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「ハッピーエンドは終わらない 〜六年後【裏】 横島家の夜〜(GS)」

いしゅたる (2007-04-26 19:17/2007-04-26 19:28)


「うっし、これで終わりっ。愛子、戸締り頼むな」

「はいはい。お疲れ様ー」

 今日も一日、仕事が終わった。
 書き終えた報告書をバインダーに綴じ、戸締りを事務員の愛子に任せ、先に事務所を後にする。

 事務所の名前は、『妖物交渉事務所 YMN ヨコシマ・モンスター・ネゴシエーションズ』。
 俺はその所長で、名前は横島忠夫。年齢は23歳。
 事務所の業種はゴーストスイーパーで、主な業務は看板にある通り。妖怪・妖精・精霊、その他人間以外のオカルト系知的生命体との交渉だ。無論、依頼があれば通常の除霊業務もこなすけど。
 そして、事務所は『エデングランデ巣鴨』という億ション級の高級マンションの1階にあり、所長である俺の住宅はその最上階だ。通勤時間は約1分。快適快適♪

 事務所を後にした俺は、エレベーターに乗り込み、自宅へと向かった。先に仕事を上がってもらった嫁さん達が、飯を作って待っててくれてるはずだ。
 俺には籍を入れた妻が一人いて、さらには籍を入れてない内縁の妻が一人いる。修羅場らしい修羅場もなく一緒に暮らし、夫婦三人の仲はいたって良好だ。二人とも、それぞれ一人ずつ子供産んでるしな。
 我ながら、世の男どもが聞いたら呪わずにはいられないであろう羨ましい環境だと思う。特に、高校時代の俺がこんなことを聞いたら、即座に藁人形と五寸釘を取り出したところだろう。
 ちなみに、お隣さんには親父夫婦がいたりする。といってもほとんど同居してるようなものなので、実質家族七人で一緒に暮らしているようなもんだ。

 チーン、と音が鳴り、エレベーターが開く。
 廊下に出て、歩くこと十数歩。すぐに、自宅の扉の前へと辿り着いた。

「ただいまー」

 玄関の戸を開け、帰宅の挨拶。すぐに、奥の方から「お帰りなさい」と二人分の声が返ってきた。
 直後に顔を覗かせてきたのは、長い黒髪の女性と、頭から触角の生えたボブカットの女性。俺の嫁さん、おキヌちゃんとルシオラだ。
 二人とも、それぞれ腕に赤ん坊を抱えている。俺たちの子供、絹華と蛍護だ。

「腹減ったー。飯できてる?」

「今できたところですよ」

 にっこりとひまわりのような微笑で返してくるのは、おキヌちゃんだ。

「親父とお袋は?」

「口では言えないことになってるわよ」

 いつもは一緒に食事を摂る二人が見当たらないので聞いてみたら、ルシオラが呆れ顔で答えてくれた。その言葉の示すところを察し、俺は苦笑する。

「……孫ができても、親父のアレは治らないのか……」

 親父、明日の朝日が拝めるといいな?

「忠夫さんはああならないでくださいね?」

「大丈夫だよ。…………たぶん

 何せ、こんな美人の嫁さんを二人も貰っているんだ。浮気しようにも、彼女たち以上の女性なんかそうそう見つからないだろう。
 そう思い、おキヌちゃんの要望にきっぱりと太鼓判を押そうとし――そこで美神さんとの一件と忠志のことを思い出した。さらに追い討ちのように親父の遺伝子というものの存在までも思い出してしまい、急に自信がなくなってしまった。

「んもぅ……タダオってば、しょうがないわねー」

 そんな心情を察したのか、ルシオラは苦笑するばかりだ。まるで、「あなたの女性関係のだらしなさは知ってるから」とでも言っているかのようだった。理解があるのはいいんだけど……なんだか、釈然としない。
 いや、大事な二人の妻に迷惑かけたくないとは、本心から思ってるんだけどさ。

 そんなこんなで、俺たち三人は一緒に食卓を囲み、談笑しながら食事を摂った。時折、子供二人が「あー、うー」と手を伸ばしてくるので、あやしたりもした。
 食事が終わり、食器を流し台の中に入れると、おキヌちゃんは食器を洗い始めた。ルシオラは二人の子供を抱え、子供部屋へと向かう。

「タダオはお風呂入ってて。私たちは、もう入ったから」

「おう」

 ルシオラが肩越しに投げかけてきた言葉に、俺は頷きながら風呂へと向かう。

「忠夫さん……洗い物終わったら、寝室で待ってますから……」

 リビングを出ようとした俺の背中に、おキヌちゃんのそんな声がかけられた。


   『ハッピーエンドは終わらない』
      〜六年後【裏】 横島家の夜〜


「ん……はぁ……んふ……」

「あん……あっ……ふぅん……」

 おキヌちゃんとルシオラが、キングサイズのベッドの上で、全裸になって互いの体を貪り合っている。
 風呂から上がった俺がバスタオルを腰に巻いて寝室に向かい、その扉を開けて真っ先に視界に飛び込んできたのは、そんな妻二人の痴態だった。二人の衣服は、残さずベッドの周囲に脱ぎ散らかされている。
 部屋の明かりは、わずかに枕元にあるスタンドライト一つっきり。そのオレンジ色の明かりに照らされた二人の裸体は、ある種の芸術的なエロスをかもし出している。

「……おーい」

「あ……忠夫さん……」

「タダオ……?」

 声をかけると、二人はそこで初めてこちらに気付いたかのように、唇を離して俺の方を見た。互いの唇から、唾液が銀の橋となって二人を繋いでいる。

「俺を差し置いて、二人で先にお楽しみ?」

 意地悪く言いながら、二人の方に歩いて行く。二人が離れ、その間にできた一人分のスペースに腰を下ろした。

「だって……忠夫さん、お風呂長いんですもの……」

「待ちくたびれちゃったわよ」

 二人は唇を尖らせ、秘所を隠そうともしないまま抗議してきた。

「はは。そりゃ悪かった」

 俺は苦笑しながら謝り、そしておもむろにルシオラの肩を抱き寄せ、唇を奪う。

「んっ……」

 ほんの数秒。俺は舌を入れ、ルシオラの口の中を味わう。そして唇を離すと、即座に反対側にいるおキヌちゃんの唇も奪った。

「んんっ……」

 後回しにしたお詫びも込め、おキヌちゃんの方は若干長めにする。短い時間ながら二人の唇を堪能した俺は、早くも自分の肉棒がいきり立つのを感じた。

「……子供達は?」

「とっくに寝かしつけてるわよ」

 俺の質問に対するルシオラの答えに満足し、一つ頷くとおもむろに自分の腰に巻いてあったバスタオルを取り払う。

「じゃ、これからは大人の時間だな」

 その言葉に二人は頬を染め、表情こそ羞恥に彩られていたものの、俺を見つめるその瞳は期待の色に満ちていた。


「はむっ……はぁ……んふ……」

 おキヌちゃんの吐息が、俺の肉棒にかかる。
 俺の左足を枕にするかのような格好で、横合いからフェラチオをする彼女。舌を使い、スジやカリを丹念に愛撫するそのテクニックは、最早手馴れたものだ。俺を悦ばせるためにどうすれば良いのか、熟知している。
 そんな彼女の愛撫を甘受しながら、俺は俺で、右手で抱き寄せたルシオラの肢体を丹念に可愛がる。

「あっ、あんっ……あ……そこ、いい……」

 首筋に舌を這わせながら、左手の指で秘所を責める。クチュクチュとした淫靡な水音が、指の動きに合わせて響いてきた。
 秘所を責める指の動きは休めないまま、首筋から左の頬へと舌を這わせる。

「ん……」

 少し力を入れて舐めれば、その分押し返してくる柔らかな頬。味わうように一度だけゆっくりと舌を這わせてから離すと、次にその上へと狙いを定める。

 …………はむっ。

「ひゃうっ!?」

 口に含んだのは、ぴょこんと突き出た彼女の可愛らしい触角。

「あっ、ああっ、そこ、だめぇ……あうっ」

 口の中に含んだまま、触角の先っぽを舌先で丹念に舐め回す。そのたびに、ルシオラは可愛らしい声を上げた。
 腰に回していた右手を上へ移動させ、その頭を抱きかかえるようにして、口に含んでいるのと反対側の触角をキュッと摘み上げる。

「あっ……ん!」

「ルシオラって、触角が弱いんだよなぁ」

 触角から口を離し、くすくすと面白そうに笑いながら、彼女をからかう。もちろん、右手はくりくりと触角をいじくり続けたままだし、左手に至っては、既に二本の指を秘所の内側に侵入させている。

「だ、だってぇ……触角って神経が集中してるから……んっ……敏感なのぉ……」

「そうやって感じているルシオラも可愛いぞ」

「やぁん……ひぐっ!?」

 言葉で責められ、甘い吐息を漏らすルシオラ。しかしそれも、俺が触角を甘噛みすると、すぐに短い悲鳴へと取って代わった。

「あ……や、だめぇ……ん、はぅん……んあっ……」

 右手で右の触角を、左手で膣内を、そして口は歯と舌を使って左の触角を。
 三箇所を同時に責められているルシオラは、絶え間なく襲ってくる快楽の波に、まともに言葉も紡ぎ出せない。

 ――だが――

「……ダメじゃないですか。一方的過ぎますよ、忠夫さん」

「うっ……!」

 突然、おキヌちゃんにキュッと肉棒を強く握られ、その唐突な刺激に思わずうめき声を上げてしまった。同時、ルシオラを責める手も動きを止めてしまう。
 そして、その隙を逃がすルシオラではなかった。俺の責めが止まったのを好機と見たのか、すぐさま両手で俺の頭をホールドし、直前まで触角を責めていた俺の唇に自分の唇を押し付けた。

「んっ……!」

 お返しとばかりに、口の中へと侵入してくるルシオラの舌。反応が遅れた俺は、なされるがままに彼女の舌を受け入れている。

「ん……んむぅ……んあ……」

「はむ……あふ……ふぁ……んふぅ……」

「ん……ちゅ……んっ……忠夫さんの、おっきい……」

 ルシオラの濃厚なディープキスで咥内を、そしておキヌちゃんの舌で肉棒を責められ、俺の性感は嫌が応にも昇り詰める。

「はふ……」

 と――おもむろに、ルシオラは俺の唇から離れた。

「はっ――」

 俺を責め続ける快楽の片方が途切れたことで、新しい酸素を取り入れるべく一息つき――直後。

「うっ……!」

 頭を沈めたルシオラからもたらされた刺激に、思わずうめき声を上げてしまった。

「ふふ……いっつもされてることのお返しよ♪」

 そう悪戯っぽく笑う彼女がやっていたことは、俺の乳首を甘噛みすることだった。いくら男の胸が女性のそれより敏感でないとはいえ、昂ぶった体に今の行為は、いささか刺激が強い。
 そして――

「あ……ピクピクって震えてる……忠夫さん、近いんですね? ふふ……」

 一生懸命俺の肉棒に奉仕していたおキヌちゃんが、期待を込めた声で言ってきた。

 普段は良妻賢母然とした彼女がこういう淫靡なことを言うと、ついついそのギャップに興奮を覚えてしまう。……いやまあ、この子をこんな風にしちゃったのは、間違いなく俺なんだけどね。
 結婚前から数えて約五年。彼女と体を重ねた回数は、もはや数えるのも馬鹿馬鹿しいほどだ。なのに俺は、彼女の体に飽きるということはなく、それどころかいつまで経ってもこうやって新鮮な興奮を味わえている。

 ――それを思うと、つくづく俺はおキヌちゃんを愛しているんだなぁと思う。

 そんな想いを込めて、俺の肉棒を口に含む彼女の髪を、左手で優しく撫でた。

 ……あ。おキヌちゃんの髪にルシオラの愛液がついちゃった。そういやこの左手、今さっきまでルシオラの膣内に入れてたっけ。
 そのルシオラも、俺にはもったいないぐらいのいい嫁さんだ。日本に重婚を禁止する法律がなければ、正式に籍を入れたいぐらいだ。……いや、そーでなくとも、事実はどうあれ戸籍上は親子なんだから、そこでも壁が立ち塞がるんだが。

 ともあれ彼女は、いまだに俺の乳首――のみにとどまらず、体の色々なところに舌を這わせてきている。
 正直、気持ち良過ぎる。ルシオラからもたらされる刺激もさることながら、肉棒から感じるおキヌちゃんの咥内の暖かさと舌の感触は、俺の絶頂を誘うには十分すぎるほどの破壊力があった。このままでは、おキヌちゃんの言った通りに近い……どころか、すぐにでも達してしまいそうだ。

 このままではいけないと思い、俺はルシオラの顎を指で掴み、強引に上へ向かせると、その唇を塞いだ。

「んんっ……!」

 攻守交替。俺はルシオラの口の中に舌を入れ、余す所なく丹念に味わう。右手は彼女のお尻に回し、親指を菊門に這わせつつ中指と薬指を膣内に侵入させる。

「んっ……んんっ……んふぅ……んんっ……」

 口を塞がれているせいで、喘ぐ声も声にならない。さらに俺は、左手をルシオラの下腹部に這わせ、人差し指の腹で彼女の勃起したクリトリスに触れた。

「んっ……!」

 両手を使って、股間の性感帯全てを責める。その刺激に、ルシオラは小さく体をよじった。
 ……ちょっとペース上げないとな。肉棒を口いっぱいに頬張って、絶え間なく亀頭に刺激を送り続けるおキヌちゃんの舌に、俺の肉棒はもう爆発寸前だ。

 クチュクチュと淫猥な音を立て、ルシオラの膣内を指が出入りする。その律動に合わせ、菊門に当てていた親指は、少しずつその中へと埋没していった。左手の人差し指は、クニクニと円を描くようにクリトリスを弄り続ける。

「……ぷはっ! だ、だめ! わ、私、もう……!」

 その刺激に、ルシオラは堪らず唇を離した。文脈も何もないその台詞の意味を示すかのように、ベッドに立てた彼女の膝は、ガクガクと笑っている。もはや膝だけでは立っていられないのだろう。彼女は抱きつくようにして、俺にしがみついてきた。
 そして、俺の方も限界を迎えようとしていた。最後の仕事とばかりに、俺はルシオラの胸に舌を這わせる。その頂点を一舐めすると、彼女のつつましやかな胸がプルンと揺れた。
 直後、俺は舌を引っ込め、その乳首を強めに噛んだ。同時に右手の指を根元まで突き入れ、左手の人差し指と親指でクリトリスを強く摘んだ。

「ひぐっ……!? あ、ああぁぁあぁあ〜っ!」

「くっ……出るっ……!」

 俺とルシオラ、達したのは同時だった。


 ドピュッ! ビュクッ! ビュルルッ!


 ルシオラは弓なりに仰け反り、俺はおキヌちゃんの喉に大量の精液を注ぎ込む。
 ベッドの上に仰向けになり、ビクッビクッと痙攣するルシオラ。俺は彼女の膣内から指を引き抜くと、その指は彼女の愛液でべっとりと濡れていた。迷うことなくその指を口に含み、ルシオラの愛液の味を堪能する。
 おキヌちゃんはおキヌちゃんで、一生懸命俺の精液を喉の奥で受け止め、尿道に残った精液まで残らず吸い上げている。最後に「んくっ」と小さく声を出して、彼女の喉が上下した。

「はぁ……いっぱい、出ちゃいましたね」

 顔を上げ、恍惚とした表情でそう言うおキヌちゃんの口の端からは、まるで真っ白い涎が垂れているかのように、少しだけ精液がこぼれ出ていた。
 彼女はつと視線を動かし、横で虚ろな表情になって荒い息をつくルシオラを見やる。

「ルシオラさん……」

 おキヌちゃんは、小さく彼女の名を呼び――おもむろに、その唇を奪った。

「はふ……」

 彼女は舌を使ってルシオラの唇をこじ開けると、少しだけ唇を離して、舌の上にあった白い液体を流し込んだ。
 全部は嚥下せず、いくらかは口の中に溜めていたのだろう。それは言うまでもなく、今出したばかりの俺の精液だった。

「……お裾分けです……」

「あ……はふ……」

 イったばかりで正体を失っているルシオラは、言葉も発することなく、ただ為されるがままにしている。だが、その紅潮した頬は緩んでいて、どことなく嬉しそうだった。
 おキヌちゃんとルシオラは、互いに舌を絡め合い、一緒になって俺の精液の味を確かめている。
 上になっているおキヌちゃんは、自分の舌の動きを三次元的にするために頭の角度を何度も変えていて、そのたびに体ごと動いていた。

 そして、それを眺める俺から一番近いのは――おキヌちゃんのお尻だった。

 クネクネと動く彼女のお尻。
 先ほどのフェラチオで性的興奮を味わったのだろう。見れば、彼女のクレヴァスはしとどに濡れていて、内股までぐっしょりだった。スタンドライトの光を反射し、テラテラと光っている。
 お尻が誘っている――俺がそんなふうに感じても、致し方ないことだろう。

 俺は、一度射精してもなお硬度を保っている自分の肉棒を無言で手に取り、こちらを向いているおキヌちゃんのクレヴァスにぴったりと当てた。

「……え?」

 不意打ち気味のその感触に、おキヌちゃんが間の抜けた声を上げた。
 ――直後、俺は両手で彼女の腰を掴み、一気に肉棒を挿入する。

「あ、はあああ……んっ! そ、そんな、いきなり……!」

「いきなり? 見るからにすっごい濡れてて、いつでも準備OKって感じだったけど?」

「やぁん……言わないでぇ……あんっ」

 おキヌちゃんは抗議の声を上げるが、ただ単に戸惑っているだけで、本気で嫌がっているようには到底聞こえない。俺は構わず、そのまま腰を打ち付け始めた。

「あっ、あっ、はぁんっ、んっ、す、すごっ、奥までっ、届いてっ」

 ……思いっきり感じているみたいだ。

 彼女はすぐに、俺の動きに合わせて自ら腰を使い始めた。
 その膣内の締まりはかなりのもので、俺の肉棒を包む彼女の肉壁は、まるで処女のようにキツく締まってくる。これで二回も出産経験があるとは、俺自身が産ませたとはいえ、とても信じられたものじゃない。
 つーかぶっちゃけ、二回子供産んでこのキツさは有り得ないだろうと思う。……いや、すっごく気持ちいいんだけどさ。

 おキヌちゃんとの結合部は、だんだんと激しくなる抽送運動に、溢れ出た愛液がクチュクチュと泡立っていた。

「この体位だと、繋がっているところが丸見えだ……」

「やぁ……恥ずかしい……んあっ……!」

 俺の言葉責めに、まるで少女のような反応を返してくる。自分から攻勢に出ることも多くなるほどエッチに慣れた彼女だが、受け手に回ると途端にこんな反応になってしまうあたり、まだまだ可愛らしい。
 俺は腰を打ちつける速度を緩め、左手はおキヌちゃんの腰を掴んだまま、右手を背中越しに前に回し、彼女の胸に手を添える。

「可愛いよ、おキヌちゃん……」

 耳元で甘く囁きながら、右のおっぱいを優しく揉み始めた。

「はぁん……忠夫さん、忠夫さん……」

 おキヌちゃんは、俺の名前を熱っぽく呼びながら、ただ肉欲の求めるままに腰を振り続ける。
 人差し指と親指で乳首をキュッと摘み上げると、「ひぅっ」と小さく悲鳴を上げた。同時、膣内がキュウッと締まり、俺の肉棒に快楽という名の刺激を送ってきた。
 更に左手も彼女の胸に添える。すると、俺の胸と彼女の背中が密着する形になった。俺は両手でおっぱいに手を当てたまま、その体を持ち上げた。

「ひぁっ……!?」

 おキヌちゃんが驚いた声を上げた。俺は構わず、繋がっている彼女の体ごと腰を後ろに引き、背面座位へと移行する。俺の腰がベッドの上に落ちた時の衝撃で、ズン、と一回だけ肉棒が彼女の奥へと突き入れられ、おキヌちゃんは「ああんっ!」と一際強い嬌声を上げた。
 俺は改めて腰を振り、ゆっさゆっさとおキヌちゃんの体を揺らす。同時、円を描くように両手を動かし、彼女のおっぱいを揉み始めた。

「あっ、あっ、あっ、あっ……」

 されるがままに、快楽を受け入れるおキヌちゃん。そんな彼女の肩越しに前方を見ると、俺たちの真正面にルシオラがいた。
 先ほどの絶頂直後は目の焦点が合ってなかった彼女だが、呼吸が整ってくるにつれ、目の焦点が合ってきていた。その視線は、背面座位で交わっている俺たちへと注がれている。

「ほらおキヌちゃん、ルシオラが俺たちの繋がっているところを見てるよ……」

「あ……やぁ……見ないでぇ……」

 ルシオラの視線に晒され、羞恥で顔を逸らせるおキヌちゃん。俺がルシオラにアイコンタクトを送ると、彼女はクスッと笑って頷いた。

「恥ずかしがっているおキヌちゃんも、可愛いわよ……」

 ルシオラはそう言いながら、四つん這いになってこちらに近付いてくる。そして――おもむろに、俺たちの開いた足の間に体を滑り込ませると、その奥にある二人の結合部に顔を近付けた。

「こんなにずっぷりと咥え込んじゃって……そんなにタダオのお○んちん美味しい?」

「そんなこと言わないで……恥ずかしい……」

「何言ってるのさ。大好物なんだろ? いっつもいっつも、一度咥えたら放さないくせに」

「はぅ……」

 二人がかりで言葉責めにされ、真っ赤になるおキヌちゃん。事実なだけに、言い返せないようだ。
 しかも、こうしている間にも腰の動きは止まることなく、俺の肉棒がおキヌちゃんの膣内を出入りする様子が、ルシオラの目の前で展開されていた。

「うふ……こんなに愛液を泡立たせちゃって……おいしそ♪」

 彼女はそう言うや否や、おキヌちゃんの勃起したクリトリスに舌を突き付けた。

「ひあっ……!」

 絶え間なく続く抽送運動のさなか、追い討ちをかけるように与えられる刺激。胸、膣内に加えてクリトリスまでも責められたおキヌちゃんは、抵抗もできずに与えられる快楽を受け入れている。

「気持ち良さそうだね?」

 その白い首筋に舌を這わせながら、耳元で囁く。

「あっ、はっ、あっ、は、はい、すごっ、すごいですっ、うんっ、きもち、いいっ」

「おキヌちゃんの膣内も、すごく気持ちいいよ」

 言いながら、俺はおキヌちゃんの二つの乳首を、キュッと強めに摘んだ。

「ひゃっ……!」

 小さく悲鳴を上げると同時、またもや膣内がキュウッと締まる。
 ……すごく気持ちいいどころの話じゃない。筆舌に尽くしがたいあまりの気持ち良さに、二度目の射精感が込み上げてくる。

「た、忠夫、さん、私、私、もう、イっちゃ、イっちゃうっ」

 彼女のその言葉を肯定するかのように、膣内はキュッキュッと絡みつくように断続的に俺の肉棒を締め付けてくる。

「くっ……俺も、もう出そう……!」

「あんっ……! 中で……中で出して……! 忠夫さんの精液、欲しい……! いっぱい、いっぱい……!」

「ああ、中に出すよ! 一緒にイこう!」

「はいっ……! 一緒に……一緒に……!」

 ラストスパートとばかりに、二人で腰の動きを激しくする。
 そして、その結合部を舐め続けるルシオラは――

「気持ち良さそう……いいのよ、二人とも。素直にイっちゃっても♪」

 頃合を見計らいながらそう言うと、おキヌちゃんのクリトリスを強めに噛んだ。

「ひぐっ……!? あ、イっちゃ……あ、あああぁぁあ〜っ!」

 その最後の刺激で絶頂に達したおキヌちゃん。その一際大きい嬌声と共に、膣内の肉壁が痛いぐらいに収縮する。
 そして――


「締まる……! くぅっ……!」

 ドビュルッ! ドクドクドクドクドクッ!


 限界を感じるや否や、俺は最後の一突きで彼女の奥まで肉棒を突き入れ、そのまま白く熱い想いを大量に子宮へと注ぎ込んだ。

「あ……熱っ……中に……いっぱい……」

 はぁー、はぁー、と肩で息をつきながら、ぼうっとした様子でつぶやくおキヌちゃん。絶頂感が続いているらしく、その肢体は断続的にビクッ、ビクッ、と痙攣している。
 その膣内は、俺の肉棒を放すまいとするかのように、キツく締め付けていた。それは、まるで「抜かないで」と懇願しているようにも思えた。

 ……ドクッ……ドクッ……ドクッ……

「う……止まらない……」

「あ……まだ……出てるぅ……」

 あまりの気持ち良さのせいか、射精はなかなか止まらない。まるで、彼女の子宮を精液で満たすまでは止まらないと言うかのように。

 やがて――

「……止まった……かな?」

「はふぅ……おなかの中、いっぱいです……」

 絶頂に達してからたっぷり一分は経っただろうか。放出する脈動も完全に収まり、俺はおキヌちゃんの体を持ち上げて肉棒を引き抜いた。すると、入りきらなかった精液が、コポッと音を立てて彼女のクレヴァスから溢れ出てくる。
 見るからに妊娠確定といった量であるが、実のところおキヌちゃんとルシオラは、現在ピルを服用している。とりあえずのところは、妊娠の心配はない。

 これは、二人の赤ん坊を抱えている身であるからこそだった。子供がいるとはいえ三人ともまだまだ若いので、夜にこうやって愛し合うのをやめる気にはなれない。そして、ゴムなどという無粋なものは使わず、直接ぬくもりを感じ合いたい。しかし子供をこれ以上増やし、負担が増えるのは避けたい。そんなジレンマを解決するためのピルだった。
 そしてこの先、子供が大きくなって手間がかからなくなれば、ピルの服用はやめてまた子供を作ってもいいとは考えている。先のことなので、確定じゃないけど。
 余談ではあるが、ルシオラが服用しているのは魔界製の魔族用ピルである。購入は厄珍堂経由。俺たち以外に買う奴がいるかどうかは果てしなく疑問だが。


 閑話休題。


「ふふっ……タダオったら、随分沢山出しちゃったみたいね……」

 そんな俺たちの様子を見て、ルシオラが妖艶に笑いながら、俺の肉棒に顔を近付けてきた。

「綺麗にしてあげる……」

 言って、精液と愛液にまみれた俺の肉棒を口に含んだ。
 ルシオラの舌が俺の肉棒に絡みつき、混じり合いべとべとに付着した二人分の体液を舐め取る。のみならず、尿道にわずかに残っている精液までも吸い上げた。

「んっ……おいし……タダオとおキヌちゃんの味がする……」

「ルシオラ……」

 恍惚としたルシオラの言葉に、彼女が肉棒に与えてくる刺激も相まって、おキヌちゃんの中に目一杯放出して萎えかけた俺の肉棒は、みたび硬さを取り戻した。
 俺は、なおも肉棒を頬張る彼女の触角に、軽く触れた。

「んっ……」

 俺のを口に含んだまま、小さくうめくルシオラ。俺はそのまま、さわさわと触角を撫でる。

「ん……んん……んふぅ……」

 敏感な触角をいじられ、漏らした吐息は俺の肉棒にかかる。触角を撫で、あるいはキュッと摘み、あるいは先端をクリクリと弄ぶうち、真っ赤に紅潮した彼女の顔は、何かに耐えるように苦しげに歪んできた。
 彼女が感じているのを証明しているのか、自由になっている方の触角がピクッピクッと痙攣している。そこがまた、可愛らしい。

「んっ……ねえ、タダオ……」

「ん? 何?」

 ルシオラは、そんなことを考えている俺の肉棒から口を離し、上目遣いで俺を見上げた。触角をいじる手を止め、次の言葉を待つ。

「おキヌちゃんばっかり、上の口でも下の口でもタダオのを味わったのに、私は今日はまだ何も貰ってないのよ……ずるい」

「じゃ、どうしてもらいたい?」

 言いたいことはわかった。無論、言われずとも最初からそのつもりだった。だが、素直にそれを口に出さず、わざととぼけてみる。
 そんな俺の意図を察したのか、ルシオラはくすっと笑うと、体を引いて足を開き、俺の目の前に惜しげもなく自身のクレヴァスを晒した。
 そして、右手の人差し指と中指で、そのクレヴァスをくいっと押し広げる。愛液で濡れて妖しく光るサーモンピンクの肉壁が、クレヴァスの奥でヒクヒクと蠢いていた。

「……お願い……タダオのお○んちん、この中にちょうだい……♪」

 淫乱にねだるその顔は、自分で言ったくせに羞恥で真っ赤になっている。その声音も、明らかに小さい。
 初めて言わされたわけではないどころか、こうもスルッと口から出てくる程度には何度も口にした台詞ではあるが、やはり羞恥心はそうそう捨てきれないものらしい。
 そしてその仕草は、俺にとってはたまらなく可愛らしく、そしていとしく見えた。今さっきの行為で硬度を取り戻した俺の肉棒が、これによってさらにギンギンに硬くなり、さっさと挿れてしまえと俺を急かしてくる。

 ――今の俺に、その衝動を抑える理由はない。

「そうまで言われちゃな……じゃ、行くよ。望み通り、ルシオラが欲しくてたまらないコレを挿れるからな」

「うん……来て……♪」

 そして――誘われるがままに、俺は自らの肉棒を手にし、ぱっくりと開いている彼女の蜜壷へとそれを宛がう。

「んっ……は、早くぅ……」

「急かすなって……ほら」

「んっ……あっ……あああ……」

 俺の肉棒は彼女の蜜壷に迎え入れられ、さしたる抵抗もなくズプズプと埋まって行く。

「入って……くるぅ……タダオの、おっきいのがぁ……」

「ちょっ……おい、そんなに締め付けるなって……」

「だって、だってぇ……」

 よほど待ちわびていたのか、彼女の膣内は一度入った俺の肉棒を離すまいとしているかのように、きつく締まり出してきた。そのくせ肉壁はぐにぐにと動き、ただ挿入しているだけで俺の肉棒に刺激を送ってくる。
 ミミズ千匹ってのはこういうことなのかな――そんなことを思いつつ、俺はルシオラの背に両手を回し、抱き締めた。彼女の膣内は、おキヌちゃんとはまた違った気持ち良さがある。

「た、タダオ……?」

「……だから締め付けすぎだって。これじゃ、すぐ終わっちまう……気持ち良過ぎるんだよ、お前の膣内って」

「……私の膣内、そんなに気持ちいいの……? 嬉しい……もっと感じて……」

 ルシオラはそんなことを言いながら、俺の背中に手を回し、抱き返してきた。俺の言葉はさしたる意味も成さず、彼女の膣内はまったく緩む気配がない。
 このままじゃ埒が明かない――そう思い、俺は彼女の体を持ち上げ、対面座位に移行する。形のいい柔らかなお尻を持ち、ゆっくりと抽送運動を始めると同時、彼女の唇も塞いだ。

「んっ……んっ……んっ……んっ……」

 動きに合わせ、彼女の喉が震える。唇を塞いでいるので声が出ないのだが、これはこれで可愛らしい。体位の都合上、彼女の勃起した乳首が俺の胸をこする感触が、また心地良かった。

「んっ……はぁっ……タダオ、タダオぉ……」

 唇を離した彼女は、懸命に酸素を取り込みながら、うわごとのように俺の名を呼ぶ。甘い吐息が、俺の耳をくすぐった。

 抽送運動を続けながらも、彼女の膣内は、まるでそこだけが別の生き物であるかのように蠢いている。抽送運動と肉壁の動きという、膣内ただ一箇所のみで送ってくる快楽のダブルパンチ。その気持ち良さは、先に二度の射精を済ませていなかったら、早々に達していただろうと思うほどだ。
 あるいは、彼女の膣内のこの状態は、後回しにされ焦らされた結果かもしれない。そう考えると、申し訳なく感じると同時に、この内縁の妻に対するいとしさが込み上げてくる。

「ルシオラ……ルシオラ……」

「あん……あん……んっ……きもち、いい……あんっ」

 やがて俺たちは再び唇を重ね、腰を振りながら舌を絡め合った。ぴちゃぴちゃと音を立てて互いの唾液を絡め、味わう。

「んっ……はぁ……あぁ……んく……」

「ふぅん……んっ……あん……んむ……んふぅ……」

 お互いの吐息が至近距離で鼻腔をくすぐる。ルシオラの紅潮した頬と潤んだ瞳がすぐ目の前にある。それら全てのいとしさが、俺の性感を間接的に刺激してきた。
 彼女に対する愛情で、自分の頬までも紅潮しているのがわかる。少年だった頃のような青い気恥ずかしさを覚え、思わず視線を逸らした。

 と――その先に、おキヌちゃんの姿があった。

 彼女の秘所からは、先ほど大量に放出した精液が子宮に収まりきらなかったのか、止まることなく溢れ続けていた。おキヌちゃんはうっとりとした淫靡な表情で、指でそれをすくい取っては舐め取るといった作業を繰り返している。まるで、もったいないとでも言っているかのように。

 すると、こちらの視線を感じたのか、彼女と目が合った。

 数秒、腰を振り続けるこちらの様子を観察するおキヌちゃん。
 やがて、自分の指――そこに付着している、秘所からすくい取った俺の精液をちらりと見やると、こちらに視線を戻してにっこりと笑った。

 ……何か思いついたようだ。

「あんっ……あんっ……あんっ……」

 ルシオラはそんなおキヌちゃんの様子に気付かないまま、一心不乱に腰を振り続けている。おキヌちゃんは、ベッドの上をススッと移動し、ルシオラの背後に回った。

 ……もしかして……?

 彼女の意図するところが何となくわかった俺は、おもむろに自分の体を後ろに倒し、騎乗位へと移行する。

「はぁ……はぁ……タダオ……?」

 突然体位を変えたことに、ルシオラは疑問の声を上げた。

「今度はルシオラが上になって動いてくれよ」

「うん……」

 俺の言葉にルシオラは素直に頷き、俺の腹に両手を当てて、上下に腰を振り始めた。

「あんっ……あんっ……ああっ……はぁん……んっ、んっ……ど、どう、タダオ……?」

「ああ、気持ちいいよ……もっと動いて……」

「うん……私、頑張る……んっ、あんっ……」

 その賛辞に気を良くし、ルシオラは更に腰を振り続ける。その背後に、おキヌちゃんが迫っているのに気付かないまま。
 そして――

「ルシオラ……さんっ♪」

 突然、おキヌちゃんが背後からルシオラに抱きついた。

「きゃっ……!? お、おキヌちゃん……!?」

 ルシオラは驚き、背後を振り返る。
 ……それでも腰の動きを止めないのは、さすがだと思った。

「ど、どうしたの……?」

「うふふ……また、ルシオラさんにお裾分けしようと思いまして♪」

「え? お裾分けって……んむっ!?」

 妖艶に微笑むおキヌちゃんの台詞に、疑問の声を上げるルシオラ。しかし言葉途中で、その口におキヌちゃんの指が突っ込まれた。

 ――そう。俺の精液のついた指を。

 ルシオラは不意打ちだったために最初は戸惑っていたが、自分の口に突っ込まれた精液に、すぐにうっとりとした表情になっておキヌちゃんの指を舐め始めた。

「んっ……はぁ……タダオの精液……苦くて、おいし……」

「ルシオラさんも、忠夫さんの精液が大好物ですからね♪ まだいっぱいありますよー」

 楽しそうに言って、ルシオラの口から自分の指を引き抜くと、また自分の股間から精液をすくい取ってルシオラの口に運んだ。反対側の手は、さりげなくルシオラのクリトリスに指を伸ばしている。

「んむっ……んっ、お、おキヌちゃん、そんなとこいじっちゃ……」

「さっきのお返しですよ♪」

「そんな……ひゃうっ!?」

 ルシオラの抗議の声も無視し、おキヌちゃんは彼女のクリトリスを摘み上げた。
 その様子を見ていると、こっちからも何かしてやりたくなるというのが人情というものではないか。俺は、おキヌちゃんに比べても若干薄めなルシオラのおっぱいに、両手を伸ばした。

「あんっ!? そ、そんな、タダオまで……はぁんっ……!」

 ふにふにと、その両のおっぱいを揉み始める。その頂にあるピンク色の乳首をクリクリと指で転がしたりもして、柔らかなおっぱいの感触を楽しんだ。

「ルシオラさんって、ここも弱いんですよね……」

 おキヌちゃんはそう言って、ルシオラの口に入れていた指を引き抜き、頭にある触角をキュッとつまんだ。

「あ……んっ……!?」

 クリトリス、胸、触角。敏感な三箇所を二人掛かりで同時に責められ、とうとうルシオラは腰の動きを止めてしまった。
 しかし、彼女の膣内は絶えず蠢いている上、彼女を責めるたびに肉壁がキュッキュッと収縮するので、動かずともそれだけで相当な快楽を感じられる。

「はぁ……あん……た、タダオ……私の胸、小さいから……そんな、揉んでも、楽しくないでしょう……? んっ……」

「何言ってんだよ。ルシオラのおっぱいは、形はいいし可愛いし感度いいしで、凄く好きだぞ?」

「か、感度って……ひゃうんっ!?」

 ルシオラが上げようとした抗議の声を、俺は乳首を摘み上げることで封じた。

「そんなに感じといて、感度が悪いなんて言わせないぞ?」

「感じてるルシオラさん、可愛い……♪」

「お、おキヌちゃんまで……」

 おキヌちゃんはおキヌちゃんで、触角とクリトリスを同時に責めながら、ルシオラの白い首筋に舌を這わせている。
 俺もそうだが、こうも反応が可愛いと、責め甲斐があるというものなのだろう。ルシオラは俺とおキヌちゃんの責めに、腰を動かすことも忘れて成されるがままだ。

 が――いつまでもこのままというわけにもいかない。第一、こうしているだけでも俺の限界は着実に迫ってきているのだ。動かないままフィニッシュなんて、いくらなんでも格好悪い。

「ほら、ルシオラ……腰の動きがお留守になってるぞ」

 ルシオラの胸から片手を離し、ぺちんと一回、軽くお尻を叩く。そんな俺に、ルシオラは目に涙を溜めて、抗議の視線を向けてきた。

「だ、だって……こんなにされて、動けるわけないじゃないの……んっ……」

 ……まあ、当然か。
 その言葉に、俺は苦笑を漏らした。

「そっか……じゃ、そうなると俺の方が動くしかないよな?」

「え? ちょっと、待っ……あんっ!?」

 言うが早いか。
 俺はルシオラの返答を待つまでもなく、その腰を両手で掴み、自分の腰を動かして彼女を下から突き上げ始めた。

「だめ。待たない」

「あっ、あっ、そ、そんな、いきなりっ、あんっ、あんっ、あんっ!」

 激しく突き上げる俺の動きに、ルシオラはまともに言葉を発することができない。その動きの激しさに、おキヌちゃんは彼女のクリトリスを責めるのが困難になったのか、両手を俺が先ほどまで責めていたおっぱいに回す。

「ふふ……そんなこと言いながら、気持ちいいんですよね……ルシオラさん?」

「あっ、はんっ、んっ、うんっ、いいっ、すごっ、きもち、いいっ、んっ、あんっ」

 ルシオラのおっぱいを弄びながらのおキヌちゃんの言葉に、彼女は喘ぎながらも答える。二人の結合部は、その返答を肯定するかのように、愛液がジュプジュプと音を立てて泡立っていた。
 そうしているうち、やがて彼女の膣内に変化が現れ始めた。肉壁の動きが、小刻みになってきている。
 それに伴い、俺の方も射精感が近付いてきていた。

「ルシオラ……イきそうなのか?」

「あんっ! あんっ! なんか来ちゃう……なんか来ちゃいそうなのぉ!」

「俺も……もうすぐイきそうだ……!」

「あんっ! 中にぃっ! 私にも、おキヌちゃんと同じ、中に出してぇっ! タダオの精液、いっぱい、いっぱいちょうだぁい……っ!」

 ルシオラがそうねだると、おキヌちゃんが彼女の乳首を、引っ張るように強く摘み上げた。それに合わせ、俺も最後の一突きを彼女の一番奥に突き入れる。

「ひゃっ……! ああっ! イっちゃ……イっ……あ、あはぁああ〜っ!」

 その刺激で達したルシオラが、絶叫を上げた。同時、彼女の膣内が、キュウッと強く収縮する。

「うっ……! 中に……出すぞっ……!」


 ドビュルッ! ビュクッ! ビュルルルルッ!


 俺も一緒に果て、彼女の子宮めがけて白く熱い想いを大量に放出した。とても三回目とは思えない量が、彼女の奥へと流れ込む。

「はああぁぁぁぁ……っ! 中に……中に、熱ぅい……!」

 達した直後に来た中出しの感覚に、彼女は絶頂感から解放されず、ビクッビクッと体を痙攣させている。
 それがまた、彼女の膣内に影響を及ぼす。その肉壁は俺の肉棒から一滴残らず精液を搾り取ろうと、痛いぐらいに収縮してきた。その上でなおぐにぐにと蠢く肉壁が、たまらなく気持ちいい。

 ……ビュクッ……ビュクッ……ビュクッ……

「う……また止まらない……」

「あん……出てるぅ……まだ出てるよぉ……」

 先ほどのおキヌちゃんの時と同じように、一向に止まらない射精。二人とも膣内が気持ちいい分、射精も長くなるということか。

 やがて射精も収まり、肉棒を引き抜いてルシオラの下から抜け出す。やはり、彼女のクレヴァスからも、収まりきらない分の精液がトロトロと溢れ出ていた。
 三度目にも関わらずよくここまで大量に出せたものだと、我ながら感心する。

「はぁー……はぁー……はぁー……」

「はぁ……はぁ……タダオ、凄かった……♪」

「二人とも、お疲れ様でした♪」

 さすがにこうも立て続けだと、息も切れる。荒く息をつく俺とは対照的に、ルシオラは満足げに微笑み、おキヌちゃんはにっこりと俺たちを労った。
 そして、おキヌちゃんは俺の正面にやってきて、くたっと萎えた俺の肉棒をまじまじと観察する。

「おキヌちゃん……?」

「こんなにべとべとになっちゃって……今度は私が綺麗にしてあげますね♪」

 言って、おもむろに眼前の肉棒を舐め始めた。

「あ……ずるい。私も」

 それを見たルシオラも、負けじと俺の肉棒に顔を近付け、一緒になって舐め始めた。

「お、おいおい、二人とも……」

「んっ……はぁ……んふ……」

「んん……んちゅっ……はぁ……」

 俺は制止の声を上げたが、彼女達は聞いた様子もなく、一心不乱に肉棒を舐め続けた。
 両サイドから始まり、おキヌちゃんが肉棒を口に含むと、ルシオラの方は袋を頬張り始める。
 右から左から。
 上から下から。
 前から後ろから。
 二人は自分の顔の位置を何度も入れ替えながら、俺の肉棒を余す処なく舐め続けた。時折、互いに舌を絡ませて、舐め取った精液を交換し合ったりもした。

 そして――まあ、当然と言えば当然かもしれないが。

「……あ……」

「また……おっきくなっちゃいましたね」

 彼女達の懸命な奉仕の前に、俺の肉棒は性懲りもなくまたもや元気になってしまった。

「んもう……三回も出したっていうのに節操がないわね、タダオって」

「伊達に煩悩魔人って呼ばれてたわけじゃないですね」

「うっ……」

 口々に俺を責める彼女達の言葉に、俺は返す言葉も見つからない。だが、そう言っている彼女達の頬は紅潮していて、言葉とは裏腹にどことなく嬉しそうだ。
 そしておもむろに、おキヌちゃんが俺の首に両手を回して抱き付いてきた。

「ね……忠夫さん? さっきはルシオラさんだったから、順番で言えば次はまた私ですよね……?」

 そう耳元で囁くおキヌちゃんとは対照的に、一歩引いた位置から俺たちを見るルシオラは、「ずるい」とでも言いたげな表情だ。
 彼女は眉根を寄せて「むー」と一声唸り――

「……えいっ」

「きゃっ!?」

 唐突に、横からおキヌちゃんを押し倒した。

「……ルシオラ?」

「ルシオラさん……!?」

 突然の行動に、俺とおキヌちゃんは目を丸くした。特に押し倒されたおキヌちゃんの方は、若干狼狽気味だった。

「ふふ……だめよおキヌちゃん。タダオは二人のものなんだから」

「……俺は所有物扱いかよ」

「えーと、えーと……?」

 おキヌちゃんを組み伏せている格好のまま言うルシオラの言葉に、俺は苦笑を禁じえない。おキヌちゃんの方といえば、どう返したものかと少し混乱している様子だ。

「抜け駆けしようとする悪い子には……こうよっ♪」

「あっ……!」

 言って、ルシオラはおキヌちゃんの首筋に舌を這わせながら、右手でそのおっぱいを揉み始めた。
 ……どうでもいいが、「悪い子」なんて台詞は、むしろ彼女を出産したおキヌちゃんの方が言ってこそ似合う台詞じゃなかろーか。
 そんなどーでもいいことを考えているうち、彼女はおキヌちゃんの両足を開いて自分の体をねじ込み、M字に開脚したその両膝の下に自分の両膝を潜り込ませた。結果、正常位で互いのクリトリスをこすり合わせるような体位が作り上げられる。

「んっ……!」

「ああっ……! こ、こんな……!」

 こんな格好で女同士、体を重ね合わせている姿を見られるのが恥ずかしいのか、おキヌちゃんは羞恥に顔を真っ赤にしている。

「うふふ、真っ赤になっちゃって……ほんと、おキヌちゃんは可愛いわね♪」

「やぁ……!」

 下にいるおキヌちゃんに体重をかけないよう左手で体を支え、右手は五指と手の平を使っておっぱいを責める。腰はゆっくりと動かし、勃起して赤くなったお互いの敏感な突起を、こすり合わせ続けている。
 二人の腰が動くたびに、先ほど俺がそれぞれの奥に放出した白い液体が、二つのクレヴァスからトロリと溢れ出ていた。
 そんな二人の痴態を、俺はじっと観察し続け――

「んっ……何ぼーっとしてるの、タダオ? ……んんっ……」

「へ?」

 ルシオラに責められ、呆けた声を上げてしまった。
 振り返った彼女の頬は紅潮していて、その表情は切なそうに歪められていた。それは、おキヌちゃんとクリトリスをこすり合わせているから……だけじゃないだろう。
 そのおキヌちゃんは、されるがままに「あっ、あっ」と可愛い喘ぎ声を上げている。

「へ? じゃ……んっ……ないでしょ? ……んっ……目の前にあなたの大好きなお○んこが二つもあるのに……んっ、ふぁ……どーして何もしようとしてくれないのよ……?」

「……あ、そーゆーことか」

 腰を振り続ける彼女の表情とその言葉に、ようやっと俺も彼女の欲しているものがわかった。

「ん、もう……どっちが先でもいいから、早く来て……ね?」

 言いながら、ルシオラはおキヌちゃんの乳首を軽く捻った。その刺激に、おキヌちゃんは「ひゃうっ!?」と悲鳴じみた嬌声を上げた。

「わかった、わかったって」

 苦笑し、俺は自分の肉棒を手に取った。

 ……さて。それじゃ、どっちから行こうか?
 目の前で動く二つのクレヴァスを見比べる。二つとも物欲しそうにヒクヒクと動いていて、内側から俺の白濁液がトロトロと溢れ出ている。さっきすくい取っていた分、その量はおキヌちゃんの方が少ないが。

 と――視線を感じた。

 そちらに目を向けると、相変わらずルシオラがこちらを見ていた。のみならず、おキヌちゃんまでもが一緒になってこちらを見ている。小さな喘ぎ声を出しながらも、その視線にはねだるような意思が込められていた。

 ……うーん……
 そんな目で見られると……なんとゆーか。


 意地悪したくなる。


「よしっ……」

 決めた。
 俺は手に持った肉棒を、おもむろにおキヌちゃんのクレヴァスに宛がった。

「ああん……♪」

 悦びの声を上げるおキヌちゃん。肉棒の先端でその入り口を軽く撫でると、クチュッと淫靡な水音が響いた。
 が――直後、俺は挿入せずに離し、その上にあるルシオラのクレヴァスに挿入した。彼女の膣内は俺の精液でヌルヌルになっていて、さしたる抵抗もなくすんなりと俺の肉棒を受け入れた。
 ジュプッと音を立て、結合部から精液が逆流し、溢れてきた。

「は……あ、入って……くるぅ……!」

「え……?」

 期待していたモノが入って来なかったことで、おキヌちゃんは呆けた声を上げた。

「なんで……?」

 ルシオラに挿入した俺を、切ない表情で見つめてくる。しかし俺は、動じることなく抽送運動を始め、おキヌちゃんに向かってにっこりと微笑んだ。

「大丈夫だよ。すぐにそっちにも挿れてあげるから」

「はぁん……そんなぁ……」

「……うん。やっぱり、おあずけされて切なそうにしているおキヌちゃんも可愛いや」

「やぁん……意地悪ぅ……」

 目に涙を溜めて、泣きそうにしている彼女。可哀想にも思えるが、その表情もまた、ある種『そそる』ものがあった。
 俺とルシオラの間で、パンパンと肉を打ち付ける音が響く。その動きで、重ね合わされた二人のクリトリスも激しくこすり合わされている。おあずけされているおキヌちゃんも、「あっ、あっ」と喘ぎ声を上げていて、満更でもなさそうだった。

「はぁ……はぁ……タダオ、タダオぉ……」

「ルシオラも可愛いぞ」

「あん……」

 腰を折り、その背に軽くキスをする。
 そして俺は肉棒を引き抜き、もう一度おキヌちゃんのクレヴァスに宛がった。

「あ……忠夫さん……」

「今度こそ挿れるからな」

「はい……んっ……」

 言うや否や、俺は今度こそ本当におキヌちゃんに挿入した。

「はぁぁぁぁ……忠夫さんのお○んちん、おっきぃ……」

「ん……キツ……」

 焦らした分、締まりもひとしおだった。こっちの膣内も俺の精液でヌルヌルだったが、それでもなお、その締まりは健在だった。

「あん……あん……はぁ……あっ……あん……」

 抽送運動を始めると、おキヌちゃんの甘い吐息が部屋に響いた。

「二人とも、奥までグチョグチョだ……」

「だってぇ……忠夫さんがぁ……」

「タダオのせいでしょ、それ……」

 俺の言葉に、おキヌちゃんは羞恥で真っ赤になり、ルシオラは困ったような顔で責めてきた。
 ……まあ確かに、グチョグチョなのはおもに俺の精液が原因なんだけどな。
 そんな心情を誤魔化すかのように、俺は腰を振り続けた。


 ――そして――


 おキヌちゃんへの抽送運動を少し続けてから、また肉棒を抜いてルシオラに挿入。
 抽送運動を少しやってから、また引き抜いておキヌちゃんに。

 ルシオラに。
 おキヌちゃんに。
 ルシオラに。
 おキヌちゃんに。

 挿れて、子宮口を激しくノックし、抜いて、挿れて。
 繰り返し、繰り返し、二つの膣内を何度も往復。
 俺の精液でいっぱいになっている二人の膣内を、更にグチョグチョにかき混ぜる。

 ルシオラの、魔性のごとき絡みつき。
 おキヌちゃんの、まるで処女のような締まり。

 性質のまったく違う、しかし甲乙付けがたい、二つの最高の名器。それらを入れ代わり立ち代わり交互に堪能し続けるうち、俺たち三人のオーガズムはだんだんと最高潮に近付いて行く。
 俺の限界は近い……見れば、おキヌちゃんもルシオラも、何かに耐えるかのような様子で吐息を荒くしていた。

 頃合か……?

 そう思い、俺は何往復目かのおキヌちゃんの膣内から肉棒を引き抜くと――

「ひゃっ!?」

「はぅっ!?」

 ルシオラのクレヴァスに挿れることなく、俺の精液と二人の愛液でベトベトに汚れた肉棒を、二人の間に差し込んだ。新たな刺激に、それまでの刺激に慣れていた二人は驚いた声を上げる。
 二重素股とでも言うべきか。これにより俺の肉棒を包むものは、膣内の肉壁から、二人の素肌、陰毛、そしてクリトリスに取って代わった。
 これによって、また違った気持ち良さが味わえる。何より、この形なら三人同時に感じ合えるというメリットがあった。

「動くよ……二人とも」

「え……? うん……」

「はい……」

 俺の宣言に、二人が頷いた。そして俺は、おもむろに腰を振り始めた。
 二人の愛液と俺自身の精液でヌルヌルになった俺の肉棒が、二人の素肌とクリトリスをこする。

「はぁっ……! あっ……! ああっ……!」

「んっ……! これ、すごぉい……! んあっ!」

 初めて……というわけではないが、滅多にやらない体位なので、二人の反応も違ってくる。
 俺だけでなく二人も腰を振っているのだが、そのタイミングが微妙にずれているので、上下別々のスライドが送ってくる刺激は、さながら二重奏のよう。勃起した二つのクリトリスが肉棒を上下からこするのも、火照った素肌が送ってくるぬくもりも、快楽の一つのアクセントだ。

「忠夫さん! 忠夫さん……! 私、感じ過ぎちゃって……!」

「ああんっ! ダメ、私、おかしくなっちゃう……!」

 悲鳴のような喘ぎ声を上げる二人は、意識しているのかいないのか、腰を振るペースを早めている。無論、俺の方も限界間近で、同じようにペースを上げていた。

「くっ……! 俺も、もうすぐ……!」

「はぁあ……っ! で、出るんですか? なら、このまま……!」

「このまま、私たちの体にぃ……! タダオの精液で、私たちを思いっきり汚してぇ……!」

 二人の淫猥な要望が、俺の耳から脳髄を駆け巡る。それがまた、間接的に俺の性感を刺激し、一気に限界のトリガーを引いた。

「うっ……出る……っ!」

 ――刹那――


「あ……は……あ、あああああ〜っ!」

「い、イクぅっ……あああああああ〜んっ!」

 ドビュルルルッ! ビュクッ! ドビュルッ!


 二人が達したのが先か、俺が射精したのが先か。
 ともあれ、俺が水鉄砲のごとき勢いで放出した精液は、二人の腹と言わず胸と言わず、その射線上全てを真っ白に汚した。その四回目にも関わらずな量も、煩悩魔人の面目躍如と言わんばかりだ。
 心地良い脱力感が、全身を包む。俺は腰を引いて二人から肉棒を離し、両足を投げ出してベッドの上に座った。

「はぁ……熱ぅい……」

「凄いです……忠夫さんの、顔まで飛んできちゃいました……」

 互いに体を離し、息を荒げながらも、恍惚とした表情でつぶやく二人。
 二人の裸体のところどころにつけられた、白いまだら模様。そのエロティシズムにはある種の美が内包されていて、俺からすれば可愛らしいことこの上ない。
 特に下になっていたおキヌちゃんは、重力の関係上より多くの精液をかぶっていて、その顔は精液による化粧が成されていた。

「二人とも……気持ち良かったぞ」

 俺は息を整えながら、率直な感想を二人に投げかけた。

「ふふ……私たち二人、忠夫さんの精液で中も外もいっぱいです」

「すっごい感じちゃった……♪」

 精液まみれになった二人は、そう言って淫靡に微笑んだ。

「ふー……疲れちまった」

 言って、俺は体を仰向けに倒した。

「私も……疲れちゃいました」

「激しかったからね」

 すると、二人も頷き、俺の両隣にごろんと寝転がった。


「…………」

「…………」

「…………」


 しばし、奇妙な沈黙が落ちた。互いの荒い吐息ばかりが、耳に入る。


 ――やがて――


「なぁ」

「はい?」

「何?」

 何か言おうとする俺に、二人は聞く体勢に入る。
 俺は二人の顔を交互に見やり――

 ……ぐいっ。

「きゃっ」

「あっ」

 両手で、二人の頭を抱き寄せた。

 ――そして。


「……愛してる。二人がこの世で一番だ」


 囁く。

 突然耳元で言われた、普段なら絶対に言えないような、極上にくさくて甘い台詞。二人は不意を討たれたかのように驚いて目を丸くし、一拍置いてから、揃って茹蛸のように顔を真っ赤にした。

 ……そして。


「私たちも……」

「タダオが一番よ♪」


 二人、示し合わせたかのように台詞を合わせ、両側から同時に頬にキスしてきた。柔らかく温かい唇の感触が、両側の頬から感じられた。
 温かく心地良い空気が形成され、自然と頬が緩んでくる。

 ――ああ、なんて俺は幸せ者なんだ――

 腕の中の二人の存在を感じるほどに、その想いが強くなる。世間的に見ればインモラルな関係なのだろうが、そんなことは関係ない。今感じている幸せ、それが全てだ。

 俺たちは互いに見つめ合い、緩んだ空気に身を任せ、バカップルそのものの乳繰り合いを始め――


 ――ようとしたその時。


「……ふわあぁぁぁぁぁっ!」

「「「!?」」」


 突然、子供部屋の方から泣き声が響いてきて、俺たちは三人揃って飛び上がった。

「この声は……絹華!?」

「もしかしなくても夜泣き!?」

「大変! 行かなくちゃ!」

「おキヌちゃん待ったあああっ!」

 慌てて部屋を出ようとするおキヌちゃんに、俺は待ったをかけた。

「ふぇ? どうしたんですか? 急がないと……」

「急いでどーする! その格好で行くつもりか!」

「え? ……きゃっ!?」

 言われ、初めて気付いたのか、おキヌちゃんは慌てて自分の体を両手で隠した。
 ……いや、条件反射なんだろうけど、今更隠すことに意味はないから。
 ちなみに、今のおキヌちゃんは――ルシオラもそうだけど――全裸の上、俺の精液で全身ベトベトだった。さすがに、そんな格好で子守りをするわけにはいかないだろう。
 その点、俺は致命的に汚れているといえば股間のみである。ここは適材適所ということで……

「とりあえず俺が引き受けるから、二人は軽くシャワー浴びてきてくれ」

 そう言って、俺はパンツを履いて部屋を出――


「ナニしてんのよタダオーっ!」

「げぶろっ!?」


 突然、ルシオラの魔力砲が俺の背中に直撃した。
 いや……ナニしてんのって……俺は別に……

「ちょっと……何トチ狂って私のショーツ履いてるのよ! 変態!」

「いや……さすがに全裸で行くわけにはいかんし、ここには俺のパンツはないし……」

「箪笥の引き出しにあるでしょーがっ! それに、自分で腰に巻いてきたバスタオルだってそこにあるでしょ!」

「おおっ」

「おお、じゃなーいっ!」

「ぶろぼぉっ!?」

 二度目のツッコミと共に放たれたニ発目の魔力砲は、ものの見事に俺を壁にめり込ませてくれた。
 だが、こんなアホなやり取りの最中でも、子供の夜泣きは続く。しかも蛍護にまで伝染したのか、泣き声が二人分に増えてるし。

「っと、こんなことしてる場合じゃない! 急がないとっ!」

 0.1秒で復活した俺は、一瞬で乾いた血を手で拭い、投げ捨てていたバスタオルを腰に巻いて、急ぎ部屋を後にした。


「……私のショーツ、ゴム伸びちゃった……しくしく……」

「忠夫さんったら、しょうがないんですから……明日、忠夫さんに新しいの買ってもらいましょうね」

「そうね……ついでだから、他にも色々買わせてもらおうかな……勿論、荷物はタダオ持ちで」

「忠夫さんって昔はすごい荷物をいつも運んでましたから、山積みの三つや四つ、ぜんぜんへーきですよ♪」


 ……後ろから聞こえるそんな声を、全力で無視しつつ。
 明日は……何かを覚悟しなければならないかもしれない……


 …………。


 いやまあ、その、なんだ。

 そんなんでも、幸せの一コマには変わりないんだけどな。


 二人とも――


 これからも……末永く、よろしくな。


 ――あとがき――


 企画でも二人三脚でもなく、こっちの方の電波を受信してしまいました。『ハッピーエンドは終わらない 〜六年後〜』にて妻が二人に増えた横島家の夜は、どんな感じだろう? という話です。
 外伝的な位置付けの話なので、また、従来の人称では表現しきれない部分でもありましたので、人称形式を変えました。
 とゆーかぶっちゃけ、「昆虫の触角ってセンサーなんだから、ルシオラの触角って敏感で当たり前じゃないの?」というネタから膨らんだ話でもあります。虫っ娘バンザイw
 しかも何気に、18禁はまだ二作目です。経験値不足です。ここまで濃く長く仕上げるのには苦労しました。というか、濃すぎて読者が引かないか心配です。はてさて。

 ちなみに、ヒロイン二人は出産して間もないので、母乳も当然出ます。けど搾乳プレイは少々マニアックだと思ったので、あえて描写しませんでした。そういった描写が欲しい人は、各自脳内変換して『出てるもの』と思ってくださいw

 では皆さん、次回作でまたお会いしましょう♪


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