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「異なる未来へ!プロローグ(GS)」

マハラジャ (2006-11-25 15:47)

高校卒業後、横島忠夫はルシオラを助けられなかった自分の力不足を悔やみ、
美神除霊事務所を休み、妙神山で修行を行った。

妙神山の修行で、今まで学ばなかった基本的な霊力の使い方と
チャクラを自分の意思で廻すことでの霊力調整を学んだ。
実際にはチャクラの制御は数十年の修行が必要なのだが、文珠で自身のチャクラを『操作』して、
その経験から学ぶという反則的な習得をした。
その結果、基礎霊力の数倍の出力を得て、尚且つ霊力の回復を行えるようになった。

後は知識と経験となったが、これも文珠で斉天大聖老師や小竜姫の知識・経験を
『写』したので、ほぼ解決した。
呆れるほど文珠は使い様によって効果が発揮できるものである。


修行開始より2ヶ月後、一通り終了したので美神除霊事務所に戻ってきたのだが
そこには美神令子の姿がなかった。

横島が戻る少し前に十億もの仕事が入り誰の協力も得ず除霊に行ったのだが、
そこには報告より強力な妖怪がいた。普段の美神なら少々強い敵であろうと何とかなったのだが、
いざというときに横島がいないことを忘れ横島を頼り声をかけたが、
何も返事が無い為に振り返ってしまい、その隙に攻撃をくらい重傷となった。
何とか除霊に成功するが、美神自身も出血多量の為に程なく死んでしまった。

美神除霊事務所は無くなり、事務所の各々はバラバラになった。
おキヌは家族の下に戻った。シロは人浪族の里に帰った。タマモは美智恵預かりの保護妖怪となった。

美神令子の遺産の半分は美智恵の物となったが、残り半分は美智恵の意思により横島に渡された。
金銭的には普通の人生であれば一生遊んで暮らせる額を手に入れ、
美智恵よりGSの正式な資格を渡されたが、横島にはもうGSとして働く意思が無く、
ただボンヤリと自室で考え込んでいた。


美神令子が無くなって初めて気が付いたことなのだが、横島忠夫は美神令子を愛していたのだ。
ルシオラの件では、ルシオラを愛していたと思っていたが
愛されたから自分も愛していると錯覚していただけと気付いた。

自宅に籠り1ヶ月、自分の気持ちに気付いた横島は急な体調不良により病院に運び込まれた。
口から血を吐き、徐々に体力を失っていくが、医学的には何も原因は見当らなかった。

神界からヒャクメきて調べてくれた結果、霊基構造が崩壊してきていることが分かった。
魂の大半に魔族の霊基構造を取り込んで生き永らえたが、
ここにきて急に人間と魔族の霊基構造が反発しはじめたのである。

解決の手段は見当らずヒャクメの予想では残り2週間程で霊基構造が崩壊することが分かった。


横島には生への未練は無かった。自分の愛する美神令子はいなくなったのだ。

ただ美神が過ごす未来が欲しかった。文珠を使えば過去に戻ることもできるが、
神・魔族の封印により直接の過去には行くことができないし、自分もあと少ししか生きられない。

では平行世界の過去にはどうだろうか。それも、東京に移る10歳頃まで戻れれば。
『平』『行』『世』『界』『横』『島』『忠』『夫』『十』『歳』『迄』『転』『移』と文珠を使えば
その世界で生きることはできなくても、その世界の横島忠夫に干渉することはできるのではないか。

自分にはもう時間が無い。できることはやってから死にたい。ならば戸惑うことは何もない。

痛む体を『鎮』め、病室から飛び出てアパートに戻り着替えた横島は、光と共にこの世界から消えた……。


<平行世界・横島忠夫10歳誕生日>

大阪の自宅にて両親や銀一・夏子ら友人に誕生日を祝ってもらい誕生日会を終了した夜、
自室に戻った忠夫の前に光と共に知らない青年が現われた。

「静かにしてくれ。ただお前に伝えたいことがあって俺はここに来た。」

そう話しながら青年は『防』『音』『結』『界』と書かれた珠を忠夫の部屋に使った。

「な、なんや〜!!泥棒か!?俺ん家にはなんもないで〜!助けて〜神さまぁ〜!」

「違う!とりあえず話を聞け!」

と言いつつ忠夫の頭をぶん殴る青年。

「俺の名前は横島忠夫。平行世界の未来から来たお前だ。とりあえず俺の記憶を見せてやるから見ろ。」

そういって青年は『記』『憶』と書かれた珠を忠夫に押し付けた。
忠夫の中で青年・横島忠夫の記憶が流れた。

「何や俺GSの素質があるんか?お前はこの美神って言う姉ちゃんに会いにきたんか?」

「いや、記憶を見ての通り俺に残された時間は少ない。
ただもっとましな未来が見たかっただけだ。お前に俺が手に入れた知識と経験をやる。
この世界は俺のいた世界と違うからまったく同じ現象とは違うだろうが、
俺の知識と経験からお前の意思でより良い未来を選んでくれたらいい。」

「タダで貰えるモンやったらもらうけどええんか?美神の姉ちゃんと関わらんでええのか?」

「それはお前に任せる。できれば美神さんは幸せになってもらいたいけどな。」

「わかった。近いうちに美神の姉ちゃんに会いに行くわ。
どれだけのことが俺にできるかわからんけど、もうちょい幸せになってもらいたいからな。」

「よろしくたのむ。それじゃあ俺の知識と経験をわたすな。」

青年・横島より『写』した知識・経験の文珠を少年・忠夫に押し付けた。
さらに何も書かれていない文珠を10個と『記/憶』と書かれたアシュタロス事件時に使った
双文珠を少年・忠夫に与えた。

「今のお前には霊力不足でチャクラの制御を覚えない限り文珠は作れないだろう。
まずはこの文珠でチャクラの操作を覚えろ。
そうすればチャクラの制御ができるようになり、文珠を自力で作れるようになるだろう。
あと、この双文珠に俺の記憶を書き込んでおいた。忘れてしまったらこの双文珠を使え。」

「ん、わかった。んでお前はどうするんや?もうちょっとしか生きられんのやろ。」

「この世界のどこか誰もいない場所に行くつもりだ。
元の世界の正確な座標がわからないし、戻ったところで何かをすることも無いからな。」

「……そっか。じゃあがんばって俺も自分を鍛えるわ。」

「おう、がんばってくれ。じゃあな!」

そして青年・横島は消えていった。


翌日、忠夫は目覚めた霊能を両親に見せ、将来GSになりたいと伝えた。
両親は息子の正気を疑ったが、覚悟を込めた息子の眼を見て、
「じゃあ、がんばり。」と言ってくれた。

それから忠夫は自分の霊力・肉体を鍛え、文珠によるチャクラの制御を学んだ。

そして数ヶ月後、父親の転勤に伴い、東京に転校した。


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はじめまして。マハラジャです。

今回初めて小説を書いてみたのですが、難しいですね。
これまで一次・二次問わず多くの小説を読んできましたが、
実際に書くとこれほど難しいを思いませんでした。
世に書く小説家さんがすごい偉大に思います。

この小説を書くきっかけはGSの世界の主人公たる”美神令子”が
SSの世界ではカップリングとして少ないと感じたからです。
横島×美神を探していたのですが長編ではあまり見かけなかったので、
ならば一回自分でも書いてみようと思ったのです。へたくそですけど。

それで実際には再構成モノを書こうかと思ったのですが、
美神令子の性格があまりにもカップリングとして難しいことに気付きました。
だから横島×美神って少ないんですね。たぶん。
じゃあってことで過去から性格をイジクレと思ってこんな作品になりました。

現在の生活上不定期な連載となるかもしれませんが、書くのが遅くても
がんばって書き続けたいと思いますので皆さんアドバイスのほど、
よろしくお願いします。

最後に管理人・米田様。
雑文でスペースを借りますが、今後ともよろしくお願いします。


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