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▽レス始

!警告!男女の絡み有り
18禁注意

「もしかしたら原作終了後あるかもしれないこと(その1)(GS)」

heckler (2006-09-18 00:52/2006-09-18 00:54)

注)直接的な言葉は殆ど使っていませんが、性的な表現がありますので、『肉』表記で18禁とします。

11月16日

今日ヨコシマにこのノートを貰った。どうやら日記と言うものらしい。日々あった事を書き記しておくものとの事。面倒だとは思ったがこれも保護観察処分の一環らしい。

書き方が良く分からないので、とりあえずこうなった経緯を書いてみようと思う。酷く長くなるかもしれないが幸いヨコシマは隣でいびきをかいている。呑気なものだ、隣にお前を殺そうとした魔族が居るというのに・・・。


話が逸れてしまった。まずはアタシの生い立ちからにしようか。
アタシは地竜族の一人として生まれた。祟りの予兆、白蛇として。
父は地竜族の長、母は長が戯れに相手した地竜族の娘。いわゆる不義の子というヤツである。
元々体の弱かった母はアタシを生んだ時に死んだと後で聞いた。となればいくら長の子供とはいえ望まれなかった子供、しかも白蛇を引き取ろうと思う酔狂な者など居らず、生まれたときからアタシは一人だった。
竜神族からは白蛇という理由だけで疎まれ、さらに地竜族からは長の不義の証として蔑まれ、頼るものもなく、生きていくには罪を犯すしかないアタシが神族から堕落するのは決まっていたとしか言いようがない。
持って生まれた高い能力と命を懸けた駆け引きの繰り返しの中でいつの間にかアタシはブラックリストに名前が載るほどの悪党となっていた。そして、ヨコシマと初めて出逢った。

当時アタシは雇われテロリストのようなものをしていて、竜神王に恨みを持つ者から依頼された天竜童子暗殺計画の時に邪魔してきたGS・・・美神令子の助手がヨコシマタダオであり、その時は霊力も殆どない只の五月蠅いニンゲンであった。その時はその程度の認識でしかなかった。

アシュタロスと出会ったのはちょうどその後だ。と言っても実際に会ったことはないが。
アタシは天竜童子暗殺を失敗したせいで、自身の評価がガタ落ちしていたことに焦っていた。
どうにかして汚名返上しようとしていたところにアシュタロスの使いから手下にならないかと誘いが来たのだった。
アシュタロス一派が最高指導者達の眼を欺いて目的を遂行するためにアタシのようなヤツが派手に暴れまわる必要があったのだろう。そんな風に言えば聞こえが良いが、所詮は捨て駒である。
だが、そんな事が分からないほど焦っていたのだろう。アタシはすぐにアシュタロスの部下になった。
その後の運命など考えもしないで・・・。

アシュタロスの部下としての仕事は散々たるものであった。GSに味方を紛れ込ませる計画は伊達雪之丞の裏切りであっけなく潰え、香港でのアジア魔界化はあともう一歩というところで失敗した。
二度もミスした者に大事な仕事を任せるほど馬鹿ではなかったアシュタロスはアタシを月の魔力をアシュタロスの基地へと送信するという閑職へと追いやった。
本命の目的があって、たとえ失敗しても・・・いや失敗を前提とした仕事など屈辱でしかない。

しかしそれさえも失敗し、アタシは宇宙空間に投げ出されてしまった。これらの全てにヨコシマが関わって・・・重要な役割を演じており、アイツのせいでアタシの人生は狂わされっぱなしと言えなくもない。


もうずいぶん遅くなってしまった。なんだか、アタシも眠くなって来たのでもう寝ることにする。この続きは明日にでも書こう。


11月17日

今日は日曜日、ヨコシマは朝から文珠の作成に忙しい。アタシの命を助けるために色々と働きかけをお願いしたヒトたちへのお礼らしい。

確かに小竜姫やワルキューレなどはかつての敵だったアタシを救うためにずいぶんと頑張ってくれたようだ。しかし、美神令子へ渡す文珠が一番多いというのはどういうことだろう?アタシの事を最後まで信用していなかったのに。
ヨコシマなら何か知っているかもしれないと思い聞こうとしたが、声を掛けるのも躊躇われたので大人しくじっとしていた。


さて、昨日の続きでも書こうか。
宇宙空間に放り出されたアタシは殆ど力を使い果たしてはいたが死んではいなかった。
仮にも神魔族の一柱。ニンゲンじゃあるまいし宇宙空間に放り出されたくらいでどうにかなるわけもなく、熱遮蔽板に紛れて地球へと無事生還を果たしたわけだ。
ただ、生身で大気圏突入という無理が祟りアタシの身体は崩壊寸前であった。仕方無しにアタシは再び身体を捨てることにした。
しかし、寄り代となる体がない。
どうしようかと困りきっていたアタシの耳にうめき声が聞こえた。よく見ると近くの地面にヨコシマが埋まっていたのだった。
渡りに船とばかりに残りわずかな力を振り絞ってヨコシマに近づき、またもやヨコシマの体内に乗り移った。

しかし、どうしたわけかこの時はヨコシマの身体から殆ど霊力を得る事が出来ず、自身の維持に使ったら全く残らなかったので、いつまで経ってもヨコシマの身体から出ることが出来なかった。
でも、復活したらデタント派、アシュタロス派の両方から命を狙われるであろうアタシにとって外にまで出てやらなきゃならない事は無かったからそれほど困らなかった。まぁ、ヨコシマの身体の中は居心地が非常に良く、ずっと居たいと思ったのも当時は必死になって否定していたが、確かに理由の一つではあったのだが。

こうしてヨコシマの体中でこっそりと生活していたが、そこでヨコシマタダオという人物についての評価が随分変わった。
まず、ヨコシマタダオは美女と見れば見境無しに襲い掛かるケダモノと思っていたが、意外反撃がある相手にしかセクハラしていないという事が明らかになった。美神にはするのに氷室にはしないのが良い例だ。
しかし、なぜそんな事をするのだろう?未だ良く分からない。あと、昔のアタシには散々セクハラしてきたのに今のアタシには何もしてこない。別にヨコシマだったらそんなに嫌じゃないんだけどなぁ。

あと、人外の者であっても、見た目や種族として見るのでなく個人として扱ってくれるということも分かった。
白蛇というだけで疎まれ、ブラックリストに載っているからという理由で恐れられてきたアタシにとって、今までの価値観が崩壊するほどの衝撃であった。でも、決してイヤではなかった。
そしてヨコシマに好意を持ち始めたと自覚したのもこれに気付いたからだった。

ただ、毎晩のようにエッチなビデオを見てその・・・していたのはとても恥ずかしかった。
ニンゲンの男はみんなこうなのかなぁ?それとも、「煩悩魔神」って言われているヨコシマだけなのだろうか?

とりあえず、ヨコシマの体内の生活は霊力の回復が見込めないのを抜きにすれば大変快適で、何も考えずとも身体の維持に必要なだけの霊力は得られるし、ヨコシマとその周りのニンゲン共を見ているだけで飽きなかったのでアタシは当分ヨコシマの中から出るつもりは無かった。
しかし、あの事件の後、どうしてもヨコシマの中から出たいと思うようになった。


また、長くなってしまった、流石に徹夜するつもりは無いのでもう寝ることにしよう。


11月18日

今日ヨコシマは朝から学校へと行っているのでアパートに一人でお留守番。やる事もないので一昨日からの続きを書こう。


ヨコシマの体内での生活は、命のやり取りしかしてこなかったアタシにとって今を除けば唯一ともいえる安息の期間であったが、宿主のヨコシマはといえばアタシとは対照的に大きな戦いの渦へと巻き込まれていっていた。

ヨコシマはアタシが体内に居る事も知らず、様々な出来事を経験していた。竜宮城に連れて行かれて乙姫に抱き付かれたり、ザンス王女の命を救ってお姫様抱っこしたり・・・。
なんだか腹が立って来た。もう寝る。


11月19日

今日、ヨコシマは美神のところへバイトに行くとのことだったので暇だったから付いて行った。

やっぱり美神はアタシを明らかに意識しつつ、無視している。美神とは何度も命のやり取りをしているのだから、アタシの存在自体が気に食わないのも分かるが、これは明らかにおかしい。
そういえばアタシの保護観察処分を受けるのにヨコシマの雇い主の許可が必要で美神に会いに行った時も散々ごねた上にまるで子供の癇癪かなにかの様にヨコシマを突っ放していた。なぜだろう?


さて、今日こそはこれまでの経緯を書き切ってしまおう。
ヨコシマは月での戦いの後ヨコシマの心に大きな傷を作り、そしてアタシが本気で復活したいと思うようになり、実際に復活の鍵となった、三界を揺るがす大きな事件へと巻き込まれていった。俗に言うアシュタロス事変である。

具体的に書くと時間とページがいくらあっても足りないから必要なところだけ書く。
ヨコシマはこの事件で、アシュタロスが作った魔族・・・ルシオラと恋に落ち、そのルシオラをアシュタロスの呪縛から解き放つためだけにニンゲンの身で魔神に戦いを挑み、ルシオラを庇って死に掛け、そのルシオラの命を貰って生き返り、結局ルシオラの復活を犠牲にして魔神アシュタロスを斃した。

この結果、ヨコシマの心にはルシオラの命と引き換えに世界を救ったという大きな傷を残した。アタシだけが知っているが、アシュタロス事変が終わったあとヨコシマは普段はいつもと変わらないように振舞っていたが、一人になるといつも本当に辛そうにしていた。
アタシはそんなヨコシマを見て、胸が張り裂けそうな気持ちがし、どうやってでも復活してヨコシマを慰めたいと思うようになった。

あと、この時から、ヨコシマの夜のアレがなくなった。やっぱりルシオラのことで自責の念に駆られているのかと思うとなんだか切なくなった。ただ、ここまでヨコシマに思われているルシオラに嫉妬もした。

幸運なことにヨコシマの体内にルシオラの魂が入ったことが原因か、アタシはヨコシマから復活のための霊力を得ることが出来るようになった。その結果、暫くしてアタシは無事復活したのだった。
ヨコシマは驚いていたが、アタシがヨコシマに危害を加えるつもりがないこと、そしてアタシがヨコシマの心の傷を知っていて、その上で一緒に居たいと言ったこところ、ヨコシマはアタシを自分が責任をもつから保護観察処分にしてくれるようにと様々なヒトに頼んでくれた。
こうしてヨコシマとアタシとの生活が始まった。それが1週間ほど前だ。そして今へと至る。

ちなみに、アシュタロスがコスモプロセッサで復活させたアタシは、コスモプロセッサの原理上アタシ自身を復活させたのではなく、宇宙の卵から引き出した別世界のものであった。
だって、アタシ「アシュ様」なんて言わないもん。


11月20日

今日ヨコシマは学校だからアタシは留守番している。
保護観察処分が決まった時につけられた結界のおかげで、アタシはヨコシマの部屋から出られないようになっているはずだからだ。
まあ納得は出来ないが理解は出来る。アタシみたいな極悪魔族はいくら改心したとはいえ、いつ悪事を働くか分かったものではないと思ったのであろう。だから檻同然に閉じ込めておくことでへんな事を出来ないようにさせたいのだろう。

でも結局、ヨコシマはすぐに文珠で結界の効果を誤魔化せるようにしてくれたので、実際は自由に外に出られた。だからヨコシマのところから逃げようと思えば出来ると思うが、アタシはヨコシマの元を去るつもりはない。ヨコシマの家にはアタシが外へ出られないようにするためのかなりの結界が張ってあったのでアシュタロスの残党や神族の過激派などが襲ってきたとしても身を守るにはもってこいだし、ヨコシマは神魔族にさえ遅れをとらない位の使い手でアタシのこと守ってくれるって言ったし、ヨコシマの部屋はなんだかうまく言えないけどあったかいし。


11月21日

今日も部屋でお留守番。暇だけどやることもないので日長一日ボーっとしてた。

基本的にアタシは一人で外に出ることはない。建前上外に出られないことになってるし、一応神魔の一員であるアタシは周りにある霊力を吸収すれば良いのだから、ニンゲンの様に三度の食事は必要ない。
強いて言えば霊力を含む物なら栄養(?)になるかもしれないけど、ヨコシマの部屋はなぜか非常に霊力に満ち溢れていたのでそんなことをしなくても問題は全くなかった。

自分の好きなものを少量食べる(ないし飲む)程度のことをするヤツ等もいるが、大体ソイツ等は純粋な魔族ではなく他の生物だった者達で、元の生活様式や嗜好が抜け切れてないだけである。まぁ、子供の証明かしら。


11月22日

今日もヨコシマは学校なので、一人でお留守番。
昨日と同じようにやることがなかったけど、ヨコシマが帰ってきたときに晩御飯が出来ていたら驚くかなと思い、晩御飯を作ってあげることにした。

自分で言っては世話ないがアタシはこう見えても結構家庭的な性分で、部屋の掃除や洗濯なんかは大体アタシがやっている。しかし、料理はやったことがなかった。ヨコシマがマズイなんていったらヤだから怖くて作ってなかったけど、このままじゃなんだか負けたみたいな気がするし挑戦してみることにした。

女は度胸よ。チャレンジあるのみ!

味見はしたけど、ヨコシマが帰ってくるまで不安でしょうがなかった。でもヨコシマはアタシが晩御飯を作ったって言ったら、少し驚いた顔をした後、ほっとするような笑顔で「ありがとう。」って言ってくれた。

あと、ヨコシマが食べるのをドキドキしながら見てたけど、ヨコシマは「旨い」って言ってくれて、頭を撫でてくれた。
なんだか凄くうれしくなっちゃった。


11月23日

今日はヨコシマと一緒に買い物に行った。
とりあえず、ヨコシマの日々のご飯とそれからアタシの日用雑貨に服。

服を買いに行った理由だけど、アタシはヨコシマの体から復活してから全く着替えることをしていなかった。ヨコシマの中から出てきたときに着替えなんて持っているわけないし、ヨコシマの部屋に女物の服なんてあるわけもない。アタシは別にいつも同じ格好でも良かったんだけど、ヨコシマが「女の子がそんなんじゃダメだ。」って怒ったので大人しく付いて行った。
でも、ヨコシマもあんまり女のヒトの服に詳しくなかったので結局店員さんに全部選んでもらったんだけど。
ちなみにアタシとしてはどうも着心地がよくないが、大人しい感じにコーディネートされてしまった。でもヨコシマが少し惚けた後、凄くかわいいって言ってくれたので心の中で店員さんに感謝。

11月24日

今日はヨコシマとケンカをしてしまった。なんだか凄く落ち込んでしまう。

原因は嫉妬。ヨコシマの心の中にいるルシオラに。
ちょっとした事でヨコシマの中に居るルシオラが顔を出す。たとえどんなに時間が経っても、どんな事をしていても、ルシオラはず〜っと横島の心の中にいるんだろう。

そんな風に考えると、自分が惨めに思えて、当り散らすアタシを見てヨコシマはずっと困ったような顔をしていた。それが余計アタシを惨めにして、アタシは押入れの中に逃げ込んだ。
押入れの中でヨコシマを困らせた後悔なのかこんな状況でもヨコシマの心の中にルシオラがいることが悔しいのか良く分からない涙を流していると、さっきまであったヨコシマの気配が消えていた。不安になって押入れの襖を少しだけ開けて部屋をのぞいてみたがヨコシマはいなかった。
慌てて押入れから出て、あまり広くも無い部屋の中を必死になって探したがどこにもヨコシマはいない。自分が呆れられたのだと思ったらさっきの惨めさなんか比較にならないくらいの寂しさが襲ってきた。
ヨコシマがいなくなったらアタシはまた一人ぼっち。ヨコシマに逢うまでは一人でいる事になんにも感じなかったけど、近くに誰か居ることのぬくもりを一度覚えてしまったらもう離れられない。

あまりの孤独感にシクシク泣いていると、玄関のドアが開きヨコシマが「ただいまー。」と言いながら帰ってきた。その安堵感に我を忘れてヨコシマに飛び掛ってしまった。
ヨコシマは慌てながらもアタシをしっかりと受け止めて「なっ、どうしたんだ?」と尋ねてきた。アタシがドコに行ってたんだと聞くと、ヨコシマは「お前が好きなオレンジジュースを買いにな。」と。なんだかうれしくなっちゃってまた泣いてしまった。
ヨコシマはその間中オロオロしながらも、ずっと頭をなで続けてくれていた。

11月25日

今日は部屋の大掃除をした。昨日は気づかなかったけど、押入れの中にカバーの着いた本を大量に発見。
ヨコシマ曰く「漢のロマン」らしい。なんだかイヤな予感がしたので全て捨ててやろうとしたら、ヨコシマが血涙を流しながら土下座してくるものだからついつい赦してしまった。
でも、「漢のロマン」ってなんなのだろう。良く分からないがヨコシマのイヤがることをして嫌われたらイヤなので止めたが、今度暇があったら読んでみようかな?

でも、ヨコシマは捨てようとしたときはあんなに必死に止めようとしてたけど、あんまり大事そうにしている様でもないし、どういうことなんだろう?

11月26日

今日はヨコシマが居なかったので予ねての懸案、「漢のロマン」とは何ぞや?の疑問の答えを出そうとした。とりあえず、手近な「漢のロマン」をひとつ手にとって見た。

・・・結局ビデオと同じか。こんなのが好きだなんてヨコシマはやっぱりケダモノなんだろうか?アタシにもこういうことするのかなぁ?

ヨコシマに迫られたら受け入れそうだけど、・・・縛られるのはイヤだなぁ。


11月28日

昨日、ヨコシマに抱かれた。
敢えて書くけど無理矢理ではない。むしろヨコシマはアタシの事を優しく扱ってくれた。童貞だったくせに。しかし、アタシも人のことは言えない。アタシも初めてだった。

結果的にアタシにとってはかなりの重大な出来事となったが、きっかけは些細な事だった。
別に構わないとは思うのだけど、一応女と二人暮らしをしている訳だから少しは気を使って欲しいのと、なんだかヨコシマがそれを読んで歓んでる姿を想像するとイヤな気持ちになったから、昨日の「漢のロマン」を彼の居ないうちに捨てようとしていた。ところが、束ねて捨てに行こうとした時数冊が床に落ちてしまった。

アタシはそのうちの一冊を手に取ったところ、今まで読んだ事のないのだったのでつい何気なく読んでしまった。別にヨコシマがどんなのが好きか気になったわけじゃない。絶対に違う。・・・多分。

その本は見た目普通の小説だが、男と女のソレが含まれるモノであった。タイトルは「掟に背いて」。
そんなに大したものではなかったのだが、内容がいけなかった。
人間(男)と魔族(女)が敵として出会いながらも心惹かれあい、体を重ね、そしてそれぞれの陣営から手に手を取って抜け出す。
人間(男)には思いを寄せている女が敵味方問わず沢山居て、(男への色仕掛けで)二人を引き離そうとする。
それでも二人はお互いを信じあい、最後には女が男を庇って死んでしまうというものであった。
まさにヨコシマとルシオラを彷彿とさせる内容だった。

アタシはソレを読み進めていく内に気づいてしまった。ヨコシマが、それこそ明らかに手垢で汚れているのが分かるくらい、何度も何度も女が男を庇って死んでいく下りを読み直していることを。
なんだか決定的に負けた気がした。もう読みたくなかったが、せめて最後まであと数ページだからと読み続ける。

そこで男は女のことを吹っ切り最後まで二人を支えていた別の魔族の女とその・・・アレをしていた。その中のワンフレーズにヨコシマは線を引いていた。アタシにとっては救いとなった言葉を。

「あいつのことを忘れる事は出来ないけれど、そのせいで俺を必要としてくれているヒトを悲しませることだけはしたくない。俺を必要としてくれるヒトはあいつと同じように俺の大切なヒトだから。」

その時ヨコシマが帰ってきた。
いつものように瓢瓢として部屋に入って来たが、アタシが座り込んで泣いているのを見た途端慌てて駆け寄って来た。
そして、アタシが泣いている理由を訊こうともせず、アタシが涙を拭っている間ずっと頭を撫で続けてくれた。
そのことが、本の内容と頭の中でリンクしてしまい、そういうことに殆ど免疫もないのにアタシの女としての部分は男としてのヨコシマを求めてしまった。
ヨコシマが心配そうに顔を覗き込んだ瞬間飛び付いて生涯三度目のキス―全て同じ相手なのに体が違うからアタシにとっては全部ファーストキスだけど―をヨコシマから奪った。

ヨコシマは慌てているようだったが、途中からはアタシのことを抱きしめてくれた。
そして、アタシがヨコシマを欲しがっていることを伝えると、何度か念を押したあとアタシを抱いてくれた。
白蛇として生まれたアタシには優しくしてくれる竜族は居らず、堕落して魔族となったのちは信頼できる者など周りに居るわけもなく、行きずりの男に身体を許すほど馬鹿ではなかったので今まで男との経験がなかった。

そういう意味ではヨコシマ以外の男のソレを見たことがなかったのだが、ヨコシマのはとても大きくて少し恐かった。
アタシの中に入ってきたヨコシマのはとても熱く脈打っていて硬くてとても痛かった。
でもアタシが落ち着くまでずっと動かないで頭をなでてくれた時、信じられないほどの充足感を感じ、体内に浴びせ掛けられたヨコシマのはアタシを焦がしつくすんじゃないかと思った。

昨日の事がまだ頭から離れない。なんだか恥ずかしいようなうれしいような不思議な気分。まだアタシのアソコに何かが入っているような気がするし・・・。

ところで、ヨコシマは実はアシュタロス事変が終わってからアタシとするまで、その・・・大きくならなかったらしい。やっぱり、ルシオラを自らの手で殺したという自責の念からだろうかとヨコシマも言っていた。でも、アタシに対しては大きくなったっていうことがなんだかうれしかった。

でも、シテ以来ヨコシマのは元に戻ったらしい。ヨコシマは今日も求めてくるのかなぁ?


11月29日

昨日の夜も結局シちゃった。しかもヨコシマってばまだちょっと痛いのに激しいから途中で泣いちゃった。
そしたらヨコシマってば慌てちゃってすごく不安そうな顔をして謝ってきた。そのあとはすごくすごくやさしくしてくれて別の意味でないちゃった。


11月30日

昨日、ヨコシマは学校から帰ってきた途端アタシを求めてきた。
お風呂も入らず、晩御飯も食べないで、まだ日の高いうちからなんてちょっと破廉恥な気がする。
昨日のヨコシマは一昨日までと違って、凄く激しくてアタシの体壊れるかと思った。
あまりに荒々しかったから、アタシが少し涙ぐみながらやさしくしてって言ったらヨコシマ切れちゃったらしく、ぜんぜんやさしくしてくれないんだもん。
なかなか寝かせて貰えなくて、最後の方はもう気絶しちゃってたみたい。

さっきからヨコシマがアタシの後ろで正座している。原因は昨日のこと。
昨日のことでアタシが泣きながら文句を言ったのが相当堪えているらしい。
アタシはもう全然怒ってなくって、泣いたのもヨコシマをちょっと困らせるためのウソ泣きだったんだけど、ヨコシマは信じ込んでいるらしく、真っ青な顔をしていた。
噴き出しそうになるのを堪えながらヨコシマに背を向け、今こうして日記を書いている。
どうやら笑いを堪えているのがヨコシマには泣いているように見えるらしい、気配で凄くオロオロしてた。


ちょっと日記書くのが止まっちゃった。続き書かなきゃ。

ヨコシマが意を決してアタシに「あの・・・。」って声かけてきたんだけど、その声が裏返っちゃってたのが限界。
アタシ、お腹を抱えて笑っちゃった。
ヨコシマもそれで自分が騙されてたことに気付いたみたいなんだけど、その時のホッとした顔。なかなかの傑作だった。
アタシがびっくりした?って聞いたら、「嫌われたかと思った」って。
バカだねヨコシマは。アタシがオマエのことを嫌いになるはずがないじゃないか。あんたが嫌がってもアタシはずっと離れないよ。竜族は一度惚れたらしつこいんだから。

結局これくらいで赦してあげたけど、今度やったら承知しないからねなんて言ったら。ヨコシマったらコクコクと真剣に頷いていた。
その様子がなんだか可愛く思えてきて、抱きつきながら「今度やるときはもう少しやさしくしてね。」って言ったら顔を真っ赤にしちゃってた。でも、アタシも真っ赤だったんだろう。凄い恥ずかしかったもん。

で、今ヨコシマはお風呂なんだけど、今夜もスルのかなぁ?とりあえず綺麗に洗っとこ。


12月1日

今日はヨコシマの部屋の大掃除をした。ヨコシマはすぐに部屋を汚してしまうのでこまめに掃除しても、すぐに足の踏み場もなくなっちゃう。

で、今日は「漢のロマン」ビデオ編を捨てることにしよう。毎日アタシとシテるんだから必要ないもんね。一昨日やさしくしてくれなかったし。

帰ってきたヨコシマにアタシが少し怒った風に全部捨てたって言ったら、ヨコシマったら世界が終わったかのような顔をしていた。
バァカ。全部押し入れに隠してあるよ。その内返したげる。


12月15日
ここのところ横島の仕事に付いていって日本国内を飛び回ってて、日記を書くのを怠ってたから偶には書かないと。別に罰則はないらしいんだけど思ったことを書くのもなかなか面白いからね。
で、書くのは勿論ヨコシマとの事。いきなりこんな事書くのちょっと恥ずかしいけど、今まで書いてきたから大丈夫だよね。誰かに見せるわけでもないし。

ヨコシマのがキモチイイ。そう思えるようになったのはつい最近になってから。
それまではどうしてもヨコシマが激しすぎるのと、あたしが慣れてないのとで気持ち良いというよりヨコシマに求められるのがうれしいという気分だったんだけど、最近はヨコシマに抱かれると堪え難いほどの快感が襲ってくるようになった。こんな気持ち今まで感じた事がなかった。
あと、ヨコシマは毎日のように求めてくるけど、それだけアタシの事を欲してるのかと思うと言いようもない悦びが胸にあふれる。
なんだか濡れてきちゃった。
今日もヨコシマ求めてくるかなぁ?


12月16日

今日は口を使ったやり方を教えてもらった。
最初はうまくいかなかったが少しするとすぐに慣れた。最初はビクン!ビクン!って跳ねて怖かったけど、慣れてみると少し可愛く思えてきた。よこしまも幸せそうな顔をしていたのでもっと練習してヨコシマに悦んでもらわないと。

でも、ヨコシマの・・・ソレってやっぱり大きいのかな?お口に入りきらないよ。


12月17日

今日は胸を使ったやり方を教えてもらった。
なんだか自分の胸が別の生き物みたいで怖いような面白いような複雑な気分。ヨコシマは悦んでくれたからまたやってあげよう。


12月18日

今日は裸にエプロンだけって格好で台所でシタ。
ヨコシマがマジ泣きしながら土下座するもんだからついやってしまったけどこの格好は本当に恥ずかしかった。でもヨコシマが喜んでくれたからいいか。


12月19日

今日はアタシが上になってシタ。いつもはヨコシマにいろんな意味で泣かされてばっかだったけど、今日はなんだかアタシがヨコシマを襲ってるような感じがして少し新鮮だった。
ヨコシマも良かったらしく、またやってくれだって。


12月23日

最近身体の様子がおかしい。こんな事は初めてだ。病気でもないのに吐き気が続く、どうしたのだろう?
そういえば、ここの所きてない?
もしかして赤ちゃん?
人間と魔族の間に子供なんて出来たっけ?・・・前例がありすぎる。

ヨコシマはどう思うだろう?子供なんて生んで欲しくないだろう。やっぱり、ヨコシマに相談出来ない。
でも生みたい。ヨコシマとあたしの赤ちゃんだ。中絶なんて絶対にヤダ。
でもヨコシマが嫌がったら赤ちゃん生む自信なくなりそう。それに恐い。
でも生みたい。
でも恐い。
ヨコシマなら優しく包み込んでくれるかも。
でも嫌な顔されたらどうしよう。


12月24日

赤ちゃんの事黙ってるからなんだかヨコシマのことを騙してるみたいで、ヨコシマの顔が見れない。ヨコシマが近くに居ると胸が苦しい。

ヨコシマはあたしの様子がおかしい事を気にしてるみたい。でも何も言ってこない。
ヨコシマはどう思ってるの?
赤ちゃんのこと黙ったままヨコシマの近くに入れないよ。
でも、中絶はイヤ。怖いけどやっぱりアタシ生みたい。

でもヨコシマに言えない。

どうしよう。

怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。怖いよ。ヨコシマぁ。


「ヨコシマ・・・。」

「さ、帰ろう。」

「ご、ごめ「言うな」」

「で、でもっ・・・。」

「生んでくれ」

「えっ?」

「これを見て知った。」

それはアタシが書いた日記だった。

「悪いと思ったが床に投げ出されてたからつい読んじまった。」

「・・・。」

「その上であえて言う。俺の子供を生んでくれ。」

「ヨコシマぁ・・・。」

「これ」

「?」

「子供作るんだからこれくらいはケジメつけとかないと。給料3ヵ月分には程遠いけどな。」

「・・・。」

「嫌か?」

どうやらアタシは知らず知らずの内に涙を流していたらしい。不安そうなヨコシマの顔が見える。アタシは首を横に振った。

「うれしい。ありがとうヨコシマ。」

「違うだろ。」

「えっ?」

「これからはお前も横島になるんだから。」

「うん。タダオ。」


あちらこちらで役立たずと言われている神様の日記

某月某日

今日はヨコシマさんが結婚式だったから参加してきたのね〜。
あまりにも幸せ振りまくバカップル振りだったから控え室を覗いた内容をここに書いておくのね〜。


作者が妙に親近感を覚えてしまう神父様の居る教会。


「ねぇ。タダオ。これ似合う?」

「オウ。ばっちりだ。しかしこうなるって最初会った時は想像できなかったよなぁ。」

「やっぱりアタシみたいな魔族となんかじゃイヤ?」

「コラ。その考え方治せって言っただろ。俺はお前が好きだから抱いたし、好きだから結婚しようって思ったんだから。お前のお腹の中に居る子供に対する責任だけじゃないって何度も言っただろ。」

「でも・・・。やっぱり不安なの。」

「分かったから泣くな。・・・チュ。ほらこれでどうだ?落ち着いたか。」

「ぽっ。・・・うん。」

「そろそろ時間でちゅよ。新郎はさっさと行くでちゅ。」

「おっ。そろそろみたいだな。」

「あっ。タダオ。」

「どうした?」

「あのね。・・・大好き。」


まったくホント見てらんないのね〜。
あっ小竜姫が来たから今日はこれでおしまいにするのね〜。


end


あとがき
初めまして、hecklerと申します。この度は私の初作品を読んでいただきありがとうございます。
初物なのに『肉』表記で18禁。そして日記形式。しかも、丸わかりだけどヒロインの名前を一切出さずに書くという無謀な試み。
果たしてうまく行ったのか分かりませんが、一人でも「まぁ、良かったんじゃないの?」って思ってくださる方が居れば幸いかと思います。

ちなみにこれを書こうと思ったきっかけは、今から一月ほど前。
GS美神を何の気なしに読み返してたところ、月編ラストで彼女が弾き飛ばされた後が全く描いてなかったので、もしかしたら生きてるかも知れないと思い、そこから話を広げていきました。・・・一月もかけたのにうまくまとまっていませんが。

一応次へ向けて新しい作品も書いてはいるのですが、多忙なため時間的余裕を見つけては書くと言う形になるのでいつ投稿できるか分からない状態です。・・・見かけたら少しだけでいいので、やさしくしてください。

それではまたお会いできる日を楽しみにしております。

追伸:ラッフィン様がラブラブもの読みたいって言ったから思い切って投稿したんじゃないんだからね!絶対違うんだもん!最後の結婚のところなんて慌てて書き足してなんかないんだから!(ツン○レ?)


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