今日も一日終わりました。
「はふぅ……」
私は巫女服から着替えもしないままベッドに寝転がり、疲れを吐き出すかのように吐息を漏らしました。
今日の除霊は、なかなかハードでした。悪霊の数は多くて、私のネクロマンサーの笛でも一度に成仏しきれなくて……私を守ってくれる横島さんの背中が、ひどく印象に残ってます。
「……横島さん……」
きっと、美神さんは気付いている。横島さんの私を守ろうとする態度が、以前より必死さを増していることに。
隠しているわけじゃない。でも、ちゃんと言ったわけでもない。聞かれれば、たぶん正直に答えると思います。けど、聞かれない限りは……自分から言うことはないかもしれません。
だって、言い出しづらいんです……美神さんの気持ちも知っているから……
でも。それでも。
「……横島、さん……」
彼の名を呼ぶ私の吐息に、熱がこもってしまいます。けどその直後、下腹部に何かが這う感覚と、右手の指が何かに触れる感覚が、同時に脳を刺激しました。
――なんてことはありませんでした。ただ、私の右手が、自然と袴の下に潜り込んでしまっただけです。
私はその指を、さわ……と下着の上からアソコに這わせます。空いている左手は上着の下に潜り込ませ、ブラの上から右のおっぱいを揉み始めます。
……たとえば、この手は横島さんの手。
横島さんが、私のおっぱいを……私のアソコを、優しく、愛おしく愛撫します。
私の手が……私が『横島さんの手』と思い込もうとしている私の手は、ゆっくり、ゆっくりと円を描くようにおっぱいを揉んで、アソコを優しく撫で続けます。
「……はぁ……横島さん……横島、さん……」
気分が高揚してきて、おっぱいを揉んでいる左手はブラの下に、右手も同じようにパンティの下に潜り込んじゃう。
手が……止まらない。
本当に、私の手じゃないみたい。横島さんの手みたいに、私の意志に関係なく動いちゃう。
右手の人差し指は、私の大事なところを割れ目に沿って撫でる。左手の人差し指と親指は、おっぱいの先っぽをクリッとつまむ。
「……ひゃうっ……」
その瞬間、体中を軽く電気が走ったような気がした。
それでも、私の両手は止まらない。草木も眠る丑三つ時、私は自分の部屋のベッドの上で、一人寂しく悶え続けます……
『愛情と愛欲のはざま』
――今更隠すこともないけれど、私は横島さんのことが好きです。
同じ職場で働く同僚としてではなく、ましてや友人関係でのそれでもなくて。
ライクじゃなくてラブ――そう。私は横島さんに恋してます。
「……あん……んっ……よ、横島さ……んふぅ……」
初めて逢った時、私は幽霊でした。300年前に人身御供として命を落とし、山の神にもなれず成仏もできず、いつしか身代わり求めてさまよっていた私……
闇に堕ちかけていた私が出逢った貴方は、幽霊を押し倒すような規格外の人で。
思えば、初めて逢ったあの時から、私は貴方に惹かれていたのかもしれません。
「横島さん……横島、さん……」
初めて海に連れて行ってもらった時。山育ちの私は、見るもの全てが新鮮で。
私が見つけてきたフナ虫を、貴方は気持ち悪そうに見てましたね。
あの後、貴方は知らない女の人と親しげに話してました。それを見た時、私の中で、モヤモヤとした未知の感覚が芽生えました。
あの人に関係した事件が解決した後、私は取り憑くかのように貴方の肩に乗ってしまいました。……なぜか、そうしないといけないような気がしましたから。
「……あふぅ、んっ……よ、こしま、さん……」
初めてのクリスマス。貴方は私のために、幽霊でも着れる服をプレゼントしてくれましたよね。
嬉しかったです、本当に。あの服は、今でも私の宝物です。
そして、私が生きている女の子の中に入っちゃった時。外で偶然出会った貴方は、一目で私だって見抜いちゃいましたね。
気付いてもらえて、嬉しかった。生身の心臓がドキドキと脈打つのが苦しくて、でも心地良かった。
「……はぁ……はぁ……横島……さん……」
GS試験の時。貴方は目覚めたばかりの霊能力で、一生懸命頑張ってましたね。
そんな貴方の姿に、私も釣られて一生懸命になっちゃいました。……あの応援、うるさかったですか?
けど貴方が勝ち抜くたびに、私は我がことのように喜んでいました。貴方は本当は凄い人なんだって、何度も何度も思いました。
……こういうのを、『惚れ直した』って言うんでしょうか?
「……あぁ……んっ……あぅん……」
色々あって。美神さんと貴方と、三人で乗り越えて。
……そういえば、小鳩さんが引っ越してきた時、仮とはいえ結婚しちゃいましたよね。私、いきなり出し抜かれちゃったような感じがして、すごく悔しかったんですよ。
そして――あの死津喪比女の時。
復活した死津喪比女を退治するために結界装置に戻った私を、貴方と美神さんは救おうとしてくれました。私を取り戻そうと、必死に手を尽くしてくれました。
そんな貴方たちだから、私は喪いたくなかった。
あの時、無線で横島さんの通信が途切れた時――私は考えるより先に、自ら死津喪比女に向かって特攻してました。
横島さんだけは守らないと。この命……いえ、魂にかけて。
そう思って、消滅するのを覚悟で死津喪比女に特攻した私。でも結局、私は消滅することなく死津喪比女は倒れ、生き返れるチャンスを得ることになりました。
でも、幽霊の記憶は夢のようなもの。私の幽霊としての記憶は、生き返ると消える儚いものでした。
大切な、それこそ引き換えとして自分の存在が消えることさえ厭わないほど大切な、貴方との思い出。それが消えることが怖かった。
でも、そんな私の背中を――
――俺たちは、何も失ったりしない――
そう言って、貴方は優しく押してくれましたね。
今の私があるのは、全部貴方のおかげ。貴方がいなければ、私はここにいなかった。
「……あん……あっ……はぁ……はぁ……よこ……しま……さ……はぅん……」
でも……貴方は。
蛍の化身の彼女が現れたあの時。
貴方は、文字通りの命がけで恋する彼女を、選んでしまいましたね。
私は美神さんの問いに「よくわからないんです」なんて言っちゃいましたけど……本当は、凄く悔しかったんです。ずっとずっと想っていた貴方を取られてしまって。
けど、それとは別に。
一生懸命彼女を救おうとしてた貴方を。その結果彼女を救うことが出来て喜んでいた貴方を見て。
私は、貴方のその笑顔を見て、自分も嬉しく思ってたんです。
――よかったですね、横島さん――
悔しさと一緒にそんな祝福の気持ちが湧き上がって、私の心は複雑でした。
……けど。
それだけに。貴方と同じように嬉しかっただけに。
最後は結局救うことができず、下水道の中に慟哭を響かせる貴方を、私は見ていられませんでした。
最後に貴方の手に残った、少しだけ足りない彼女の霊破片。
どこかに蘇らせられる手段がある――私も一緒にそれを探してあげようと決意し、悲嘆にくれる貴方の手を、彼女の霊破片ごと両手で包み込みました。
私のその想いに……貴方は気付いていたでしょうか?
「……横島さん、横島さん、横島さん……」
私の両手は、いつの間にか二本で協力し、私のアソコを責め立てていました。
まだ慣れないソコは、このあいだのことが尾を引いているのか、いまだじんじんとわずかに痛みます。
けど――痛みはそれだけ。それよりも大きな快楽の波が、クチュクチュという淫猥な水音と共に、私の脳髄を刺激します。
ピンク色のおマメを指の腹で転がしたり。
両手を使ってアソコを広げてみたり。
二本……時には三本、指を出し入れしたり。
「……あっ、あっ、よ、よこ、しま、さん、あっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
吐息の熱量がどんどんと上がります。快楽の波が、加速度的に大きくなります。
やがて――私は、横島さんの肌の温かさを思い出しながら、ピンク色のおマメを強くつまみました。
「あっ……あああぁぁあああああーっ!」
瞬間、ひときわ強い快楽の波が、全身を奮わせました。
意識が飛びかけ、けれど結局飛ぶこともなく、私は朦朧とする意識の中、心地良い脱力感に身を委ねました。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
今、自分が服を着ているのか着ていないのか、それさえもわかりません。
けど、脱力した体と意識では、それを確認する意思さえ湧き上がりません。
このまま眠ってもいいかな――そう思って、目を閉じます。
――けれど。
「……足りない……」
足りない。足りない。足りない。足りない足りない足りない足りない足りない。
私は薄く目を開けると、再び手をアソコに這わせます。
でも、こんなのじゃぜんぜん足りない。以前でしたらこの先を望むこともなかったのですけど、知ってしまった以上は自分の指なんかじゃ満足できません。
欲しい。
横島さんの唇が。横島さんの愛撫が。横島さんのアレが。横島さんの子種が。横島さんの愛情が。
横島さんの全てが――欲しい。
「横島さん、横島さん、横島さん、横島さん、横島さん……」
彼の名を繰り返しながら、想いの激しさを体現するかのように、アソコを責める指の動きも激しくなります。
もう、自分が何をしているのかさえ、よくわかりません。意識が朦朧としながら、けど指の動きは止まりません。
と――
「……おキヌちゃん……?」
気がつけば目の前に、赤いバンダナがトレードマークの、私が待ち望んだ愛しい人がいます。
一週間前、やっと秘めていた想いが通じ、大事な処女を捧げた、最愛の人が。
ああ……これは幻覚なんですね。だって、こんな時間に横島さんが私の部屋にいるわけないですから。
これはきっと、私の浅ましい欲望が見せている、優しい幻覚……
私はベッドから身を起こし、その『幻覚』に抱き付いた。
「横島さん……」
「お、おキヌちゃ……んむっ」
何か言おうとしたその唇を、私は自分の唇で塞いじゃいました。そして舌を入れ、丹念に『幻覚』の咥内を味わいます。
「んっ……はぁ……」
吐息と共に唇を離すと、私の舌と『幻覚』の舌の間に、銀色の橋がかかります。その橋はすぐに切れ、私は『幻覚』の服にゆっくりと指を這わせながら、その前を止めるボタンを一つずつ外していきます。
「お、おキヌちゃん、どうしたんだ……?」
「うふふ……横島さん……」
『幻覚』の問いに答えることなく、私はボタンを外し続けます。
やがて、全てのボタンが外れると――彼の引き締まった筋肉質の体が、露になりました。
私はその肉体に舌を這わせます。胸から鳩尾に、鳩尾から臍に……味わうよう、ゆっくりと。
『幻覚』は「んっ……」と吐息を漏らし、感じ入ってます。
私の舌が臍を通り過ぎると、その先はズボンに隠されて舌が降りません。舌を離し、ジーッ、と音を立ててジッパーを下ろすと、その中から中身がパンパンに膨れ上がったトランクスが見えました。
「ちょっ……おキヌちゃん、待って……!」
そのトランクスの前を止めるボタンを外し、広げて中身を外気に晒させます。
開放され、飛び出たソレは、間違いなく私の待ち望んでいた剛直でした。剛直から漂う一種独特の臭いが、私の性感を刺激します。
「……あはぁ……」
私は嬉しくなって笑みをこぼすと、その剛直に顔を近づけ、舌を這わせます。
「おキヌちゃ……うっ」
舌を這わせるたびにピクピク動くのが可愛いです。
トランクスの上から袋を揉みながら、丁寧に竿からカリへ、カリから亀頭へ、そしてまたカリへ……順繰りに舌を這わせ、そのたびにピクッピクッと動き、だんだんと固さと大きさを増して行きます。
「ん~……はむっ」
そして私は我慢できなくなり、その亀頭を口に含みました。
横島さんの匂いが、咥内を通って鼻の中にまで漂ってきます。その匂いに性的興奮を覚えながら、一生懸命その剛直に舌を絡ませて味を堪能します。
やがて、口の中の剛直が、ピクピクと痙攣しはじめました。
「お、おキヌちゃん、出る……!」
……出る? 出るって、横島さんの精液……?
……だめ……
私は口の中から『幻覚』の剛直を開放し、外に出した。そして、出ないようにソレをぎゅっと強く掴みます。
「……だめ……です……」
「え……そ、そんなぁ。生殺し?」
「違いますよぅ……出すんでしたら、私の中に……ください……」
――その言葉に、『幻覚』が一瞬固まりました。
そして一拍置き――
プシューッ。
『幻覚』は、顔を真っ赤にして、頭から盛大に煙を噴きました。
……本当に、我ながらよく出来た幻覚だと思います。たぶん、本物の横島さんも、こんな反応するんでしょう。
私はクスッと笑うと、ベッドに仰向けになりました。
「横島さん……早く……くださぁい……」
そう言って、M字開脚してアソコを指で広げて見せます。……こんなこと、恥ずかしくて『本物』相手にはできないんですけど。
そして、私のおねだりに、『幻覚』は――
「お、おキヌちゃん……! 俺は、俺はもーっ!」
『本物』そっくりに大興奮して、一瞬で服を全部脱ぎ捨てて私に覆いかぶさってきました。
クチュ……ズププププ……
水音。直後に股間から伝わってくる、異物感。
「あはぁ……」
待ち望んでいたモノが私の膣内(ナカ)に侵入してくるのを感じ、私は思わず、歓喜の嬌声を上げてしまいます。
そしてすぐに、ソレは私の一番奥をノックしました。
「奥まで……入ったよ」
「はい……動いてください……」
私が促すまでもなく。
『幻覚』は、ゆっくりと腰を振り始めた。
クチュッ。クチュッ。クチュッ。クチュッ。
私の膣内を蹂躙する律動は、私のアソコからいやらしい水音を規則正しく響かせます。
その音が、膣内から脳髄に響いてくる快楽を増幅し、私の意識までもメチャクチャに蹂躙しちゃってます。
「あっ、あっ、あっ、あっ、す、すごいですっ、よこしまっ、さんっ」
「す、すごいよ、おキヌちゃんの膣内、気持ち、いい」
クチュッ、チュッ、クチュッ、チュッ、クチュッ、チュッ、クチュッ、チュッ。
律動はやがて強弱をつけられたものになり、私に更なる快楽を与えてきます。
私は思わず、目の前で快楽に顔を歪めている『幻覚』の背中に両手を回し、力いっぱい抱きついてしまいました。それが快楽に抵抗してのものなのか、それとも逆に、今以上の快楽を求めてのことなのか、自分自身で判断がつきません。
「あっ、あんっ、はぁっ、よ、横島さん、あんっ、好き、大好きっ、あんっ、あっ、あっ」
「お、おキヌちゃん、俺も、俺も好きだよ、おキヌちゃんのこと、誰よりも」
「う、嬉しい、んっ、よ、よこしっ、横島っ、さんっ、あんっ」
私たちは、正常位からいつの間にか対面座位なっていました。肌を密着させ、私のおっぱいが『幻覚』の胸板に押し付けられて、お尻を両手で掴まれての上下運動で、激しく形を変えています。
さらに、私は『幻覚』と舌を絡ませます。交わす言葉も含めたそれら全てが快楽に変わり、私の絶頂は急速に近付いてきていました。
「あっ、あっ、あっ、横島さん、私っ、もうっ」
「お、俺も、もう、限界……っ!」
「出してっ! 私の膣内に、いっぱい、出して、くださいっ!」
律動の激しさがピークを迎えます。私自身、もう無我夢中で何がなんだかわからなくなってます。
そして――
「うっ……くぅっ……!」
「あ、あ、あはぁあああぁぁぁぁああああぁあ~っ!」
ドビュルッ! ビュクッ! ビュルルッ!
二人同時に上り詰め、私の一番奥に熱い塊が解き放たれました。
「あん……熱いのが……膣内にいっぱい……」
激しい勢いで子宮に注ぎ込まれた精液は、じんわりと浸透するようにその熱さを滲ませます。
その熱さは幸福感となって、私の全身に広がってきます。
「横島さん……私……幸せ……」
「おキヌちゃん……」
目の前の『幻覚』に抱きつき、幸福感に全てを委ねるかのように全身を弛緩させて、体重を預けます。『幻覚』は優しく私の体を受け止め、抱き返してきました。
やがて――『幻覚』は身じろぎし、私の膣内からいまだ固さを保ったままの剛直を抜こうとしました。
――けど。
「……抜かないで……」
私は、それを押しとどめました。目の前の『幻覚』は、目を丸くしてます。
――足りない。
もっと欲しい。もっと愛し合いたい。もっと肌の温かさを感じていたい。
もう、理性も何もない欲望だけが、朦朧とする私の思考を支配します。
どうせ、夢。どうせ、幻覚。
なら、この夢を見ている間ぐらいは、欲望のままに求めたい。
「……もっといっぱい、私の膣内にください……もっと、もっと……」
「お、おキヌちゃん……っ!」
『幻覚』は再び私を押し倒し、キスを一つするとピストン運動を再開しました。
「……ん……」
窓から差し込んでくる太陽光に、私の意識はゆっくりと覚醒していきました。
「……もう朝……?」
私は目をこすり、ゆっくりと目を開けます。そして時刻を確認しようとして、枕元の目覚まし時計に目をやり――
「…………え?」
一気に目が覚めちゃいました。
目覚ましが指している時間は――ものの見事に、午前11時を示していました。
「ね、寝坊しちゃったー! ……って、え?」
慌てて起き上がって――そこで初めて、自分の格好に気がつきました。
「えええっ!? なんでこんな格好で……!?」
私は混乱の極みに達しちゃいました。
だって……だって私、何も着けてないんです! ぜ、全裸ってやつなんですよ! よく見れば、昨日寝る前に身に着けていた巫女服は、下着もろともそこら中に脱ぎ捨ててますし! それに、隣では横島さんも全裸で寝――
…………。
……。
…。
「…………え?」
ちょっと待ってください。なんで横島さんがいるんですか? しかも、格好は私と同じ全裸……この状況からすると、アレですか? もしかして昨夜、シちゃったんですか?
そういえば、なんかものすっごくエッチな夢を見たような気が……ってもしかして、夢じゃなかったんですか? 私が淫乱に何度もおねだりしちゃって、何度も何度も膣内射精してもらっちゃって、しかも夢だと思ってたそれが、実は現実だったんですか?
つと、自分のアソコに視線を向けてみます。おそるおそる手を伸ばし、くいっとソコを広げてみました。
……コポッ。
なんだかものすっごいいやらしい音を立てて、白い液体が零れ出てきました。
…………………………………………ぼむっ。
ちょっとおおおおおおおっ!? あれが現実だったんですか!? 誰か! 誰か嘘だと言ってください! 私、あんなにエッチな女の子じゃなかったはずじゃないですかああああっ! あああっ! 横島さんにエッチな女の子って思われちゃったああああああっ! どーしよどーしましょーっ! 私もー生きていけないーっ!
「……ん~……」
と――私が一人で悶えている時、隣から声が聞こえてきました。
はっ!と振り向いて見ると、そこでは横島さんが上体を起こしたところでした。
「よ、よよよよよよよ横島さんっ!?」
「ああ……おはよ、おキヌちゃん」
挙動不審な私と対照的に、横島さんは寝ぼけまなこで爽やかに声をかけてきました。
「えっと、よ、横島さん! き、きのうは、あの、あの」
「昨日……あー、ごめん、おキヌちゃん」
「……え?」
私が昨日の弁明をしようとしていたら、いきなり横島さんが頭を下げてきました。
「あのさ……実は俺、こないだの……その、初めてシた時のこと忘れられなくてさ……仕事が終わって帰る前に、思わずおキヌちゃんの部屋に忍び込んじゃったんだ」
恥ずかしげに、顔を真っ赤にしながらそんな言い訳をしてくる横島さん。……なんか、可愛いかも。
「それで……まあ、あんなことになっちゃって……その、成り行きとはいえ、いっぱい膣内に出しちゃったっしょ」
「……あぅ……」
昨晩のことをリアルに思い出させられ、私は顔から火を噴くぐらいに火照ってしまいました。……面と向かって言わなくてもいいじゃないですか。まともに顔を見ることができません……
「それで、さ……もし、ね」
「はい……」
「もし、それで……赤ちゃんが出来ちゃったらさ……その、結婚、しよう」
「はい…………………………え?」
頷き――その言葉の意味を理解しようとして、思わず聞き返してしまいました。
えーと……今、結婚って言いました? あの、私の聞き間違いじゃ……ないですよね?
横島さんは、そんな私の反応を見て、真っ赤な顔をさらに真っ赤にします。
「あ、いや! 子供が出来たら結婚するなら、出来てなかったら結婚しないとか、そーゆーんじゃなくて! なんつーか、その、えーと……」
横島さんが、必死に続く言葉を捜している。私も、その続きが聞きたくなって、じっとその先が出てくるのを待ってます。
言葉を見つけられない横島さん。言葉を待つ私。沈黙はだんだん気まずいものになって、お互い顔を合わせ続けるのが困難になってきました。
――やがて。
「えーと……これからは、結婚を前提にした付き合いにしたいなーってことで……いいかな?」
「は……はい。不束者ですが、よろしくお願いします……」
遠慮がちに提案してくる横島さんに、私は真っ赤になってそう答えるのが精一杯でした。
――あとがき――
えー……二人三脚シリーズを書き途中で、衝動的に三時間で書いた作品です。そして私の18禁初挑戦作。
至らないところが多々あると思いますが、生暖かい目で見守ってくださいw
ちなみにこの作品のコンセプトは、「積極的にエロいおキヌちゃん」です。