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「初夜(GS)」

ししぃ (2007-09-19 10:42)

 喉の乾きに応じるように、唇を求める。
 熱いと感じるほどの侵入に全身が触発されていく。
 吐息すら吸い込まれ、意識に軽い空白が刻まれる。
 唾液の立てる音が頭の中で響く。
 強く意識しなければ呼吸すらできない、快楽。
 ただの口づけだと理解しながら、生まれてはじめて味わう絶対の感覚に意識は侵食されて
いく。
 恐怖と紛うほどの魂の震えが、彼と体温を交している全てから広がっていく。
 不安になる程の鼓動に全身が汗ばんでいく。
 ……こんなに求めてたんだ。
 肩から背中へと降りていく彼の指先に操られながら、想う。
 重ね合わせて過ごしていた時を。
 そして今、応えてくれる優しさを。
 指はやがて乳房へと巡り、ゆっくりと離された唇から垂下する二人の唾液が浴衣の胸を
汚した。

「止らないっすよ?俺」

 それが最後の機会であるかのように見つめる瞳。

「とめない、で?」

 潤む瞳でやっとそれだけを口にして、体重を彼へと寄せていく。あたしにとっての止める
機会などとうに失われていたのだから。
 ただ当てられていた彼の親指が薄い生地の上から固く隆起していた乳首を刺激する。

「あうっ、ひっ、くっ」

 優しい緩やかな愛撫すら、今は残酷な程に鋭利だった。

「まだまだっすよ」

 些か嗜虐的な意図も含みつつ、彼は包み込むように当てた手に力を込める。
 小さく円を描くように動く指から刺激はあたしの全身から力を奪っていった。
 微かに落ちた腰を彼のもう一本の腕が支える……捕まえる。
 彼の掌の温度が作り出した細く熱い棒が胸から腰へとあたしを貫いて全身を軽く痙攣
させた。

「下着……つけてないんですか?」

 波打つように繰り返される彼の左手からの刺激。
 自分の中から溢れていく快楽が内股をトロリと流れていく。

「零れてますよ」

 軽く続く彼の囁きはいつもの二人の関係からは有り得ない程に意地悪で、徐々に裾を手繰り上げて直に伝わる指先は有り得ないほどに巧妙に思えた。
 後ろから中指が会陰を擦る。

「よ…う、あっん、くっ」

 名前を呼びたかった。全身を包む快楽の源が肉体だけでなく心から来ていることを知っていたから、言葉にしたかった。
 けれど、それを拒むように。彼の指は激しさを増していく。
 出会ってからの年月は、二人を限りなく近づけたけど、同時に高い垣根でもあった。
 それが、こんなに、簡単に……
 蕩ける刺激を受けながら、今日、踏み出した勇気と今まで踏み出せなかった臆病さを想う。
 荒い息を耳に受けて強く瞳を綴じたあたしの体は彼の動きに合わせて、布団の上に横たえられた。
 そして再びの口づけを。
 目を開けて、見つめれば長いまつげ。
 視線は一縷にあたしの胸へと伸びていた。

 除霊の帰りに寄った宿。
 縁もしがらみもないこの場所が、はじめてになるなんて……十代の頃の夢や理想と違い
過ぎるけれど、思い描いた物よりもずっと幸福である気がする。
 心に僅かに浮かぶ罪悪感すらも、背徳な快感となって全身に震えを疾らせる。

「くっそ、ええ乳してやんなー」

 あまりに下世話な呟きに引き戻されて、思わず手が出た。
 後ろ頭を叩かれて、あたしに覆い被さっていた彼の頭はたった今、称賛したばかりの
乳房に埋められる。
 予想した衝撃はなく、殴った腕に込めた力とは別の力で胸をくすぐる彼の唇。
 意地悪く音を立てて先端を舐る。

「あんたよく、シリコンって言ってくれたわよね」

 彼の首に手を回して、押さえ付けてみる。
 心臓から拡がる波紋。

「疑い、晴らして、よ、ね」

 言われるまでもなく、と乱暴に思えるほど強くあてがわれた手が荒々しく捻りをくわえて
いく。

「疑ってなんかいませんけど……お言葉に甘えて」

 引きながら、押しながら。
 握られ掌を零れる波。
 呼吸を阻まれ、大きく息を吸い込んだ唇に彼の髪が当った。
 温泉から上がったばかりの濡れた髪。
 少しクセがついている。
 名前を呼んだ。
 いつもより小さな声で。

「もっと、好きにしていいわよ……あたし、よくわからないから」

 言葉は発されてから思考が追いつく。
 意味を理解して耳を染めるのは言った当人だけれど。

「くはっ」

 言われた相手も少なからぬダメージを受けてしまったようだ。

「やばいから、んな可愛い事言わんでください!!」

 指先に込められた力。
 震えていて。
 胸から想いが流れ込んでくる。

「めちゃめちゃに、したくなる」

 泣きそうな表情で彼は笑い、そして、乱暴に腕の動きを早めた。
 僅かに苦痛が勝り、眉間に力が入ってしまう。
 夢中な彼は気付かない。
 声を押し殺してその姿を見れば、肉体の苦痛はもう苦痛ではなかった。
 彼の欲望を満たせるという喜びが感覚を凌駕する。
 全てが未知で、全てが願いだった。

「……めちゃくちゃに、され、たい」

 そんな言葉は普段の自分と違いすぎて。
 あたしは怖くなる。
 彼の前でだけ引き出される自分。
 弱々しくて。
 臆病で。
 それでも、ずっと隠していた最後のカードを切ってしまった今は、今だけは。
 大丈夫な気がして、言葉が漏れていく。

「……すき」

 彼の動きがまた止まった。
 併せられた掌から伝わる体温だけがジンジンと伝わる。
 不安。
 あたしを好きと言ってくれた彼はこんなのを望んでいないのではないか。
 もっと、いつものように振舞うべきなのではないか。
 そんな刹那の思考も、彼の荒い息が肌を流れただけで容易く、剥がされていく。

「俺もです」

 視界には彼のいつになく真剣な表情。
 バンダナが無いせいかいつもと印象が少しだけ違う。
 あたしは彼の頬に手を伸ばし、そして引っ張ってみた。

「ひへへ、はにひまふか、はんはっ」

 いきなりの理不尽に、彼は叫び、印象のギャップはすぐに埋まった。

「夢かな、と思っちゃった」

「自分の頬でやって下さいよ」

「やーよ、覚めたくないもの」

 指を彼の頬に。押し込む、今度は痛くない程度。

「俺が目覚めちゃったら、どーしてくれるんですか」

 これが貴方の夢なら、それでもいい。
 そんな想いは言葉にしなかった。……さすがに恥かしい。

「くっそー、覚める前に味わい尽くしちゃる」

 照れたように笑いながら、彼は両手で乳房に掴み掛かる。
 強く、より強く。
 彼の存在から与えられる何かに増幅された感覚が、もっと、と、左手を下半身へと導い
ていた。
 重なる波紋に熱を帯びた場所に指を当て、押し込む。
 自分自身の行為なのに、突然の刺激。
 胸のリズムを追いかけようとして。
 意地悪な彼の右手があたしを停止させて。

「だめっすよ、……おいたしちゃ」

 腕をつかみ、しどどに溢れた蜜が付着した指へ彼は唇を寄せる。
 中指を舐りそのまま手の甲へ。
 唾液が僅かな空気の流れを感じて、熱に犯された全身の中で唯一の現実感を作り出した。
 ……一瞬だけ。

「ィアゥ!!」

 停止したあたしの左手の代わりに彼の指が、刺激を再開させたから。
 先ほどまで乳首を弄んでいた指先が同じように捻り、抓む。
 腫れ上がり、ただ鼓動を繰り返していたそこは、強すぎる刺激を受けて全身を席捲
していく。
 視界が朱に染まり、ただ一つの感覚に全てが塗り替えられる。
 指は続けて回りをうって変わって弱い力で擦りはじめる。
 くるりと弧を描くたびに腰がヒクつくのが判る。

「や、いゃぁ」

 怯えていた。
 心の一番深いところで眠り続けた何かが。

「いじわる、だよ」

 涙が零れる。

「しらなかったんすか?」

 応えながら、彼は手を止めない、
 心臓の上へと、顔を近づけていく。
 音となって聞こえる鼓動。
 弱く、強く。
 彼が望むままに動かす指は気まぐれで、支配された呼吸が漏れるたびに薄れていく世界。
 甘噛みというには強く、歯が乳房にあたる。

「うぅっ」

 拡散していた意識が、痛みに集約する。
 唇は乳房をそのまま吸いつくすほどに。

「や、ぁ、つよ、すぎ」

 必死で発した声は二人を高める以外の役には立たなかった。
 息を詰めた刹那、残酷に、優しく、彼の指が侵入していたから。
 鼓動に同期する痺れを残して、乳房から顔を上げた彼は小さく笑みを浮かべる。

「あつい、ですよ」

 泣きたいような衝動と恥ずかしさ。
 もう、気持ちよさなんてわからない。
 ただ彼を感じることだけしか出来なくなる意識。
 間近な荒い息。
 火傷のようなヒリヒリした感覚が彼の指から全身へと広がっていく。

「ほら」

 彼は鼓動を十ほど数えて、中へと分け入った指を廻しながら、折り曲げる。

「やっ、やだ、やだ、やっ」

 呼吸すらままならない意識の混乱は、鋭敏過ぎる刺激に凝縮される。

「ひっぅ、あ……う」

 続けられる膣への刺激だけに奪われていく意識。
 細かな動きに削られていくような恐怖を呼び覚ます。
 彼を求めて腕が動いた。背中を捕らえて、指先に力をこめる。
 少しだけ高い体温。
 硬い筋肉が強い脈動を伝える。

「大丈夫ですね?」

 あたしが奏でる音を確かめた声は嬉しそうで。
 いじわるな言葉。
 睨めつけることもままならず、肩甲骨にかけた腕を引き寄せて唇を求める。 
 圧迫される胸。
 乱暴に分け入る舌。

「そろそろです」

 唇と指が離れれば、追いかけてしまうのはうのはあたしの方だった。
 目を開ける。
 照れて笑う表情。
 非現実的にすら思えた世界の中で、唯一いつもと同じに思える笑顔。

「浴衣、汚しちゃう」

 無防備すぎる自分が不思議だった。
 なにも知らず怖がっていた心が彼を待ち望む期待に入れ替わっていく。

「もう、遅いっす」

 かろうじて袖だけが通っている藍色。
 苦笑する言葉にそれを意識して。
 深く息を吸う。
 馴染んだ彼の匂いが誇張された空気。
 喉の奥がカラカラに乾いていた。
 口付けで交じり合った唾液を嚥下する。
 木目のはっきりした天井。
 和紙の張られた蛍光灯のカバー。

「力抜いてください」

 膝が持ち上げられて、彼のモノが押し当てられる。
 ジリジリと伝わる熱。
 ゆっくりと吐き出したあたしの呼吸に合わせて。
 彼があたしに分け入ってくる。
 ぷつ、と小さな音、そして痛み。
 耳鳴りが響き、息が喉から流れ出る。
 拒絶する言葉が出そうになった口を閉じて、彼に廻した腕に力を込めた。
 脈動する彼の塊は痛覚を刺激して、ボロボロと涙が零れ落ちた。
 傷口をゆっくりと進む彼を感じる事だけに集中する。
 いつのまにか噛んでいた唇から、血が流れていた。
 その匂いは、きっと今彼を包んでいる匂いと同じで。
 ジクジクと痛みが鼓動と同期していく。
 慎重に。
 必要以上に傷をつけないように、彼はあたしに近づいてくる。
 視線を向けると重なった瞳。

「やっと、ね」

 言葉が自然と漏れていた。
 出会ってから、感じてから、認めてから。遠かった日々。

「熱くて、痛い……けど、嬉しい」

 汗と涙でぐちゃぐちゃな顔を拭う。
 右手を彼の腕にからめる。
 視界には優しい苦笑い。
 言葉とは裏腹に優しい指先。
 あたしの髪をなでて、頬に唇をよせる。

「あたしが初めてだっていうの、驚くかと思ってた」

「いやまあ。……ちょっとは。でもまあ、俺しかおらんだろ、と思ってましたし」

「なによ、それ」

 どくどくと脈打つ下半身の杭。
 限りなく近づいたのに、いつものままで。
 心は既に奪われていたのだ、と自覚してしまった。

「でもいいわ。なんだか幸せだもの」

 微笑んでみる。
 ちょっとひきつってる。痛いし。
 でも、いいや。きっと伝わってる。

「つらく、ないですか?」

 首を振る。
 気持ち良いって言ったら多分、嘘になる。
 けれど痛みは苦ではなかった。

「じゃあ……」

 言葉に押し出されるように、持ち上げられる腰。
 鋭角な痛みが一瞬伝わったけれど、それは指先に力を込めて意識から遠ざける。
 ゆっくりとした動き。
 痛みの中にじんわりと何かが混じりこむ。
 刺激に反応して動く腰は自分の物ではない気がした。
 じゅぶじゅぶと音を立てる結合部。
 加速していく彼の動きにあわせて太ももを液体が流れていくのを感じた。
 呼吸に音が混じる。
 ぐらぐらと意識が揺らされる。
 裂傷を行き来する熱から逃げるように、あるいは求めるように動いてしまう腰。
 いつの間にか結合部に当てられていた彼の指が、軽くつまみ、痛みに重ねるように
鋭利な刺激を連ねてくる。

「ひ、ん、くぁう」

 体の奥から突き上げられるなにかに声が漏れた。
 全身が爆ぜるような熱さに侵されて、力が抜けていく。
 長い空白が体に埋め尽くされて感じるのは彼の存在だけだった。
 突然過ぎて。
 困惑していた。
 彼は、あたしに何が起こったのかわかっているようで、動きを止める。
 湿った音を立てて引き抜かれるたかまりはまだ直立したままだった。
 破瓜の色に染められたそれは、あたしの中に入っていたとは思えないほど大きくて。

「……まだ、じゃないの?」

 痛々しい程に脈動する彼はまだ達していないのは明らかだった。

「いや、いいす。今は……気持ち良くなって貰う方が嬉しいから」

 むしゃぶりつくように胸へ。
 背中を降りていく指と、おへその周りを舐るように動かす指。
 生意気な言葉に返せるような経験はなくて。
 あたしの空白に明確すぎる快楽が当てはめられていく。
 肉体の劣情に喚起されるように満たされていく心。
 好き過ぎて、どうしたらいいのかわからない。
 そして、そんな戸惑いすらも見透かすように。
 絶え間ない刺激が続く。
 乳房から、お腹に。
 味見をするかのように這いずる舌に支配される。

「ちょっ、や、汚いわよ!」

 意図を感じて、思い切り反り返り頭を床にぶつけてしまう。
 フトン越しとはいえ結構な勢いで、一瞬混乱。
 それから。
 怖いほどの。
 快楽。

「ひうっ」

 当てられた唇、軽く歯を立てて舌が無尽に舐めまわす。
 なくなっていない痛みも全てがその感覚に集約する。

「や、やぁっちょっやっめっ」

 指が同時にひだをつまみ、ひねる。
 湿った音と波打つような刺激。
 痛みを吹き飛ばして。
 腰がビクビクと動く。

「んっ、ああっや、だめぇっ」

 逃れるために足を動かしても、抱え込まれて動けずに。
 心の奥に膨らみつづける真っ白な塊が恥ずかしさを飲み込んでいく。
 経験が無い事が不安になって、一人で触ってみた事もある。
 ……あんまり気持ちよくなくてそんな程度なんだって、思ってた。

「あっあうっふ、く、ん……」

 彼がいるだけで、それだけで。
 違いすぎる行為。
 指に、舌に。
 繰り返し舐られ、抵抗出来なくなっていく。
 呼吸すら困難な圧倒的な快感に流されていく。

「……う、はう」

 全身が蕩けるようにぼやけて悦を伝える点が刺さり、消える。
 膣に差し込まれた指は小さく揺らされ。
 唇と舌と、時折歯が蠢いて、不規則に波を呼びつづける。

「い、あ、あぁっ――」

 刺激が全て体の中に吸収されて。
 心だけの存在になってしまったような、透明な時間。
 ぼやけた視界の中には優しい意地悪な、微笑みが入ってくる。

「……いじわる」

「不満だったすか?」

「ばか」

 体を起こして彼の首に抱きつく。
 太ももには彼のこわばり。

「このままじゃ、ダメよね」

 キスを交わして、彼のソレへと手を伸ばした。
 血の独特のべたついた感じ。
 思ったよりずっと硬くて。
 指をまわせば伝わる熱さ。

「うぉ?!」

 躊躇いを押しのけて、唇をたかまりへと寄せていく。
 あたしと彼の交じり合った匂い。
 舌を伸ばす。
 唾液が粘ついた音を立てる。

「あんたも、ね」

 ドク、と脈動する。そして痛々しいほどに強く隆起していく。
 知識でしか知らない行為は彼に快楽を与えられるのか。
 恥ずかしさに染まる意識が、動きを早めていく。
 舌に乗る味。
 美味しいわけじゃない。
 でもなんでだろう。
 ……嬉しい。

「気持ち良くなって欲しい」

 さっき噛んだ唇に少しだけ沁みる感じ。
 リズムを取るようなビクビクとした動きを指で押さえる。
 膨張した状態のソレは、思っていたものよりずっとごつごつしていた。
 成すがままに尻餅をつくように彼が崩れていくのが少し可笑しかった。

「い、いいんすか?」

 少し躊躇するような彼の言葉に応えると、決意が止まってしまいそうで。
 あたしは軽く頷いて、先端を口に含む。
 声と音、そして匂い。
 彼から発せられる全てに朦朧としながら見上げると上を向いている彼。
 こっちを向いて欲しいという気持ちと、見られてなくて良かったという安堵。
 舌先には意外に複雑な形が当たる。
 唇の熱さ。
 口を遮る息苦しさ。
 唾液が粘ついた音を立てる。
 強い脈動。あたしの心臓の音と重なり、すれ違い、早まっていく。
 目を閉じる。
 遮断された視覚は全身の感覚をハレーションに変換していく。
 ドクン、と口の中でこわばりが大きくなる。

「やばっ」

 掠れた声。
 腰を引こうとするけれど立て膝のままではへっぴり腰になるだけで。
 喉に舌に広がる苦み。
 少しだけ、嚥下してしまう。

「す、す、すいません」

「ちょっと、びっくりした」

 飲み込む方が喜ぶって誰かから聞いたけれど、舌の上の違和感は飲み込めそうも無かった。
 ティッシュを取って、出す。
 彼は脱力して蒲団の上に倒れこんでいた。

「あかん、俺今夜死ぬんやろか」

「なによ。それ」

「いや、イタリアのマフィアは……」

 放っておくとまたしつれーな事を口走りそうな彼の腕に抱きついておく。
 胸に当たる肩の筋肉。
 細身なくせに力強い。
 顔を向けた彼に微笑めば、繋がる心。
 乱暴に唇を併せて彼は一瞬複雑な顔をする。

「なんか、エグイ味っすね」

「あんたの味よ?」

 舌を絡める。
 音が思考をかき乱す。
 願い事を耳元にささやいて。
 初めての夜はまだ深くなっていく。


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