※下品で下らない一発ネタです。

「むぅぅぅぅぅぅ」

文珠という便利な霊能を手に入れた彼、横島忠夫はとても悩んでいた。
文珠を手に入れた直後に戦闘、そしてその後は次の文珠の製作に失敗した直後に平安京への時間旅行。
色々大変だったせいで文珠の戦闘以外での使用など考えもしなかった彼だが、最近平和な日々が続き少しずつではあるが余ってゆくに文珠にその考えも変わってきていた。
よく考えてみれば文珠は霊能とは関係無いような事すら可能にする便利なモノ。
それを上手く使わない手は無いではないか。

「『美』『女』ってのは…無理っぽいよなぁ。 せいぜい立体映像ってトコだろ」

暴走して失敗をするのがいつものパターンだが、以外にも横島は冷静さを失わず慎重だった。
上手くすれば横島の溢れんばかりの煩悩と好奇心を満足させる事ができる。
だが、そう多く作る事のできない文珠を使う以上失敗は許されないのだ。
エロは時に人を進化させるのである。

「『美』とか『美』『形』で顔を変えてナンパってのも…。 いや、落ち着け横島忠夫。 効果時間がわからない以上それは拙い」

もし上手くいってもコトの最中で文珠の効果が消えてしまえば意味が無い。
横島の頭の中には騙すようで悪い気もする、という考えが無い訳でもないが煩悩の前では余りにも無力。
小さな良心よりも失敗した場合のリスクが彼を止めた。
下手をすれば大人の階段を上る寸前にフられてしまい、余計欲求不満が溜まりそうだ。
そうなれば普段ですら半分犯罪者のような横島のことだ、即座に少年Ａとして補導され、翌日のニュースに話題を提供する事になるだろう。

「今はＧメンもある、下手に外で使うのは得策じゃないか…」

そうなると横島に思いつくのは自家発電の発展くらいなのだが、それでは流石にむなし過ぎる。
発想の貧困さに童貞の悲哀を感じながらも横島は思考を止めない。

「沢山作れないってつっても数に限りがある訳じゃないんだ、気軽に考えろ俺」

横島は文珠の貴重さに慎重になりすぎていた自分を落ち着かせる。

「エロいこともしたいがそれだけじゃないしな……」

数に限りがあるのならば問答無用でエロに文珠を全て費やす横島ではあるが、生きている限り作り続ける事が出来るのならば話は別だ。
まだ横島自身が文珠の扱いも出来る事にも無知過ぎる。
下手に博打を打って欲望を満たすよりも、慎重にリスクが少ない願望を果たした方がいい。
そう結論付けた横島は文珠を取り出し、以前からあった年頃の男子高校生らしい願望を実らせるため念を込めた。

「おー、横島か。 お前この銭湯に通ってたのか」

「げ、ハゲ」

「今のは聞かなかった事にしておいてやる」

「ど、どうしたんスか先生。 アンタマイホームがあったでしょーが」

「昨日風呂が壊れてな。 暫くはここだ」

「そうなんスか」

「あ、こら。湯船にタオルは付けるな」

「わーってますよ。 ずっと通ってんですから」

「それもそう……ブハッ！？」

「なんスか？ 気色悪いから人の股間凝視しないでくださいよ」

「ご、ご立派なモノをお持ちですね…」

「あ、どうも。 せんせーのも中々…ププ…」

「ドチクショォォォォォォォォ！！」

「あ、体も拭かずに服着て逃げ去っちまった…。 にしても文珠ってすげーなぁ…」

横島は文珠によって日本人の粋を超えた股間の巨砲主義の産物を見つめながら小さく口の端を歪めた。

後日、誇らしげに文珠の有効活用の一例としてイチモツを巨大化させた事をピートとタイガーに語る横島の姿があった。
だが、どこからかその話を聞きつけた雇い主である美神の手により壮絶な折檻が行われ、横島は賽の河原で脱衣婆と壮絶な鬼ごっこをする事となった。

ｅｎｄ

あとがき
くっだらねーですね、はい。
でも男子高校生なら考えるだろうなぁと思うと頭から離れなくて、つい書いてしまいました。
なんか色々ゴメンナサイ

文珠を文殊と誤記していたようですので修正しました。ご指摘ありがとうございます。