? うん、大人の階段を上ったと思えばさ」

 一応は慰めの言葉のつもりなのであろうか、戯言とも言える言葉でおキヌを宥めようとする。

『あ! よ、横島さん……だって、だって私、みんなに聞いて回っちゃったんですよぉ?
私、きっとふしだらな娘だって思われちゃってますぅ〜〜。ふぇえええええええん!』

 ようやく横島が居ることに気付いたようであるが、慰めの言葉も効果なく、また泣き始めた。

 そんなおキヌに横島も罪悪感を覚える。

 最初に自分が答えてあげていたら、こうはならなかったはずであるから。

「あ、あの、おキヌちゃん? そんなことはないと思うよ? 知らなかったんだからね?」

『そんなことないですぅ〜〜! もうこれでお嫁にも行けませーーーーん!!』

「お、お嫁って……」

 かなり動揺しているのであろう、そんな言葉までが飛び出してしまい、
横島は、もうどうしたらいいのか分からなくなってしまう。

『ふぇえええええええええええええええええええん!!!』

「あ、あのさ、おキヌちゃん……」

 もう横島の言葉も聞こえないのであろう、更に大声で泣き始めてしまった。

 そんなおキヌの様子に、横島も段々とテンパっていく。


『ふぇええええええええええええええええええええええええええええん!!』


「ああ、もう! お嫁さんなら俺が貰ってやるから!!」


『ホントですかぁ!?』


「あ……」

 言ってしまった後に、自分が何を言ったのか自覚した横島は、
しまったとばかりに困惑した顔でおキヌを見る。

『ホントですね? ホントですよね? 本当にお嫁さんに貰ってくれますよね!?』

 一方のおキヌは、ググッと横島に迫っていく。


 その顔は真剣そのものであった。

 眉を八の字にし。

 目には涙を浮かべ。

 口はキュッと、への字口になり。

 両手の拳をギュッと握り締めて顎の下に持ってくる。


 その姿、表情は、思わず抱き締めたくなるほど儚くも可愛らしかったのだが、
当の横島にとっては、人生の決断を迫られる顔でもあったのだ。


「う、あ、えっと……お、おキヌちゃん?」

『今更嘘だなんて言わないですよね? 本当ですよね?』

「ううう……」


 更に迫っていくおキヌと、決断を迫られる横島の様子を見ていた人工幽霊壱号は、
結界内にオーナーである美神が入ってきた事を感じ、
二人に美神の帰宅を知らせるべきかどうか、しばし悩むのであった。


 ゆうれいおキヌちゃんが、およめさんにしてほしそうなめでこちらをみている。


 およめさんにしますか?


  ≫はい。

    いいえ。


 貴方のお答えは?


 終わり。


 後書き。

 え〜〜……幸福大作戦を執筆しているはずの私だったんですが……
 「そういや、幽霊おキヌちゃんのSSって少ないよなぁ」と思った瞬間に、
ビビッと“でむぱ”を受信してしまいまして……(汗)

 一応、壊れ表記はしましたが、いらなかったかもしれませんね(^^;

 クロスの表記も必要ないだろうと思われたならご指摘下さい、修正します。

 まぁ、それはともかく……

 す、すいません! 出来心だったんですぅ!! (平謝り)

 思わず即興で書き上げてしまいましたぁ!!! (居直り)

 と、とにかく、執筆に戻ります! では、さらば!! (サササッ!)


 チョーやんはにげだした。


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