『蛍魔ルシオラ・豊胸大作戦!!』
「と・ゆーわけでっ!」
だーっ! と天空に向けて右の拳を振り上げ、私は迸る気合を全身で表現した。
「いつまでも貧乳キャラと呼ばせないために、私は豊胸に挑戦しようと思うのっ!」
「……何が「と・ゆーわけでっ!」なんだかさっぱりわからないんだけど……」
後ろから、そんな控えめな声がかかってきた。
私はくるりと振り返り、その声の主――ベスパに、ずびしっ! と指を突き付ける。その動作で、左手の虫かごが揺れ、中の逆天号がころんと転がった。
「あなたにはわからないわっ!」
「いや、自信満々で言われても……そもそも、どういう話の脈絡なのさ?」
「そんなのどうでもいいでちゅ。ルシオラちゃんの胸はもう終わってるんでちゅから、頑張るだけ無駄へぶっ!?」
パピリオの台詞が終わるより早く、私の拳がその脳天にめり込んだ。
キジも鳴かずば撃たれまいってね。
ちなみにここは、とある駅のプラットホーム。ポチ――じゃない、ヨコシマは、土偶羅様が入ったカバンを持ったままトイレに行ったんで、今はいない。……いたらこんな話はできないわよ。恥ずかしくて。
私は、パピリオの脳天と自分の拳が「しゅうう〜」と煙を上げているのも無視して、真剣な眼差しをベスパに向けた。
「……ねえベスパ。私たちはアシュ様に作られたけど、心は私たち自身のものよ……」
「はぁ……まあ、そうなんだろーけど」
「私たちには自由意志があるわ。テン・コマンドメンツで行動が制限されているとはいえ、私たちは自分で考えて自分で行動する自由がある」
「それは……そのとーりだけどさ……」
「なら……」
「ってまさか……?」
ベスパが、不安そうに私の言葉に耳を傾ける。
「なら、私の心が任務ほったらかしで豊胸に走ったところで、何の問題もないわよね?」
「大有りだろうっ!? やっぱりそーくるかっ!」
大真面目に言った私に、なぜかペスパは即座に怒鳴ってきた。
「……やめたほうがいいでちゅ。ルシオラちゃんから真面目を取ったら、何の魅力もあぎゃっ!?」
「ともかくっ!」
私はパピリオの脳天にエルボーを落とし、そこからさらにウメボシにコンボを繋げつつ、ベスパに詰め寄った。両拳に挟まれたパピリオが「いたいでちゅよ〜!」と泣き叫んでいるけど、無視。
「私は逆天号が直るまでの間、ゆっくりと豊胸の研究に入ることにするわ! 協力は大歓迎! 邪魔や冷やかしはノーサンキュー! オーケー!?」
「豊胸の研究って……! ……あー……まあいいわ。勝手にしてくれ」
「は、離すでちゅよ、ルシオラちゃん〜! いたいいたいいたい〜!」
ペスパは何かを言いかけたが、結局は盛大にため息をついた。何かを諦めたような気配だけど、たぶん気のせい。パピリオは泣き叫んでいる。
「うんうん。わかってくれて、姉さん嬉しいわ」
私は、理解を示してくれた(?)二人に、感無量で頷いた。
「……もう何も言わないよ……」
「あら、それって無条件で協力してくれるってこと? 悪いわねー♪」
「どこをどう聞いたらそうなるんだ」
「だから無駄な努力でちゅって――いたいいたい! グリグリしちゃいやでちゅ〜!」
「それじゃさっそく、妖蜂で私の胸をちょちょいと突っついてくれないかしら? それで簡単に胸が大きくなるはずなんだけど」
「そりゃ腫れるだけだろう……痛いだけで意味ないよ?」
「……ちっ……」
「そんなこともわからなかったんでちゅか? ルシオラちゃん、とうとう壊れちゃったんでちゅね……あいたたたた! 頭が割れるでちゅ〜!」
私のナイスな提案に、けどベスパはダメ出ししてきた。聞こえよがしに舌打ち一つ。……結局、巨乳には貧乳の悩みはわからないのかしら。
と――そこに。
「……お前ら、何をやっとるか?」
「「「え?」」」
見ると、そこにはいつのまにか、土偶羅様の入ったバッグを背負ったヨコシマがいた。今の声は、そのバッグの中の土偶羅様だ。
「あ、あははは。なんでもないわよ?」
「……ふー……やっと解放されたでちゅよ……」
ヨコシマに聞かれるのも恥ずかしいので、私はパピリオを解放して取り繕った。パピリオは涙目になっている。
「ふむ……まあ良い。行くぞ」
土偶羅様に促され、私たちは秘密基地へと向かった。
――ともあれ。
こうして、私の豊胸大作戦は始まった。
目的地に到着した私たちは、ひとまず荷物を秘密基地――というか、まんま避暑地の別荘なんだけど――に置いた。
そして今、私はヨコシマを連れて、近所のスーパーへと足を運んでいた。
「ベスパにはタンパク質、パピリオには蜂蜜……っと。土偶羅様にはプルトニウムってとこなんだけど、どこで手に入るのかしら?」
つぶやきながら、適当に買い物籠の中に放り込む。ふと後ろを見ると、ヨコシマが無言で付き従っていた。
思えばずっと、会話らしい会話はしていない。たまに話しかけても、愛想笑いと適当な相槌が返ってくるだけ。
やっぱり……私といても楽しくないのかな。
ふと、足元を見る。
何の障害もなくつまさきが見えた。…………悲しくなった。
それにしても、と思う。パピリオは外見年齢的に問題外としても、ベスパのアレはなんなんだろう。同じ血――もとい、同じ霊基構造を分けた姉妹のはずなのに、なんでここまでの戦力差が出ちゃうの?
私とベスパの違いといえば、生まれた順番とベースにされた昆虫の種類ぐらいしかない。あとは……食生活?
…………はっ!?
ま、まさか!?
ベスパの主食はタンパク質よね。タンパク質といえば脂肪、脂肪といえば……胸!?
なんてこと!? ベスパは普段の食生活からして、あの胸を維持するために必要なものを摂取していたんだわ!
それに比べて、私といえば…………砂糖水……
「ワトソン君! 謎は解かれた!」
「へっ!? はっ!?」
「…………あ」
知らず声を上げてしまった私の目の前には、目を白黒させるヨコシマがいた。
いけないいけない。いきなり大声でわけのわからないこと言っちゃ、ただのイタイ女じゃない。気をつけないと。ルッシーちゃんったらうっかりさん♪ てへ♪
「なんでもないのよ、なんでも」
「は、はぁ……」
とにかく、タンパク質の摂取ね。私の主食の砂糖水は変えられないから、そこにどうやってタンパク質を加えるか……
タンパク質といえば、英訳すればプロテイン……でもそれだと、なんか筋肉質になるイメージあるのよねー。タンパク質を含んでいるものといえば、卵白とか牛乳とか……そういえば牛乳は、脂肪分も含んでいるから効果的じゃないかしら?
聞いた話によると、人間の女は胸を大きくしたい時に牛乳を暴飲して、しばしばお腹を壊すらしいわね。
普段なら馬鹿みたいって一笑に付すところだけど……なるほど。それは逆に考えてみれば、それぐらい効果が信じられてるってことよね。試してみる価値はあるわ。水の代わりに牛乳に砂糖を溶かせば、十分私の主食にもなりうるわけだし。
よーし! それでいってみよう! ルシオラちゃんがんばっ♪ おーっ!
…………
……
…
「って、効果が表れるまで待ってるほど時間ないじゃないのっ!」
「どうあっ!?」
清算を済ませ、スーパーから出たところで、私は思わず叫んでしまった。
……あ、またヨコシマが驚いてる。失敗失敗♪
「……なんでもないから」
「あー……そうっスか……」
考えてみたら、私の寿命はもう一年もないのよね。食生活変えて効果を確かめるのに、どう考えても一年じゃ目立った変化は望めないわ。
うーん……でも、だからって他になんかあるかしら……? いや、考えればいくらでもありそうなんだけどさ。
だって……ねぇ……? 一朝一夕で胸が大きくなる方法なんて、そう簡単にあるわけないじゃない?
たとえば……そうね。……ヨコシマに毎日……も……揉んでもらう……とか……い、いや、たとえばよ?
……でもそれだって、すぐに効果表れるわけないわよねぇ……そもそも冷静に考えてみれば、そんな方法取ったらすぐに行き着くとこまで行って、コード7に触れて死んじゃうじゃない。
それに、そうならなかったとしても、それはそれで女としての自信が粉々に砕けるでしょーし。……はぁ。
で、そのヨコシマは、すぐ隣にいる。何も気付いた風もなく、相変わらず少し緊張した様子だった。
……ねえ、わかってる? 私が、誰のためにこんなに悩んでいるのかって。
ため息ひとつ。私はヨコシマを促して、駐車場に停めてあった車に乗り入れた。
ともかく、砂糖牛乳はやるとしても、平行して別のことやっといた方がいいわよね。……どうしよっか?
…………
……
…
で、まあその後どーなったかってゆーと。
その帰り、一緒に逃げようって言ってくれたヨコシマの優しさに、私は一気に自分の想いが深くなるのを感じたわけで。
それで、直前の悩みなんか吹き飛んで、胸のことは後回しで一気に覚悟決めちゃったのよね。
けど結局、私を止めに来たベスパとの争いでテン・コマンドメンツのことがバレちゃって、ヨコシマは私を抱くことを拒否して逃げちゃったの。……こうなることがわかってたから、隠してたんだけどね……
でもヨコシマは、去り際に必ずアシュ様を倒して私たちを解放するって約束してくれた。人間なんかがどう頑張っても、魔神であるアシュ様には敵うはずがないんだけど……不思議ね。ヨコシマの言葉は、なぜか信じられた。
「うわーん! ポチーッ!」
傷の癒えた逆天号のデッキの上で、パピリオが泣き叫んでいる。
あの子、ヨコシマに懐いてたからなぁ……ごめんね。ヨコシマが逃げちゃったのは、私が原因だから。
でも、ヨコシマはすぐに私たちの前に戻ってくる。一年という寿命、そしてテン・コマンドメンツっていう束縛から、私たちを助けるために。
そして、その時のために――そう。私も頑張らなきゃいけない。豊胸の努力を。
ヨコシマが私たちを解放して驚かせてくれるなら、こっちも胸を大きくして驚かせてやるんだから。楽しみにしてなさいよ、ヨコシマ〜♪ うふふふふふ。
……で、具体的にはどうしようかしら?
私は買っておいた女性週刊誌をぺらぺらとめくりながら、考えにふける。手がお留守になってるから動かしているだけで、内容なんて読んでない。
牛乳は沢山買い置きしてあるからいいとして、揉んでもらうってのはとりあえず却下。相手がいないし、自分でやるのは……なんていうか、負けた気がする。ベスパの妖蜂に刺してもらうのは単に腫れるだけだし、第一ベスパは協力してくれない。……ケチ。
さて、それじゃあとはどんな方法があるかしら…………ん?
……んんん?
私の目は、ただめくるだけだった女性週刊誌に釘付けになった。
そこに載っていた広告――その謳い文句。
――これで明日から、男は皆キミの胸の虜となる! 檜山修之の声で叫んで使おう! 貧乳湾曲! バストアップドライバァァァァッ!――
「これだあああああっ!」
思わず叫んでしまった。なんか胡散臭さ大爆発だけど、細かいことは気にしない! 早速購入! 連絡先はっと……メモメモ。
さーて……見てなさいよ。これであっと驚く巨乳になってみせるんだから。うふふふふふふふ♪
――それから――
「……おかしい……」
メインブリッジで、土偶羅様がぽつりとつぶやいた。
「なぜ、人間どもにこちらの位置がばれるのだ?」
逆天号が全快してからというもの、散発的に人間の攻撃を受けていた。
前回の敗戦のこともあるし、迂闊には応戦しない。相手の策に乗らなければ、人間の兵装ごときで逆天号を落とされるなんて有り得ないし。
それに、こっちの第一目的は、メフィストの持つエネルギー結晶。無関係の人間を相手にしてやるほど、暇じゃない。
私たちはそれらの追撃を適当にやり過ごし、今はとある草原に逆天号を停め、半舷休息を取っていた。
「ルシオラ、何か心当たりはないか?」
「いえ、特に何も? 一応艦内を総チェックしましたけど、発信機らしきものは見当たりません」
「そうか……」
土偶羅様は頷くと、再び思考に没頭した。正直、どんなカラクリがあるのか、私にもわからない。
「ベスパとパピリオは?」
「二人がわからないのに、あたしにわかるわけないだろう」
「右に同じでちゅ」
「困ったわねぇ……」
ふぅと一息ついて、私ももう一度考えてみる。スパイだったヨコシマはもういないし、逆天号に残っていたヨコシマのものと思われる通信鬼も破壊した。この艦が捕捉される要素は、残ってないはずだ。
しばし、全員で考えていたが――
「……わからないものを考えても仕方あるまい。お前ら、もういいから少し休んでおけ」
「「「はい(でちゅ)」」」
土偶羅様の言葉に、私たちは揃って頷いて従った。
そして、めいめい自分の部屋に戻る。
「あ、ちょっとルシオラ」
「なに?」
部屋に入ろうとしたところで、ベスパが私を引き止めた。彼女の部屋は私の隣だ。
「最近、部屋に篭って何してるんだい?」
と、ベスパは不審げに訊ねてきた。
「……知りたい?」
「また変な装置作ってるんじゃないだろうね?」
「人をマッドサイエンティストみたいに言わないでよ。そんなことしてないわ。見なさい」
言って、ドアを開いて中を見せる。
「……機械が山積みになってるね」
そう。私の部屋には、一見するとなんだかわからない器具が山と積まれていた。
「これ、ルシオラの発明品じゃないの?」
「違うわよ。人間の作った製品」
「ふぅん? 人間の技術でも研究してるのかい?」
言いながら、ベスパはそのうちの一つを手に取った。
「ん……製品名が書かれてるね。なになに……『琥珀印の豊胸マシーン・まさきゅーシステムType−R』――ってルシオラぁっ!?」
「何よ。悪い?」
「いや、悪いとは言わないけど……まだ続けてたの?」
「当たり前じゃない。恋する乙女は止まらないのよ」
「……あんまりポチに入れ込んでると、テン・コマンドメンツに触れる前にアシュ様に処分されちまうよ?」
「う……」
目を細め、苦々しく言うベスパに、さすがに私も言葉に詰まった。ヨコシマに再会する前に処分されるのは、やっぱり避けたい。
「……ま、もう止めはしないけど、ほどほどにしといてくれよ。あたしだって、ルシオラを失いたくはないんだからさ。
で? いったいいつ、こんなに溜め込んでたのさ? やっぱ、前に秘密基地に潜伏してた時かい?」
「あー……通販よ、それ」
――ぴしり。
……あれ? ベスパ、なんか固まった?
「ルシオラ……今、なんっつった……?」
「何って……通販って言ったのよ」
「まさか……逆天号の位置を教えてるわけじゃ……ないよな?」
「当たり前じゃない」
とんちんかんな質問をしてくるベスパに、私はさも当然とばかりに頷いた。
その答えに、ベスパはほっと胸を撫で下ろす。
「そ、そっか。良かっ――「こっちの場所教えないと、品物が届かないからね」――やっぱりお前が原因かああああっ!」
「えっ? な、何?」
いきなり怒鳴りだしたベスパに、私は驚いて目を白黒させた。何? 私、何かまずいことした?
「何? じゃない! どーも人間どもに位置を知られてて変だなって思ってたら、ルシオラが位置教えてたのかよ!」
「そんなことするわけないじゃない」
「してる! 思いっきりしてる! 通販の人間に、しっかりと現在位置を教えてるだろーが!」
顔面のデッサンが崩れかけるほどに怒鳴るベスパの言葉を、私はしばし吟味する。
…………
……
…
はっ。
「そ、そんな! なんて運命の悪戯!?」
「きっぱりはっきりしっかりと人災だああああああっ!」
――そんなわけで――
私はベスパの手で、強引にアシュ様の前に連行させられた。
で――アシュ様の前。
「……話は聞いた……」
ベスパの報告で目覚めたアシュ様は、その内容を聞いて……なんというか……苦虫を百万回ぐらい噛み潰したような顔をしていた。
……あんまり気に病むとハゲますよ?
「誰のせいだ誰の」
「心の声にツッコまないでください」
「そんなことはどうでもいい。ともあれ、このままお前に奇行に走られて、計画がこれ以上遅延するのは非常に困る。二度と余計なことに時間を割かぬようにしてもらわんとな……」
「ま、まさか……」
その言葉の意味するところを察し、私は自分の顔から血の気が引くのを感じた。
「アシュ様は、私に豊胸の努力をするなと!?」
「当たり前だ! そもそも、無意味なことに時間を割いているほど余裕はないのだぞ!?」
「無意味ってなんですか! そんなこと、やってみなければわからないじゃないですか!」
「いや……わかるのだよ。私はお前の創造主なのだからな」
「え……」
急に声のトーンを落として言ったアシュ様の台詞に、その意味するところを察して私は今度こそ青ざめた。
「ど……どういう意味でしょうか……?」
「説明せねば納得しないようだな……よかろう。だが、聞いて後悔するなよ」
聞きたくなかった。本能が、聞いてはいけないと警告をかき鳴らしている。
だけどアシュ様は、断っても語ると言外に言っていた。
「お前達三人は、昆虫をベースに同じ霊基構造を分け与え、作り出した姉妹だ。そして、お前達はそれぞれの昆虫の持つ特性を受け継いでいる。端的に言えば、ホタルをベースにしたお前は光を使った幻術、ハチをベースにしたベスパは妖毒、チョウをベースにしたパピリオは燐粉といった具合にな」
「は、はぁ……」
「ここまでは知っての通りだが、実は……残念ながら……な。
光を発するホタルは……オスなのだよ」
「…………は?」
えっと……はい?
今、アシュ様は何と言いやがりましたか? いまいち、聞き取れなかったんデスガ?
「いや、オスしか光らないというわけではない。しかしより強く光を発するのがオスの方なのだ。私はお前の能力をより強力なものとするため、オスのホタルをベースとした。
無論、私の力をもってすれば、オスから女性魔族を作ることなど造作もない。ベースがオスだとて、心配せずともお前は女だ。が――やはりどこかしら無理が生じるのは致し方ないことでな」
「それは……まさか、まさかまさかまさか」
「うむ」
ガタガタと震えながら、私は「まさか」を繰り返す。そんな私を見て、アシュ様は力強く頷いた。
「お前はそれ以上育たん。それどころか、よくぞそこまで膨らんだと言いたいぐらいだ」
何が、とは言わない。言う必要がない。その残酷な事実は、かの伝説の神槍グングニールのごとき鋭さで、私のガラスのハートを見事に打ち貫いた。
「嘘よおおおおおおおおっ!」
――私の叫びは、遠く東京都庁地下の霊動実験室まで届いたとか届かなかったとか――
――あとがき――
替え歌も駄目だということなので、修正しました。管理人様、ご迷惑をおかけしました。