朝早々から疲れ果ててしまいました…
「マオ マオ 立ち上がるのです」
我輩が目を覚ますとそこには銀色主体として、赤の線が書き込まれたダイバースーツを着込んだ母上が…
「母上… そのような格好では容姿が赤裸々に…」
我輩一体どうやって育ったのでしょうか? 小龍姫殿よりも起伏が無いのです。父上は獣耳萌で無い胸萌だったのですね… いいのかなぁ… 昔はどうだったのだろうか? 現代とは違った倫理なんですがね。
などと自分の業をまざまざと見せ付けられた我輩なのですが、
「私は命を2つ持っています、地球の為にさぁ立ち上がるのです」
えっ? ひょっとして銀の巨人ネタですか?
えっ? このままテロップですか!?
『空想科学特撮番組
ネコトラマン』
そのままやんっ!>猫つっ込み
「にゃふーーーーーーーんっ!」
目を覚ますと、裏庭に面した渡り廊下の我輩指定の座布団の上。夢を見て気が付くとは、我輩が背負った業はすさましいものがありますなぁ… お気に入りの座布団が又鉄錆色に染まってます。
古代中国でばったり出会ってしまったあの二人、神と悪魔の悪戯としか考えられません。
流石に業が怖くなって、我輩の好みとは一体どんなのであろうかと、不意に考えてみたわけで。
顔は綺麗よりも可愛い感じがいいですなぁ。
身長は、そう、低い方が。
体つきは細身で華奢な方が。
胸、うむぅ~~~こじんまりとした。そう、片手ですっぽりと収まってえ…
…
………
………………
父上ぇぇぇ 恨み申しますぞ!
だから、だからなのか! 姫との婚約をすんなりと受け入れたのは…
だから、結婚まで心がうきうきとしていたのか!
う、う、うぅ
「大丈夫ですよマオ様… 私は貴方に気に入ってもらえるのであればあえて茨の道を歩きます。
牛乳を飲むのも控えます、豊胸体操もやめます。寝るときは上向きで寝ます。
だから心配しなくてもいいのですよ♪」
「そうです主様。お嬢様は頑張らなければばっちりと無い胸一直線です」
「去年から3センチしか育ってませんもの」
「隔世遺伝で曽祖母様にそっくりだそうですよ♪」
あ、ありがとう姫… ありがとう皆… 我輩、我輩、よごれ宝貝でもいいんだね。
「いいのですよ、前世でもこの世でも来世でも貴方好みの女になりますから」
「「「私達はお嬢様のフォローに回ります、4人もいれば大抵のスタイルはそろいますから」」」
あのぉーーー うきうきとサムアップされても困るのですが…
「さすが猫の嫁達だ、私はこの感動をどう伝えたらいいのか言葉にできぬ」
「義母さま…」
「「「奥様…」」」
「大龍姫様に嘆願だ。なに今すぐどうこうなるとは思っておらぬ。そなた達が16になった暁には…」
「「「「(ゴクッ)」」」」
あ、あのーーー 盛り上がっている所大変申し訳ないのですが。我輩の気持ちは反映されないのでしょうか???
縁側でじっとしているだけなのに込み上げる鉄臭い匂いはどうなのでしょうか?
母上からの一言で妄想空間に入り込んでしまった4人を見て。
我輩…
「ニャふーーーーーーーーーーーんっ!」
そんな涙をさそうような一家団欒(?)を横目で見ながら一家の大黒柱である横島は家族サービスに精を出していた。
奥さんである小隆起… 小龍姫には正月早々抜かずの>げふんげふん… を頑張った。
頑張ったんですよ、ええ、なにせ奥さんは武人であり龍神さま。 あぁ竜神さまなのである、失神させるまで頑張るのは横島以外では無理だろう。
だが、お子様であるちびメドちゃんには関係ないのである。大好きなパパが目が覚めたときからお休みまでいるのである。
抱っこしてもらったり、おんぶしてもらったり、みかんを食べさせてもらったり、ぱぱまうんてんに登頂したり。
とにかくハイテンションなのである。
大好きなパパの膝の上でお雑煮を食べているちびメドちゃんは、
「ねぇパパ? ねこポシェしゃんはしあわせ?」
実に答え難い質問である。
傍から見れば資産家の令嬢が婚約者であり、メイドさんがしかも3人。それも婚約者と喧嘩せずに仲良く好意を示している。
幽体ではあるが母親がおり、ハーレム状態でも笑顔を浮かべ推奨している。
「………… 幸せじゃないかなぁ…」
「しあわせだよね♪」
自分の丁稚時代を髣髴とさせる、死に急ぐ様な生き様に横島の目から熱い青春の汗が流れていた。
だが、忘れてはいけない。横島も小龍姫もねこポシェに迷惑をかけている事を。
特に横島。某変態仮面とか某蝶人とか。
今日も横島邸にゆったりとした風が流れる。
知らず知らずの内に生贄になっているねこポシェの吐血を効果音として。