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「紅の一族その1(GS)」

三四郎 (2007-06-22 17:01/2007-06-22 17:39)

「西暦200X年、うん間違いない」
少年が新聞紙を広げて言う。
「やったータイムトラベル成功〜」
とこちらは陽気な感じの少女。

「・・・・・・」
そして無言の少女が一人

「じゃあこの時代にお父様がいるのね」
「ああ・・・」

「・・・・・・・」
「ほらっ美樹ももうちょっと喜びなさいよ、私たちのお父様の時代に来たのに」
「・・・・・・別に・・・父になど会いたくない」

美樹と呼ばれた無言少女がやっと口を開く

「まぁ気持ちはわかるな、俺も親父にはあまり会いたくないし」

「天十(てんと)までそんなこと言う〜〜」

「・・・・・・瑠璃が喜びすぎるのよ」

「うう・・だってタイムトラベルだよ!もしかしたら失敗して次元の彼方に行っていたかもしれないんだよ?」
陽気な少女瑠璃。父に会うことも嬉しいが時間移動に成功したことも喜びのようだ。

「俺が居るんだ、そんなことは無い。」

「まぁたいした自信だね、ついこの間なんて空を飛んでいる時、落ちたのは誰だったかしら?」
「あれは、お前が背中で騒ぐから」
「騒いでないもん「絶景かな絶景かな〜」て言っただけだもん」
「な〜にが「だもん」だ!それに俺の背中の上に立って石川五右衛門の殺陣をするのを「だけ」とは言わん!!」

「・・・・・そろそろ行こっ・・・ギャラリーも増えてきたようだし」

天十と瑠璃が漫才(?)してると美樹がボソっと言う。


「「ギャラリー?」」

見るといつのまにか周りは人だらけ。

中には何かと勘違いしオヒネリまで投げる人までいる。


二人は脱兎の如く(美樹はボーとしているので引っ張って)その場を去る。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さて・・・・所変わってここは毎度お馴染み〜ちり紙交換・・・じゃなくて美神除霊事務所。

「なんですって、横島君が行方不明!?」

そう言ったのは美神令子。一応(?)ここの所長で横島忠夫の師匠である。
まぁ師匠と言っても本当の師匠は小竜姫で美神は安い賃金で横島をこき使っているだけなのだが。

「なんですって?作者、もう一回言ってごらん」

あら?気に障った?じゃあこんな紹介は。

えーーこちらに居るのがでんな、美神令子ちゅー守銭奴でおます。いやーワテも色んな守銭奴見てきましたが、こちらほどエゲツナイ女は居ませんで、あっそこのおねえちゃん、この人アンタの雇い主らしいがこんな女になったらあきまへんで。ほなサイナラ。


と言って怪しい関西人は去っていったのでした。彼は何処に言ったって?恐らく世に守銭奴が居る限りまた現れるでしょう。


「て終わってどうする〜〜〜」

「美神さん何さっきから独り言言ってるんですか?」

「あう・・・わたしじゃなくてナレーションが・・・・」
「そんなことより大変です、横島さんが行方不明なんです」

「なんですって、横島君が行方不明!?」

「美神さん、そのセリフはさっき言いました」

「ああ、そうだったわね、それより詳しく聞かせて」

「はい、私とシロちゃんが横島さんのアパートに行ったら」

ぽわんぽわんぽわん(回想シーンの音)

「先生〜〜〜〜サンポサンポに行こうでゴザル〜〜〜」
自称横島の一番弟子、人狼族の犬塚シロはけたたましくドアを開ける。


だがそこに愛しの横島は居らず。

「先生〜先生〜何処に行ったでござるか〜隠れてないで出てくるでござる」

シロは天井からゴミ箱まで探したが居ない、すると遅れることワンピースを着た少女が。

「はーはーもう〜シロちゃん、もうちょっと遅く走ってくれてもいいじゃない」

息切れして入っていた少女は氷室キヌ。元幽霊で今は六道女学院の女子高生。横島には密かに想いを寄せている少女だ。

「あれ、シロちゃん横島さんは?」

そこにあるのはいつも散らかって居る部屋とは対照的にキチンと整頓された部屋。少々シロが暴れたのでまた散らかってしまったが、所々掃除をした跡がある。

「まからないでごひゃる、せいぇんしぇいはせっひゃをおいへとこはへいってしまっはでごはる」
別に酔っ払ってるのではない、シロは涙ボロボロ鼻水だらだらなのでこんな喋り方になっているのだ。
直訳すると「わからないでござる、先生は拙者を置いて何処かへ行ってしまったでござる」

「横島さん・・・・・・そうだ!シロちゃん待ってて、小鳩さんなら何か知っているかも」

横島の部屋の隣に親子で住んでいる花戸小鳩。

「横島さんが居ないんですか?でも昨日の朝は会いましたけど」

「わても昨日会ったで、なんやあいつ居ないんか?」
と言ったのは花戸に憑いている元貧乏神で今は福の神のビンちゃん。

ぽわんぽわんぽわん(回想シーン終了)

「と言うわけなんです」

キヌは説明を終える。


「それでシロは?」

「シロちゃんは泣きつかれて屋根裏で寝てます」
キヌそう言いながらも本当は自分が泣きたい心境だった。シロが先に号泣したので自分が落ち着かないといけないと思って我慢していたのだ。

「もう〜あの馬鹿、皆にこんなに心配させて」

美神は腕を組んでムスッとした顔になる。
だがその時。

『オーナー』
そう言ったのは事務所の付喪神・人工幽霊一号

「どうしたの?」

『お客様です』

「お客様?」
オウム返しに言う美神。
(人工幽霊一号がこんな反応するなんて一体?)
そんなことを考えていると。


『もう来てますよ』

いきなり後ろから声が。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

また所変わって横島が通う高校では

「横島さんが居ない?」
「横島さんが?」
「横島君が?」

小鳩から聞かされ驚くピート、タイガー、愛子。
この三人はいずれも横島のクラスメート。
簡単に紹介すると、ピートはバンパイアハーフでタイガーは精神感応力者。愛子は机の付喪神である。
簡単すぎかな?

(横島さんが?)
ピートは急に嫌な予感を覚える。
ピートは見た目は高校生だがすでに数百年生きている。その経験が何かを感じさせるのだろう。

はっ

ピートは突然キョロキョロと顔を振る。

「どうしたんじゃ、ピートさん」
とタイガー。

「いや、今誰かに見られていたような」

・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・

「ふ〜んこちらの気配に気がつくとはね、少しはやるようだな。しかしこいつが俺の親父とはね、まぁたしかに顔は俺に似てなくはないが」
水晶球を手に翳しそう言ったのは天十だった。
水晶球にはピートが映っている。それを天十は複雑な表情で見ていた。

「それでもこの程度の力でパンパイアとは笑わせる、ハーフだとしてもな、俺の幼少時にすら及んでないぞ」
水晶から手を離すとピートの姿が消える。

「さ〜てあいつ等は父親に会えたかな?」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
話は戻って美神事務所


「「天使!!!?」」

美神とオキヌの声がだぶる。

後ろを振り向いたそこに居たのは四枚の翼を持つ天使であった。まるで気配を感じさせなかった。

しかもその天使は翼を広げたままソファーに器用に座って紅茶を飲んでいた。

「中々いい紅茶をお飲みで、ニルギリかしら?」
寛いでその天使は言う、部屋のすみずみまでよく通る綺麗な声だ。

「あっはいそうですけど」

つい反射的に答えてしまうおキヌちゃん。

美神だけは攻撃態勢になっていた。
「あんた誰?天使のようだけど何しにきたの」

天使は優雅にティーカップをテーブルに置くと。

『そうですね、何処から説明すれば良いか・・・・・てあれ?』

天使の態度にキョトンとする美神とオキヌ。

天使は部屋中を見廻すと
『あの〜失礼ですがここに横島忠夫さんは?』

だが横島のことを言われて美神とオキヌが平常でいられるわけがない

『あんた横島君を知ってるの?』

『横島さんが何処にいるか知っているんですか?』


美神とオキヌは刹那の速さで接近し天使の肩を揺さぶる。

『ああ・・・・あのそんなに揺らされると』

「え?・・きゃあ」

天使の姿が突如分裂する。

そこに居るのは二人の少女。瑠璃と美樹である。

「あちゃーー変身が解けちゃった」
「・・・・この人が揺らすから」

「あ・・・あんたたち一体」
美神はゴゴゴゴゴて効果音が似合いそうな怒りを表していた。

「いやーーー許してーーー」
泣き叫ぶ瑠璃、一方美樹は

「・・・・・・・」

ポリポリと頭をかいていた。

つづく

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
始めましてです。

まずあやまります。すみません、ちょっと所々間違ったかも知れないです。

タイガーてどんな喋り方だったかな〜とか

一応GS美神は全巻読んだのですが昔の話であまり覚えてない。
だから細かい設定なんか間違ってかもしれないけど許してね。

さて、今回の話はいくつかの謎を残しています、。まぁ感のいい人にはバレバレですが。
その2は今夜にでも出せますので今後ともよろしくお願いします。


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