『オレはいつまで俺でいられるんだろうな・・・。』
道化の仮面
ハァ・・ハァ・・ハァ・・ハァ
暗闇の中、一人の女性がが息を切らせながらも必至で走っていた・・・
まるで何かから逃げるように
(アレは一体ナニ!!どうして私が・・・・!!)
『オニゴッコ、タノシカッタ?』
何処からともなく聞こえてくる声
「!!・・・・・ど・どこ!」
あたりを見回す女性
『クスクスッ、ウ・シ・ロ。』
バッ!!
女性が振り返るが何も居ない
『ナ〜ンテネ』
「どこ・・どこなの?どこなのよーー!!」
『ソウソウ、ソウヤッテオビエテクレナキャ・・・』
声に恐怖する女性と、その恐怖を悦ぶ声
『ボクノチカラヲ、タカメルタメニ・・・』
『アノ“マジンゴロシ”ヲ「俺をどうするって?」コロ・・・!!』
声をさえぎる新たな声とともに現れた少年は
「もう大丈夫ですよお嬢さん。この後あいてますか?」
女性をナンパしはじめた
「え?ええ!!」
「大丈夫!極楽まで案内しますよ!!」
展開についていけない女性とナンパを続ける少年
『ボクヲムシスルトハ、ズイブンヨユウダネ“マジンゴロシ”イヤ・・』
『ヨコシマタダオ』
忌々しげに呟きながら闇から異型のモノが現れた
その姿は、馬のような顔と首、蝙蝠の様な羽、太い尻尾に蹄のついた二本の足で歩いていた
「ひぃ!!」
その姿に先ほどまで忘れていた恐怖を思い出す女性
「へ〜、ニュージャージーデビルって都市伝説だと思ってたんだがなー。」
『ホオ、ボクノコトヲシッテイルノカ?』
「いや、昨日のTVでUMA特番してたから・・。」
『・・・・・・・・マアイイ、ココデシンデクレナイカ?』
「ん〜・・・ヤダ♪」
なんとも締まりのない会話をする二人と一匹
『ソウイワズニ・・・シネェェェーー!!』
「うわっと!!危ねえじゃねえか!」
『ウルサイ!!』
「くっ!仕方ない、お嬢さんちょっと待っててくださいね!!」
「あ・・は・はい。」
襲い掛かる異型から逃れ女性の安全を確保する横島
「さてと、続きをはじめようか。女性を待たせてるんで手短にな。」
『スグニオワルサ、キサマノシデナー!!』
「遅えよ。」
戦場に一陣の閃光が奔る
『バ・バカナ!コンナハズデハ・・ハナシガチ・ガ・・ウ・・・』
「極楽に行ってこい・・・。」
体が上下にずれ崩れ去る異型と、右手に霊波刀を纏いどこか哀しそうな横島
「あ・あの、ありがとうございました!」
異型が消滅するのを確認すると女性が駆け寄って来た
「いえいえ、俺にも関係ある事でしたから。」
「で・でも、そうだ!これから何処かへ行きません?さっきも誘ってもらったし。」
「いえ、それはできないんっすよ。」
「え?それはな「お前はここで死ぬからな。」ぜ・・!!」
女性の言葉を横島が遮ると同時に女性を栄光の手が貫いた
「な・・・・イツカラキズイタ?」
すると女性は先ほどの異型と同じモノへと変異した
「最初に言ったろ、極楽まで案内するって。」
『・・・クソッ!アトスコシダッタトイ・ウ・・ノ・・・ニ・・・』
崩れ去る異型を見ながら横島は思う
(アイツを守れずに手にした力で、ナニかを殺す・・・。)
(アイツ望んだ俺は、そんなことはできなかった・・・。)
(アイツのためにもオレは道化の仮面をかぶろう・・・。)
「オレはいつまで俺でいられるんだろうな・・・。ルシオラ?」
完
あとがき
どうも、kumaです。
私なんぞの作品を待っていてくださる方も
いらっしゃるとのことですので、少しでも
勘を取り戻そうと、リハビリのための作品
を書き手見ました。
以前書いていた物も、できれば書いていけ
ればと思っております。
また、お会いできれば幸いかと・・・。